過去の日本の予測2005~2019 - 大六壬による測局


■ はじめに

 測局とは、世の中の情勢を予測するということで、中国占術の独特の用語です。
 本来、大六壬は個別の事件に対して占うために使われるものですし、そもそも期間の長い占いには向きません。しかし、大六壬の可能性を追求するのもまた私のテーマのひとつであり、ここに大六壬測局占法へのチャレンジをここにあげるものであります。
 このページは過去の予測を保存したものです。


- 目 次 -



2019年の予測の反省

 2019年は終わりましたが、中国占術の2019年は2月節分までで、まだしばらくありますが、例年通り正月休みの間に2020年の予測をする前に、2019年の予測の反省をしたいと思います。

 いつものように、2019年の予測を箇条書きにまとめてみます。

(1)変化が激しい年になる。
 キーワードは陰険、偸盗、陰謀、看護、一網打尽、遅滞、愚直、警察、軍隊、争事など。
(2)天気は変わりやすい。年の前半後半は雨が少なく、中盤は雨が多い。
 雨が少ないときは山火事や干ばつ、雨が多いときは水害など、気象災害は続く。
(3)大地震はなさそうだが注意は必要。南海トラフには要注意である。
 地震よりも火山か?方角としては東北、東南の可能性。
(4)参院選は無風。衆院解散や同時選挙はない見込み。与党が勝利。
(5)消費増税は実施されるが、経済が乱高下すればないかもしれない。
 その他の政治的な成果はなし。
(6)警察や自衛隊が強化される可能性がある。
(7)外交面では他国から圧迫を受ける。日米経済交渉や領土問題は厳しい。
(8)女性の活躍はあまり期待できない。内輪から足を引っ張られるかもしれない。
(9)社会情勢は不穏で、前半と後半に文書関係のトラブルや子供が巻き込まれる犯罪など。
 その他交通関係の事故、刃物を使った犯罪、疫病、通信トラブル、ネットによる詐欺など。
(10)社会を変革しようとか、起業、チャレンジ精神という活力が生まれるかもしれない。
(11)経済は乱高下するが、基調は前半は停滞、中盤に伸びるが、後半は景気がダウンする。
(12)よさそうな業界は、宴会、セレモニー、飲料、宝飾品、女性向け衣料、手近なレジャー。
 逆に自動車関連は苦しい。意外とシックなものが流行る可能性がある。

 以下に各項目に対する結果と反省を記します。

(1)について
 これはキーワードですのでとくにコメントはしません。(2)以下で具体的にみていきます。

(2)について
 2019年の前半についてはすでに7月に「前半をふりかえって」で触れていますので、後半についてみてみましょう。後半は何といっても台風でした。9月に15号、10月に19号と、大きな被害の出る台風や大雨がありました。まさに水害の連続で、被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。
 ところが11月から、とくに太平洋側は一転して雨の少ない天候が続いています。ただし日照時間はさほど長くはありません。
 干ばつはさすがに雨が多くてありませんでした。山火事については海外の山火事のニュースがクローズアップされて、日本の 山火事はあまりニュースになっていませんが、4月に広島で大きな山火事が発生しています。まあオーストラリアに比べればだいぶ規模は小さいですが…。今後、山火事が発生しないことを祈ります。

(3)について
 巨大地震というほどではありませんでしたが、6月に酒田で震度6強の地震が発生しました。震度5以上であると各所で発生しており、とくに東北とか東南とかとは言えません。いずれにしても地震への備えはおこたらずに。
 火山の噴火で目立ったものはありませんでした。

(4)について
 まあ、これは誰でも予想できたことですので、とくにコメントはありません。

(5)について
 ちょっと予防線を張ったのですが、その必要はなかったですね。何も六壬を使わなくても予想はつきました。さすがに政府、日銀の見解は景気はゆるやかな上昇を続けていると言っている以上、延期する理由はなかったわけで。また、その他の政治的成果はなかったですね。後半は桜問題で終始していますし。まあ日本は平和だと言えるのでしょう。

(6)について
 これは、五輪前であることや世界情勢を考えるとやむをえないかもしれません。ここでは憲法改正について論じるつもりはありません。あくまで六壬では勾陳の意味が強く出ると指摘したまでです。

(7)について
 これについてはすでに、7月の前半の反省で記したことなので繰り返しませんが、日本外交には珍しく、韓国に対しては攻勢に転じている印象です。しかし、これは多くの識者が指摘しているように、韓国のオウン・ゴールの感がします。それ以外の国からは圧迫されている印象です。ただ、個人的には、外務省(だけではないかもしれませんが)はまあまあ健闘していると思います。
 ところで、恃勢の刑について、庶民からトップへの目線が厳しくなると書きました。桜問題で安倍政権の支持率はやや下がってきているところです。ここで野党が失策をしなければ2020年は面白くなるのですが…。

(8)について
 女性で活躍したのはもっぱらスポーツでした。卓球やバドミントン、ゴルフなどなど。その他もいろいろ話題を提供してくれました。しかし、水泳の池江選手が白血病で療養を余儀なくされたのは個人的に残念です。というのは、彼女の学校の近くに住んでいて、活躍していたころは彼女の名前の書いてあった垂れ幕が下がっていたのですが、病気になって以降は、当然のことながら、垂れ幕は外されたので、何となく寂しい思いをしたもので。別に彼女のファンではないのですが、早く元気な姿で泳いでほしいものと心から思います。
 政治の世界ではあまり目立った人はいなかったですね。ただ経済界や言論界では女性の経営者や論客が増えてきて、喜ばしいことだと思います。

(9)について
 これも前半の反省で記したことですが、その他に今年話題になったのはあおり運転でした。また高齢者の事故も続いています。航空機事故は日本では発生しませんでしたが、ボーイング737の問題は決して他人ごととは思えません。
 通信トラブルもソフトバンクで発生しましたし、クラウド関係ではマイクロソフトでトラブルがありました。私は実害はありませんでしたが、情報社会の脆弱さを感じました。

(10)について
 これは日本で期待したのですが、期待したほどではありませんでした。世界をみればグレタさんのような女性が出ているのですが、日本では社会体制やこれまでの歴史や慣習からそういう若者は出にくいのかもしれません。ただし、私は、彼女を手放しで称賛するものではありません。しかし、大事なことは、彼女は政治家を叱咤していますが、政治家を選んだのは我々であり、彼女の批判の対象は彼ら(政治家)に対してだけではなく、我々にも向けられているということです。そうである以上、我々自身彼女の議論に向き合う必要があると思っています。向き合うとは意見をいうことではありません。

(11)について
 実は経済の予測が私の今の一番の関心事です。というのは、株はやっていませんが、投資にはいろいろと手を出しているもので(笑)。
 で、結論からいえば、部分的に当たったところはありますが、的中したとは言えない結果となりました。
 まず、経済は乱高下するという予測については、少なくとも対ドル為替に関しては全く外れてます。対ドル為替はほぼ無風状態でした。企業にとってはよかったでしょうが、為替予約のコストは無駄になったでしょうね。
 株式相場については、確かに年の前半までは下げ基調から伸び悩みで、消費増税の10月にかけて上昇しました。で、そこで失速すると思いきや、19年末まで上昇を続けています。ただ、一部では年明けから下げに入るという観測もあり予断は許しませんが。もし節分までに下げれば、予測の半分ぐらいは当たったことになるのですが、下げなかったら完全に外れですね。
 しかし、株価ということではなく、景気や企業業績についていえば、私の実感ではすでに景気は下降局面であり、むしろ株価の方が異常な動きをしているように思われます。
 私自身(の投資)としては、まだ動けない状況です。

(12)について
 宴会、セレモニー業界や飲料関係は、比較的堅調のようです。宝飾品やアパレル関係は伸び悩み。手近なレジャーということで、アミューズメント関係やホテルなどは伸びているようです。
 自動車関係は、車離れが進み厳しい状況、某N社はそれでなくても大変なようですが。
 ファッションについては全然詳しくないのでよくわかりませんが、地味な色というか落ち着いたコーディネーションが流行ったように思います。

 部分部分をみると予測どおりというところもあるのですが、私としては不本意な結果でした。2019年は変化がキーワードになると思っていたわけですが、天候を除き全般的には変化が乏しかったように思います。個人的にはいろいろあった一年ではありましたが。
 とくに経済面では為替をはじめとして膠着した展開となりました。この点が大きく外れていることに対して、私としては19年は予測が当たったとはあまり思えないでいます。とはいえ、年末まで株価は上昇を続けていますが、景気自体は結構減速していると思っています。この乖離はどこからくるのか?
 という問いに答えを出せないまま、懲りずに2020年の予測をします。その内容は別のページで。


(以上 2020年1月2日に記す)




2019年の予測の反省-前半をふりかえって

 2019年の前半が終わりつつあります。
 今年の大きなイベントである参院選も終わりましたし、今年の前半をふりかえってみたいと思います。

 天候に関しては、前半は雨が少なく、年の中盤は雨が多いと予測しました。気象庁によると、春は一部を除き降水量が少なく日照時間が長かったとのことです。ところが、7月に入り記録的な大雨が続いています。年の中盤は水害と予測していましたが、その通りになってしまいました。犠牲者のご冥福を祈るとともに、被災者の方々にはお見舞い申し上げます。悪い予測はあまり当たってほしくないのですが、悪い予測を立てて被害を最小にする努力は必要だと思います。悪い予測もなるべく確度を高めていきたいと思います。
 地震については、M6以上の地震が日向灘と山形沖で発生しています。今日は三重県沖で発生しました。もちろん場所によって被害はありましたが、昨年の北海道ほど大きくはありませんでした。場所は西南、東北、東南を予想していましたが、2件はいわゆる南海トラフ地震域です。8~9月に起きれば被害が出ると予想していますので、まだまだ予断は許せません。
 元号についてはすでに書いたので省略します。まあいい元号なのではないでしょうか。
 参院選は終わりました。ほぼ予想通りです。しかし、一番ありそうなことを予想したので当たって当然といえるでしょう。衆参同時という話もありましたが、首相が理性的に対応したということでしょう。
 外交については、勢いのある者から圧迫を受ける、と予想しました。アメリカ、ロシアを挙げたのですが、今のところは韓国でしょうか?韓国(北朝鮮も)は外交戦は比較的上手いので、おそらく日本は淡々と対応するのみで何か成果を得るというのは薄いでしょう。関係悪化は避けられません。しかしまあ、日本は中国、朝鮮と付き合ってロクなことはなかった歴史があるので、それはそれでいいかもしれません。韓国についていえば、朝鮮半島の歴史が示すように事大主義にとらわれて結局大国に翻弄されてしまうというパターンがまた繰り返されるかもしれません。そういうことをあまり指摘しない(世論を考えるとできないというべきか)韓国のマスコミは少々哀れを感じます。(朝鮮日報などがちょっとは触れているようですが)
 年の前半は火災を予想していました。京アニの火災は非常に大きな被害を出しました。犠牲者のご冥福をお祈りします。年の前半というのは外れましたが、後半もまた可能性があります。
 年の中盤は刃物の犯罪や子供が巻き込まれる犯罪が多いとしましたが、これは中盤に限らず、ずっと起きています。私は吉展ちゃん事件の記憶のせいか、子供が巻き込まれるとすぐ誘拐と思ってしまうのですが、子供が巻き込まれる犯罪は誘拐よりも最近は親による虐待、いじめの方が多いですね。あるいは通り魔的にやられるとか。いずれにしても、社会にとって大事な子供の命がそういう事件で失われるのは非常に残念ですし、日本の将来を案じてしまいます。
 経済については、今のところ予想どおりと考えています。株価は上昇基調ですが、近々下降局面に入ると踏んでいます。果たしてこの予想は当たるか?私自身の投資の方針にも関係するので当たってもらわないと困るのですが・・・。

 以上、前半の反省をしました。概ね予測のとおりということで、今のところは合格点がつけられると思います。果たしてこのまま予測の通りに日本は進行していくのか?また来年前半の反省を乞うご期待。


(以上 2019年7月28日に記す)




2019年の日本についての予測

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 さて、毎年の恒例であります新しい年の日本を大六壬で予想します。ここでの予想は2019年2月立春から2020年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台暦計算室によると2019年2月4日12時14分です。
 日本標準時と東京の時差は19分であり、占時は午時です。13時までは46分ありますから、北海道までだいたい午時で年が変わるということになります。よって2019年は午時で課式を立てます。


日干支 壬申 占時 午 月将 子 太歳 亥  戌亥空亡

初伝螣蛇白虎螣蛇勾陳太陰
中伝白虎
末伝騰蛇

課義
 占時と月将が支冲の関係ですので、返吟課ということになります。陽干ですので寅が発用となります。返吟課は上下が支冲となるので相反し落ち着かない課とされます。
 この課については、次の句が添えられてあります。
 「交居先絶、前脱後脱、玄合昼逢、両貴不喜」
 この意味は、四課とも絶地にあり、支上神が初伝にくる、初伝と末伝が壬の洩気であり、昼貴人の場合三伝は玄武と六合になり、貴人卯巳はいずれも下からの剋を受ける、というような意味です。この句は古法の貴人の付け方ですので、現代と逆で、昼貴人の場合は騰蛇と白虎になります。
 初伝は寅で騰蛇で日干を洩らします。また干上神巳と寅とは刑の関係となります。中伝申と巳とは合ですが、寅申巳で三刑となります。三伝は寅申の金木、遁干は丙と壬の水火剋戦であり、変化が激しいとみます。その変化の激しさはどちらかというと悪い方でしょう。

占時・太歳
 占時午は妻財で玄武です。玄武は陰険、偸盗、陰謀、看護、一網打尽などの象意があります。太歳亥は兄弟、勾陳です。勾陳は遅滞、愚直、警察、軍隊、争事などを意味します。

気象・自然災害
 返吟課であり、三伝の遁干も丙壬丙と火と水が交互になるので、天気は変わりやすいとします。寅は丙の長生、申は壬の長生ですから、なおさら変わりやすいといえそうです。ただし、壬の寄宮であり二課の亥が空亡ですから、全般的にはやや雨は少ないかもしれません。時期的には中伝が壬申ですから、年の前半と後半は雨が少なく、年の中盤に雨が多いと三伝からは読み取れます。しかし申には白虎がついており、これは晴れの象ですので、何とも微妙ですが。
 それにしても、三伝に騰蛇白虎がついており、これは事故・災害などの象意を持ちます。天候は変わりやすいですが、いずれにしても災害につながりやすいといえるでしょう。昨年同様気象災害は続くものと思います。どのような災害かを予想するのは難しいですが、雨が少ない時期は旱魃や山火事、年の中盤は水害が考えられます。
 地震や火山の噴火ですが、三課に騰蛇が出てきておりやや注意が必要です。官鬼ではないので、大地震ではないかもしれません。しかし注意は必要です。地盤は申ですので南西の方角が怪しいといえますが、最近この見方はあまり当たりません。よってむしろ対冲の東北、あるいは三合である東南の方角の方の可能性があります。南海トラフ地震は要注意です。いやむしろ地震というよりは火山の方が可能性は高いかもしれません。いずれにしても一年中その危険性はあります。年の中盤(8~9月ごろ)に起きれば死者も出るかもしれません。とにかく、備えを怠らないことが大事です。
 ただし、後述しますが、天災よりも一般の事故災害の方が可能性が高いと判断しています。

政治
 今年の最大のイベントは新天皇の即位、改元でしょう。
 新元号は4月1日に公表とのことですが、果たしてどういう元号になるのか。巷ではいろいろな予想が飛び交っています。ここで私も予想を一つ。これは占術とは関係ありませんので念のため。日本レコード大賞は乃木坂46が連覇を果たしました。ここから類推すると頭文字はNが本線、次点としてはA、K、Bではないかと。乃木坂のGやモモクロのZも考えましたが、ガ行やザ行は私の好みでないので外しました。いずれにしても女性アイドルグループの名前のイニシャルで始まると予想しています(笑)。

【4月13日追記】
 六壬と関係なく、N、A、K、Bを予想していたのですが、「令和(れいわ)」ということで、R、ということになってしまいましたね。女性アイドルグループでRとかLで始まるグループを探してみると、意外といないものです。結成されても、解散したり、活動休止中だったり、改名したりで、現在も残っているグループは少ないですね。RやLで始まる名称は、女性アイドルグループにはふさわしくないのかもしれません。まあ、このことが外れたからと言って、別に六壬占術とは何の関係もないのですけど。【追記終わり】

 閑話休題。政治的なイベントですが、大きなものは7月の参議院選挙と10月の消費税の引き上げでしょう。その他G20が大阪で開催されるというイベントもあります。
 参議院選挙に関しては、今のところ野党がまとまりそうな気配はなく、多少議席は減らすにしても与党有利の情勢です。安倍首相は昨年自民党総裁として再選され、今のところ彼を首相から下ろす動きもなく、普通に考えれば参院選は無風で終わりそうです。
 衆参同時選挙の話題もちらほら出ていますが、これから経済状態が悪くなると予想され、わざわざ議席を減らすようなことはしないと思います。しかし、今から30年前、元号が変わった平成元年には竹下→宇野→海部と首相が2度変わりました。改元の年にはこういうことが起こる可能性はあるのかもしれません。とくに宇野元首相の退陣はスキャンダルであり、ハプニング的に何か起こるということを全く否定はできません。とくに今年は返吟課で変化の多い年なので、なおさらです。
 衆院はともかく、参院は半数の改選であり、この選挙で自民党が負けたからといっても与党が過半数を確保する見込みで、保守系野党の取り込みを考えればいいのであって、安倍首相が交代するとは考えにくいです。退陣するとすれば選挙ではなく別の理由でしょう。大六壬でみるかぎりは、貴人がついている卯は課伝中に顕れませんし、初伝寅と卯は木、木は日干に生じられるので、何か変化があるとは思えません。また、安倍首相の本命は午、行年は未であり、特別な悪いという感じはありません。したがって参院選は無事に終わるでしょう。ただし安倍首相が活躍するという感じでもありませんが。
 そうなると消費税ですが、2019年度予算(元号がわからないのでこう呼びますが)が消費税シフトになれば、普通に考えれば予定どおり実施されるはずです。ただし、後で述べますが、今年は経済状況は乱高下すると予想していますので、すんなり実施されるかは予断を許しません。
 今年は亥年で立春日の空亡ですから、消費税以外の政治的な成果は期待できません。もっとも消費税が政治的成果と言えるかはどうかは議論のあるところですが。それは別として、普通なら改元の年であり、亥は本来新しいものが芽吹くときなので、新たなリーダーが期待されるのですが、そういう動きがあっても空振りになりそうです。
 気になるところとしては、二課が勾陳で日干の寄宮であることです。勾陳は警察、軍隊を意味します。日本が警察国家や軍事国家に急に変わるとは思われませんが、これらが力を持つということは、逆にそれだけ世の中の状況は不安定だということを示唆しているように思われます。東京五輪の前年ですが、ちょっと心配です。
 外交についても、変化が激しいだけで具体的な成果はなく、むしろ海外から攻められる(責められる)立場になりそうです。この予想は、発用、中伝、一課で寅申巳の三刑から来ています。寅申巳の三刑は恃勢の刑といい勢いのある者から圧迫を受ける象意があります。干上神巳が三課や発用、末伝の寅から刑を受けるため、年の前半と後半はとくに圧力が大きいでしょう。近々開始されるのは日米経済交渉であり、これはかなりタフな交渉を強いられると思います。また日ロの領土問題や尖閣諸島など、かなり厳しいものになると思われます。
 書き忘れましたが、三課から一課が圧迫を受けるということは、庶民からトップへの目線もかなり厳しくなるということを示しているように思います。
 例年女性の活躍についてコメントをしていますので、それについて触れると、女性を示す天后は辰でこれは課伝中に顕れていません。太陰巳は干上神にあり、これ自体は女性が表舞台に出てくることを示していると思います。ただ、日干や二課から剋されるのと寅の刑を受けるため、なかなか厳しいかもしれません。内輪から足を引っ張られることも考えられます。まあ二課は空亡なので、気にする必要はないかと思いますが。

社会
 返吟課であり、変化の多い一年であると思います。
 変化というキーワードでいえば、社会だけでなく人々の意識も変革を迫られるような一年になりそうです。まさか東京五輪の中止というようなことにはならないでしょうが、社会全体がこれまでのあり方を大きく変えていくような流れが起きてくるのではないかと思っています。
 全体的な流れは以上として、もう少し具体的な事象を推してみたいと思います。
 占時は玄武で午に乗じていますので、盗難や遺失などを意味します。発用は騰蛇であり恐怖、心配、怪異、驚き、盗難などを意味します。いずれも凶将であり、昨年同様不穏な空気が広がる感じがします。
 繰り返しますが、三伝は騰蛇と白虎です。恐怖、心配、怪異、疫病、闘争、流血、刃物など悪い象意が並びます。発用寅は子孫であり日干を洩らすので、社会も疲弊する感じですが、中伝申は父母であり日干壬の長生でもありますから、悪いことは起きながらもそれを変革しよう、社会を支えようという動きも、とくに草の根から出てくるのではないかと思います。とくに今年は東京五輪の前年です。お上の東京五輪の運営はなかなかうまくいっているようには見えませんが、民間から五輪を成功させようという機運が出てくるのではないでしょうか。しかし、社会が不穏な状況であることには変わりありませんが。
 年の前半と後半は、発用と末伝の寅をみます。騰蛇が寅に乗じ占時が午であることから火災の多発、空気が乾燥しているので大火の可能性があります。また寅は文書を示すので、何か暴露されるのか、文書上のトラブルか。占時に玄武もあるので盗難や強盗事件、また誘拐事件など子供が巻き込まれる事件の多発など、以上が一年の前半と後半に起こりそうです。
 年の中盤は申白虎から類推すると、航空機事故も含めた交通関係の事故、刃物を使った殺人や犯罪、肺や腸に関する疫病などが考えられます。昨年起きた通信関係のトラブルやネット上の詐欺も多いかもしれません。反面、起業や新規の政策や事業など、果断を要するものは吉なので(白虎には破竹の勢いという象意があります)、チャレンジ精神というか活力が生まれてくるのではないかと期待しています。
 ここまで悪いことばかり書いてきたので、せめての期待を込めての予想です。

経済
 経済については、2019年の始めまでを見る限り、全体的な流れはほぼ予測の通りだったと思います。今年も同じようなやり方で予測を立てたいと思います。
 まず全体的な流れから。三伝は丙寅、壬申、丙寅で相反する流れとなっています。これは乱高下する象です。発用が騰蛇であり、エコノミストの予想はことごとく外れる(もちろん当たる人も少数いるでしょうが)でしょう。これはエコノミストが悪いというより、思惑を超えた流れの変化があるということです。ちなみに、私は毎朝テレ東のモーサテを(途中まで)見ていて、当たるエコノミストも当たらないエコノミストも好ましく思っています。
 ただ乱高下といってもしょうがないので多少の傾向をいえば、年の前半は18年の影響を受けて景気は減速傾向を続け、中盤は多少盛り返します。ま、消費税前の駆け込み需要というのもあるかもしれません。しかし後半はまた景気はダウンするものと思います。金銭を表す酉は天空であり、また財産を示す青龍は戌についていますが、戌は空亡です。よって、景気が良くなったと思っても結局無に帰すか、もともと実需ではなく裏付けのない景気であり、結局財を得ることはできないということかと思います。おおざっぱな傾向はこのような感じですが、乱高下を繰り返しながら一年が過ぎていくという感じでしょう。
 ですから、2019年の業界予想は非常に難しいです。しいていえば、申との三合である子や貴人である卯がましかな、という程度。子は日干の兄弟であり六合が乗じます。卯は貴人であり、発用の寅の助に当たります。卯木は申金から剋されますが、壬水や亥水の生を受けるのでまあまあかと。
 そこで業界ですが、子の類神は、水、雨、酒、黒色、塩辛いもの、女性などです。卯の類神は、草木、木器、青色、酸っぱいもの、馬、車、長男などです。これらのキーワードから業界を導き出すのは難しいですね。
 若者の酒離れが進んでおり、酒を商売にする業界は普通に考えれば苦戦しそうです。酒好きの私としてはさみしいかぎりですが、それでも子には六合がつくので、宴会やセレモニーに関する業界を一応はあげておきましょう。今年は雨が少なそうなので、清涼飲料水も売れそうです。飲料業界もあげることにします。また女性に関するものとしては、宝飾品や女性向け衣料も候補にあげておきます。卯木の業界としてはまず林業ですが、従事者の高齢化が著しくあまり将来は明るくありません。それでも林業の復権を目指す人たちがいるようで、彼らの活躍に期待したいところです。林業つながりで建築業界もありますが、この業界は現在慢性的に人手不足であり現状から頭打ちでしょう。卯には馬とか車とかの意味がありますが、普通に考えると自動車業界はかなり苦しいと思われます。また景気が冷え込むので、そういう産業ではなく、手近なレジャー、例えば競馬とか競輪とか、あるいはアミューズメント施設とか、そういう業界の方が有望ではないかと思います。また卯は貴人ですので、青とか黒とか地味でシックな高貴なものも流行るかもしれません。
 いずれにしても、景気全般が乱高下して徐々に冷え込んでいくので、特定の業界だけ良いというのは難しいと思います。


 (以上2019年1月4日午前10時に記す)




2018年の予測の反省

 2019年の節分まではまだしばらくありますが、例年どおり2018年の予測の反省を行います。(2019年節分の日に一部修正しました)  毎度述べていますが、2019年の節分までが、当予測の範囲なので、今後当たったり外れたりする可能性はありますが、まあ正月休みに昨年の振り返りと今年の展望を考えるのは日本人(だけじゃないでしょうが)の習いでしょう。子供のころは、一年の計は元旦にあり、といわれて新年の決意をさせられたものでした。
 例によって、2018年の予測を箇条書きにまとめます。

(1)変化に乏しい。悪い象があるがそれほど心配ない。
  遅滞、争事、官吏、女性、妻、秘密などがキーワード。
(2)前半は雨が多く、後半は雨が少ない。基本的には天気が悪く、変わりやすい。
  晴れといってもすっきり晴れない。天気は変わりやすい。
(3)大きな地震はない。あるとしても東西軸の方向。
  大きな火山の噴火はない。山火事が発生する可能性がある。
(4)政治に大きな動きはない。安倍首相はあっさりと再選されるが、活躍はしない。
  女性の政治家は活躍しない。
(5)西の方から日本を狙うミサイルが発射される。あるいはそれに類する動き。
(6)社会を不穏な空気が襲う。
  前半はテロ、無差別殺人や通り魔の心配。
  中盤は男性の支援を受けた女性の活躍か?ただししりすぼみ。
  宗教やスピリチュアルに人気が出る。
  後半は殺伐とした社会の雰囲気。ギクシャクした関係。
  火災による死者の増加、交通関係の事故、通信トラブル、インフルエンザの流行。
(7)景気は中盤にかけては上昇、円安、株高傾向。後半、11月ぐらいから失速。
  後半は所得増なきインフレか?
  黒田総裁は続投。
(8)注目の業界は、不動産関係、葬祭業、霊園、農業、水産業、飲食関係、食品関係。

 以下に各項目の結果を記します。

(1)について
 ここはこの年のキーワードなので、具体的な予想はしていないのですが、遅滞といえば五輪の準備や豊洲市場、争事や秘密といえば、スポーツ界の不祥事や日産のゴーン会長の逮捕、官吏といえば役所の不祥事や役職者の処分(年明けから厚労省の統計問題がクローズアップされています)、女性といえばやはりスポーツ界での活躍といったところでしょうか。
 もっともこれらは例年も言えることなので、当たったとも外れたとも何とも言いようがないですね。

(2)について
 前半には記録的な大雪や西日本豪雨、9月には台風21号と、基本的には雨の多い一年だったような気がします。
 ところが、気象庁の統計データによると、10月以降は降水量は全体的に平年を下回っています。しかし、これから雪のシーズンを迎えますので、雨が少ないと言い切れるかどうかはわかりません。と書いたのですが、1月は記録的な少雨となりました。ということで降雨量は概ね予想通りとなりました。
 日照時間は平年より短く、すっきり晴れないという予想はまあ当たっているようです。
 しかしながら、西日本豪雨にしろ、台風21号にしろ、記録的な雨により大きな被害を出したわけで、ここまで予想できないと予測の価値はないといえそうです。人工的なものかどうかは別として、温暖化は進行しており、地球全体の気候が極端になっているのは確かで、これからの気象や自然災害の予測は、そういう極端さを取り入れる必要があると思います。

(3)について
 大きな地震はないと言い切ったのですが、9月6日に北海道胆振地方で死者40名以上となる地震が発生しました。水害もそうですが、地震に遭われた方には謹んでお見舞い申し上げます。
 M6.7なので、東日本や阪神淡路などの地震に比べると大きくはないとはいえるのかもしれませんが、死者40名以上、負傷者700名以上であり、また大規模停電も発生させ、その影響は決して小さくはありません。また、私は東西軸かと予想していたのですが(どちらかといえば東側)、北海道での発生となりました。北海道は東端なのでまるっきりハズレというわけではないのかもしれません。が、こういうところを的確に予測できないといけないと私は考えます。
 9月6日は白露の前であり庚申月、胆振地方は立春卯時のほぼ東端にあたります。地震などの災害は官鬼騰蛇がその象意にあたります。官鬼騰蛇は子であり卯に坐しています。この陰神は酉であり、これは西にあたります。よって東西軸と判断したのですが、卯時に立春を迎えるのは北はハバロフスクからシベリア一帯、南はパラオまであります。してみると、北海道は全体の地域から見れば東といえなくもありません。しかしこれでは日本はほとんど中央であり、せいぜい東か西かとしか言えなくなります。これではあまり予測になりません。地域をどう判断するかは研究課題でしょう。中国だと「分野」と称して地区を特定する技法があるのですが(ただし現代の地名ではありません)、残念ながら日本では聞いたことがありません。今後の課題でしょう。
 次に9月(あるいは申月)という予測はできるか。あっさり9月だったら子の陰神は酉なので酉月といえるのですが、残念ながら申月です。よってこれもうまく説明ができません。数目を使う方法もあるでしょうが、数目を使いこなすにはまだまだ私の技量が足りません。
 そもそも私は官鬼騰蛇の子は地震よりも水の害と考えており、これは年の始めの大雪や西日本豪雨を指していると思っています。よってこれから地震の予想は立てられなかったです。
 なお、北海道の一部は立春が辰時にあたるので、立春辰時としての課式も立ててみましたが、地震という予想はなかなか立てにくいです。ただ官鬼騰蛇である子の地盤は辰であり、それは地震を意味するととれないことはないです。辰という字が胆振という文字の中に入っていますが、これはまあ偶然でしょう。(こういう見方をする占者はいることはいますが…)なお、震源域は辰時と卯時のちょうど境目ぐらいです。しかしそれでも9月という予想はできません。この問題は継続して考えることにします。
 草津白根山や霧島新燃岳など火山の噴火はもちろんなくはなかったのですが、ことさら大きいという噴火はありませんでした。
 私は火山よりも山火事を心配していたのですが、日本ではとくに大きな山火事はありませんでした。なお、1月は乾燥がひどく、さほど大きくはなかったのですが山火事が発生しました。山火事だけでなく火災も増加しました。カリフォルニアでは大規模山火事がありましたが、海外は予測の対象外ですので、当たったというわけではありません。

(4)について
 これはまあ予想通りというか、予想された展開なので、何も言うことはありません。

(5)について
 まだ2018年は終わっていないので何とも言えませんが、今のところはそういう動きはなさそうです。この予想は過剰反応だったでしょうか?まあ弱弱しい矢ですから、火器と予想する方が悪いのかもしれません。
 もっとも韓国軍による火器レーザー照射事件とか、ちょっとした火種はないこともないですが…。(ちなみに本件について私は単純に事故もしくは誤操作だと想像しています。軍の威信もあるのでそうは言わないでしょうが)
 と書いたのですが、真相はまだわからず、「ちょっとした」火種ではなくなりつつあります。来年の予想と合わせて見るとそう簡単ではなさそうです。

(6)について
 年の前半には、女児の殺人事件や虐待死などがありました。また受刑者の脱走とか交番で警察官が殺されるという事件もありました。日本ではテロは起きにくいという予想はしていましたが、何となく不穏な空気を感じたのを覚えています。
 年の中盤というわけではないですが、女性の活躍はとくにスポーツ界で目立ちました。平昌オリンピックもそうですし、競泳の池江選手、テニスの大阪選手、フィギュアスケートの紀平選手など、女性のアスリートたちの活躍は目覚ましいものがありました。また安室奈美恵の引退という話題もありました。女性の活躍がしりすぼみにならないことを祈ります。
 宗教やスピリチュアルな話題としては、オウム真理教の松本被告の死刑ということもありましたが、私としては神社ブーム、パワースポットブームをあげたいとおもいます。このトレンドは数年前からあったのですが、2018年は最も盛り上がりをみせたと感じます。
 宗教ということでは、潜伏キリシタン関連遺産や来訪神などが世界遺産に登録されました。ただこれはブームとは言えないでしょうね。
 時代の流れが物質から精神に移ってきている感じがしますので、おそらく今後もスピリチュアルや宗教ブームは続くでしょう。
 後半のギクシャクした関係といえば、日産の問題が思い浮かびますが、まあこれは今後を見なければわかりません。また日韓関係もギクシャクしていると言えるでしょう。(ギクシャクではなく一方的だと言う人もいるでしょうが)
 火災については死者こそ出なかったものの、札幌市での爆発が思い出されます。もちろんその他の火災もあります。
 と年末に書いたのですが、立春を前にして火災が頻発しており、死者も出ています。たいしたことはないと予想しましたが、当事者にとってはつらいことでしょう。あらためてお見舞い申し上げます。1月になって予想が当たったと言えますが(繰り返しますが立春までは前年)、悪いことはあまり当たってほしくないことです。
 交通関係の事故は枚挙にいとまがありません。とくに小型機やヘリコプターの事故が多かったように思います。電車についてはこのところしょっちゅうトラブルで停まっていますね。
 通信トラブルといえば、年末に世界的な通信トラブルが発生し、日本ではソフトバンクが使えない事態が起きました。私もソフトバンク・ユーザーですが、別に困りませんでしたけどね。(気づかなかっただけといえばそれまでだが)

(7)について
 円安かどうかは別として、景気が11月に反転するというのは、今のところ当たっているように思います。ただ米の中間選挙の影響かというと、むしろ米中貿易摩擦の影響というべきでしょう。(中間選挙と関係なくはないが)この傾向はしばらく様子を見る必要があるでしょう。年明けしばらくは株の買い時かもしれません。
 所得増なきインフレはまだ現出していません。一時国債金利が上昇したので、これはと思ったのですが、株安であっという間に金利は下がりました。今の経済構造ではインフレは起きないということでしょうか。
 日銀黒田総裁の続投はまあ既定路線ですので、当たらないという方が変ででしょう。

(8)について
 さて業界の予想です。株安で反転しているので予断を許しませんが、現在のところまでで確認してみます。なお帝国データバンクの業界天気図などを参考にしています。
 不動産業界は活況を呈した一年だったと思います。業界天気図でも晴れです。とくに不動産投資については、ネットでの記事も増えた感じがあり、これまで資産運用をしていなかった人が手掛けているように思います。それはそれで危うさを感じますが。
 葬祭業や霊園の業界の景気がいいかどうかはよくわかりません。上場企業の株価は年後半にかけて下落基調です。しかしこれは日本株全体がそうなので、これがそのまま業界の好不調と一致しているとはいえません。ただ、私の通勤電車の吊り広告には霊園や永代供養のコマーシャルが多くなってきていると感じます(なおJRではありません)。まあ、高齢者が増加し死者も増えるので、個々の企業は別として、市場はそれなり拡大していくのでしょう。しかし、おひとりさまが増え、また多種多様な葬儀や埋葬が出てきて、平均単価も下がるでしょうから、全ての企業が潤うというようなことはなく、競争は激化するのではないでしょうか。というわけで、結果としてこの業界の予想は当たっているのか外れているのかよくわかりませんでした。業界紙とか読めればいいのでしょうが。
 農業、水産業については、これは気象の変動を見誤りました。今年はかなり苦しい状況のようです。やはり自然相手の産業は簡単ではありません。今後は徐々に気候に左右されない工場的な農業や水産業が増えていくと思われます。決して悲観的になる必要はないと思いますが、TPPも発効し、農業をとりまく環境はさらに厳しくなるものと思われます。よってこれはハズレ。
 飲食、食品関係について。これも一概にはいえません。酒類や居酒屋などはかなり厳しい状況ですが、ファストフードや中食、加工食品などは堅調のようです。しかし、大手居酒屋チェーンもすべての企業が悪いわけではなく、堅調な業績を上げているところもあるにはあります。なお、酒は十二支的には辰丑ではなく酉子ですので、予測の時には居酒屋というよりはファミレスやファストフードを考えていました。ちょっと言い訳がましいですが…。ところで、この業界には、人口減少、世帯収入の減など悪材料は山ほどありますが、この業界は結構善戦しているといえるのではないでしょうか。これはまあ当たっているといってもいいかもしれません。ちょっと採点が甘いか。

 全般的には的中率としては半々よりちょっと上ぐらいでしょうか。毎年思うのですが、当たりそうもないことが当たったという感じはなく、頭で考えたことの方が当たっているという感じです。
 しかしながら、毎年この時期に、次の一年は何が起きるのかを考えることは、私にとっては非常に有益な時間です。そのためにいろいろな本や記事も読みますし、六壬課式を前に考えをめぐらせるので、まあ一種の認知症予防にもなりますし。(そういう年齢になってきたということ)
 というわけで、2019年も懲りずに(毎年のことだが)大胆予測をします。乞うご期待?


(以上 2018年12月31日正午に記す、2019年2月3日一部修正)




2018年の日本についての予測

 毎年の恒例であります新しい年の日本を大六壬で予想します。ここでの予想は2018年2月立春から2019年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台暦計算室によると2018年2月4日6時28分です。
 日本標準時と東京の時差は19分であり、占時は卯時ということになります。北海道だと30~50分の時差がありますから、辰時になるところもありますが、日本の首都は東京であり、日本の大部分は卯時立春ということで卯時で課式を立てることにします。


日干支 丁卯 占時 卯 月将 子 太歳 戌  戌亥空亡

初伝螣蛇太陰螣蛇朱雀青龍
中伝太陰
末伝白虎

課義
 上下に剋がなく三課が日干を剋しているので遥剋課ということになります。昨年の伏吟課と同様、遥剋は変化に乏しいとされます。この課は遥剋課の中でも蒿矢課と言われます。
 この課については、次の句が添えられてあります。
 「禄乗玄虎、重逢鬼苦、中間閉口、尚憂門戸」
 この意味は末伝午に白虎玄武(昼は白虎、夜は玄武)が乗っているが午は日干の建禄である。初伝に螣蛇官鬼の苦があり、中伝酉は財で閉口(旬尾と考えてよい)、また日支と支上神(三課)が相刑で憂いあり、ということです。
 ただ、初伝子は官鬼螣蛇といっても一課辰土に剋されます。また辰土は丁火から生じられますので、それはさほど心配ないとされます。

占時・太歳
 占時卯は父母で勾陳です。勾陳は遅滞、争事、官吏などの象意があります。太歳戌で子孫、天后です。天后は女性、妻、秘密などを意味します。

気象・自然災害
 『六壬直指』に「陰[イ]変幻、有雨不沾」とあります。意味は、どんよりとした曇りは変化し、雨が降っても濡れない、というようなことです。全般的に天気は変わりやすく雨は降るものの大雨にはならない、と解せばいいでしょうか。
 干上神は青龍で雨を示し、発用の子と辰で三合しますから、年の前半は雨が多いといっていいでしょう。中伝も遁干が癸ですから雨の象。末伝になると午に白虎が付きますので、これは晴れの象です。ただし発用三課子に冲されますから、すっきり晴れとはいえないでしょう。四課三伝を見る限りでは、やはりあまり天気はよくないでしょう。では大雨かといえば、二課に丑があり朱雀(火神)が乗じています。子丑は六合であり、また子を剋すので、大雨という感じでもありません。基本的には天気は悪いのですが、天気の変わりやすい一年という感じがします。
 地震を示す騰蛇は子に付いています。遁干は甲であり、あまり地震という感じではありません。また子の上神は酉であり、これもあまり地震とは関係なさそうです。あるとしても卯酉の方向、東方もしくは西方の軸上ですが、2018年は大きな地震はないのではないかと思います。
 末伝が午火で二課の丑土朱雀と六害となります。しかし私にはこれが火山の噴火とは感じられません。せいぜい山火事が発生するぐらいでしょうか。(それはそれで大変ですが)
 毎度の話で恐縮ですが、火山の噴火は科学的な予測が可能だと思いますので、観測を強化していつ起きてもいいように準備をしておくべきだと思います。

政治
 遥剋課というのは変化に乏しい、あるいは結論が得られないという課です。
 17年に解散を打ったので、今年はさすがにやらないでしょう。もっとも昨年も解散やらないと予想して外したので、油断はできませんが…。まあ課式を素直に読めば、政治にはあまり動きはないと思います。また、世界を見渡しても大きな政治イベントはありません。
 貴人は亥に乗じており、亥は空亡です。課伝にも亥は表れません。安倍首相はあまり目立った活躍はしないのではないでしょうか?自民党総裁選が秋にある予定ですが、安倍首相は出るともの出ないとも言っていません。あっさりと安倍再選で終わりそうな気もします。たぶん総裁選は行われるのでしょうが、誰が有力かというのは、六壬で見るよりも四柱推命で候補者の命式を見た方がいいです。ま、私はそれほど暇ではないので、そんなことはしませんが。
 国内的には今の状態が続くと思うのですが、一つ気になることがあります。この課は蒿矢課です。三課が日干を剋すのを矢に例えています。日干を我、すなわち日本とすれば、日本を矢で狙う輩がいるということです。これは某国のミサイルといえなくはないでしょうか?ただし蒿の矢ですからあまり強い矢ではありません。騰蛇が付いているので驚かされることが多々あるでしょうが、決定的なものにはならないと思います。一課二課は土支であり、子水を剋すからです。ただし行動は慎重にしなければなりません。四課酉金が子を生じるようなことのないようにしなければなりません。この四課が何を示すのかがまだよくわかりませんが、酉太陰は西の方を示すことから西の方にある国かもしれません。
 なお、女性の活躍については、それを示すものは太歳戌の天后、中伝酉の太陰ぐらいです。戌は空亡ですし、酉は末伝午に剋されて力不足です。2018年も世の風潮とは逆行して、女性の政治家は出てきてもあまり活躍することはないのではないかと思います。

社会
 占時は勾陳、太歳は天后、発用は螣蛇です。太歳戌は空亡ですから、あまりこの意味は強く出ないでしょう。勾陳は遅滞、闘争、軍隊、警察などを意味しますし、騰蛇は恐怖、心配、怪異、驚き、盗難などを意味し、いずれも凶将です。何となく不穏な空気が広がる感じです。
 一年の前半を示す、発用初伝は子で官鬼騰蛇であり非常に悪い感じですが、課義に書いたように一課二課が土支であり、この悪さを抑えます。とはいえ、やはり凶は凶なのであり、何か驚くことが起きそうです。例えば、某国のミサイルとかテロとか。以前にも書きましたが、日本ではテロは起きにくく、むしろ通り魔とか無差別殺人とかが考えられます。
 中伝酉には太陰が乗じています。太陰は消極、清潔、女性、宗教、隠退などの意味があります。酉は丁の財で女性につながります。女性が活躍するとすれば年の中盤ということでしょう。一課辰青龍と合であり、土生金と生じされますから、勢いのある男性のサポートを得て活躍する女性が出てくるかもしれません。しかし閉口(旬尾)であり、末伝の午に剋されるのでしりすぼみという感じです。(昨年の衆院選を思い出させますね)
 また太陰を宗教ととらえると、宗教ブームというかスピリチュアルなものが流行るかもしれません。まあそれは例年のことではありますが…。宜保愛子女史(ちょっと古いか)とか細木数子女史みたいな人が出てくるのでしょうか?
 末伝は白虎です。白虎は果断、闘争、流血、疾病、冷酷、道路というような意味があります。また午は日干の兄弟にあたります。世の中の雰囲気がやや殺伐とした感じとなりそうですが、白虎は庚申金の神であり午に乗するのはそれほど意味が強くなく、また午は三課に剋され一課二課に洩らされるので、あまり深刻には考えなくてもよいかもしれません。しかし用心するに越したことはありません。
 で、何が起こるかの予想ですが、あまりたいしたことにはならないのかもしれませんが、火災による死者の増加、白虎が道路とか交通とかいう意味もありますので、交通(飛行機や鉄道も含めて)に関する事故等、白虎を通信ととらえると通信やネット関係のトラブルも考えられます。またインフルエンザの流行もあるかもしれません。また争い事や競争の激化(国内だけでなく他国との間の)もありえます。いずれにしても、あまりいいことはありません。社会全体がギクシャクする感じがします。

経済
 経済については、どうしても慎重な予想をするので近年外すことが多いです。ただし、昨年は流れとしてはまずまずの予想ができました。
 まず全体的な流れから。三伝をみると、初伝は甲子で旬首、中伝は癸酉で旬尾です。年の中盤までは基本的に今の景気が続くでしょう。実感なき好景気と言われますが、それでも株価は上昇、円は安くなる傾向が継続すると思われます。ところが、年の半ばで上昇基調は行き詰まり、年の後半はゆるやかな景気後退に向かうと思います。11月にアメリカの中間選挙がありますが、この結果が日本経済に影響を及ぼしそうな感じがします。末伝は午で兄弟であり、破財を示します。三課子と冲して剋されるので、破財の意味は多少薄れるのではないかと思い、「ゆるやかな景気後退」と表現しました。私は、バブル崩壊という形よりは、所得の増加なきインフレが起きてくるのではないかと思っています。これは六壬による判断ではなく私の頭の中で考えたことです。
 何となく悲観的な物言いをしてしまいましたが、中伝は酉で財を示し、酉自体が金銭でもありますから、年の中盤はそれなりに景気が盛り上がるものと思います。したがって短期的な利益を得ようとするならば、年の中盤までに利益を確定するのがよいと思います。後半相場が下がったところで買いに入るのかよいかと。
 経済イベントですが、今年は4月に日銀総裁の任期満了を迎えますが、黒田総裁の続投が濃厚です。おそらくそうなるでしょう。物価目標は達成できていませんが、他に選択肢はなさそうです。もっともそれまでに首相が代われば別ですが、今のところは考えにくく、アベノミクスを継続ということになるでしょうから、まず続投と予想します。
 毎年行っている業界予想ですが、年の中盤までは全体的に好調でしょう。その中でも有望な業種はというと、中伝酉と合する一課辰が示すものが有力だと思います。辰は酉と合するとともに、青龍が付いており日干に生じられます。また二課丑も子との六合、酉との三合であり、有力です。辰は田宅、寺社(墓地)、変わったところでは魚を示します。丑は田宅、神仏、耕作、牛、甘い物を示します。ここから業界を導き出すと、不動産関係、葬祭業、霊園、農業、水産業、飲食関係(肉魚を出すところ)、食品関係(菓子とか)といったところでしょうか。ただし、これも年の中盤までで、後半は息切れしそうです。


 (以上2018年1月3日午後1時に記す)




2017年の予測の反省

 2018年の節分まではまだ時間がありますが、この時期の恒例であります2017年の予測の反省をしたいと思います。
 ずっと下の方を見てもらえばわかるのですが、例によって箇条書きにまとめます。

(1)病気や訴訟は免れない。
  キーワードは、金銭、衣服、地位、宴会(青龍の象意)と飲食、仕事、財産など日常生活(太常の象意)。
  ただし青龍には空亡が付いており、勢いはない。
(2)全般として日照時間が少なく雨が多い。大雨による水害、土砂崩れの災害が発生する。
(3)地震が発生するとすれば関東東海、朝鮮から中国東北部。時期は4~10月。ただし大災害にはならない。
  大きな火山の噴火はない。
(4)政治は大きな動きはない。膠着状態。解散はなく、よって首相は安泰。
(5)天皇の退位については、基本的方向性のみ決まり、詳細は来年に持ち越す。
(6)東アジア情勢は膠着状態が続く。潮目が変わるとすれば年の後半。韓国は中国との関係を強化するかも。
(7)政治における女性の活躍は期待できない。出てきても年の後半。
(8)社会は全体として停滞ムード。4月から10月ぐらいまでは災害や事故、無差別殺人の多発。
  年の後半は詐欺、盗難、不倫、遅滞、損失という事件の発生や社会の雰囲気。
(9)全般に財的な利益のあがる年ではない。日常生活に影響を与えるような関する問題が発生する。
  前半は円安株高傾向が反転する可能性。中盤にかけて思わぬ損失を被る人が多い。
  後半は若干上向く。年末から18年始めにかけて円安に振れる。
(10)期待できる業界は、林業、建築業、家具、交通関係、教育、宗教、貿易関係

 以下に各項目の結果を記します。

(1)について
 病気ということはあまり特筆すべきことはなかったと思いますが、インフルエンザの流行がいつになく早く、また今もワクチンも不足している状況です。
 訴訟ということではないですが、いわゆる「もり」「かけ」疑惑が話題となりました。(まだ終わっていないが)
 あとのキーワードはまあ社会的風潮を示すのですが、判断はみなさんにお任せします。

(2)について
 春先は割と晴天が続き雨も少なかったので、「こりゃ今年は外したな」と思っていたのですが、九州北部豪雨をはじめ、年の中盤(中伝が示すとおり)からは雨続きとなりました。豪雨や台風など、被害に遭われた方には心からお見舞いを申し上げます。私個人も会社も台風18号でさんざんな目に遭いました。2011年もそうでしたが、こういう予想はあまり当たってほしくないものです。
 降水量の多さは現在も続いており、この冬の北日本の降雪量は記録的なものになりそうです。

(3)について
 大きな地震や火山の噴火はなかったのは予想通りでした。地震は関東東海から朝鮮、中国東北部と予想したのですが、関東東海は茨城県が揺れたぐらいでたいしたことはありませんでした。一方韓国や北朝鮮ではめったにない地震が発生しました。大きさはたいしたことはなかったようですが、話題にはなりましたが、これをもって予想が当たったとはちょっと言えないでしょうね。

(4)について
 日本の政治日程的には都議選ぐらいだと予想していたのですが、安倍首相は都議選後、まさかの解散に打って出ました。これは全く予想しませんでした。六壬では政治が膠着状態になると予想し、それ自体は外していないと思いますが、それで、安倍首相はわざわざ議席を減らすような解散はしないだろうと予想したわけです。解散しないという予想は六壬ではなく私の頭で考えたことですから、私の読みが浅かったということです。むしろ膠着状態に陥っていたのは野党第一党(当時の)であり、そこに機敏に反応した与党(自民党)の判断が良かったということでしょう。(良かったとは彼らにとって良かったという意味です)
 ところで、解散直後、「選挙で自民党は勝つか」を六壬で占い、自民党が勝つと予想したのですが、ここでその課式と解釈を示します。まず占機をいつにするかですが、衆院選が行われるのが決まるのは、任期満了でなければ首相が解散を宣言するときです。その時刻はというと、9月28日午後0時2分です。この時刻の課式を示すと、

日干支 戊午  占時 午  月将 辰  空亡 子丑
安倍首相  本命 午  行年 巳


初伝貴人騰蛇六合貴人朱雀
中伝太陰
末伝太常

 この課式をみると、発用の貴人が空亡しているので、一見選挙に負けそうです。しかし私は野党の混乱に乗じて自民党が勝つと予想しました。(かみさんにもそういう予想を話しました)
 選挙占いで難しいのは、日干一課と日支三課が何を意味するかですが、『干支六壬占法』によると、前者を候補者、後者を投票者としています。しかし、今回の選挙の場合は、与党対野党の構図とみて、日干一課を与党、日支三課を野党と見、さらに安倍首相の本命および行年を併せて見ました。
 発用は二課の丑貴人は空亡です。これは解散のアイディアが首相自らの発案ではないことを示唆しているのではないか、また選挙の序盤はなかなか苦しいのではないかと考えました。中伝は癸亥で水、水剋火で首相はやや苦境に立たされそうな感じです。しかし末伝は辛酉金、これは日干の官鬼である寅卯木を抑えます。また三課辰は日干を助けます。よって最終的には自民党が勝つと予想していました。ただこれだけでは自民党は辛勝という感じです。しかし私は別の看方もしていました。それは一課三課四課の寅卯辰は木局であり、これは首相の本命行年午巳火を生じます。これを見て野党(与党の一部を含む)の行動が結果的に首相に利するように働くだろうと考えていました。前に「野党の混乱に乗じて」と書きましたが、それはそういう意味です。さらに末伝酉は卯と冲、辰と合、亥と卯は木の三合です。支同士の関係が複雑ですが、これも首相に利を与えそうだとみていました。
 しかし、年初の予想は、結果として首相は安泰というのは当たったのですが、解散しないと言い切っているので、まるで外したということになります。なかなか政治というのは一筋縄ではいかないものです。大いに反省…。

(5)について
 天皇の退位については、もっと紛糾するかと思っていましたが、来年度予算も付き、基本的な方向性のみならず詳細も割とあっさり決まりそうです。まあ天皇陛下のご意志が堅かったということでしょう。ということで、この項はあまり当たっていません。天皇皇后両陛下には退位以後も元気でいてほしいものです。

(6)について
 お隣韓国で膠着状態だった朴政権はあっさり崩壊し、文大統領に変わりました。年の後半といえば年の後半で、文大統領が中国寄りであり、先ごろ中国訪問したのはご存知の通り。しかし中国側は韓国をほとんど相手にしていませんでした。(外国を訪問した元首が一人で食事をするなど考えられません)
 そんな中で一人気を吐いていた(?)のが北朝鮮です。制裁をもろともせず、核、ミサイル実験を続けています。日本、中国、南北朝鮮(というと韓国は怒りますが)の間にはいまだ新しい方向が見えてきません。この項はまずまずというところだと思います。

(7)について
 安倍の秘蔵っ子だった稲田前防衛大臣は失脚し、一時首相を狙った(と思われる)小池百合子はしりすぼみで希望の党は崩壊状態です。その他女性の政治家はいろいろと話題を提供してくれましたが、活躍とはほど遠い状況です。ひょっとすると年の後半に出てくるかと思っていましたが、まだ目立った人が出てきていませんねえ。

(8)について
 11月に「いざなぎ景気」を超えたと言われても、あまり実感がわかない人も多いのではないかと思います。もはやバブル景気のころのような高揚感はありません。ただバブル期の話がちらほら取り上げられるようにはなってきましたが。ということで、社会は停滞ムードが続いています。
 災害の話は前にしたとおりです。無差別殺人や事故といえば、今年はあおり運転が大きなニュースとなりました。また通り魔事件も相次いでいます。
 年の後半に限らないのですが、相変わらず詐欺(てるみくらぶとか)や不倫(政治家から芸能人まで山ほど)の話題には事欠きませんでした。
 まあこの項は当たっているように思います。ただ悲観的な予想は該して当たりやすいとは自覚しています。

(9)について
 経済については、性格上慎重な予想をしていつも外すのですが、2017年はどうだったでしょうか?
 まずまもなく円安株高傾向は反転する(1月の予想)と予想したのですが、2016年10月から円安傾向になり始め、1月はじめは118円/ドル程度まで円安となりました。しかし17年4月ごろには111円/ドルまで円が高くなり、その後も112円/ドル近辺をうろうろしています。日経平均も1月はじめは19600円程度だったのが、4月ごろには19000円を割り込むところまで下がりました。損失を出した人も多かったのではないでしょうか?とくにFXではレバレッジが大きいので損失は拡大するでしょう。(私はやっていません)
 ところが、6月ごろ日経平均が20000円を回復してから、しばらくその状態で足踏みが続き、年末11月にかけて22000~23000円をうかがうところまで上昇してきました。為替は113円台とほんのわずかですが円安傾向になりつつあります。すなわち基調としては、予想通りに進みました。さて2018年の年明けに円安になるのかが見ものです。(私にとって)
 日常生活に関係する問題(経済なので損失)とは何か起こったでしょうか?
 金額としては、東芝やさまざまな企業の不祥事による損失が大きいのですが、日常生活に関係するとは言えないですね。
 日常生活に関係するとすれば、先に述べた「てるみくらぶ」の経営破たんとか、災害による野菜等の高騰、人手不足による店舗の閉店や営業時間の短縮、食中毒、宅急便の値上げなどなど。うーん、当たったかどうかはどうも定かではないですね。

(10)について
 恒例となっています注目の業界ですが、結果は次のとおりです。  林業単独の状況はよくわかりませんが、林業とつながる建築業も含めると、例えば住友林業や永大産業、やまびこなどといった銘柄は、今年は順調に株価を伸ばしています。まあ株価全体が上昇しているのでそうみえるだけかもしれませんが。
 家具、広くインテリアととらえると、大塚家具はちょっと問題がありますが、インテリア業界全般もまた順調のようです。
 交通関係をみると、鉄道は事故や災害(とくにJR九州)の影響で苦戦を強いられていますが、全般的には人の移動が活発であり、また海外からの観光客も過去最高となり、業績そのものは悪くありません。
 教育関係は業績自体は上がっているようですが、他の産業と比較するとそれほどの伸びではないようです。大人やシニア向けの教育が伸びてきているようなので今後に期待というところでしょうか。
 宗教はビジネスではないのでよくわからないところはありますが、2017年の正月3が日の参拝者は、1位:明治神宮約317万人、2位:成田山新勝寺約309万人、3位:川崎大師約307万人、4位:浅草寺約285万人、5位:鶴岡八幡宮約250万人、となっています。2018年はどうでしょうか?
 貿易関係、商社はどうでしょうか。三菱商事、住友商事、三井物産など、資源価格の上昇等を背景に、最高益や利益予想の上方修正の発表が相次いています。まあこれは占術に頼らなくても予想はついたかもしれませんが…。
 まあ日本経済は全般的に上昇基調であったので、まあ当たりやすいですね。逆に不調の業界を予想したら、これほどまでは当たらなかったかもしれません。


 (以上2017年12月31日午前11時に記す)




2017年の日本についての予測

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 さて、毎年の恒例であります新しい年の日本を大六壬で予想します。ここでの予想は2017年2月立春から2018年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台暦計算室によると2017年2月4日0時34分です。
 日本標準時と東京の時差は19分であり、かろうじて占時は子時ということになります。北海道だと30~50分の時差がありますから、丑時になりますが、日本の首都は東京なので、今年は子時で課式を立てることにします。


日干支 壬戌  占時 子  月将 子  空亡 子丑  太歳 酉

初伝天空白虎白虎天空天空
中伝白虎
末伝太陰

課義
 立春が子時ということは伏吟課ということになります。伏吟課は通常変化に乏しいとされ、変化しても悪くなると判断されます。この課の三伝は一課、三課、三課の刑という構成ですので、三課の示す占いの目的に対して悪く働くということになります。
 この課については、次の句が添えられてあります。
 「干與初伝、閉口難言、両戌一未、勾虎為冤」
 この意味は、干上神が初伝となり、しかも癸亥で甲寅旬の旬尾にあたり(閉口の意味)、言うことも難しい。三課中伝は戌で末伝が未。勾陳白虎とも仇となる、ということですが、これだけだと意味はよくわからないでしょう。私も正確な意味はつかみかねますが。
 課伝をみますと、白虎が官鬼で日干を剋すので、決して良くありません。病気や訴訟は免れないと言われます。

占時・太歳
 占時は子で青龍ですが、空亡です。青龍は金銭、衣服、地位、宴会などの象意がありますが、空亡なので青龍の勢いの良さは出ない感じです。行年は酉で太常です。太常は飲食、仕事、財産など日常生活のことです。

気象・自然災害
 伏吟課は天地動かずとあり、晴れなら晴れ、雨なら雨とあります。
 発用(初伝は癸亥でまさに雨の象です。よって素直に解釈すれば、一年を通じて雨が多いとされます。しかし気になるのは亥が天空であり、子丑空亡です。すなわち亥子丑が空ですので、これからすると雨は少ないといえなくもないわけで、迷います。中伝白虎は晴れを示唆しますが壬が遁干、末伝は太陰ですが、己未土ですからこれはまず曇りとです。してみると、晴れの象はあまり見当たらず、全般として日照時間が少なく雨が多いと判断します。
 中伝戌には白虎が付きます。戌が白虎ということは辰が螣蛇であり、しかも土支で壬日干を剋するので、災禍を示します。遁干が壬ですから、大雨、水害、また戌ですから、土砂崩れも考えられるでしょう。
 地震や火山の噴火はどうでしょうか。螣蛇である辰は課伝に出てきていませんが、辰は土支官鬼であり警戒が必要です。東南-西北の軸が怪しく感じます。場所としては関東東海、さらに海の方までいけば東南海、西北は日本というよりもむしろ朝鮮半島から中国東北部あたりが心配です。時期的には4月から10月が考えられます。ちょっとピンポイントでの予想は立てにくいです。というのは、伏吟課なので、課式自体に変化が乏しいためです。局地的な災害は考えられますが大災害という感じではありません。しかし南海トラフ地震ならば津波への警戒が必要です。(実は仕事上ではそういうことも想定しなければならない立場なのですが)
 火山については大噴火というような象意は出ていません。占いではなく、火山の噴火は科学的な予測が可能だと思いますので、観測を強化していつ起きてもいいように準備をしておくべきだと思います。

政治
 伏吟課ですので、動きに乏しく、癸亥が発用ですので、八方ふさがりという感じです。
 日本では政治日程で大きなものはあまりありません。確定しているのは都議選ぐらいでしょうか。衆院解散の声もちらほら聞こえますが、おそらく天皇陛下の退位に関する法案成立までは大きな動きはないでしょう。課式が示すのは、行動は謹しむべきで、前進しようにも先に進めない、ということです。無理に解散すれば思惑と反対の結果を招くと思われます。たぶん賢い安倍内閣や自民党は今年は無理はしないでしょう。よって首相の交代は今年も考えにくいです。
 個人的に気になるのは、昨年の反省でも書いた天皇陛下の退位問題ですが、課式を素直に読めばおそらく結論は出ないということになるのではないでしょうか。報道は先行しており春にも法案通過の感じですが、決めることがまだ山ほどあるので、もし成立したとしても、考え方を示す暫定法にとどまり、手続きの詳細は来年に持ち越しということになるのではとみています。あまり長引くと天皇陛下の健康状態が心配です。
 話を政治に戻すと、動きに乏しいというか、八方ふさがりの原因は、日本国内というよりも海外にあると思われます。これは占術での判断ではありません。国内の政治日程は大したことはないのですが、海外の政治日程は大きなイベントが目白押しです。米大統領就任に始まり、欧州の首脳の選挙や中国の指導部交代、お隣の韓国は今後の動きが全く予想もつきません。それらの結果が見えない以上は日本としては、事実上動きがとれないでしょう。外交はとくにそうです。
 東アジアについていえば、時差が1時間の中国や韓国も同じ課式で看ることになりますので(子刻圏内にこの三国がある。ただし中国は広いので一律には言えないが)、この三国とも状況は同じです。欧米の状況が読めないまま動きづらく、三国間もまた膠着状態が続くということになるでしょう。
 と、この項を書いているときに、日本が韓国に対して慰安婦問題に対して強硬な措置を取ったというニュースが入ってきました。大使帰国はすぐに解かれるものと思いますが、その他の措置は長引くかもしれません。それでもすぐに外交戦争になるとは考えにくく膠着状態が続くでしょう。潮目が変わるのは年の後半でしょう。大統領が変わるのか、あるいは中国との関係を強化するのか。要注目です。
 なお、女性の活躍については、それを示すものは末伝未の太陰ぐらいです。年の後半に活躍する機会が出てくるかもしれませんが、あまり期待はできません。

社会
 政治と同じで、社会も停滞ムードで不安感のただよう一年となると思います。
 年支である酉には太常がついており、これは日常を意味しています。また占時子には青龍が付いていて勢いがありそうですが、子は空亡でありしりすぼみです。2017年は動きが乏しいというのは流年と占時の象意からも見て取れます
 次に、初伝は年の前半、中伝は年の中盤、末伝は年の後半だとして、それぞれを見てみます。
 初伝は亥で日干の建禄にあたりますが、天空であり、良いことはあっても小さな事(個人レベルの話)であり、世の中が明るくなるというようなことはないでしょう。
 中伝は戌で官鬼白虎が乗じており、年の中盤、4月から10月ぐらいまでは災害や事故に警戒が必要です。昨年はテロに警戒と書いたのですが、日本ではテロ自体が起きにくく、むしろ無差別殺人に類する事件の多発でしょうか。この中伝の象意は個人レベルでは訴訟ごとを示すのですが、社会的な風潮が紛争的になるのでしょうか?
 末伝は未に官鬼太陰が付いています。太陰は秘密、陰匿、女性、婚姻、慶事などを表し、基本的には吉将なのですが、中伝と刑であり日干一課を剋するので、凶意の方が強まります。詐欺とか盗難、不倫、遅滞、損失というようなことです。
 伏吟課なので動きが乏しいと書きましたが、三伝の構造は初伝が一課干上神、中伝が三課支上神ですが、末伝は中伝の刑である未です。すなわち、中伝と末伝の間には刑という関係があり、他の課式と導き出し方が異なります。このことは年の後半はそれまでとは違ったことが発生する可能性(たぶん悪い事だが)を示唆します。具体的なイメージがつかめないでいるのですが、政治的あるいは社会的事件が発生して国内の雰囲気が変わるかもしれません。その時期は末伝の己未から、未月すなわち7月、あるいは己月である9月、また未と刑である戌月10月も考えられます。
 三伝を見ても一年を通じて何だか救いようがない感じがしますが、何か別の看方はないでしょうか?
 『干支六壬占法』(佐藤六龍、佐藤文栞著)には、方位で国を指定しており、日本は卯に属するとあります。卯は子孫で朱雀が乗じています。卯は日支戌を剋しますが支合の関係であり、また干上神亥と三合の関係にあります。また卯木は亥水から生じられます。以上から卯はこの課式にとっては吉関係にあります。朱雀は凶将ですが、卯と課伝との関係は良いので、日本は、国内においても国際社会においても、「和(合)」の精神でうまく乗り切っていけるのではないかと思っています。(そう願っています)
 なお、同書には米国も卯に属するとありますが、米国は日付変更線を挟んでいますので、当然日本と違う課式になります。よって同じ卯だから同じようなことにはなりません。

経済
 経済については、昨年の予想はほぼ当たりませんでした(細かく見れば当たっていたこともあったが)。今年はそういうことのないようにしたいと思いますが…。
 2017年の経済について、結論から言えば、全体的にはあまり良くないということになります。
 まずこの課式には財にあたる干支がありません。かろうじて流年干に丁がありますが、基本的には流年干は六壬では考慮に入れません。まずは財的な利益は期待できない一年であると言えるでしょう。なお、ここでいうのは個人の話ではなく国の話ですので、誤解なきよう。日本のすべての個人が儲からないと言っているわけではありません。
 もう少し掘り下げてみましょう。(たいして掘り下げていないが)
 財を示す十二天将は青龍ですが、青龍は子についています。ところが子は空亡です。これは財を失ったり、入るはずの財が入ってこなかったり、ということです。また財を示す十二支は酉です。伏吟課ですので酉の上神はやはり酉で、酉は自刑ですからやはり破財の象があります。酉には太常が付いていますので、日常生活に影響を与えるような経済に関する問題が発生するかもしれません。ところで酉は流年支でありますから、今年はとくにその傾向が出てくるといえるでしょう。
 こうしてみると、今年は経済面で期待できそうにありません。(何度も言いますが個人のことではありません)
 三伝で一年の推移を見てみます。
 初伝は癸亥で癸は劫財、亥は天空ですから、今年2月からこれまでの利益が失われる可能性があります。想定されるのは米大統領が就任した後、それまでの円安株高傾向が反転することです。これによって利益が吹っ飛ぶ人が多くなるでしょう。しかし円高が必ずしも(日本の)経済上で不利かどうかは一概には言えません。ともかく年の前半は今儲けている人が損失を発生させるかもしれないという予想です。
 中伝は戌で干上神を剋します。白虎もついているので、思わぬ損失を被る人が数多く出てくるものと思います。
 末伝は未で同じく干上神を剋すのですが、亥と未は三合であり、戌よりはましでしょう。太陰は基本的に女性とか隠事ですが、財物の意味もあり、悪いなりにも持ち直してくるのではないかと思います。
 まとめると、年央が景気の底となり、後半若干上向くものの、昨年末のような円安株高は期待できないと予想しておきます。ただし年末から来年始めには円安に振れると私はみています。
 毎年行っている業界予想ですが、残念ながらこの課式(というか状況)でこの業界が良いあるいは悪いというのはなかなか難しいです。この中で有望なのは寅卯木が示す業界です。寅は亥と支合で戌と三合、さらに亥水に生じられます。卯は前にも書きましたが、亥と三合で卯と支合、さらに亥水に生じられます。また寅は六合で木の吉将、卯は朱雀で火の凶将ですが、亥卯未の木局に生じられます。
 寅木の類神は山林、橋梁、木器、家具、文書など。卯木の類神は材木、船、車、木造、雷廟、駅馬などです。それと六合、朱雀とを併せて考えますと、林業、建築業、家具、交通関係、教育、宗教、貿易関係などがあげられます。今年はこれらの業界に注目したいと思いますが、経済の基調は良くないので、あまり期待はしない方がいいでしょう。

 (以上2017年1月8日午前10時に記す)




2016年の予測の反省

 2017年の節分まではまだ時間がありますが、この時期の恒例であります2016年の予測の反省をしたいと思います。
 2016年での予測は東日本と西日本に分けましたが、反省ではとくに分けずに内容を箇条書きにまとめます。

(1)キーワードは 太歳六合は、交易、信用、結婚、集会、技術。東日本の方は占時螣蛇は心配、恐怖、災害など。
  西日本の占時朱雀は文書、派手、知恵、訴訟などである。
(2)東日本ははっきりしない気候であり、前半は比較的雨が多く、関東甲信越では水害の恐れ。中盤は暑い日が続き、
  熱波や火災の心配がある。西日本は年の前半は雨が多い可能性あり。後半は雨が少ない。
(3)東日本では地震や火山の噴火はなさそう。西日本は地震が心配だが大きくはない。津波、台風、高潮かもしれない。
  4月、11月、1月が要注意。
(4)政治的には管理強化が強まる。テロに警戒。参院選は与党の勝利。西日本から政治的リーダーが出るか?
  安倍首相は安泰。
(5)官邸主導から世論が政治を動かす傾向が高まるのではないか。
(6)女性活躍社会はまだ先。女性はお飾りからまだ抜け出せない。
(7)外交関係では何か驚くようなことがおきる。が、あまりいいことはない。
(8)和合とか愛情が重視される。子供や日常生活に影響する災害の発生、医療関係の事故など。
  西日本では犯罪の増加、警察と犯罪者の対立。
(9)経済面では、年の前半は活況を呈するが、後半はしりすぼみになりそう。徐々に損失が拡大する感じ。
  昨年ほどは良くない。
(10)有望な業界としては、東日本では金融機関、商社、結婚関係、技術力のある会社。一方、女性をターゲットにした業界は
  苦戦する。西日本の方が業績はよく、ホテル、飲食店、物流関係が良さそう。

以下に各項目の結果について記します。

(1)について
 キーワードであり、具体的事象を示していません。当てはまりそうな当てはまらないような。

(2)について
 気象庁発表の2016年の日本の気候の特徴は次のとおりです。(気象庁HPを参考)
  ①1年を通じて気温が高く、また降水量も台風の影響もあり多かった。
  ②春は西日本が雨が多く、東日本は全般に雨が少なかった。
  ③夏は全般に気温が高く、北日本では台風の影響で雨が多かった。jとくに北海道東北では大雨で水害が発生した。
  ④秋は西日本で雨が多く、日照時間が少なかった。北日本では高温だったが、10月からは低温となった。
  ⑤冬は比較的暖かいが、日照時間は少ない見込み。
 部分的には当たっていますが、全般的な傾向は外れている感じです。
 東日本での水害の予想は当たりましたが、場所がずれています。まさか北海道に台風が次々と襲うなどとはついぞ予想しませんでした。まあせいぜい関東かと。
 暑かったのは当たりですが、世界的な温暖化が進んでいるので、これ自体はあまり自慢になりません。
 秋、西日本に雨が多く、日照時間が少なかったというのは、課式を今見てみると、なるほどそういう予想を立てられる可能性はあったなと思います。三伝逓生ですが、甲寅が末伝ですので、きれいに晴れるところまでは行きつかないと見てとれます。また戌未は刑ですので、水を剋する力が弱いとも判断できたかもしれません。
 気象と関係した災害では、先日糸魚川で大火災が発生しました。これは熱波というわけではありませんが、乾燥した猛烈な風が火災を拡大させたわけで、人災というよりも天災といってもよい火災でした。(自然災害に認定されたそうです)

(3)について
 4月に熊本地震が発生しました。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。
 東日本大震災ほど規模が大きくなく局地的だったのですが、直下ということもあり被害は大きなものとなりました。
 4月という時期は当たったのですが、私は当初トカラ列島あたりを想定していたので、場所はずれてしまいました。
 10月は鳥取で震度6弱の地震、11月以降も西日本の地震活動は活発です。
 東日本では福島県、茨城県で大きな地震がこのところ発生しています。津波も観測されましたが、被害はあまりありませんでした。
 火山については阿蘇中岳が噴火しましたが、それ以降は活動は落ち着いてきているようです。このところ桜島の噴火が急激に減少しているのは気になるところです。

(4)について
 今年は伊勢志摩サミットがありましたが、とくに混乱もなく終わりました。よかったです。伊勢神宮をはじめ、神様のご加護の賜物でありましょう。幸い国内ではテロは発生していません。ただし、テロではないにしても無差別殺人とかは起きていますが。
 3月には安保関連法案が施行。この良し悪しは別として、自衛隊の活動範囲や政府の統制の強化が大きくなったのは確かです。
 参院選は予想通りというべきか、与党の勝利となりました。まあこれも当たりそうなことなのでたいして自慢になりません。
 西日本からリーダーが出るのではないかと予想していましたが、今のところはそれらしい人物は出てきてませんね。参院選に乗じて誰か出てくると思っていたのですが…。孫正義氏は九州生まれですが、私の描いていたリーダーのイメージとはちょっと異なります。確かにホークスは福岡の球団ではありますが、残念ながら優勝できませんでしたし。
 また、安倍首相も長州ですが、西日本のリーダーという感じではありませんね。
 と、ここではたと気づいたのですが、時差を考えると、西南日本と韓国はそれほど時差はありません。すなわち、西日本が活気づくというのは韓国のことを意味していたのかもしれません。といっても、活気づき方が普通ではありませんが。もっとも、ろうそくデモのときに韓国ソウルに在住していた私としては、またか、という印象ではあります。こういうのは解釈としては無理筋ですかね。

(5)について
 野党結集を目指した民進党が結党しましたが、残念ながら人気はあまりありません。またおおさか維新の会も日本維新の会となりましたが、キャスティングボードを握るような状況ではありません。
 自民党の一人勝ち状況は今のところ変わりそうにありません。ただ、私は最近成立している法案が必ずしも支持されているわけではないことから、そう遠くない時期に変わる予感はしています。消費税延期も意外と支持は高くありませんでしたし。しかし、世論が政治を動かすといってもポピュリズムにはなってほしくありません。(世界的潮流ではあるが)

(6)について
 女性活躍社会というキャッチフレーズが出てから1年がたちますが、世界に比較すると日本はまだまだお飾りという感じです。世界のリーダーは女性が増えてきました。独メルケル首相や米イエレン議長、英メイ首相、そういえば台湾総統も蔡英文氏になりました。小池百合子氏や稲田朋美氏には今後に期待しましょう。

(7)について
 外交関係というか海外にはいろいろ驚かされました。何といってもトランプ次期大統領が最大のニュースでしょう。そのほかもいろいろと驚かされます。北朝鮮の暴走は加速していますし、韓国では大統領弾劾が成立しました。またBrexitや移民問題、ナショナリズムの台頭、テロの頻発等、欧州は揺れています。さらに昨日、米露関係に暗雲が立ち込め始めました。安倍首相もこの展開は想定していなかったでしょう。今のところプーチン大統領は報復措置には出ず、大統領の代わるのを待っているようですが、予断を許しません。
 いずれも日本のかじ取りは難しく、なかなか思うようにいかないというのが、政府、外交関係者の思いなのではないでしょうか。

(8)について
 和合とか愛情とかが重視される、と予想しましたが、2016年ののっけから不倫騒動(いわゆるゲス不倫)で芸能界は大騒ぎでした。ま、愛情には違いないですが、もっとまともなものを予想していたのに…。漫才コンビ「ハマカーン」が流行らせた言葉がとんでもない方向に行ってしまいましたね。で、不倫騒動は政界や演芸界へと広がりを見せました。やれやれ。
 それでも、映画「君の名は」のヒットは愛情を重視する社会の風潮の表れといえるかもしれません。
 子供や日常生活に影響を与える事件は例年どおりというべきかもしれません。最近はお年寄りや障がい者など弱者に対する事案も増えてきています。また逆に高齢者による交通事故も増えてきました。
 日常生活に影響を与える事件といえば、無差別の交通事故(ただし交通事故による死者は減少中)はもとより、10月に起きた東京での大規模停電や福岡の道路陥没などありました。が、影響は限定的でした。むしろ大雪とかの自然災害の方が影響が大きかったかもしれません。
 西日本では警察対犯罪者の構図がはっきりすると予想しましたが、統計的にはあまり明確ではありません。例の暴力団の分裂騒ぎから1年以上たちますが、それに関する報道はあまりなかったように思います。この点はハズレかな。

(9)について
 経済については、昨年ほど良くないというのは言えると思いますが、年央が最もよく後半はしりすぼみというのは、ちょっとハズレです。予想外のことが多かったです。
 まずはマイナス金利導入に始まり、それが落ち着きそうになったところでBrexitの問題が起き、株価は下がりました。で、そのまま下がるかと思いきや、年末の米大統領選挙でトランプ氏が勝利すると、大方の予想に反して株価が上昇しました。これはほとんどの評論家やアナリストたちが全く予想していない展開で、年末の「モーサテ」でも大反省会がなされました。
 ところで、年末は若干の下げと円の上昇で終わりました。節分までは約1か月あります。が、今後の推移は今のところは予測がつきません。

(10)について
 業界予想はキーワードをもとに行っているのですが、今年はやや視点がずれました。好況だったのはインバウンド関連であり、これはキーワードからすれば予想できる範囲でしたし、実際その通りとなっています。物流、運輸も比較的堅調です。逆に商社や金融は商品市況の低迷やマイナス金利の影響であまり良くありませんでした。しかし、ここへ来て商品の値上がりや金融市場の活性化で、業界は上昇ムードとなっています。
 金融業界についていえば、銀行の再編が進んでいます。これにより体力の強化が図れるのか今後注目です。
 ブライダル業界は結婚する男女が減っているにもかかわらず、アイディアで勝負しています。まずまず堅調のようですが、大きく伸びたということはなさそうです。
 女性をターゲットにした業界は苦労すると予想していたのですが、これは当たったのか外れたのかはよくわかりません。例えば百貨店業界はインバウンド向けにシフトしており、化粧品業界は男性化粧品やトイレタリー商品、あるいは海外展開に力を入れています。もちろん女性向けというのは非常に大きな市場ですが、各業界とも「女性」にこだわらずに多角化を進めていますので、(苦労はしているのでしょうが)それなりの業績を上げているようです。
 業界の予想というのは難しいとあらためて思います。

予想しなかった事件
 予想しなかった事件としては、前都知事や議員の公金使用問題がありました。これは課式を注意深く見れば予想できたのではないかと思っています。まさに「偸盗や欺瞞が多い」事案かと思います。燃費改ざんや豊洲新市場、東京オリンピックの諸問題(エンブレムの問題から費用の問題まで)もそれに類する事柄でしょう。
 基本的にスポーツの予想はしていないので、リオ・オリンピックでの日本選手の活躍は予想の外でした。
 結構大きな事件だと思っているのが、天皇陛下の生前退位の問題です。これについては具体的な進展は今のところありませんが、天皇陛下もご高齢ですし、来年あたりは大きな問題となるのではないでしょうか。
 私にとってはどうでもいいニュースですが、SMAP解散は国を超えての話題となりました。もとよりこういうことには興味がないので予想はしていません。

 2016年の予想全体としては、とくに経済、政治面で大きく外しました。また4月の地震発生など一部は予想したとおりでしたが、場所が異なるなど気象や天災についてもズレがありました。毎度同じ反省なのですが、課式は「偸盗、欺瞞」を示していたわけで、それを読み取る力というか、象意を現実に当てはめる力がまだまだだと思います。
 まあ、これにめげず2017年の予測も例年どおり行うことにします。

(以上2017年1月1日13時に記す)




2016年の日本についての予測

 毎年の恒例であります新しい年の日本を大六壬で予想します。ここでの予想は2016年2月立春から2017年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台暦計算室によると2016年2月4日18時46分です。
 これは東経135度の時刻ですから、静岡や新潟あたりより東、東日本や北日本は戌刻、それより西は酉刻が立春ということになります。つまりは東北と西南で立春の課式が変わります。昨年同様、今年も2つの課式を立てて検討してみたいと思います。長くなりますがご容赦ください。
 昨年の予想は大外れでしたので、今年は大人しい予想にしようと思ったのですが、どうせ外れるならさらに大胆(?)に予測しちゃおう、と思い返し、例年よりも踏み込んだ予想を立てています。ま、占いを職業としているわけではないので、外れても怖いものはありませんから。(当たったらかえって怖い?)

【東日本、北日本】

日干支 丙辰  占時 戌  月将 子  空亡 子丑  太歳 申

初伝六合六合青龍朱雀勾陳
中伝トウ蛇
末伝天后

課義
 この課については、次の句が添えられてあります。
 「初財末官、仕宦欣歓、壬戌干覆、玄子偸瞞」
 この句の意味は「初伝は財で末伝は官、これに仕えれば喜びが多い。ただし壬戌は日干を剋して日干の墓であり、末伝子は玄武が乗じて、偸盗や欺瞞が多い」というようなことです。
 これは『畢法賦』でいう「[ゴウ]塞鬼戸任謀為」で、謀事をなすのによく、また祈祷や見舞によいとされます。ただこれは2016年の予想にはあまり役に立ちそうにありません。

占時・太歳
 占時は戌で[トウ]蛇、子孫、太歳は申で六合、財です。[トウ]蛇は心配、恐怖、怪異、驚異、災害など、子孫は目下、奉公人、薬品、医者、卜占、日用品、六合は交易、信用、和合、婚姻、集会、技術、財は妻妾、使用人、財産、食物、商売、事業、倉庫といった意味があります。

気象・自然災害
 日干丙は太陽ですが、一課干上神は勾陳で曇り、発用は庚申に六合が乗じているのでどちらかといえば雨、二課は酉に朱雀、財が乗じており晴れ、中伝は壬が雨を示唆しますが、戌に[トウ]蛇が乗じており晴れ、末伝子は天后ですが空亡ですので雨はかえって少ない、となります。
 以上をまとめますと、一年を通じてはっきりしない気候が続く、年の前半は雨が比較的多いが、中盤は晴れ間が多く暑い日が続き、年の後半は天気はそれほど良くないが、まとまった雨は降らない、ということになるでしょうか。
 しかし、中伝の[トウ]蛇と壬は、豪雨による水害と読み取れないこともありません。場所としては関東甲信越あたりが考えられます。時期的には梅雨よりももっと早くなるのではないかと思っています。
 夏は暑くなりそうなので、熱波や火災による災害も起きるかもしれません。これは中伝戌が午と三合から予想したことです。干上神が未で午と六合でもあります。
 課式を見る限りでは、火山や地震で被害が出るという感じはしません。ただ、火山国であり地震国である日本で生きる以上は、それらに備えることに越したことはありません。

政治
 昨年のように貴人=首相と見ることはせず、今年は課式全体で判断したいと思います。そもそも貴人は課式に明確には出ていませんが…。
 一課は勾陳で干の生を受けています。勾陳は警察や軍隊であり、その陰神である酉には朱雀が付いていて、朱雀は紛争、火気の類ですので、これだけ見るとかなりきなくささを感じさせます。2016年には伊勢志摩サミットもあることですし、またテロの発生の可能性も高くなっていることから、政治的にも管理統制の強化が強まるものと思います。中伝[トウ]蛇は恐怖という象意があります。恐怖とは英訳すれば”テラー”でまさしくテロです。そういうことがないことを祈ります。
 三課の午は日干を助け、未と合であり、管理強化に向かう政府を応援する世論の声は強まるでしょう。しかしながら、一方では力による政治に反発する動きもあるとみます。とくに発用は申六合であり四課にもあることから、場合によっては国民統合政府的なものを模索するような動きも出てくるのかもしれません。
 戌は午と三合で、年の中盤に参議院議員選挙があることを考えると、この課式は与党自民公明有利とみれるように思います。
 ただ、次章の西南日本の課式を見るとわかるのですが、申が四課ではなく一課で発用となっており、そういう動きは西日本(大阪?)で強く出てくるかもしれません。またその課では二課に亥貴人があり官鬼が付いていますので、指導者が西日本から出てくるのかも?あるいは伊勢志摩サミットを契機として、日本の政治が転換していくきっかけになるとか。あるいは参議院選挙で西日本では野党が票を伸ばすとか。中伝の[トウ]蛇はそういうような驚くことが起きるということ?まあ普通に考えるとなさそうですが。
 ま、そういうもろもろを含めて、2015年に私が予想した、官邸主導から世論が政治を動かす傾向が高まるのか注目したいところです。
 末伝子には天后がありますが昨年と同様空亡であり、女性の政治の参画はお飾り状態からまだ抜け出せないように思います。女性活躍社会はまだ先の話のように感じられます。
 課式をみても常識的に考えても、安倍首相が辞めるということは見えてきません。辞めるとすれば政治的な問題ではなく体調でしょう。しかし、それは安倍首相の四柱命式を見て判断すべきだと思います。(安倍首相個人には興味がないので見ていません。依頼があれば見てもいいけど)
 外交に関しては、発用が六合なので期待したいところですが、その陰神である戌に[トウ]蛇がついており、あっと驚くような何かが起きるのか、それとも騒いだ割には何も実がなかったというようなことになるのか?戌は丙にとって墓であり、食傷(敗)ですので、結果はあまりいいことはないだろうと思います。今年はアメリカ大統領選もありますので、外交はしっかりしてほしいという気はありますが…。

社会
 申六合で財が発用であり、末伝子天后と三合となりますので、社会的なムードとしては和合とか愛情とかが重視されるような雰囲気になると思います。しかし末伝空亡なので、それも長続きはしないでしょう。
 占時であり中伝である戌には子孫、[トウ]蛇が乗じており、これには恐怖や災厄の意味もありますが、戌に乗じると入塚といって災いが解消するという意味があります。この判断は難しいですが、私はやはり子供や日常生活に影響するような災害が生じるのではないかと思います。あるいは医療事故や薬害が増えるとか。
 末伝天后は女性ですが空亡なので、女性の地位が低くなるとか、女性的なものが失われるとかということでしょうか。あるいは東日本では女性タレントの人気が徐々に低下する、例えばAKBからSKE、HKTに人気が移っていくとか。
 全体的な雰囲気をいえば、年の始めは平穏なスタートですが、後半は沈滞したムードになっていくのではないかと思います。ファッションなら前半は比較的派手ですが、後半は落ち着いた感じが流行るみたいなそういう感じかと。
 また発用が六合で末伝が天后というのは男女間のモラルの乱れを示唆しますので、結婚や離婚に関する話題が多くなるのではないでしょうか。倫理感の崩壊が言われて久しいですが、それがますますひどくなる感じがします。

経済
 発用が六合で財です。また二課に酉朱雀がありそれも財です。また申の遁干は庚、酉の遁干は辛で申酉が強まります。これから見ると、少なくとも年の前半は経済的には活況を呈するでしょう。ややもするとバブル的か。
 しかし年の後半になるとしりすぼみになりそうです。バブルがはじけるというよりも徐々に損失が拡大する感じでしょうか。
 株価を予想すると、年央が最高値で年末にかけて下げる、すなわち山の形になるのではないかと思います。夏ぐらいがピークだと思いますので、それまでに売ってしまうか、年の後半に仕込むかでしょう。なお、そのあたりの判断は自己責任でお願いします。私のせいにしないように。
 経済については、昨年はあまりに悲観的な予想をして大きく外しましたが、今年は悲観的とは言わないものの、昨年(の実績)ほどは良くないと思います。
 毎年恒例ですが、良さそうな業界は何でしょうか?前半は酉金の示す金融機関、ただし後半は息切れしそうです。あとは昨年とほぼ同様で、商社やブライダル業界、技術力のある会社が有望だと思います。逆に女性をターゲットにした業界は苦戦するでしょう。

 以上が東日本、北日本の話でした。続いて西日本、南日本を見てみます

【西日本、南日本】

日干支 丙辰  占時 酉  月将 子  空亡 子丑  太歳 申

初伝六合トウ蛇勾陳貴人六合
中伝貴人
末伝玄武

課義
 この課については、次の句が添えられてあります。「財貴長生、伝内倶陳、[イ][レイ]相薦、夜変成[チュン]」 これは課について説明しているのですが、三伝は初伝が財、中伝が貴人、末伝が丙の長生で、金生水、水生木、の並びとなっています。これを三伝逓生といいます。

占時・太歳
 占時酉は朱雀で財、太歳申は貴人、財です。朱雀は文書、派手、華麗、知恵、訴訟、著作などを示します。太歳未の象意は【東日本、西日本】で述べたことと同じです。

気象・自然災害
 干上神は申金で二課中伝の亥水を生じています。よって年の前半は雨が多いとします。しかし末伝は甲寅で木、木は丙火を生じますから、年の後半は晴れといえるでしょう。これは三伝をそのまま素直にみた判断です。しかし、三伝逓生は晴れることが多いとされるので、一年を通じて雨はそれほど降らないかもしれません。また三課四課が土支であり、亥水を剋することからも、とくに年の中盤からは雨が少ないといえるかもしれません。
 自然災害を示す[トウ]蛇戌は四課に出てきます。四課にトウ蛇が出てくるのは、経験的には地震が心配です。末伝甲寅に抑えられるのでそれほど大きくないとは思いますが、要注意です。もっとも遁干が壬なので、地震よりは津波、台風や高潮かもしれません。
 その起きる時期と場所を思い切って特定すると、時期としては4月か来年1月、まあ戌月、11月も候補に入れておきましょう。場所は南西諸島もしくはその対冲である東海地方が考えられます。繰り返しますが、大きな災害が起きるということはないと予想します。

政治
 前述のとおり、西南日本では亥貴人官鬼が二課、中伝に出てきています。年の中盤から後半にかけてリーダが西日本から出てくるかもしれません。今年は7月(8月かも)に参議院議員選挙がありますが、話題のH本氏が選挙に出るという意味なのか?それとも選挙とは関係なく、別のリーダーが出てくるということなのか?今のところは私はこの貴人の意味を判じかねていて、断定的なことを言うのはやめにします。
 もっとも貴人=政治家ととらえる必要はないのであり、例えば企業のトップととらえることもできます。その場合、例えば関西経済界の重鎮が表に出るとか、そういうこともあるかもしれません。別に特定の人を想定しているわけではありませんので、念のため。

社会、経済
 発用が六合なので、出だしは東北日本と変わらないのですが、中伝、末伝は異なります。とくに末伝寅は駅馬であり、丙の長生でありますので、非常に活発で動きがあることを示します。
 占時は朱雀で派手という象意があります。東日本よりも西日本が元気といえるのではないでしょうか?
 末伝寅には玄武が乗じており、その象意は陰険、不誠実、詐欺、陰謀です。西南日本では玄武の悪い象意が活発化するとみます。一方支上神に勾陳があり、これは警察や軍(日本でいえば自衛隊)を示し、彼らはそういう事件を抑える(弱める)ことになるかと思います。というかそれを望みます。幸い日干丙は未を生じますので勾陳に力があり、警察対犯罪者の構図がはっきりするでしょう。これはひょっとすると今話題となっている警察対暴力団のことを表しているのかもしれません。これは何とも西日本とか九州とかの動きと符合してますね。
 それはそれとして、全般的には西南日本の方が東北日本よりも活力があり、パワーが感じられるでしょう。社会のパワーは経済にも当然波及すると思われ、東海から九州の企業の方が東京以北の企業よりも元気で業績もよいと予想します。よって投資するなら本社が西の方にある企業を選んだ方がよいでしょう。もちろん企業業績をしっかり見極める必要がありますが、業界ならば、大胆に予想すれば、ホテルや飲食店、物流が活発化すると思うので運送業や倉庫業も良いのではないかと思います。

 (以上2016年1月3日21時に記す)




2015年の予測の反省

 毎年の恒例ですが、2015年の予測の反省をしたいと思います。
 念のためにまた書きますが、中国占術は一般的には立春が1年の始まりですので、2016年1月までが2015年の予測の対象です。よってまだ予測期間が終わったわけではないのですが、昨年から本業で忙しく、この時期でないとまとまった暇がとれないので、1月の始めに次の年の予想をするわけです。
 ま、ともかく2015年の反省を。

 2015年での予測は東日本と西日本に分けましたが、反省ではとくに分けずに内容を箇条書きにまとめます。

(1)キーワードは疾病、流血、道路、争い、残忍、衣食住、旅行、乗物、勉強が東日本の方で、西日本は日常、消極、隠遁、正直、官吏、盗賊、危険物、怪異、疾病などです。
(2)東日本ははっきりしない気候、前半がやや雨が少なく、後半は雨や雪が多い。西日本は変わりやすい天気となる。
(3)東日本では水害や雪害が考えられる。大きな地震はなさそう。火山の噴火もなくはないが、それほどではない。西日本では一年を通じて何らかの災害が起きて被害が出るが、目立った災害はない。しいていえば水か火の災害。
(4)政治に混乱が予想されるが、何も進まない。年の後半は世論が政治を動かすようになる。
(5)女性が政治に参画するようになるが、お飾りの可能性が高い。
(6)自民党総裁選は意外な展開になるかもしれないが、安倍政権は結局のところ安泰。
(7)中国、韓国との関係改善は望めない。力に訴える外交を展開される。
(8)日本社会は殺伐とした雰囲気が強まる。老人に対する迫害、強盗、詐欺、横領など。公務員の不祥事も多発する?
(9)とくに東日本は交通事故や旅行先の事故の話題が多くなる。
(10)少女アイドルグループの人気は依然として高い。
(11)アベノミクスは功を奏せず、損失、破財が現出する。株価やペーパーマネーの価値は12月までに大きく下げる。貴金属や宝石の価値が相対的に上がる。
(12)有望な業界としては、水ビジネス、貿易関係、結婚関係、技術力のある会社。一方、金融や製紙、高級品、婦人対象の業界は苦戦をしいられる。

(1)について
 キーワードであり、具体的事象を示していません。毎年のことですが、当てはまりそうな事件が目白押しです。

(2)について
 気象庁発表の2014年の日本の気候の特徴は次のとおりです。(気象庁HPを参考)
 ①年平均気温は高かったが、西日本は冷夏だった(ただし平均気温は高め)。
 ②東日本、北日本は日照時間や降水量に大きなばらつきがあった。
 ③西日本は冷夏。日照時間が少なく、雨は全体的に多め。
 ④東日本では9月に記録的な豪雨があった。
 
 東日本でははっきりしない気候、西日本では変わりやすいという予想でしたが、むしろ逆の感じですね。東日本で水害というのはまあ当たりといえばいえますが、ちょっとあいまいなところです。では、時期をピンポイントで特定できれるでしょうか?課式からいえば子丑月(12月、1月)が本線でしょうが、この課式から酉月(9月)と予想するのは難しいと思います。四課に酉があり青龍が乗じていますし、丑との三合なので、まあ酉月もかなり雨が降ると予想できないことはありませんが、酉月と断定するのはちょっと無理だと思います。
 2015年でもう一つ特筆すべきは、年平均気温がかなり高かったことです。しかし、これは予想できませんでした。西日本が冷夏かもしれないとは三伝を見れば何となくわからないではないですが。

(3)について
 震度5程度の地震は何度か起きましたが、今のところは地震に関してはとくに大きなものはなかったと言っていいでしょう。(海底でマグニチュードの大きな地震はありましたが)
 火山については、口永良部島が大きな噴火を起こしました。幸いなことに人的な被害はなかったようですが、全島避難を強いられました。避難された方々にはお見舞いを申し上げます。
 また浅間山や箱根では小規模な噴火があり、観光業者は打撃を受けたものの、人的な被害は出ませんでした。
 東日本では水害、雪害、西日本では水や火の災害を予想していて、これは大枠では当たったと思います。

(4)について
 私の予想では、政治は混乱して何も決められないと思っていたのですが、重大な法案が次々と通りました。安保関連法をはじめ、公職選挙法改正、マイナンバー法、派遣法、消費税の軽減税率やインボイス制の導入など、意外と決める政治が進んでいます。ちょっと危なっかしい感じはしますが。
 何も決められないと判断したのは、貴人を安倍首相と見たところにありますが、首相=貴人と見るところに間違いがあったかもしれません。
 それはともかく安倍政権についていえば、アベノミクスの第3の矢である規制改革は中途半端の感がありますし、新3本の矢も何だかお題目を唱えているだけでこの先よくわかりません。沖縄についてはちょっと泥沼化しています。そういう点では政治は停滞しているといえないこともありません。
 しかしながら、混乱しているのは与党よりもむしろ野党の方であり、与党の独走を許してしまっています。だらしないの一言に尽きます。
 混乱ついでに、東京オリンピック関係も混乱が続いています。まあ政治とはあまり関係ありませんが。
 もう一つの私の予想として、世論が政治を動かすということがありました。安保関連法については、そういう萌芽が見えなくもないのですが、まだ政治を動かすほどには至っていません。年が明けるともう少し展開が開けるかもしれませんが。

(5)について
 まあこれは予想されたことなので、あまり当たっても自慢にはなりません。
 自民党総裁選には野田聖子の出馬が取りざたされましたが、推薦人が集まらず不発に終わりました。次は稲田朋美でしょうか?

(6)について
 安倍政権は安定というのはまあ想定通りですが、あまりにも無風な総裁選であり、そういう意味では意外な展開と言えなくもありません。もちろんそういう予想をしていたわけではないので、この項はハズレです。

(7)について
 まあ中国は予想通りです。軍事パレードにロシアや韓国を引き込むなどうまくパフォーマンスを行っています。しかし実効性はちょっと疑問です。どちらかといえば米国向けのパフォーマンスでしょう。
 韓国は、産経新聞の支局長問題などもう少し力(この場合は裁判など)に訴えてくると思ったのですが、経済が弱くなっており、また朴大統領の人気もどんどん落ちていて、それどころではなさそうです。。年末に慰安婦問題で一応の成果を得たように見えますが、私は、日本政府が金(国民の税金)を出す以外には、何も変わらないだろうと思います。10億円という中途半端な額ですし。
 ま、この項は半分当たり(中国は当たった)という程度ですか。

(8)について
 毎年書いているのですが、日本社会は年を追うごとに殺伐とした雰囲気になっていると思います。その原因は日本の貧困化(一人当たりGDPは年々減少)にあり、それは日本社会の高齢化が加速しているためだろうと考えています。
 高齢者がこれだけ増えてくると、高齢者がらみの事件も当然増えます。例えば高速道路での逆走、高齢者による殺人や自殺(新幹線での焼身自殺もありました)、振り込め詐欺(新たな手口も増えています)、登山での遭難や事故等々。
 公務員の不祥事はいろいろありました。今年の特徴はマイナンバーがらみでしょうか。例年に比べて多いかと言われると何ともいえません。

(9)について
 旅先での事故というと交通事故、鉄道、船舶、航空機、登山などありますが、今年は結構多く目にしたように思います。東日本で多かったのではないでしょうか。つい先日も北海道で観光バスが衝突事故を起こしています。また船舶では苫小牧沖のフェリー火災、鉄道では青函トンネル内での火災、JRや私鉄でも脱線などの事故が多かったように思います。また登山中の事故といえば著名な登山家がやはり北海道で命を落としています。まあ山岳事故についていえば、事故の起きそうな山(雪山)は東日本に多いわけですが。
 私の印象ではこの項はまあまあ当たったかなというところです。ちょっと甘いか。

(10)について
 とくに論評はありません。当然といえば当然。

(11)について
 株価については、日経平均は2月4日は17,549円で始まり、12月30日時点では19,033円で終わっています。まだ来年の立春までは日がありますので何ともいえませんが、今の時点では大きな損失はなさそうです。ただ、6月には20,952円をつけていて、そのあと中国の株価急落などで損をした人はいるでしょうが。(たいした金額ではありませんが、私も損をした口であります)

1月21日追記:  12月には下げませんでしたが、1月に入って株価(日本だけでなく世界も)は急落しています。12月までにという予想は外れましたが、1か月ずれてこういうことになってしまいました。もちろん占いが当たったという気はありませんが、惜しかったという感はあります。なお、私の財産(わずかですが)はさらに損失が膨らんでいて、内心穏やかではありません。

 株よりはむしろ商品が大きく下げています。例えば原油は50ドル/バレルあったのが40ドルを切っていますし、貴金属やダイヤモンド、小麦なども下がっています。もっとも小麦は円安の影響もあって国内価格はたいして下がっていませんが。
 経済については2015年は大外れですね。寅卯、酉の象意を取り違えた結果でしょう。また経済を悲観的に見過ぎたと思います。アベノミクスがまだもっているというのはちょっと予想外です。
 ただ、物の値段が下がり、株や債券が上昇するというのは、これは明らかに金余り状態と言えますので、この状況が長く続くとはちょっと思えません。

(13)について
 水ビジネスはよくわかりませんが、貿易関係の商社とかは好調のようです。ブライダル業界やホテルなど結婚に関するビジネスは良いようです。技術を売り物にしている会社、例えば工作機械とか自動車も好業績をあげています。ただし電機業界はまだら模様です。
 一方紙に関する業界、製紙や出版などは不調です。また高級ブランド、アパレル業界、百貨店も苦戦を強いられています。宝飾品も値を下げておりいま一つです。  この予想はまあ割と当たっているかと思いますが、経済が大外れでしたのであまり威張れません。個別業界の予想の方が大六壬には向いているということでしょうか。

予想しなかった事件
 ノーベル賞は予想できませんでしたが、このところ毎年のように日本人が受賞しているので、今年のニュースとしてはさほど特筆すべきではないのかもしれません。(ノーベル賞受賞がたいしたことないと言っているわけではありません)
 今年大きく話題になり、私が取り上げなかったことに大企業の会計偽装やマンションのくい打ち偽装、耐震ゴムのデータ改ざんなどがありました。ただ昨年もSTAP細胞とかありましたので、これまた例年どおりに起きているということなのかもしれません。(再三言いますが、そういう虚偽が明らかになること自体がたいしたことはないと言っているわけではありません)

 2015年の予想全体としては、政治、経済が大きく外れていますので、及第点というわけにはいきません。定期試験なら追試が必要でしょうし、入学試験なら不合格です。反省点としては、2015年を悲観的に見過ぎたことと、象意をうまくすくいとれなかったことであると考えています。
 毎回のことですが、これにめげず2016年の予想も行います。

(以上2015年12月31日13時に記す)


2015年の日本についての予測

 毎年の恒例であります新しい年の日本を大六壬で予想します。ここでの予想は2015年2月立春から2015年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台暦計算室によると2015年2月4日12時58分です。
 これは東経135度の時刻ですから、これより東、東日本や北日本は未刻、西日本南日本は午刻が立春ということになります。つまりは東北と西南で立春の課式が変わります。
 実は昨年も時刻(時支)の境目が135度にあったのですが、昨年はそのことに気づきませんでした。今年は、その反省を踏まえて、今年は2つの課式を立てて検討してみたいと思います。長くなりますがご容赦ください。ただ政治経済に関しては、実質的に東京が中心ですので、東日本の方で見ることにします。

【東日本、北日本】

日干支 辛亥  占時 未  月将 子  空亡 寅卯  太歳 未

初伝天后青龍太陰天空天后
中伝天空
末伝トウ蛇

課義
 この課については、次の句が添えられてあります。
 「来情占失、夜貴無力、斫朽木輪、所謀陰匿」
 この句の意味は「この占いは遺失に関するものである。夜貴人は力がない。卯が金に加わり発用であるのを斫輪というが、卯は旬空であり朽ちた木である。干支上神に天后、太陰、玄武が乗ずるので謀は隠されることになる」というようなことです。
 少し補足しますと、「来情占失」とは発用が卯で財で空亡ですから、一般的には財に関する逼迫や遺失が占いの発端だと読むことができるということです。夜貴人は力がないとありますが、これは古法の貴人の取り方での話で、古法での夜貴は寅で空亡ですから当然力がないとします。ただし私は寅は昼貴人としています。「斫朽木輪」についてですが、『畢法賦』に「朽木難彫別作為」という句があり、まさにこの課がそれに当たります。

占時・太歳
 占時および太歳は未で白虎、父母です。白虎は昨年もありましたが、金神で凶将であり、疾病や流血、道路、争い、残忍といった象意があります。父母は自分を生じるもの、あるいは庇護するものです。例えば、父母、目上、衣食住、旅行、乗り物、勉強など。これらがキーワードとなるでしょう。

気象・自然災害
 課式をみると、目立った晴れを示すものが見当たりません。干上神一課の天后は水神で、中伝二課の申は水の長生、末伝丑は金の墓であり、いずれも曇りや雨を示唆します。また末伝遁干は癸ですから、これも雨の象です。よってこの課式から見る限り、東北日本は雨が多いと判断します。とくに末伝癸丑は[トウ]蛇がついていて、癸は災害の象もありますから、豪雨や大雪による被害が心配されます。
 ただ、初伝卯の天后が水を示しますが空亡なので雨が少ないともとれるし、年の中盤である中伝申金も天空ですので水を生じる力がなく雨が降らないと見れないこともない。ここ数年思わぬ気候の変化(温暖化一方でもない)が見られるので、空亡や天空が付いているということは、はっきりしない気候だということを示しているのかもしれません。
 まとめると、年の前半ははっきりしない気候であるが(どちらかといえば雨が少ないと思われますが)、後半にかけては雨や雪が多い、ということにしておきましょう。
 地震については、末伝に[トウ]蛇で丑土であるので、地震の可能性はなきにしもあらずですが、私はこれはどちらかといえば水害雪害の類だと思います。
 火山については、とくに噴火を示唆するものが見当たりません。しいていえば占時大歳未の遁干が丁火であり、白虎がありますので、今年の御嶽山のような人的被害がでる可能性はあるでしょうが、それほどの噴火とは思われません。東北日本ということで、最近火山性微動が伝えられる蔵王や磐梯など登山者や観光客が多い火山には注意が必要だと思います。

政治
 課式には、昨年のように貴人が表れていません。また貴人寅は空亡で力がありません。一課干上神卯は発用でもやはり空亡、またその陰神二課申は天空です。さらに重審課ということで、上下関係が乱れる恐れがあります。これらから見ると、2015年は政治に変化というか混乱が起きそうな予感がします。
 私は、政治をみるときには三課四課を民衆とみています。三課辰、四課酉は強く刑剋を受けることもなく、辰酉は六合、酉と末伝丑は三合であるため、これまでの官邸主導の政治から世論が政治を動かす傾向に移っていくのかもしれません。とくに年の後半にそういう傾向が強まるのではと思います。そのことが良いか悪いかは、個々人の考えもあるでしょうから、ここでは論じません。
 末伝癸丑が災害(とくに水の害か)を示唆していることと考え合わせると、災害をきっかけとして、政治を変える大衆運動が起きるということか。しかし今の日本人にはそういうことはちょっと考えにくく、単に政府の対応に世論が不満を持つ、というぐらいのことかもしれません。
 常識的に考えると、2014年末に解散して与党がまずまず完勝をおさめたことで(共産党の躍進は別として)、政府主導の政策がすすみそうです。しかし私は、そうはならずに逆に何も進まないだろう、と思っています。
 一課卯に天后が乗じており、また三課辰に太陰が付きこれも女性を示します。これは女性が表に出てくること(女性の閣僚とか官僚とか)だと思われます。しかし単に女性が参画しただけでは単なるお飾りであり、卯の空亡はそうなる可能性を示していると思います。
 一課の卯と三課の辰の関係を見ると、卯木は辰土を剋すのですが卯は空亡で辰を剋する力が不足しています。このことが何を示すのかははっきりとはわかりませんが、一課二課を政府、三課四課を民衆もしくは政策とみると、政府が世論あるいは政策実現をコントロールできないということを示しているのかもしれません。
 中伝申は寅貴人と沖ですので、今年9月の自民党総裁選は要チェックでしょう。意外な展開となるかもしれません。しかし、申は貴人と対沖、ということは申は天空であり力があるというわけではないので、安倍総裁自体は結局のところ安泰という結果に落ち着くことになるかもしれません。これまたどっちつかずで申し訳ない。
 ともかく、課式自体が「朽木難彫不作為」ですから、いろいろな政策は空振りになる可能性が大きく、むなしい一年になると思います。
 外交も何も成果なく戦後70周年が終わる可能性が大きいと思います。とくに中韓は日本に対してかなり強い態度で臨むものと思いますので、関係改善は望めないでしょう。

社会
 社会の雰囲気は、私は、だいたい占時、太歳、三伝でみています。
 占時太歳は未で白虎、父母が乗じています。白虎は昨年も占時についており、昨年と同様殺伐とした雰囲気は変わらないとみます。というよりむしろ強まるかもしれません。しかし、空亡天空が三伝にあるということは、その裏にはむなしさが付いて回る雰囲気になるのではないかと。そして末伝[トウ]蛇になるわけですが、[トウ]蛇はご存じのとおり、驚きであり恐怖であります。これだけあれば、2015年は社会的にはあまり明るい雰囲気になるとは言い難いですね。
 さらに暗くなる話となりますが、白虎、父母というのは、文字通りであれば親殺しであり、もう少し広げれば老人に対する圧迫、迫害ということになります。また白虎は道路、父母は旅行の象意があり、未は末伝丑との沖で、末伝丑には血忌血支の神殺が付きますから、とくに年の後半には交通事故や旅先での事故の話題を多く聞くことになるのではないかと。未は東北(寅)に坐するので、なおさらその恐れがありそうな気がします。
 ちょっとでも明るい話題はないか?支上神は辰で太陰が乗じています。太陰は少女であり、その陰神酉には青龍がついています。昨年に引き続き少女アイドル(グループ)の人気は高いことを示しているように思います。太陰は医者も示すので、医者ががっぽり儲けるということかも。うーん、あまり明るい話題でもないですね。

経済
 社会が良くないのに経済だけがいいわけがありません。というわけで、経済も自ずから悲観的な予想となります。
 まず単純に発用である寅財が空亡なのですから、経済的には損失を被ります。これは年初というわけではなく、一年を通してそうなるでしょう。
 さらに金銭を示す酉上が寅木で(貴人ですが)財で空亡なので、やはり損失、破財を示します。ここまで言い切っていいかどうか躊躇するのですが、アベノミクスと言われる政策は効果を上げないということだと思います。かりに株価があがったとしてもそれはバブルで、年末12月までには大きく下げると予想します。
 寅卯木が空亡で木は紙に通じるので、ペーパーマネー(紙幣、証券、債券など)は価値を下げるでしょう。しかし、ちょっと逆説的ですが、酉金自体は青龍が乗じて日干と比和、辰丑と合ですので、金銭、いや貴金属や宝石というべきか、それらの価値は相対的にあがるでしょう。
 注意してほしいのは、これは日本に限ったことなので、貴金属等のドル建ての価値が上がると言っているわけではありません。念のため。
 では、こういう状況下で少しでも良さそうな業界は何でしょうか?
 まずは酉金に青龍が乗じますので、金属、宝飾の類、また酉金は少女を示しますので、少女に好まれる衣料やサービス、あるいは少女タレントを有する事務所など。
 あと、直感的には亥六合の示す業界、例えば、亥は水を示すので水ビジネス、六合の示す貿易や結婚関係のビジネス、技術を売り物にする会社などが有望かと思います。逆に金融や寅卯木の示す紙、天后貴人の示す高級品や婦人対象の業界は苦戦をしいられるのではないかと思います。
 ただ全般的には経済は下向きであるので、株とかで儲けるのは難しいでしょう。

 以上が東日本、北日本の話でした。続いて西日本、南日本を見てみます。実は1時間の時差がある中国や時差がない韓国も同じ課式になります。
 前にも述べましたが、日本の政治経済の中心は東日本なので、ここでは気象および社会についてのみ記載します。

【西日本、南日本】

日干支 辛亥  占時 午  月将 子  空亡 寅卯  太歳 未

初伝玄武六合玄武勾陳太陰
中伝六合
末伝玄武

課義
 この課については、次の句が添えられてあります。「両貴受剋、生値絶域、濁気所生、失十得一」 この意味は「昼夜貴人とも剋を受ける。金の長生巳が絶である亥上にある。干上の辰土が辛を生じるのだが、亥水が辛金を洩らすので一を得て十を失うことになる」というようなことです。

占時・太歳
 占時午は太常で官鬼、太歳は未で白虎、父母です。太常は日常、消極、隠退、正直であり、官鬼は上長、官吏、盗賊、夫、また危険物や怪異、疾病などを示します。太歳未の象意は【東日本、西日本】で述べたことと同じです。

気象・自然災害
 課式をみると、伏吟課であり三伝は巳亥巳となっています。すなわち「方晴後雨、晴雨転変之象」です。つまりは晴れたと思えば雨が降り、雨が続いたと思えば晴れに変わる、という象であります。天候については非常に変わりやすいといえます。
 自然災害を示す[トウ]蛇丑は四課三伝には表れていませんが、だからといって安心はできません。というのは、太歳未の上神が丑であり、未は白虎ですから、災害が起これば負傷者を出すことを示唆するからであります。目立って何かが起きるというわけではないのですが、災害は年を通じて起きてそれなりの被害があると見ます。あえていえば、巳亥が三伝にありますので、水や火の災いでしょうか。
 場所としては丑が西南に坐しているので、西南の方か。あるいは対冲である東北(日本の東北地方ではなく、北朝鮮やその北の方)が考えられます。

社会
 太歳は未ですので、社会全体が殺伐とした雰囲気であるのは東日本、北日本と変わりません。しかし、三伝が玄武官鬼、六合子孫ということで、それは空亡や天空とかいう空虚感につながるものではなく、むしろ活動的かつ変化の激しさに表れてくるように思います。
 玄武の象意は陰険、不誠実、詐欺、陰謀です。六合は交易や信用なので、その意味はほぼ逆です。これは玄武と六合が対冲に当たるので当然といえば当然ではあります。しかし六合は亥水に乗じており一般的には吉神なのですが、干上神辰土あるいは二課の戌土に剋されるのでその良さが発揮できません。よって玄武の悪い象意が起こると思います。強盗事件や詐欺、横領など犯罪が多く発生しそうです。官鬼ということから公務員の不祥事が多発するのでしょうか?
 ただ二課に勾陳があり、これは警察や軍(日本でいえば自衛隊)を示し、官庁側はそういう事件を抑える(というよりは弱めるというべきか)ことになるかと思います。
 前にも述べたように、これは中国、韓国にも当てはまります。とくに戌は火局の墓であり官庫にあたりますので、中韓は軍や警察(あるいは検察)が力を持つことになりそうです。六合は力を発揮できないので、穏健な外交よりは力に訴えることになるのではないかと思います。

 (以上2015年1月4日昼の13時40分に記す)




2014年の予測の反省 ~全般

 例によって、2014年の反省をしたいと思います。
 これまたいつも言うことですが、1月までは前年で、私の2015年は立春からであります。ですからまだ2014年が終わったわけではないのですが、まあ、この時期でないとまとまった暇がとれないので、反省と今年の予想をするわけです。
 では、予測の反省その1、その2も含めて、2014年の反省を。

 2014年での予測を箇条書きにすると、以下のようなものでした。

(1)キーワードは疾病、流血、道路、争い、残忍、盗賊、亡失、小人、子供、自我、仲間、競争、奪財など。
(2)全般には晴れて暑い一年だが、天気は変わりやすく、雨もそれなりに降る。夏は晴れて暑く、秋以降は天候が変わりやすい。
(3)地震は起きてもそれほど被害は出ない。山火事が起こる。火山はマグマの上昇はあっても噴火はしないかもしれない。自然災害には警戒が必要だが、人為的な災害の方が起こりそう。
(4)首相の関心事は経済が第一だが、警察や軍隊の問題からも逃れられない。
(5)景気回復は腰折れしそう。
(6)首相交代の可能性は低い。もしあっても禅譲的な交代になる。
(7)中国との関係は草の根レベルの友好関係を模索するが、状況は変わらない。外交は二の次。
(8)世界全体がきな臭い雰囲気になる。
(9)日本社会全体が疲弊し、殺伐とした雰囲気になる。自己中心的、弱肉強食的な社会の現出。災害や災厄の多い年だが、大したことはないかもしれない。
(10)社会保障やセーフティネットが機能しないとか、家族の軋み、離婚、一家離散、無理心中とか、社会全体の雰囲気が悪くなる。
(11)金の使い方が生活に向かう、個人消費が上がるが、一本調子には良くならない。
(12)不動産の下落が個人消費を冷やす。年の後半には景気減速の可能性があり、2015年の消費税引き上げは難しくなる。
(13)有望な業界としては、食品、アパレル、小売り、飲食関係のサービス業、ただし消費税の影響で苦戦する。ガスや石油のエネルギー業界は円安の影響で不利。価格転嫁は進まない。

(1)について
 キーワードであり、具体的事象を示していません。毎年のことですが、当てはまりそうな事件が目白押しです。

(2)について
 気象庁発表の2014年の日本の気候の特徴は次のとおりです。(気象庁HPを参考)
 ①年平均気温は平年並み。地域によって差がある。
 ②東日本日本海側、北日本は多雨、多照。
 ③西日本は冷夏、北東日本、沖縄、奄美は夏の平均気温は高かった。
 ④2月に大雪、8月に集中豪雨。
 全般的に晴れて暑い一年というのはハズレですね。雨もそれなりに降るというのはまあその通りですが、表現としてはちょっとズルい感じで、何だか当たったのか外れたのかよくわからないといえばそうですね。
 個人的には、年の前半は傘をさす回数がが例年に比べて多く、予想より雨が多いなという感じは持っていたのですが、後半はそれほどは感じませんでした。これはとくに関東が雨が少なかったせいでしょう。
 天候に関しては、地方によって差が激しく、全国一律の予想というのはちょっと無理かあるようです。2015年の予想からは、ちょっと考え方を変えようかと思います。

(3)について
 2014年末まで5強以上の地震は2件発生しています。3月の伊予灘と11月の長野北部の地震でした。11月の長野北部の地震は6弱で山崩れなど物的被害は出ましたが、死者ゼロ負傷者40名余りで、人的被害は規模の割には少なかったと思います。これはひとえに日頃の防災意識の高さを示すものでしょう。被災された方々にはお見舞いを申し上げるとともに、敬意を表するものあります。
 火山については、やはり御嶽山の噴火が特筆されるものですが、で被害に遭われた方にはお見舞いを申し上げます。ただ、申し訳ない言い方になりますが、噴火自体の規模はそれほど大きなものではなかったと思います。むしろ噴火の規模でいえば桜島の方が大きいでしょう。また、マグマの上昇ということでいえば、桜島、阿蘇、霧島など九州の火山が心配です。
 山火事については、正確な統計が得られていないのですが、年の前半は多かったと思います。私の予測は日本のみですが、世界的にも林野火災は増えている傾向のようです。

(4)(5)について
 これはとくに論評の必要はないでしょう。全く予想通りでした。

(6)について
 8月の反省ではGDPの下げがあり、ひょっとして倒閣の動きが出るかもと思っていましたが、それはありませんでしたね。で、首相交代はもちろんなかったのですが、年末に解散するとは全く予想していませんでした。酉の私室をもっと分析すれば予想できなかったこともなかったのかもしれません。民主党の枝野幹事長は年末解散を予想していたらしいのですが、だったら選挙の準備をしとけよ、と言いたいところですね。しかし、私は未だに今年の衆院解散はやるべきではなかったと思っています。700億円あったら、議員に10億円ずつ退職金を渡して、70人ぐらい国会議員を減らす方がよほどましだと思っているぐらいです。(法的にはできないが)また、共産党を除く野党のだらしなさと言ったら、怒りを通り越してコメントするにも値しないというところ。
 まあこの項は当たりはずれ半々ですか。

(7)について
 中国との関係は予想通りだったのですが、外交は二の次との予想は外れました。遠交近攻を狙っているのでしょう。

(8)について
 ISIS、ウクライナ問題など確かにきな臭くなっています。ところでマレーシア航空機の事件はどうなっているのでしょう。六壬に予想しようと思ったのですが、どうも問題が複雑のようで、まだ占う気になっていません。

(9)(10)について
 確かに日本社会は殺伐とした雰囲気になってきていると思います。二極化というステレオタイプな割り切り方は好きではないですが、そういう傾向が強まってきているように感じます。
 犯罪に関していうと、振り込め詐欺はあれだけ啓蒙活動が行われているにも関わらず、被害額や件数は過去最高となりました。また、子供が犠牲になる殺人事件、危険ドラッグによる交通事故など、枚挙にいとまがありません。
 社会保障がとくに機能不全に陥っているということはなかったかもしれませんが、国の予算に占める割合は増加しており、早晩大幅な切り下げになることはまず間違いありません。
 家族関係の崩壊を予想していましたが、統計的にそれを裏付けるデータはまだ得られていませんので、これは全くの印象にすぎないのですが、親殺し、子殺し、虐待が増加しているように思われてなりません。またゲーム廃人など、社会性を身につけられない人も増加しているようで、すでに社会問題(まだ大きなというほどではないが)になっています。
 こういう事件を見るにつけ、日本の将来に不安を抱くのは私だけでしょうか?

(11)(12)について
 8月の反省に書いたように、GDPの大幅なダウンで腰折れ感が出て、年初の予想どおり景気は一本調子で上がってはいません。ただし、8月の反省には書きませんでしたが、個人消費が大幅に低下しているというわけではなく、消費税が上がった割には結構健闘していると私は見ています。またそのように論じている専門家も多いです。GDPのダウンは設備投資や在庫調整の影響が大きかったと思います。
 再度振り返りますと、私の年初の予想は、個人消費は増えるが不動産もしくは株や債券が下がり個人消費に冷や水を浴びせるというものです。まだ不動産や株などが大幅に下落したという話はありませんが、その傾向は出つつあります。不動産に関しては契約件数が減少してきていますし、株式も12月29日に日経平均で17900円をつけたもののその後400円以上も下がり、大納会の日は「掉尾の一振」もなく、年末は17450円まで下げて終わりました。2月立春まで、またその後も注意してみたいと思います。
 消費税の延期は予想どおりでしたが、このことについての是非はここでは論じないことにします。

(13)について
 毎年有望な業界をあげていますが、今年は全般的に株価が上昇しましたので、だいたいどの業界も株価は上昇しました。悪かったのは、石油、非鉄金属、工業、パルプ紙、証券、保険、不動産ぐらいです。私の予想した食品や小売り、アパレル(繊維)、サービス業などは前年よりも株価は上昇しています。全体が上がっているので、だいたい当たるのは当然と言えば当然ですね。しかしながらやはり強かったのは輸出関連で、とくに精密機器や輸送用機器の業界は前年比で高い伸びを示しています。意外なのは鉄道やバス業界が伸びていること。これらはちょっと予想していませんでした。当たった程度としては五分五分ですか。
 2014年前半に予想した株を買って中盤に売れば大儲けできたかもしれません。ちょっと惜しいことをしました。

(以上2015年1月2日昼12時に記す)


2014年の予測の反省その2 ~半年が終わって

 今日は8月15日(金)終戦記念日ですが、私の誕生日でもあります。
 立春から半年過ぎて、今年の予想について振り返りたいと思います。
 前回の反省では天候についてはあまり当たっていない感じとしました。しかしながら、全般的に晴れて暑いが雨もそれなりに降るという傾向ではあるようです。熱中症の死者は増加しています。
 今年の春の時点では気象庁は冷夏を予想していました。エルニーニョが発生するという予想のもと冷夏と予想していたようですが、エルニーニョは発生せず、しかも今になって、今年は発生しないかもしれないというふうに変更しています。まあ、私の予想の方が気象庁よりも当たっているように思います。(私は春先からかみさんには、絶対冷夏にはならないと断言していました)
 地震はあちこちで発生していますが、今のところ地震による被害はほとんどありません。しかし集中豪雨のせいで山崩れがあちこちで起きており、その点は当たっているようなないような。
 火山といえば、昨年から活動しはじめた西之島の火山は今年に入っても衰えは見せていないようです。それ以外では桜島は別格として、最近口永良部島が噴火し、住民が屋久島へ避難しているとのニュースがありました。占いによる予測は別として、日本は火山の活動期に入っているのかもしれません。
 自然の話はこのくらいにして、政治や社会に話を移しましょう。
 政治に関しては、ほぼ予想どおりとなっています。今日は安倍首相は靖国には参拝しないようです。また9月に内閣改造が予定されていますが、今のところ安倍おろしという動きにはなっていません。ただ4-6月のGDPの数値が先ごろ出て、年率マイナス6%以上の落ち込みということで、景気の腰折れ感が出てきました。政府はまだ静観するようですが、内閣改造や経済対策で不手際があれば倒閣につながりかねません。9月からの政治の動きには注目しましょう。
 韓国との関係はますます悪くなっていますが、想定内でしょう。当面日本政府は積極的には動かないと思います。このタイミングで北朝鮮との関係改善を狙うなどは日本政府もなかなかしたたかです。アメリカはヤキモキしているでしょうが。
 中国については、福田元首相が中国を訪問するなど、そろそろ友好関係の模索が始まりました。ただ私の予想では今年はとくに大きく動くことはないと思います。
 社会情勢については、ほぼ私の予想のとおりになっていると思います。最近脱法ハーブが危険ドラッグと呼び方が変わりました。これによる交通事故が後をたちません。何だか警察も後手後手の対応という感じです。
 経済については、4-6月のGDPが予想以上のマイナスとなりました。まあ一本調子には上がらないだろうとみていたので私にとっては想定内であります。「経済については年の後半の動きに注意」と言っているとおり、これからが注目です。
 2015年の予想もぼちぼち始めていますが、それはまた来年のお正月に発表ということにして、今日はこの辺で。

(以上2014年8月15日9時半に記す)


2014年の予測の反省その1 ~3か月を過ぎて

 今日は5月5日(月)子供の日です。今朝方5時18分に東京で震度5弱を観測する地震が発生しました。M6.0で深さは160kmあまり、被害はたいして出なかったようです。

 まだ立春から3か月しかたっていないのですが、年末までほっとくと忘れそうなので、備忘のために「予測の反省その1」を書くことにします。
 まず気象や災害ですが、2月に記録的な大雪があり、衰えはまた3月までは比較的低温が続きました。4月に入って降水量が減り、日照時間が長くなってきていますが、この3か月は全国的には低温傾向で雨が多かったと思います。地震については、岐阜や長野で比較的地震が多かったです。まあ今日は東京で地震がありましたが。愛媛では5強の地震がありました。
 さて、私の予想は前半は晴れの傾向が強く、地震が多い、との予想でした。地震はともかく、晴れの傾向が強いというのは外れていますね。ま、4月に入ってからは晴れが多かったですが。もっと遁干の庚金の金生水の作用を重視すべきだったかもしれません。
 それより私が気になったのは、火山の噴火の予想でした。これは現在のところ当たっていませんし、当たってほしいとも思いませんが、火山ではなく山火事かもしれない、という予想はちょっと当たりそうな気配です。茨城でもありましたし、別府や栃木、群馬でもありました。記憶に新しいのは盛岡で、避難勧告とかも出たようです。我が町の防災放送では、毎日2回火災に注意しろと放送しています。
 経済の面では、4月に消費税のアップがあったのですが、今のところ心配されたほどの影響は出ていないようです。報道では個人消費が底堅いと言っています。私は、個人消費は増えるが年の後半に腰折れになる、と予想していますので、もう少し様子をみる必要があるでしょう。
 政治については、集団的自衛権の問題がクローズアップされていますが、これもまだ様子見の状況でしょう。中国との関係については、今のところ予想通りですが、これは別に六壬でなくても予想されたことですので、まあ驚くにはあたりません。
 社会面では、今は小保方氏のSTAP細胞問題で揺れています。これ自体は私もまったく予想の外でした。まあ、驚かされることには違いありませんが。

 (以上2014年5月5日13時30分に記す)


2014年の日本についての予測

 ここでの予想は2014年2月立春から2015年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台暦計算室によると2014年2月4日7時3分です。

日干支 丙午  占時 辰  月将 子  空亡 寅卯  太歳 午

初伝トウ蛇トウ蛇青龍貴人勾陳
中伝玄武
末伝青龍

課義
 この課については、次の句が添えられてあります。「自墓伝生、遁甲戊庚、得意濃処、掉臂長行」 この意味は「初伝が墓で末伝が長生、三伝に五虎遁干をつけると戊戌、甲午、庚寅と、甲戊庚の三奇となる。したがって、物事は思ったようになり、大手を振って遠くまで行く」というような意味です。しかしながら、五虎遁干をあえて持ってくる意味がよくわかりませんし、旬遁干では末伝空亡ですから決していい課式とはいえません。むしろ、得意がっていると足をすくわれるというような課です。『六壬直指』の注解にあるのですが、「宜知進知退、不可妄想貪多」(宜しく進退をわきまえて、妄想したり貪欲になったりしてはならない)という意味の方が適切でしょう。

占時・太歳
 占時は辰で白虎・子孫です。太歳は午で玄武・兄弟です。白虎は金神で凶将あり、疾病や流血、道路、争い、残忍といった象意があります。玄武は北方、陰の極みであり、盗賊、亡失、争門、小人とかを示します。子孫は子供であり、我を洩らすものです。兄弟とは我の同輩で、自我、仲間という意味もありますが、転じて競争、また奪財の意味もあります。これらが今年のキーワードになりそうです。

気象・自然災害
 まず課式をみて気づくのは、三伝が火局であることでしょう。これは晴れを示し、また全般に暑いことを表します。ただし、末伝は寅長生ですが空亡であり、このことは、”完璧に晴れて暑い”とも言い難いということかと思います。
 干上神をみると、丑で勾陳で土神ですから曇りを示し、また日干の寄宮は巳で一課、二課と金局をなしています。金神は水を生じますので、これは雨が降る意です。
 これらを考え合わせると、全般的には晴れて暑い一年となるが、天気は変わりやすく、雨もそれなりに降る、というところでしょうか。
 初伝庚戌は4課からの発用であり、これは天候よりも地上現象、地震とか山崩れとかそういうものを示しているように思います。天気をいえば、[トウ]蛇は火神、戌は土、庚金で晴れる傾向の方が強いと思います。
 中盤は丙午で、これは日干支と同じ。火の極みですので、晴れて暑い夏となりそうです。熱波というイメージが私にはあります。とすると、電力不足が懸念されます。昨年は乗り切りましたが、今年は乗り切れるでしょうか?熱中症による死者の増加が心配です。
 末伝は寅木で火局の長生ですから晴れと言いたいところですが、空亡がついており、また青龍は雨を降らすとされているので、これまた判断が難しいところです。まあ空亡ですから、火局、青龍いずれも成就せず、天候は変わりやすいとしておきましょう。
 地震、災害を示す[トウ]蛇が、四課についています。この形は、2011年、2012年と同じです。しかも発用となっていますので、地震や山崩れには注意が必要です。戌は寅上にありますから、方位的には東北から東ですが、最近この見方はあまり当たっていません。むしろ対冲である西から西南において地震とかが起きるかもしれません。ただ落空なので、被害はそれほどではないと思いますし、そう願いたいです。一課と刑であるところは気になりますが。
 また寅午戌の火局であることから火山や山火事も連想されますが、末伝が空亡なので、潜在的な危険はあっても表に出ないかもしれません。どういうことかというと、マグマの上昇は見られるが噴火はしないとか、そういう状態を意味しているのかもしれません。
 今年は自然災害には警戒が必要ですが、やたらと恐れるのではなく十分な準備をしておくことが必要と思います。私の直感ですが、むしろ人為的な災厄の方が起こりそうな気がしています。

政治
 一課が勾陳で、その象意は警察、軍隊、役人、訴訟です。また二課は貴人です。貴人と勾陳は必ず三合の関係にあるのですが、これはトップと役人との関係を象徴しているようでもあります。権力の源泉はそういうところにあるということでしょう。
 二課は酉で貴人と財がついています。酉は金銭を表します。貴人、財、酉と並ぶと、これはトップ(首相)の関心がもっぱら経済にあることを示しているような感じです。4月には消費増税があり、それによる景気の落ち込みが懸念されていますから、今年首相が経済に関心を寄せるのは、六壬で占うまでもなく至極当然のことでありましょう。
 しかし気になるのは一課の勾陳です。勾陳は丑についていますが、丑は貴人の本位(貴人は土神)であり、そこに勾陳がつくということは、警察や軍隊、また争いごとから逃れられないことを表しているように思います。安倍首相は先日靖国神社に参拝しましたが、この是非はともかくとして、軍隊とかそういうものと縁があるのでしょう。
 ついでにいうと、靖国参拝の影響については官邸サイドの予想どおりの展開でしょう。中韓の反発は当然ですし、アメリカも懸念(不快感)を示すことは普通に予想できることです。しかし、これによって失うものはほとんどありません。靖国参拝したからといって、中国が尖閣へ上陸するということもないでしょうし(上陸しないと言っているわけではなく、靖国参拝が原因で上陸はしないという意味)、韓国との関係が悪くなったからといってとくに日本に悪影響があるわけではありませんし…。しいていえばASEAN諸国の反応が気になるところですが、これは今後の対話で解決できると官邸は踏んでいると思います。むしろ保守派との公約を果たしたということで、プラスの方が大きいと判断したと思います。(よって今後は参拝しないかもしれません)
 さて、首相の関心事である経済についていえば、末伝青龍に空亡がついていますから、成果を得るのは難しいと判断します。これについては経済のところでも述べますが、景気回復は腰折れになるのではないかと思います。
 昨年は久しぶりに首相の交代がなかった年でしたが、今年はどうでしょうか?今のところ与党は安定多数を確保しておりますし、野党のだらしなさは相変わらずです。また自民党内で安倍総裁にとってかわろうという動きや候補者もいませんから、現時点の情勢からは、今年いっぱいは首相の交代はないと予想されます。なお、これは六壬の判断ではありません。
 しかし六壬課式からは心配な点がいくつかあります。一つは貴人が酉についていますが、貴人が酉につくのを私室といい、心配ごとが多く、またよからぬたくらみ、引っ越し(官邸に引っ越す?)の象がありますので、落ち着かない状態です。また酉には破砕(正月の酉は破砕となる)が付いていて陽の沈む方向であります。さらに酉金は三伝火局から剋されます。首相の地位が全く安泰とはいえないように思います。
 一方、酉を冲する卯は課伝に表れていませんし、卯は空亡ですから、首相の地位を脅かすライバルは出そうにありません。また酉の地盤は丑で、これには日医と呼ばれる神殺が付きます。病気で体調を崩しても医療の助けを受けます。よって、私は首相交代の可能性は低いと思っていますが、経済的な失敗が発生し、その責任を問われれば首相が退陣して交代することもあるかもしれません。しかしその場合でも禅譲的な形となるのではないかと思います。
 外交関係についていえば、中国との関係が気になるところですが、中国とは時差が1時間あるので、課式は日本と異なります。それを見ると中国自体は外見上は勢いがあります。よって政治的な妥協はなくこのままの状況でしょう。しかし、一課が青龍とはいえ空亡であり、三課は天空ですので、その勢いは内実が伴わない状況でしょうし、また四課が六合で発用となっていることから、民間ベースでは友好関係の模索が進むものと思います。もっとも末伝と初伝が冲の関係であり、元のように回復するのは難しそうです。日本としては、変に妥協的になるのではなく、相手に乗る形で(ある意味消極的に)草の根レベルの友好を進めることが得策だと思います。
 しかし、後で述べるように日本政府は経済対策に主眼をおき、政府による外交関係については二の次ということになるのではないかと思います。

社会
 流年は兄弟です。競争の象意がありますが、さらに玄武が付いていますから、盗難とか略奪とかそういう雰囲気の年でしょうか。年干支はどこの国でも同じですから、世界全体がきな臭い雰囲気になりそうです。
 日本に限っていえば、占時が子孫であります。これは子供のことでもありますが、洩気(盗気)でもあります。洩気とは消耗です。日本社会全体が疲弊する感じです。白虎がつき、これは凶神で殺伐とした感じとなります。
 初伝戌は[トウ]蛇、子孫です。占時と合わせて考えると、災害が事故が多い年となりそうです。とにかく驚かされることの多い一年だろうと思います。ただし、[トウ]蛇が戌につくのを入塚といい、災いは消えるとされるので、災厄があっても大したことはないのかもしれません。また戌は落空(地盤寅が空亡)ですから、[トウ]蛇の悪い意味が薄れることを期待したいです。
 中伝は玄武で兄弟、玄武は盗賊、兄弟は競争、奪財です。財をめぐる争いごとや盗難事件などが頻発するのかもしれません。また世の中自己中心的な雰囲気がはびこり、他人のために尽くすとか恵みを与えるとかいう心が失われるのかもしれません。弱肉強食的な社会の現出が心配されます。午は羊刃ですが、羊刃が付くときは静かにしているのがよいとされます。この時期、どうやって社会の雰囲気を穏やかにするかが重要でしょう。
 なお、中伝午と一課丑が六害となっています。これは警察と盗賊との関係を示唆しているように思われます。犯罪行為には厳罰で臨むという行政の強い姿勢が現れるということなのでしょうか。それとも警察による対応が後手後手に回るということでしょうか。
 末伝は青龍、父母ですが、空亡です。青龍は財物であり、婚姻、夫婦でいえば夫にあたります。父母は自分を生じるあるいは守るものです。それらが空亡ということになると、中伝で示す状態がますます悪くなる感じです。本来青龍の本位は寅であり、寅に青龍が乗じるのは乗雲といって大吉なのですが、空亡であるため、それらが全く期待できないということになります。例えば、社会保障とかセーフティネットが十分機能しないとか。また家族の軋み、離婚とか一家離散とか、あまり考えたくないですが無理心中とか、年の後半はそういう社会の雰囲気になるかもしれません。
 全体として、社会の雰囲気は昨年(2013年)よりも低調というか悪くなっていくのではないかと思います。

経済
 政治のところで、政府は経済対策に追われると書きました。いったい経済面では何が起きるのでしょうか。
 まず財を見てみますと、日干丙の財は金です。一課二課は金局となりますから、今年の課題が経済であるということがいえます。ま、これは別に六壬でなくとも予想されていることであります。で、金局の長生が巳でこれは酉の陰神です。酉は金銭を意味し、巳はその金銭のあらわれる状態を示すといえます。巳には太常が乗じており、太常は吉神で日常、衣食住の象意があります。また巳は日徳でもあります。これを読み解けば、お金の使われ方が生活に向かい、個人消費が増えることが考えられ経済的にはいい傾向かもしれません。
 しかし、巳は三課寅と刑です。太常が刑を受けると財帛不安とされるので、一本調子に景気が良くなるともいいきれません。
 三課の寅に着目すれば、青龍・父母がありますが、空亡です。ちょっと大胆な予測ですが、私はこれを不動産の下落とみます。不動産といっても寅木ですので、土地というよりは建物や山林ではないかと思います。(価格の下落ではなく、大規模な山火事による山林の物質的な喪失とも考えられます)寅は末伝にもありますので、時期的には年の後半でしょう。不動産の下落が個人消費に冷や水を浴びせることになるのではないでしょうか。かつてのバブル崩壊ほどではないにしろ、混乱は避けられず、そうなると、2015年のさらなる消費税の引き上げは難しくなるでしょう。それをうまくコントロールできるかどうかがかぎです。
 また寅木を紙ととらえれば、株とか債券とかかもしれません。いずれにしても年の後半には景気減速の可能性があると言っておきます。
 そのうえで、今年の注目すべき業界は何でしょうか?太常に着目すれば、年の前半は食品、アパレル、小売とくに生活必需品関連の小売業界、飲食関係のサービス業でしょう。ただし消費税の影響もあるでしょうから、小売業界は苦戦するかもしれません。
 火の勢いが強いですから、火に着目すればガスや石油のエネルギー業界も考えられます。が、円安なので、それらの業界にとっては不利な状況です。価格転嫁できればいいでしょうが、そうなると個人消費に悪影響を及ぼし、回りまわってエネルギーの消費が落ちていくことになり、価格転嫁はなかなか進まないでしょう。
 とにかく、経済については年の後半の動きに注意です。

 (以上2014年1月4日12時10分に記す)




2013年の予測の反省~全般

 毎年のことながら、2013年の予想を振り返りたいと思います。ただし、私のいう2013年は、2014年の2月3日節分までを含みますので、今後当たったり外れたりする事柄が出てくるかもしれませんが、とりあえずは2013年12月31日時点での振り返りということで。
 反省その1ではもっぱら水害のことについて書きましたが、ここでは2013年の予想全般について書きます。
 2013年での予測を箇条書きにすると、以下のようなものでした。

(1)キーワードは地位、財物、書物、宴会。また災厄、盗難、驚愕、紛争、ただしこれらは空亡。
(2)全般に雨が多く気温が上がらない。ただし東北ではからっと晴れる可能性がある。年の後半はすっきりしない天気。梅雨時期から秋にかけて洪水や水害。
(3)地震はあっても被害は出ない。火山の噴火はないが、山崩れの可能性はある。
(4)政権交替はなさそう。ブレーン、実力者の輔弼がほしい。
(5)年の中盤に大胆な施策を打ち出すかもしれない。
(6)首相交代があるとすれば自民党の内紛か首相の体調だが、乗り越えれば政権は安定。
(7)外交は中国が重要。初めはごたごたするがそのうち収まる。中国は社会全体が停滞。
(8)学問、教育がブームとなる。技術を重んじる雰囲気になる。
(9)頭を使った犯罪、子供を巻き込んだ犯罪、交通事故、航空機事故が多発。
(10)高齢者問題で世論がざわつく。
(11)婚活ブームが再来する。
(12)不動産が動き出す。経済は好転するが、民衆には恩恵が伝わらない。
(13)有望な業界としては、交通、通信、コミュニケーション業界、金属関係、若い女性関係、宴会、イベント業界。

 毎年の言い訳ですが、今回もまた六壬から与えられた情報を正しく読み取りきれなかった、とくに場所や時期を外しているというのが反省です。しかしながら、その点をのぞけば、毎度の手前味噌的評価ではありますが、まあまあ合格ではないか、というのが2013年の予測に対する自己評価です。
 さて、順に、反省点を挙げながらふりかえってみます。

(1)について
 キーワードであり、具体的事象を示していませんが、当てはまりそうな事件が目白押しでした。

(2)について
 気象庁発表の2013年の日本の気候の特徴は次のとおりです。
 ①東日本、西日本、沖縄・奄美は高温・多照、北日本は多雨(雪)・寡照
 ②北日本、東日本、西日本は寒冬。(2013年の前半の話)
 ③全国で暑夏、8月には熱波
 ④各地で記録的な豪雨
 水害の話については、すでに書いたのでそれを見てください。これはほぼ予想のとおりでした。
 ちょっと予想しなかったのが、夏の高温です。東北地方は晴れるかも、と予想したのですが、実際には東日本、西日本の話で、東北ではありませんでした。またすっきりしない天気も、もっぱら日本海側や北日本でした。ただし個人的なことを言わせてもらえば、私は太平洋側(というか家の目の前は太平洋)に住んでいるのですが、傘をさす回数は昨年の倍ぐらいあったと思います。(もっとも、私は晴れ男といってもいいぐらい、傘はほとんどささずにすむことが多いですが)

(3)について
 地震の被害はありませんでしたが、水害は多かったです。それについては今年9月に反省をしていますが、その後も伊豆大島で土石流災害が発生するなど、私の予想(当たってほしくない予想ですが)どおりとなっています。とくに伊豆大島の土石流は、山体崩壊まではいかないにしても大規模なものでした。  その他の自然災害として、竜巻があります。これは予想できませんでしたが、そう思って六壬課式をみると(こじつけに近いかもしれませんが)読み取れないこともないです。いずれにせよ、年々自然災害が増えているように思います。

(4)について
 これは今のところ予想どおり。ただいい輔弼、ブレーンがいるのかどうかはわかりません。一部報道では優秀なスピーチライターがいるとの話を聞きました。また輔弼するのは、女性か金に縁のある人(財界人?)か宗教関係者かと予想しましたが、現時点では不明です。

(5)について
 これはご存知のとおりで、4月に日銀が異次元の量的、質的緩和策を決定しました。これほどの施策は、近年では打ち出されていないのではないでしょうか。そのほかにTPP参加決定というのもありました。ただし、いずれも成功か失敗かはまだはっきりしません。

(6)について
 安倍首相の体調はよさそうですし、自民党の内紛も(表に出ないだけかもしれないが)今日の時点では聞こえてきませんので、まあ安泰でしょう。つい先日の突然の靖国神社参拝が気になるところではありますが。

(7)について
 中国や韓国との関係は今のところ膠着状態と言っていいでしょう。これは日本のせい(「その責任はすべて日本にある」)と中韓は言っていますが、私のみるところでは、まるっきり日本に原因がないとは言わないですが、多くは中韓の国内事情によるものと思います。日本政府もどうやらそう思っていて、譲歩してまで外交関係を改善しようという気はなさそうです。
 これは邪推かもしれませんが、政府は(少なくとも安倍首相は)むしろ中韓との関係を疎遠にしようと思っているかもしれません。靖国参拝もその判断の結果のような気がします。東南アジア諸国との関係が良くなりつつある今、中韓に変に歩み寄られても困るというところではないかと。

(8)について
 成長戦略の一つとして、IPS細胞などの科学技術などが推進されるということがありました。まあこれについては批判も多いわけですけれども…。
 これは今年に限らないのかもしれませんが、数学や理科の本や統計学の本がビジネス書の上位に来るなど、科学技術や学問を重んじる傾向があるように思います。また、若い人の理系志向が高まっているとか。これは就職と大いに関係があり、企業自体も技術を重んじる傾向に変わってきていることの表れなのだろうという気がします。

(9)について
 振り込め詐欺が巧妙化しているのはこのところずっとですが、PCを使ったなりすましなどの犯罪、医療データの改ざんなど頭を使った(?)犯罪は増える一方です。
 子供を巻き込んだ犯罪が増えたかどうかは統計がはっきりしないのでわかりません。
 交通事故そのものは減少していると思いますが、鉄道や航空機事故は増えてはいないのかもしれませんが、注目を集めています。たとえばJR北海道の問題やボーイング787のトラブル(幸い事故までには至っていない)などがありました。個人的な経験をいえば、最近外出すると、人身事故による電車の遅れに遭遇することが多いような気がします。つい昨日(12月30日)も中央線武蔵小金井駅で人身事故があり、私もちょうど中央線日野駅にいてしばらく運行再開を待つはめになりました。

(10)について
 高齢者問題で世論がざわつく、とは抽象的な表現で、当たったとも外れたとも判定できません。こういう文言を使ったことを反省しています。高齢者問題は確かに重大な課題となっていますが、何も今に始まったことではないので、今年がとくにどうこうということはなかったかと思います。しいてあげれば、最近キレる高齢者が増えてきており、殺人など重大事件も急増しているように感じられます。

(11)について
 婚活については、ひところのようなブームではなく、街コンなど形態が変わってきているようです。ただネットで検索すると、婚活に対して否定的な記事が多いように思います。しかしそれは裏返すと、世間的には婚活というのがいまだにブームとして続いているとのあらわれのようでもあります。まあ、私自身は結婚してすでに20年以上が過ぎ、今のところ離婚するつもりもないので、私とは何の関係もない話題ではあるのですが。
 これに関連して、宴会とかイベントとかが活気を取り戻すのではないかと予想していたのですが、総務省統計局のサービス産業動向調査では、むしろ低下傾向のようです。この点は当たったとはいえませんねえ。

(12)について
 これはほぼ的中と言ってよいと思います。

(13)について
 ここ数年は好調な業界を予想することにしていますが、今年は年末に株価の最高値を更新するなど、株価の上昇がみられたので、どの業種も上がっているかと思いますが、会社四季報のHPによれば、前年比で上昇率が高い順に業種をあげると、1位情報・通信 2位証券・商品先物取引 3位海運 4位不動産 5位ゴム製品 6位その他金融 以下 その他製品、サービスと続いています。情報通信や交通、コミュニケーションというのは当たり、また鉄鋼業も9位と健闘しており、それもまずまず。株式の業種で女性関係というのはなかなか読めないのですが、しいていえばサービス業か。これも上位に入っています。
 またAKB48のみならず、女性歌手、タレントの勢いはまだ止まっていません。

 以上で2013年の予測の反省は終わり。総じて当たっていることが多く、合格点を60点として、70点ぐらいはあげられるのではないかと、自惚れを含みそう思います。
 ただ、予測していなかった重大事件も多いです。東京オリンピック決定とか富士山が世界遺産登録とかホテルの食材偽装とか。私は東京オリンピックや世界遺産には否定的な意見を持っていたので(今もそうだが)、それについては全く予想というか考えもしませんでした。ですからこれらは予想できなくても悔いはありません。しかし、食品偽装を予想できなかったのは残念です。
 さて、2014年はどういう年になるのでしょうか?
 ということで、2014年の大胆予測を引き続きご期待(?)ください。

(以上 2013年12月31日7時45分に記す)


2013年の予測の反省その1~水害

 今日は9月16日(月)敬老の日です。今は15時すぎでたった今しがた、台風18号がわが家の西を通過していきました。
 テレビを見ますと関西地方、とくに京都や滋賀は大変な雨量だったようで、桂川などいくつもの河川が氾濫して、どうやら大変な被害が出ているようです。水害に見舞われた方々には心よりお見舞いを申し上げます。

 私の今年の予想に気になることとして、「梅雨時期から秋にかけて洪水や水害が予想」と書きました。また「一年を通じて雨が多く、あまり気温の上がらない感じ」とも書きました。その一方で東北地方は意外にカラッと晴れるかもしれないと予想しました。
 前の予想は現時点ではまさに的中しています。今日の台風もそうですし、4月には神奈川、7月には山口、島根、山形、8月には秋田、岩手で、名古屋などは8月、9月と2か月連続で水没しています。
 もちろん悪いことは当たらない方がいいのですが、今更ながら六壬の測局の力には驚きです。こういう悪い事態が想定されたならば、やはり災害に備えるということが必要だと思います。実際、うちでは水や食料の備蓄は切らしていません。(2週間から1か月ぐらいは籠城できると思う)
 ところが、予想が当たらなかったことが二つあります。一つは「気温が上がらない」ということ、もう一つは「東北地方は意外に晴れるかも」ということです。
 気温が上がらないというのは、6月ぐらいまでは当たっていました。しかし夏場は記録的な猛暑となり、太平洋側や西南日本は降水量も少なかったとの統計があります。もっとも日本海側や北日本では日照時間が少なく雨が多かったとのことです。
 私が「東北地方は意外と晴れるかも」と予想したのは、水を示す子に天空が付いていたこと、金水旺じすぎて転じて晴れの経験があったことなどから、意外と晴れるかもと予想し、さらに子の地盤支が丑であったことから、東北地方と予想しました。しかし、子は月将であり、空虚という意味にとるべきではなかったかもしれません。
 あるいはこの場合は地盤からダイレクトに予想すべきではなかったかもしれません。2011年東日本大震災のときのように、対冲支をとって午の地盤支未の方角、すなわち西南日本と予想すべきだったかもしれません。あるいは、空亡が辰巳ですから、東南~南の方角が雨が少なく暑いと予想すべきだったかも。
 いずれにしても、私の予想は、事象そのものはあっているにもかかわらず、場所が違うという、例年どおりの結果となりそうです、というか、なりました。

 地震や火山については今のところ予想のとおりとなっています。ただし桜島は相変わらず活動が活発ですが、もはやそれは常態化しているとみるべきなのかもしれません。また、富士山の山体崩壊については言及はしていますが、大崩壊が起きるとは今のところ思っていません。ただ、土地が崩壊するということは課式から読み取れたので、ひょっとして富士山かもと言ったまで。天竜川で大きな土砂崩れがあったり、あるいは水害の影響で土砂崩れが続いていることから、その予想はまあ当たっているかと思います。もっとも場所までは特定できていませんが。

 (以上2013年9月16日16時30分に記す)


2013年の日本についての大胆予測

 ここでの予想は2013年2月立春から2014年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台暦計算室によると2月4日1時13分です。

日干支 辛丑  占時 丑  月将 子  空亡 辰巳  太歳 巳

初伝天空白虎天空太陰玄武
中伝白虎
末伝太常

占時・太歳
 占時は丑で青龍・父母です。太歳は巳で[トウ]蛇・官鬼で空亡です。青龍は木神であり、地位、財物、書物、宴会といった象意があります。[トウ]蛇は災厄、盗難、驚愕、紛争などですが、空亡がついているので大した意味にはならないかと思います。これらが今年のキーワードになりそうです。

気象
 一課酉に玄武がついています。玄武は水神です。また発用は子水、遁干は庚ですから、金生水で雨の多い年と予想します。昨年2012年の末伝もまた子でしたから、今年の前半は昨年の寒さを引きずり、雨(雪)が多く寒い日が続くでしょう。ただし、気になるのは2点で、金水が多すぎることと子に天空が乗じていることです。金水旺じすぎて晴という予想を以前にしたことがありますが、その再現かもしれません。また子に天空ということは、子が月将で太陽を示すことと併せて、意外とカラッと晴れるところがあるかもしれません。とくに昨年末とは打って変わって、東北日本でその可能性があります。
 中盤は亥水です。また白虎がついています。すなわち金水強くて、雨の多い夏となりそうです。
 末伝は戊戌、太常と土が重なり、曇りの象です。あまりはっきりしない天気、晴れが少ないでしょう。太常から判断すれば気温、降水量とも平年並みか?
 課伝に金水が多いため、一年を通じて雨が多く、あまり気温の上がらない感じです。ただ地球温暖化は年々進んでいるわけで、果たして冷夏というほどの寒さになるかどうかはわかりません。もっともこの冬の寒さは温暖化の影響による偏西風の蛇行によるとされていて、温暖化だからといって必ず暖かくなるというわけではないわけですが…。ま、これは占断ではなくて一般的な見方ですね。
 地震についてみてみますと、2011、12年と四課にあった官鬼[トウ]蛇が今年は太歳についています。依然として地震には要注意ということでしょうが、巳は空亡であり凶意は減じられますので、それほどの被害は出ないものと思います。というか、そう願いたいです。
 火山の噴火の心配はあまりなさそうです。富士山の山体崩壊というのはあるかもしれませんが、それは噴火につながるという感じではありません。
 気になるのは四課の亥水で白虎がついていることです。亥に白虎がつくのは溺水で、また歳破であり劫殺があります。一課酉は破砕であり、やはり凶殺があります。決して油断はできません。まず白虎には怪我や事故の象意がありますから、梅雨時期から秋にかけて洪水や水害が予想されます。

政治
 この課は重審課で下が上を犯す形であり柔順利貞の象です。すなわち物事に柔軟に対応して正しい態度でいれば吉ですが、物事を強引に進めれば、争いを生じやすく、いわゆる下剋上が現出することになるでしょう。今年はどうやら政権交替ということはなさそうですが、首相の態度如何で自民党内で内紛が起きる可能性はあります。それを避けるにはすぐれた輔弼というかブレーン、実力者が必要です。二課に申があり、太陰が乗じています。申に太陰が乗じるのは執政といい、志を得て権力を行使するの意味があります。太陰から判断するとそれは女性ですが、申から考えると金に縁のある人か宗教にかかわる人でしょうか。
 おそらく経済対策として多少のばらまきがあるでしょう。しかし、民衆の側はそれが実感できません。子に天空が乗じる、また(前にも言ったように)亥に白虎が乗じるのを溺水といい、心配事が噴出し、困難は解決されない象です。ただ、白虎は権威であり大事を為すのに吉ともされますから、年の中盤に大胆な施策を打ち出すかもしれません。
 ここのところ、毎年に首相が替わっています。昨年も例外ではありませんでした。が、今年はさすがにないと思います。もしあるとすれば、解散ではなく、自民党の内紛かもしくは安倍首相の体調不良でしょう。体調不良を示唆するのは、中伝亥は日干一課を洩らして弱めますし、疾病を示す白虎が乗じていることからです。水が金を洩らすというのは、腸疾患の象ですし…。それを乗り越えれば末伝は印で太常ですから、政治は安定するものと思います。
 外交問題はどうでしょうか。外交を示すのは六合で卯に乗じています。六合は木神でまさに地を得ているのですが、その陰神は寅で勾陳が乗じています。これは警察、軍隊、争いの象意があります。ちょっときなくさい感じがします。まあ一戦交えるなどということはないとは思いますが、外交的な戦争はありえますね。
 今年の外交で最も重要なのは日米と日中でしょう。とくに中国との関係は重要です。そこで、中国の立春の時刻を見てみますと、中国は日本より1時間の時差がありますので、子刻ということになります。月将が子ですから伏吟課です。伏吟課というのは動きの乏しい課で、三伝は丑戌未で三刑となります。それから看ると、中国社会自体が停滞する感じがします。ただ発用は青龍で勢いがあります。初めは外交面でいろいろとごたごたがあるでしょうが、一課、二課は太常ですから、そのうち収まるものと思います。日本がむやみに動揺しないことが必要でしょう。

社会
 占時は父母、青龍です。青龍は金銭、財物、男性です。父母は自分を生じるもので、目上の人や知恵、宗教、衣食、旅行などを示します。しかし、丑に乗じる青龍は地を得ず、あまり力がありませんから、力を失うというところです。思うようにならないという感じ。
 初伝子は天空が乗じます。天空とは空虚でありますが、奉書の神として学問や試験にはよい十二天将です。子は月将でもありますし、また文昌、学堂が付きます。年初からは学問とか教育とかがブームになるかもしれません。ただ、天空の象意はもともと空虚ですので、詐欺とか頭を使った犯罪(単純なオレオレ詐欺ではなく手口は巧妙化)も流行るのではと思います。しかし子は月将ですから、私としてはよい意味にとらえたいと思います。山中教授のノーベル賞受賞やはやぶさの帰還でちょっとした理系ブームになっていますが、そういう学問や技術を重んじる雰囲気が高まることを期待します。
 中伝亥は子孫・白虎です。白虎は凶将であり、交通、血光の災いです。このまま読み解くと、子供を巻き込んだ犯罪ということになるのですが、私のイメージは何となく交通事故、とくに航空機事故が多発しそうな気がしています。というのは、亥は駅馬でありまさに交通や道路を示すからです。
 末伝は戌で遁干は戊戌です。昨年は戊戌は中伝で朱雀が乗じていましたが、今年は太常です。太常というのは吉将ですが、戌に付くのを逆命といい、あまりいい意味がありません。古書には「尊卑不和」とあり、上の者と下の者が離反する象があります。私の勘ですが、高齢者問題がクローズアップされて国内世論がざわつくかもしれません。
 また、太常は宴会や婚姻、青龍にも婚姻や喜慶の意味がありますから、婚活ブームが再来するのではないかと予想します。

経済
 占時が丑で田宅、青龍で財物を示しますから、不動産が動き始める予感はあります。ただし青龍が地を得ませんから力不足でしょう。
 酉を金銭として陰神をみると申太陰です。申は長生です。ようやく経済が好転しそうな感じがしてきました。しかしそれは上の方(富裕層)の話で、どうも民衆にはその恩恵が伝わらないような感じです。という予想は、三課が発用で天空であることから判断しています。
 ただし繰り返しになりますが、重審課というのは柔順利貞の課ですから、ここで政治家と民衆が離反してしまうと、せっかくの好転も水泡に帰することになってしまいかねません。一般庶民はまだまだ忍耐が必要ということなのでしょう。
 毎年言っていますが、私の予想では、近いうちに日本の家計貯蓄が消失し、国債の担い手が海外に移る、もしくは国債の買い手がいなくなる可能性が高いと考えています。むやみに緊縮に走ることは得策ではないでしょうが、かといって財政出動をジャバジャバやるのも問題です。難しいかじ取りが必要で、国民の富を増やすことを考えなければいけません。
 朱雀の乗じている辰は空亡ですから、国債などが単なる紙切れにならないとも限りません。2013年で起きる可能性は低いと思っていますが、国債のオペレーションは要注意です。
 こういう中で有望な業界は何か?ズバリ、申、太陰に関係する業界と予想します。申は別名伝送であり、交通、通信、コミュニケーションです。あるいは金属に関係するもの。太陰は婦女、とくに若い女性ですから、それに関する業界。AKB48人気はまだまだ続くか?(メンバーはだんだん歳をとってきていますが)
 また婚活ブームということで、宴会とかイベントの業界が思いつきます。ただ良くなるのは年の後半となるのではないかと思います。

 (以上2013年1月1日18時15分に記す)





2012年の予測の反省

 毎年のことながら、昨年の予想の反省をします。毎年反省をするのですが、反省の効果は表立って出ていないような感じです。ただ、私の中では少しずつは進歩はしているつもりですが……。
 反省その1でも書きましたが、昨年の震災以降、日本(だけではないかもしれないが)は、以前とは異なる変化をしつつあるように感じられます。マヤ暦の一つの時代が2012年12月21日で終わったといわれますが、今はまさに時代の転換点なのかもしれません。
 さて、2012年での予測のポイントは次のようなものでした。

(1)キーワードは空虚、文書、訴訟、紛争、災厄、派手、日常、衣食住、女性、財産。
(2)前半は雨は比較的少ない。(後に予測修正)中盤は暑いがすっきり晴れない。後半は雨(雪)が多く、冬は寒い。
(3)地震や火災が多い。火山の噴火もある。中国、四国、九州方面。全般的に自然災害が多い。
(4)政治は官僚主導。首相は年末に交替。民衆の政治離れが進む。
(5)物質指向になる。あるいは物質的な復興は進まない。ナショナリズムの指向が強まる。
(6)年の後半はよい出来事、例えば貴人(りっぱな人)の出現などが起こる。
(7)インフルエンザの流行や水の事故が増える。
(8)どこかの国や大企業でデフォルト、破産、あるいは急激な信用収縮が年の中ごろに起きる。
(9)さらなる金融緩和に踏み切れば、スタグフレーションに陥る。

 毎年の言い訳ですが、今回もまた六壬から与えられた情報を正しく読み取りきれなかった、というのが反省です。それでも今年はまあいい線いったかな、とりあえずギリギリ合格点がつけられるぐらいかな、というのが、私の評価です。
 さて、順に、反省点を挙げながらふりかえってみます。

(1)について
 キーワードはなかなか鋭いものが並んでいます。紛争といえば領土問題でしたし、災厄といえばトンネル事故や竜巻、豪雨、水害など自然災害、また女性といえばレスリングの吉田選手もありますが、尼崎の事件(これは派手でもある)もあり、何かと女性が出てきた年でした。

(2)について
 気象庁の2012年の日本の気候の特徴は次のとおりです。
 ①全国的に年平均気温は平年並で、多雨傾向。北日本から西日本にかけては、寒候期が低温傾向、暖候期が高温傾向と季節のメリハリがはっきりとした年となった。
 ②北日本、東日本、西日本は寒冬。
 ③北日本、東日本、西日本は暑夏、西日本と沖縄・奄美は雨の多い夏。夏の降水量は西日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり多く、西日本日本海側も含めてたびたび大雨となった。7月11日から14日には「平成24年7月九州北部豪雨」が発生した。
 ④9月の北日本は記録的高温。
 雨の話については、前に反省したのでそれを見てもらうことにして、気象庁の速報では冬についての記述がありませんが、私の予想である、雨(雪と書くべきでしたね)が多く寒い冬になる、というのは今のところそのとおりになっています。とくに年末から正月にかけて北日本では冬の嵐に見舞われました。
 前半の多雨傾向は当初の予測を外しましたが、中盤以降の予測はほぼそのとおりになっていると思います。

(3)について
 地震は少なくはなかったと思いますが、大きな地震は今のところありません。私は火山の噴火を予想していたのですが、残念ながら当たったとは言い難いですね。確かに桜島は活発な状況でしたが、その他の火山はそれほどではありませんでした。私が火山の噴火と予想したのは、中伝の戊戌に朱雀が乗じていることが主たる根拠になっています。戊戌は土地であり丘陵で、朱雀は火であり色は赤です。中伝ですから年の半ばです。これが西南日本で起きるというわけですが、朱雀は文書や紛争をも示します。年の半ばで西南日本の土地で文書や紛争といえば、これは尖閣諸島問題にぴったりです。ちょっと解釈を誤ってしまいました。まさか尖閣問題が浮上するとは、年の初めにはあまり思わなかったもので。
 その他の自然災害は予想どおりですが、年々自然災害が増えているように思います。

(4)について
 これは予測がピッタリでした。自民党は早くから解散と唱えていて、また多くの政治評論家が早めの解散時期を予想していましたが、私は当初から首相交替は12月が本線と思っていました。まさに末伝子が12月を示していて、子が一課午を冲剋するという図式がズバリ当てはまります。ただいつもながら断言しなかったのですが、これはいつもながら予想が独り歩きすることを恐れたためです。また、官僚主導や政治不信も全くそのとおりとなりました。

(5)について
 これは世の中の雰囲気なので、当たったかどうかはわかりにくいですね。尖閣や竹島問題でナショナリズムの傾向が高まっていることや大震災からの復興はいまだに進んでいないということは、まあその通りになっているといえるでしょうか。

(6)について
 これはまだわかりません。安倍首相が果たして貴人といえるのかどうかは議論の分かれるところでしょう。今後の手腕に期待です。個人的には麻生副総理や高村副総裁がカギになるのではないかと思っています。(これは六壬とは関係ない予想です)

(7)について
 インフルエンザと思っていたのですが、猛威を振るいつつあるのはノロウィルスの方ですね。半分あたっているといえるでしょうか。また、水の事故はまだ統計が出ていないので例年より多いのかどうかはわかりませんが、漁船衝突など痛ましい事故が相次いだような気がします。

(8)について
 国のデフォルトは幸いにして起きていませんが、欧州債務危機はまだ終わっていません。ギリシャはもとより、イタリアまでも危機が再燃しそうです。またアメリカの財政の崖問題はいったんは乗り越えられるでしょうが、今後もオバマ大統領と議会の綱引きは続くでしょう。
 企業についていえば、エルピーダメモリが経営破たんし、日本の代表的な電機メーカーであるパナソニックやシャープは大幅な赤字決算となる見込みとなっています。また、AIJ投資顧問事件(年金資産の消失)も大きなショックでした。年金制度自体がゆらいでいることを象徴する事件だと思います。このように日本経済にとっては、あまりいいニュースはありませんでした。果たしていまの円安傾向が救世主になるのかどうか……。

(9)について
 これはまだ実現していませんが、安倍政権は大胆な金融緩和に踏み込みそうです。実際円安傾向になってきており、今後輸入価格の上昇、とくにエネルギーの価格が上昇すると悪いインフレになりそうな感じはします。

 以上で2012年の予測の反省は終わり。総じて当たっていることが多く、合格点を70点とすれば、そのくらいはあるのではないかと思っています。
 ただ、予測していなかったことも多くて、たとえばロンドン五輪での活躍とか山中教授のノーベル賞受賞とか、明るい話題もありました。
 さて、2013年はどういう年になるのでしょうか?
 ということで、2013年の大胆予測を引き続きご期待(?)ください。

(以上 2012年12月31日7時5分に記す)


2012年の予測の反省その1~大雪、豪雨

 今日は2012年5月5日、立夏になります。
 昨年の震災以降、日本(だけではないかもしれないが)は、以前とは異なる変化をしつつあるように感じられます。最近、どうも従来の大六壬による予測方法とは考え方を変える必要があるような気がしています。
 初夏を迎えるにあたり、年初に予想したことが、ずいぶんとはずれているようなので、今回、とくに天候の予測を見直してみたいと思います。あとづけ的な話で申し訳ないのですが、反省とともに予測の精度をあげるという前向きな意味づけをしつつ(言い訳がましいが)、以下に考えを述べます。

 2012年の立春の課式を再掲しますと、

日干支 乙未  占時 戌  月将 子  空亡 辰巳  太歳 辰

初伝勾陳トウ蛇六合勾陳天空
中伝朱雀
末伝貴人

 私の年初の予想は、「初伝丙申は晴を示唆しますが、勾陳は土神であり曇りを示し、いずれにしても年の前半は雨は比較的少ないでしょう。」というものでした。ただ、その前に、「古書には、巳午が空の場合は雨、と書かれています」と書きました。実際には、年の前半は大雪だったり、この連休中は記録的な大雨になったりしており、予測(というより予想)はすっかり外れた感があります。
 もっとも個人的には、出勤退勤のときに傘をさす回数が特別多かった印象はなく、それほど雨が多いという気はしていないのですが・・・。(まあ私の住んでいるところは雨の少ないところではあります)
 さて、私は干上神が午であることと初伝遁干が丙であることから、全般に暑く、年の前半は雨が少ないといいました。この見方自体は原則にのっとっていると思います。
 が、大事なことを見落としていました。それは太歳が壬辰だということです。辰は初伝末伝の申子と水局をなします。このことは、2012年は雨が多いことを示しています。まして、申は初伝で水局の長生ですから、これは当然雨が多いということを意味しています。また課をみると、午以外は金(申酉)水(亥)ですから、やはり雨が多いと考えるべきでしたね。
 では遁干丙をどう考えればいいのでしょうか?また干上神午は?はたまた勾陳は?
 午については、落底空亡だと指摘しているとおり、力不足といえましょう。丙が力を得るには木火が必要です。日干乙は木、中伝戌は火を蔵していますが、それ以外に木火はありません。丙の力は弱かったというべきでしょう。
 勾陳は曇りですが、戊辰にあたり、そうしてみると、申子辰の水局となります。雲多くして雨が降るとみるべきかと。
 以上を全体的に考えると、年の前半に雨が少ないとしたのは、私の判断の誤りというか見落としで、「年の前半は、時折晴れることはあるが、全般に雨が多く、なかなか暖かくならない」と言うべきでした。
 ということで、まずは反省その1となります。ちょっと後知恵という感はありますが、人間つねに反省することが大切です。過ちを認むるにはばかることなかれ、ということで。
 夏は朱雀で丙午にあたりますから、暑くなると予想しますが、戊戌は土で曇りを意味し、午も力不足なので、すっきりと晴れることはないとします。
 さらに、すでに述べていますが、今年は全般に災害の多い年であり、夏にかけては、とくに火山の噴火が気になるところであります。

(以上 2012年5月5日10時10分に記す)


2012年の日本についての大胆予測

 毎年の恒例であります新しい年の日本を大六壬で予想します。ここでの予想は2012年2月立春から2013年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台によると2月4日19時22分です。

日干支 乙未  占時 戌  月将 子  空亡 辰巳  太歳 辰

初伝勾陳トウ蛇六合勾陳天空
中伝朱雀
末伝貴人

占時・太歳
 占時は戌で朱雀・妻財です。太歳は辰で太常・妻財で空亡です。昨年は占時に空亡が付いていたのですが、今年は太歳に空亡がついています。朱雀は火神であり、文書や訴訟、紛争、災厄、派手といった象意があります。太常は日常であり衣食住を示します。妻財は男性にとっての女性であり、また財であります。空亡は空虚。これらが今年のキーワードになりそうです。

気象
 干上神は午火でまた発用の遁干に丙がありますから、全般に暑い年かと思います。しかし、午は天空で辰上にあるため落底空亡です。古書には、巳午が空の場合は雨、と書かれていますので、すっきりと晴れるというわけではないと思います。
 初伝丙申は晴を示唆しますが、勾陳は土神であり曇りを示し、いずれにしても年の前半は雨は比較的少ないでしょう。
 中盤は一課午と中伝戌が火局で、中伝には朱雀もついてますから、夏場は暑い日が続くものと思います。ただし、前に述べたように午は空亡なので、すっきり晴れるとは言いがたいです。
 末伝は庚子で申と水局となり、庚金や酉金が水を生じるので、年の後半は一転して雨が多くなるでしょう。貴人は一般に晴れを示しますが、貴人子が午を冲剋しますから、晴が転じて雨ととりたいところです。冬は比較的寒いでしょう。
 地震、災害を示す[トウ]蛇が、昨年と同様四課についています。三課四課の示すものは天である気象というより、地上現象を示すと考えていますので、四課の[トウ]蛇は地震を示すと考えます。中伝の朱雀は災厄の神であり、戊戌と土干支が重なっていることから、地震、およびそれによる火災には十分気をつける必要があります。方角の予想は、[トウ]蛇の付いている亥の地盤は酉なので、酉すなわち西方の地震が考えられます。
 朱雀は火神であり戌についていますから、火と土、すなわち火山の噴火も考えられます。戌の地盤は申であり西南です。九州、中国地方の火山は要注意でしょう。
 全般に自然災害の多い年になりそうです。末伝が貴人ですので、災害に遭っても立ち直れると予想します。というか、立ち直れるはずだと確信しています。

政治
 一課が天空で、これ自体は空虚、損失ですが、こと試験や選挙では吉とされる場合もあります。落空でもありますから、損失の意味が強いでしょう。二課は官鬼で勾陳で発用となっています。勾陳は訴訟ごとであり役人であり軍隊を意味します。日干が剋されるので、政治主導というよりは官僚主導(まさか軍隊ではあるまいと思うが)が進むのではないかと思います。
 ここ数年、1年おきに首相が替わっていますが、今年もその予感があります。子午の冲がありますので、年の後半でしょうか?もっとも、子は貴人で月将であり、いい指導者を得ることになるかもしれません。そうあってほしいものです。
 三課は酉で官鬼で六合がついています。酉金が木神である六合を剋する形であり、民衆の政治離れは加速しそうです。
 全般に政治状況は変わらず停滞。終盤の貴人に期待したいところです。

社会
 占時は妻財です。単純にいえば、財的な事象が起こるし、人も物質的なことを指向するようになります。昨年の予想とは反対です。私なりに解釈すれば、精神的な満足だけでは生きてはいけないわけで、現実の物質的な復旧が求められる、あるいは進む、ということなのでしょう。心配なのは太歳に空亡がついていることで、しかも太常、妻財ですから、日常生活は損なわれるという意味にとれないこともありません。そうなると復旧はおぼつかない可能性があります。物理的な復旧を求めるもなかなか進まないということになるのでしょうか。
 さて、2012年は各国のトップが替わる年であり、はたまた人類滅亡まで取りざたされている年です。一部の人々に言わせると、今年は人類にとっての大きな変革があり、世界は大きく変化する、とのこと。
 初伝申は勾陳で官鬼です。日支未土から生じられます。民が官を支えるといえば聞こえはいいですが、官のために民が疲弊するということを示しているように思えます。また三課は六合です。私には、どうもナショナリズムが強まる感じがしてなりません。
 中伝は朱雀で財です。社会の雰囲気は即物的となるのではないでしょうか。例えば、給料は旅行とか精神的な満足ではなく、貯蓄もしくは買物とかそういう即物的な利用になるとか。
 末伝は貴人で吉神です。が、子は戌上にあるため吉意が弱まります。「貴人入獄」といい、悩みが多いという象意があります。しかし、子は月将なので、それほど悪く考えなくていいのではないかと思います。年の終盤は、貴人の象意のように、君子や官禄、尊崇、神仏など、いい意味の出来事が起きればいいのですが・・・。
 心配なのは四課の亥に[トウ]蛇が付いていることです。昨年も同じようなことを書いていますが・・・。四課は亥水であり、水ということでインフルエンザの流行が心配です。また水による事故というのも考えられるかと思います。

経済
 太歳辰が妻財空亡であり、昨年以上に経済は低調でしょう。ここ数年、経済が上向きになりそうな課式に当たりませんねえ。
 酉を金銭として陰神をみると亥[トウ]蛇です。また酉は破砕という神殺が付いています。これを金銭的な災害とみれば、これは大企業や国のデフォルト、すなわち破産です。ひょっとすると急激な信用収縮が起こるかもしれません。中伝朱雀を文書や証書、株式や国債などとみると、その時期は年の半ばごろと思います(これはちょっと大胆な予測)。具体的な国、会社名はわかりません。
 常識的に考えても、電気料金が上がったり、税金が上がる(控除がなくなる)等国民の負担は増えますので、景気が上向くとは思えません。海外の金融緩和のせいで円高は続くでしょうし、もし日本がさらなる緩和措置に踏み切る(最後の手段はお札を増やすこと)ならば、インフレではなくスタグフレーションになる可能性があります。
 経済面で明るい見通しは立たないです。まあこの予想は外れてほしいとは思っています。
 昨年も言いましたが、私の予想では、近いうちに日本の家計貯蓄が消失し、国債の担い手が海外に移る、もしくは国債の買い手がいなくなる可能性が高いと考えています。それが2012年中に起きるとは思いたくありませんが、どうなるかはわかりません。
 こういう状況下で、有望な産業を挙げろと言われても難しいですね。まあ考えられるのは、財・青龍が付く未の示す産業。未は土神であり酒食です。飲食業や酒類業界、土からみて農業というところでしょうか。貴人である子からいえば、婦人に関すること、水商売などが考えられます。しかし子は辰に坐しているので、一本調子に上がることはないでしょう。
 残念ながら経済に関する予測は悲観的なものとなりました。

 (以上2012年1月1日18時5分に記す)




2011年の予測の反省その3~全般

 例年どおり、2011年の予測の全般的な反省をしますが、正直いって今年は大敗北というところでしょうか。地震が多いことなどは当たりましたが、場所については全くだめでした。
 2012年の始まりは立春であり、2011年はまだ続いていて、まだ反省するには早いかもしれません。また、立春までにもう一波乱ありそうな気がしますが、年明け早々から忙しくなりそうなので、多少時間のあるこの時期に反省を記したいと思います。
 2011年での予測のポイントは次のようなものでした。

(1)キーワードは空虚、文書、訴訟、紛争、災厄、派手、女性、日常、衣食住。
(2)前半は曇りで雨が多い。(ただしこの予測は途中で修正)年の中盤は暑い日が続くがすっきりとは晴れない。年の後半は雨が多く寒い。
(3)地震よりは火災、火山の噴火が懸念。とくに九州、中国、四国。その他の自然災害も多い。ただし災害からは立ち直る。
(4)政治は官僚主導、年の後半に首相交替か?民衆の政治離れは加速。
(5)民衆は物質的な欲求。
(6)外交はうまくいかない。恩を仇で返される。
(7)物質的なものから精神的なものを指向するようになる。
(8)生活を脅かされるようなこと(インフルエンザの流行とか)や子供に関する事件の多発。
(9)年の中盤は大きなことは起きず、淡々と時間がすぎていく。
(10)結婚よりも離婚ブームか?
(11)国債の金利上昇もしくは円高で損失が増える。デフレは続き、経済は低調。
(12)女性の消費性向が高まる。
(13)特筆すべき産業はない。農業の重要性が見直される。太陽光発電の本格化を期待。

 毎年のことながら、大六壬は使いますが、あくまで常識と照らし合わせて判断するので、常識を超えたことが起きると外れることが多くなってきます。2011年は常識を超えた地震と原発事故が発生したわけで、そうなると私の予測は外れることになります。ま、これは言い訳ですが。
 しかしながら、このことは大六壬が外れているということではなく、私の常識的な解釈が誤っているということを示しているにすぎません。では、大六壬の課式そのものはどうなのかを以下に検証することにしましょう。

(2)について
 気象庁の日本の気象概況によると、春は全国的に低温傾向であり、梅雨明けは早かったが各地で豪雨が発生、また夏は高温と低温の時期があり、変動は激しかった、秋は全国的に雨が多いということだそうです。冬はこれからが本番で、晴れが多くなることを期待したいです。そうなると、気象占はおおむねその通りだったといえるのですが・・・。
 年の中盤は晴れたり降ったりというのは中伝が癸巳で太常であることからそう予想したのですが、低温と高温と予想した方がよかったかもしれません。
 私の個人的なことを言わせてもらえば、私は朝晩歩いて通勤しているのですが、今年はほとんど傘のお世話になりませんでした。(車に乗せてもらったこともないわけではないが)

(3)について
 これについては、すでに検討ずみですが、一言いえば地震が多いということを課式は示しており、そのことを常識的な地震と判断したことは私の解釈が悪いということです。

(4)について
 これは首相が替わった今もこのとおりになっています。本文では某元首相ばりに腹案?があると言っていますが、この腹案とは、首相が身内の反乱で夏ごろ交替するという予想でした。ただこういうことをあからさまに書くと、どこから何を言われるかがわかりませんので、とくに書きませんでした。

(5)について
 これはまずまず当たっていると思いますが、常識的にも判断できることです。もっとも震災の前は景気が上向くと予想していたエコノミストは多かったと思いますが・・・。

(6)について
 外交についてはうまくいかなかったのはその通りですが、恩を仇で返されるというほどのことはなかったような気がします。それよりは、台湾からの義捐金などむしろ恩を受けることの方が多かったかもしれません。もちろん、そのことは外交がうまくいっているということではありません。
 年末になって駐韓国日本大使館の前に慰安婦の少女像が建ったのは、外交的敗北でしょう。その後の李大統領と野田首相の会談もとくに進展もなかったですし。

(7)について
 震災のおかげというべきか、物質的な幸福よりは家族の団欒といった精神的な幸福を求める傾向が高まってきていると言っていいかと思います。もっとも、ひとつには若年層の経済状態が以前よりも悪くなってきており、いきおい精神的な安定、安心を求めるようにならざるをえないということもあるかもしれません。若者の車離れというのもそのひとつの表れか。

(8)について
 生活が脅かされるような驚くことといえば、一番は放射能でしょう。原発だけでなく蛍光塗料の材料という騒ぎもありましたし、食物の中の放射性物質についても非常に関心の高い話となりました。これはO-157や鳥インフルエンザ以上の問題になってきています。
 予想そのものはそういう意味では当たっているでしょうが、それが地震や津波に伴う原発の放射能漏れということを予想できなかったということで、予想が当たったとは胸張って言えない結果です。
 子供に関する事件は例年にも増して多かったように思います。通り魔の標的が子供になっていますし、また子供が死亡する事故、火災などは多かったと思います。ただでさえ少子化が進んでいるのに、これは由々しき事態です。

(9)について
 これは当たったのか外れたのかよくわかりません。震災の記憶は当事者にはまだまだ残っているでしょうが、それ以外の人にとっては何となく風化しつつあるような感じがします。

(10)について
 これは完全にハズレですね。離婚ブームは到来していません。むしろ年の差婚とかが話題になったり、婚活ブームもまだ続いている感じですし。
 実際に厚労省の人口動態統計の数字を見ると、婚姻も離婚も減少しています。これは若い人が減少していることと、夫婦の数そのものが減ってきていることが原因だと思われます。よってこの項は全くのハズレ。
 六合と三刑に意味を持たせすぎましたか。

(11)(12)(13)について
 これはほぼ予想どおりです。ただし常識でも判断できるのでまあ自慢にはなりません。太陽光発電のブームは原発の後押しもあったので、たまたま当たった感じです。
 女性の消費性向については、百貨店の売上高推移を見てみますと、震災があった割には堅調なようです。また宝飾品等もそれなりに売れているよう。ただ、爆発的に何か売れているという感じではありません。もっとも百貨店離れが進んでいるので、百貨店の統計だけでは何も言えませんかね。

 こうして予測の結果を見てみると、常識的な部分はまあそれほど外れていないですが、やはりあれだけの大地震や津波などの災害を予測できないのは、大敗北と言わざるをえません。
 ただ言い訳をさせてもらえば、あまりに不安を呼びおこすような予測を発表することは私にはできませんし、またやってはいけないことだと思います。私が大宗教家ならともかく。
 ということで、総括は終わり。性懲りもなく2012年の予測をすることにします。

 (以上 2011年12月31日18時10分に記す)


2011年の予測の反省その2~4月余震

 前回、予測の反省その1をアップしたのは2011年4月10日でした。
 反省したばかりの翌日4月11日にm7.1の余震があり、雷雨でもあったので大変な目にあいました。とくに1ヶ月後ということで印象に残っています。
 もっとも個人的にはその翌日の余震(m6.3)の方が怖かったですが。  それらより大きな余震はその4日前、4月7日にm7.4の余震があり、宮城で震度6強を観測しています。
 以上の2つが4月に発生したm7クラスの余震です。この時間について課式をみることにします。

 まずは、m7.4、4月7日23時32分の余震の課式を挙げてみます。

日干支 癸巳  占時 子  月将 戌  空亡 午未  太歳 卯

初伝朱雀朱雀貴人天空勾陳
中伝勾陳
末伝天空

 23時を過ぎていますので、翌日の日干支をとって癸巳日としています。
 さて、ここには地震を示す[トウ]蛇は出てきていません。ちなみに[トウ]蛇は寅に乗じて辰に臨んでいます。
 さてこの課から地震だということを読み取るのはかなり難しいと思います。  まず発用は4課丑ですが、これは土地に関する何かと考えられます。丑は官鬼で遁干は己、丑には破砕(神殺)がついておりますし、朱雀は災いの象もありますので、土地に関する災いという風に判断できます。ただ、この場合は火災もしくは旱魃による凶作と判断するのが普通で、地震とはなかなかとれません。
 逆に、地震が起きたことによってこの課式を得たとすれば、どう考えればいいでしょうか。
 
 次に4月11日17時16分、m7.1の地震のときの課式を立てますと、

日干支 丙申  占時 酉  月将 戌  空亡 辰巳  太歳 卯

初伝朱雀トウ蛇朱雀勾陳青龍
中伝トウ蛇
末伝貴人

 作盤してみるとこちらの方が地震っぽい課式です。四課にトウ蛇がついており、中伝にあります。また遁干は戊ですから、この[トウ]蛇はまさに地震という感じがします。ただ末伝は官鬼ですが貴人がついており、また一課も青龍ですので、大災害という感じはないです。

 上の二つの課式は面白いことに初伝が朱雀です。まあ偶然だと思いますが、朱雀には災厄という象もあります。もっとも朱雀の場合は火災ですが。
 いずれの課も地震に結びつけるのは難しそうです。地震が起きるのを予想するのではなく、むしろ地震によって引き起こされるその後の影響を見るべきかという気がします。まあ結論としてはあまり面白くないですね。

 (以上 2011年5月8日18時0分に記す)


2011年の予測の反省その1~東日本大震災

 今日は2011年4月10日です。
 東日本大震災で亡くなられた方には謹んで哀悼の意を、また被災された方には心よりお見舞いを申し上げます。
 予測が外れたことに対しては真摯に反省しております。予測をもとに世の中に警告ができるほどの者ではありませんが、それでも震災への備え等注意喚起ぐらいはできたかもしれません。
 かくいう私自身も、茨城の地にあって今回の地震を身をもって体験した一人です。断水や停電には遭いましたが、幸い特に被害は受けずにすみました。
 地震から1ヶ月がたち、この震災について少し考える時間ができてきたので、今回の予測のどこがまずかったのかを再検討してみることにしました。
 以下に、多少中途半端ではありますが、私なりの考えを述べてみたいと思います。

 まずは、2011年の立春の課式を再掲しますと、

日干支 庚寅  占時 未  月将 子  空亡 午未  太歳 卯

初伝トウ蛇トウ蛇天空白虎貴人
中伝太常
末伝六合

 初伝がトウ蛇で遁干が戊ですので、地震が多いという予測は正しかったと思います。初伝ですから、年の前半しかも早いうちに地震がくるということをこの課は示していると思います。
 私は、子が未(天空であり空亡である)に臨むため、子は落空であり被害は少ないと予想しました。また午は白虎が乗じて官鬼ですから、死亡災害が予想されますが、午は空亡ですから、やはり被害はたいしたことはないと考えました。こういう考え方は六壬では常道で、例えば『六壬[ヤク]』には「発用遇空亡、憂喜皆無実在」とあります。悪いことも良いことも実際には起こらないということです。しかしながら、今回は全く「実在」であります。これはいったいどう考えればいいのでしょうか。
 地震があってまず思ったのは、占時未は父母で空亡だということ。父母というのは自分を生ずるもの、庇護するものですから、象意としては、父母とか衣服、住居という意味があります。これが空亡となるということはそれらが虚しくなるということ、すなわちそういうものが失われる一年だと予想すべきだったか!、ということです。
 占日は庚寅日なので1課3課、2課4課は六冲になるのは当然なのですが、1課2課、3課4課が六害となり、末伝は三刑ですので、悪い支関係が重なっています。こういう支関係は落空よりも重視すべきなのかもしれません。
 また、月将は空亡を論じない、と言われます。子は月将に当たりますから、空亡と判断すべきではなかったのかもしれません。これについては、いろいろな本を読むと確かに書いてあって、『六壬断案 例47』にも確かに「中伝は月将で空亡を論ぜず」と書いてありました。本の読み方が足りないと言われてもしかたありません。先にこれを読んどけばよかったです。
 子の陰神は巳太常でこれは遁干癸や地盤子に剋を受けます。水により太常が剋されると考えると、津波によって日常生活が破壊されるというふうにもとることができるでしょう。もっともこれはとってつけたような後知恵ですが。
 さて地震の方角は地盤未から西南方向としたのですが、これも考え直さねばなりません。もっとも今後西南日本で起きない可能性がないわけではないですが・・・。
 未が空亡であり天空ですので、未と単純にとるべきではなかったか、と反省しています。その場合には、対冲丑をとるか、あるいは三合である亥もしくは卯をとるのがいいかと思います。これは支関係を応用した私の考えです。いずれをとっても東北ということになります。
 次に地震の起きた時刻で課式を作ってみます。
 3月11日午後2時46分ですが、地震が起きたのは東方ですから、標準時より進んでおり、申刻ということになります。

日干支 乙丑  占時 申  月将 亥  空亡 戌亥  太歳 卯

初伝トウ蛇トウ蛇勾陳太陰トウ蛇
中伝太陰
末伝白虎

 作盤してみてすぐ気がつくのは、やはり四課が発用でトウ蛇になっていることです。さらに発用遁干は辛金で日主を剋しますから、よくありません。ちなみに、かりに未刻(標準時)としても四課発用がトウ蛇になっています。ここでは課式は示しませんが自分で作ってみてください。
 課伝が土支でとくに三伝は三刑であり、これはよくない課といえるでしょう。トウ蛇にはじまり白虎に終わっているので、これは多くの死者が出ることを暗示します。
 占時申は貴人で官鬼です。これは官司、すなわち政府でしょう。政府の行動がかぎになるのですが、申の陰神は亥で空亡です。どうも政府は役に立たない感じですかね。
 この影響はかなり長引くものと予想します。発用が未ですが、仮に未月だとすると7月、末伝丑が応期だとすれば来年1月です。
 この日時はまさに地震の災害を示しているように、私には思えます。

 こうして文章に書いてみると、まだまだ十分に検討しているという感じではないですね。これでも結構考えるのに時間はかかっているのですが・・・。
 ともかくも、まずは自分なりの考えをざっと述べてみました。もう少し時間をかけて検討を進めてみたいと思います。

 (以上 2011年4月10日17時30分に記す)


2011年の日本についての大胆予測

 私の正月の恒例行事、2011年の日本を大六壬で予想します。ここでの予想は2011年2月立春から2012年2月の節分までです。
 日本の立春の時刻は、国立天文台によると2月4日13時33分です。

日干支 庚寅  占時 未  月将 子  空亡 午未  太歳 卯

初伝トウ蛇トウ蛇天空白虎貴人
中伝太常
末伝六合

占時・太歳
 占時は未で天空・父母で空亡です。太歳は卯で妻財・太陰です。天空は昨年と同様で空虚、奉書などの意味があります。父母は自分を生じるものですが空亡です。太陰は女性や秘密、金銀などの意味があります。これらが2011年のキーワードとして以下詳細をみていくことにします。

気象
 昨年のように天気をはっきりと示す感じはありません。干上神丑は曇りのち雨を示し、太歳卯は太陰でこれは曇りです。2010年のような暑さ寒さがはっきりした気候にはならないのではないかと思います。
 一課と発用は合で子丑は北方ですから、年の前半は寒いでしょう。中伝遁干は癸で雨を示しますが、巳は太陽であり太常は晴れの象ですから相反しています。夏は晴れたり降ったりということでしょうか?末伝の遁干は丙で太陽を示します。年の後半は比較的晴れの多い日が続きそうです。
 地震、災害を示す[トウ]蛇は子について発用となっています。遁干は戊であり、これは地震を示します。一年中地震の多い年になるかもしれません。地盤支未は方角としては西南です。ただ未は空亡でありますので、子は落空ということになり、地震は多くても被害はたいしたことはないでしょう。

政治
 「政界は一寸先は闇」などと言われますが、政治の動きはある程度常識的に予想できる項目です。占術以外の予想もふまえて考えてみましょう。
 一課に貴人がついており二課に生じられています。ところが二課は空亡で白虎がついており、さらに丑午は六害です。首相のリーダーシップは期待できず、むしろ身内の邪魔があって動きがとれない象です。白虎の象に果断ということがありますが空亡です。首相の決断が空回りというのがこの占いの判断でしょうが、これは現在もそうなのであって、それが継続するということなのでしょうか?ただ私は少し違う考え(腹案?)をもっています。この象が実際どういう形で出るかは興味深いところです。
 三課を民衆とみるなら丑未は冲なので、政治と民衆は対峙する形となります。もっとも日干支が庚寅なので、一課三課は必ず冲となります。心配なのは三課未が天空で空亡ということ。民衆の生活はますます疲弊し、さらに陰神がトウ蛇ということなので、疲弊から恐怖に変わるのか?また天空は損失ですから税負担が増え、それは有効に活用されないということか?
 末伝に六合があり、これは交際、交易を示します。外交面での立て直しを期待したいところです。しかしこれもかなり難しいでしょう。というのは、末伝と一課三課は戌丑未の三刑(無恩の刑)となっており、これは恩を仇で返すとか友人が仇になるとかいう意味があります。外交面でも前途多難という感じです。
 2011年も政治には期待できないようなことを課式は示していますが、果たして・・・?

社会
 占時は父母で、世の中は自分を生じたり庇護したりするもの、例えば車とか家とか旅行とか、そういうものに関心が向くのですが、天空、空亡であり、何も得るところがないということになるのでしょう。太歳に太陰が乗じていますから、物質的なものよりも精神的なものを指向するような雰囲気になると予想します。
 初伝はトウ蛇で驚き、恐怖です。四課からの発用ですから、庶民の生活にかかわることで何か驚くようなことが起きやすいでしょう。例えばインフルエンザの流行だとか。あるいは子は子孫爻であり、子供に関する事件や事故が多発するというようなことが考えられます。
 中伝は太常で衣食を示すのですが、日常のことでもあり、とりたてて特筆すべき何かが起きるのではなく、淡々と時間が過ぎていく感じ。
 末伝は六合で政治の項でもいいましたが、交際とか取引、また婚姻を意味します。ただ一課三課との三刑ですから、結婚よりは離婚でしょう。以前に婚活ブームを予想しましたが、今年は離婚ブームをあげたいと思います。暗い話ではありますが。
 全般としては年初におどろくことがありそうですが、全般的には平凡な一年でしょう。ただ、2012年が大転換の年(例えば主要国の指導者が変わる)と目されており、はたまた一部では世界は滅亡するなどと騒がれている年でもあります。(ま、都市伝説ですが)嵐の前の静けさというか、21世紀を目前にした98年や99年ごろと雰囲気が似てくるかもしれません。

経済
 太歳卯が財・太陰ということで、経済は全般に低調でしょう。二課三課は空亡で、とくに三課は天空でもあります。バブルの崩壊というような派手な動きではなく、人知れず損失が徐々に拡大していくという感じでしょうか。例えば国債の金利は徐々に上がっていく、為替は徐々に円高になり、結果損失を増やしていくなど。
 酉を金銭として陰神をみると寅天后です。天后というのは女性です。女性的なもの(例えばアクセサリ)が買われるのか、女性の消費性向が高まるのか。もっとも女性はいつでも買物が好きですから、これ自体はなにも占いによらずとも予想はつきます。
 さらに寅の陰神は未で天空です。最終的には損失を生むということになります。これが貨幣価値の下落(円安やインフレ)なのか、はたまた物の価格の下落(デフレ)なのかは占術からはよくわかりません。しかし現時点ではデフレによる損失の方が拡大しているところですから、この傾向がさらに続くと判断した方がいいのかもしれません。
 しかしながら、個人的には、近いうちに日本の家計貯蓄が消失し、国債の担い手が海外に移ったときに、金利高による大きな景気後退が起きるのではないかと考えています。それは2011年ではないとは思いますが、今のうちから手を打たないと大変なことになるのではと心配しています。
 ところで、話は変わりますが、2011年の産業界別の景気はどうでしょうか?
 残念ながらこれといった業種が今のところ見当たりません。というのは、もともと日干支が干支相互で冲であり、支神とそれに乗ずる十二天将が剋関係にあるものがほとんどだからです。
 そのなかでしいてあげれば、丑貴人と巳太常とということになりましょうか。丑は田園であり、これは農業を指すものと思います。農業の重要性が再認識されることを期待します。また巳は火であり、竈や磁器などを示します。これから考えられるのは飲食業、窯業です。巳は太陽を示すので、太陽電池関連もありうるかもしれません。太常と考え合わせると、いよいよ太陽電池が普及するとか、太陽光発電の本格的な実用化とか、そういうことがあるかもしれません。
 ただ、先にも述べたように経済的には全般に低調でしょうから、大きく儲けるというようなことはないでしょう。こういうときは一攫千金を狙わず、地道に過ごすことが一番なのではないかと思います。

 (以上2011年1月3日午前8時に記す)




2010年の日本の予測の反省

 本日は2011年1月1日。私の新年恒例行事となっています2010年の占いの反省です。
 2010年での予測のポイントは次のようなものでした。

(1)衣食住、空虚、奉書、兄弟、破財などがキーワード。
(2)全般に雨が多いが、南の方は雨が少ないと判断。地震災害は東北もしくは西。地震ではなく洪水かもしれない。
(3)首相が年長者を支える形。権力志向が強まり国民生活を圧迫。
(4)民衆から政治的な動きが出るがしりすぼみ。
(5)参院選では与党がかろうじて勝利し、連立は維持される。参院選までは鳩山政権はもたない。
(6)社会全般的にちまちましてくる。高邁な理想をもつ日本人が少なくなる。
(7)盗難などの事件が増える。若年層の犯罪が目立ってくる。
(8)いろいろな悪事が露見する。
(9)女性よりは男性の活躍が目立つ。冬季オリンピックは前評判倒れ。
(10)新型インフルエンザが変異する可能性、流行も。
(11)ちょっとした景気回復がみられるが、後半はしりすぼみ。
(12)水に関わる業界や軍事警察関係がよい。農業関係は意外性に期待。林業は×。エネルギー業界はたいした利益は出ない。

 今年もまた同じことを言いますが、占いと常識をいかにマッチングさせるかというところが、私の予測の考え方の基本です。ですから、常識的な予想しか当たらないといえばそうなのですが、それでも結構常識と異なることも予想しているつもりです。例年のように言い訳がましいですけど。
 結論から先にいえば、自己評価としては50点で昨年より悪いです。赤点で落第というほどではないですが、合格点とはいかないでしょう。
 念のために申し添えますが、50点というのは五分五分ということではありません。占いで五分五分ではあまり使い物になりません。まあ自己の満足度の点数というようなものです。
 以下、各項目をみていきましょう。

(2)について
 気象庁のhpによる2010年の日本の天候(速報)によると、みなさんご存知のとおり、今年は猛暑で全般に雨が多かった年でした。私は南の方が雨が少なくなるのではないかと予想していたのですが、案に相違して、雨が少ない地域は西日本と九州の一部(といっても平年より若干少ない程度)で、沖縄や奄美はむしろ雨が多いという結果になりました。雨が多いという予想はそのとおりですが、暑くなるとは予想しませんでした。しかし、平均気温は高かったのですが、冬は結構厳しく、雪がどっと降るというような状況です。これはやはり水が多いという課の象のとおりというべきでしょう。
 地震については、特筆すべき地震はありませんでした。確かに地震は増えているのですが、大きな被害は出てません。もっとも2011年の立春まではまだ時間がありますので、油断は大敵です。
 地震よりも洪水かと予想したのですが、これは半分当たり。しかし、西とか東北日本だけではなく、日本全国あちこちで洪水の被害(水害)が発生しました。ただ私の住んでいるところだけはなぜか雨の降らない日が多く、例年は夏は毎晩のように雷がなるのですが(そして会社に呼び出されるのですが)、今年は雷では一回も呼び出しはありませんでした。そして今もあまり雨は降っていません。雨が少ないことについては、「私の六壬実占記」に書いているとおりです。

(3)について
 これはとくにコメントしなくてもいいでしょう。権力闘争にあけくれ、国民不在の政治が続いていることは誰しも認めるところではないでしょうか。

(4)について
 これは半ば期待をこめた予想だったのですが、結局小党乱立(例えば立ち上がれ日本とか)で終わりました。まあ、みんなの党が党勢を拡大したのがこの動きだったといえば、そういえるかもしれません。そして予想通り、何となくしりすぼみで終わりそうな気配であります。

(5)について
 鳩山政権がもたないのは予想通りでしたが、まあこれは常識的に考えれば当然だったでしょう。もっともそれを昨年1月に予想していたのは、政治評論家でもあまりいなかったのではないかと。私は参院選前に退陣するにしても、退陣前にもう少し何か政策(とか驚くような何か)を出すのではないかと期待していたのですが、それは期待はずれ。しいていえば小沢氏を道連れにしたことか?
 参院選の結果についてはハズレ。とりあえず民主党が政権は維持したわけですが、社民との連立は解消したので予想を大きく外しました。もっとも復縁を迫っていますが。
 参院選自体の六壬占についてはすでに「私の六壬実占記」に書いています。が、この立春の課式自体からはどう判断すべきだったのでしょうか?
 貴人申を首相、勾陳子を権力(与党)もしくは年長者と判断して、三伝金局が申子を生じるとみてかろうじて選挙に勝つと判断したのですが、6月7月は空亡月だということ、夏なので申金を剋すということ、などから負けると判断した方が正解だったということでしょう。また申は歳破で駅馬だということで、出入りが激しいと予想すべきだったということでしょう。

(6)について
 これは当たったかどうかははっきりしません。海外留学する人が減っているとか、政治家を志す子供が少なくなったとかいうことがそうだといえばそうなのですが、これは近年の傾向ですので、当たったといっても自慢にはなりません。
 それにしても、一般の人だけではなく指導的地位にいる政治家や財界人も小粒になったような・・・。

(7)について
 残念ながらこれについては現在のところ統計データが得られていませんので何ともいえません。少年犯罪そのものは1990年代から減少傾向にあります。これは人口比でもそうなので、単純に子供が減ったからというわけではなさそうです。しかしながら、マスコミ報道のせいなのか、若年層の犯罪は確かに目立つようになってきた気がします。まあ、これも感覚的なものなので、この問題はもう少し深く考えてみる必要があります。個人的には世の中の二極化が若年層まで及んでいて、犯罪を起こす少年自体は減少しているものの、一度そういう状況に落ちた少年は這い上がれないということになっているのではないかと思います。まあこれも検証したわけではなく、単なる私の感じです。

(8)について
 いろいろな悪事が露見するという最たるものは検察庁でしょう。ここ最近にない悪事の露見です。また千葉や神奈川県警の裏金問題もそれに当たるかもしれません。もっとも神奈川県警はしょっちゅう不祥事が発生するので、別にこの件をもって当たったとはいえないかもしれませんが。(これはちょっと皮肉)
 尖閣諸島沖の事件は悪事といえばいえるでしょうが、ニュアンスはちと違うように思います。

(9)について
 とある調査によれば、2010年に活躍した男性のトップは福山雅治、女性のトップは蓮[ホウ]だとのこと。男性の場合、ワールドカップやノーベル賞など世界的な活躍をする場面が多かったのですが、女性はそういう機会があまりなかったような。ちなみに2位は本田圭佑とakb48だということから、ちょっとレベルの差があるように思います。いや別にakb48が嫌いというわけではありません(もっとも興味もあまりないが)。個人的には宮里藍とか伊達公子とか活躍したと思います。が、やっぱりイチローでしょう。

(10)について
 現時点ではインフルエンザが流行期に入りつつある状況です。今のところは主流はa香港型でいわゆる新型ではありません。よってこの予想は現時点ではハズレですが、これはこの冬が終わってみないと何ともいえませんね。
 しかし、不気味なのは新型よりもむしろ鳥インフルエンザかもしれません。ここへきて各地の野鳥で見つかっているのはちょっと心配です。

(11)について
 業種によってむらがあるのは当然のこととして、東証一部上場企業のボーナスは前年を上回るということで、景気回復が進んでいたことをうかがわせます。また、産業界のいわゆる天気図も年の前半は晴れが増えていました。
 しかしながら、年後半にかけての円高で企業業績はやや落ち目にきています。12月31日の円相場は80円台後半だということで、2011年3月期決算は輸出関連を中心に厳しいものになりそうです。
 まあこの項はほぼ当たりかな。

(12)について
 これはちょっと判断が難しいです。水関係の産業といえば化学ですが、化学関係はおおむね景気がよかったでしょう。東京都が水道事業の輸出を目指すなどの動きもありました。たまたま買った週刊誌に大前研一が有望事業として水処理や水道関係をあげていたのも記憶しています。
 はたして泌尿器科や産婦人科が儲けたかどうかはわかりません。産婦人科は減っていますが、かえって競争が緩和されてよくなりつつあるという話はききます。しかしながら利用者(すなわち妊婦)にとっては病院数が減って不便になっているようです。
 農業については、農家の戸別所得保証制度が話題になっていますが、高温の影響で野菜が高騰したことも記憶に新しいです。ただそれが農業の活性化につながっているかどうかは、いまひとつ疑問です。しかし有望な産業であると個人的には思っています。
 エネルギー業界は車の減少や電力需要の伸びがいまいちだったこともあり、あまり景気がいい話はありません。石油製品を輸出するなどの動きはありました。
 林業、紙パルプ業界は厳しい状況が続いています。これは予想どおり。
 と個別にみると、この項は当たったかはずれたかはイマイチはっきりしませんね。

 今年私が予想しなかった重大ニュースのひとつに「はやぶさ」の帰還やノーベル化学賞受賞などによる、科学技術(あるいは理系)に対するよい意味での見直しがあったことがあります。私も一介の技術者なので(もっとも卒業したのは理学部)、このことは非常に喜ばしいです。
 もうひとつは外交です。これについては解説は不要でしょう。日本の外交力は確実に落ちてきていると感じます。今後10年以上長期にわたっては日本は凋落する一方のような気がしてなりません。そしてその元年が2010年であったと、後々言われるのではないかと。日本の将来を考えると暗くなってしまいます。

 ま、暗くなってばかりではいられません。希望をもって2011年の日本を占って公開することにします。ただし、内容はあまり明るくありません(泣)。

 (以上 2011年1月1日午後6時30分に記す)


2010年の日本についての予測

 まだ立春までは1ヶ月以上ありますが、私の正月の恒例行事、2010年の日本を大六壬で予想しました。
 日本の立春の時刻は、国立天文台によると2月4日7時48分です。

日干支 乙酉  占時 辰  月将 子  空亡 午未  太歳 寅

初伝玄武青龍玄武貴人勾陳
中伝青龍
末伝トウ蛇

占時・太歳
 占時は辰で財・太常であり、太歳は寅で兄弟・天空です。太常は衣食住、天空は昨年と同様で空虚、奉書などの意味があります。兄弟は仲間ですが、財を壊すものでもあります。これらを手がかりに2010年をみていきましょう。

気象
 一課は子であり、二課の申と水局をなしています。三伝は巳丑酉と金局をなしており、三伝金局が子水を生じる形となっています。これはまさしく雨でしょう。また、初伝は巳で太陽を示しますが、遁干が癸であり、これは雲が太陽をさえぎる形です。これらを見ると、2010年は雨模様の一年となりそうです。
 しかしながら、以前も見たように、これだけ雨の象が重なると、陰窮まって陽に転ずるで、意外と雨は降らないのかもしれません。また太歳寅は天空で寅は南に位置しますから、南の方は雨が少ないと判断します。
 地震を示す[トウ]蛇は酉についています。酉は官鬼であり、官鬼[トウ]蛇の悪い組み合わせになっています。末伝にあり、また天盤で酉は東北に位置します。なお酉は地盤では正西にあたります。地球の活動が活発化していますので、少し心配です。
 [トウ]蛇は地震だけではなく、災害、疫病なども示しますから、必ずしも地震とは限りません。洪水かもしれません。ただ、酉の天盤支が巳で酉は剋を受けるので、それなりの被害が出る可能性があります。そういうことは起きないことを祈っています。

政治
 ここ数年、政治に関しては当たっているので、今年も当てたいところですが・・・。
 課式をぱっとみて面白いなと思ったのは、貴人申が二課にあり、一課は子です。申子は会の関係でありますが、申金が子水を生じています。また子は父母であり、これは年長者を示すとみると、何だか今の政治の構造がそのままという感じがします。すなわち首相は脇役に回り、年長者を支える形?
 一課子水は三課火を剋しますので、政治の権力志向はますます強まり、国民生活は圧迫されることになるのではないかと思います。
 ただ、発用は三課であり、民衆の中から政治的な動きが出てくるという期待があります。もっとも中伝が青龍から末伝が[トウ]蛇に向かうので、しりすぼみになるかもしれません。
 夏に参院選挙がありますが、三伝が金局で申子の水局を生じますから、与党側の勝利となると予想します。ただ、選挙日程では6月公示7月選挙で、これは空亡月です。また夏は金気が弱まりますから、圧勝とはいかないでしょう。個人的には現連立政権をあまり評価していませんが、引き続き連立が維持される公算はあります。
 六壬から離れて参院選の予想をすれば、参院選の前にあっと驚く政策を政権側が打ち出し、その勢いで参院選に勝利に持っていくというふうに進むのではないかと思います。あっと驚く政策とは、外交関係かはたまた内閣改造か?まあ、問題はそれまで鳩山政権が持つかどうかですが・・・。
 太歳寅は天空で貴人と冲となりますし、初伝は巳で寅申巳と三刑が成立しますから、参院選までに何らかの動きがあるかもしれません。

社会
 占時が太常ですから、世間の関心は日常生活、衣食住に向かうでしょう。したがって社会全体としては、ちまちました感じになるのではないかと思います。(高邁な理想を持った日本人が少なくなる?)
 初伝に玄武が乗じており、玄武は盗賊、悪巧み、小人です。盗難とかが多い年になるでしょう。巳は子孫で子供を表すとみると、若年層の犯罪が増えてきそうです。しかしながら、一課は月将子で勾陳が付いています。勾陳は盗賊を捕まえる者、すなわち警察や軍隊であり、さらに玄武の乗じている巳は太陽を示しますから、そういう悪事はいずれ露見し裁かれるでしょう。いわゆる「太陽照武」の形です。ただ、いずれにせよ犯罪が増えるのは感心しませんが。
 中伝は青龍で子との合であり、年の中盤は比較的派手というか、人々が活動的になるでしょう。青龍は夫で男性を示します。昨年同様男性の活躍が期待されます。
 ただ、末伝は[トウ]蛇であり、これは竜頭蛇尾(本当は初伝が青龍、末伝が[トウ]蛇をいう)になる恐れがあり、2010年の冬季オリンピックは前評判倒れであまり期待できないかもしれません。
  太歳寅は天空で試験の象意があります。文昌貴人が乗じている午は空亡です。こと試験に関しては空亡は決して悪いわけではありませんが、課式中に午が出てきてませんから、昨年ほどの資格試験ブームというのはないだろうと思います。
 気象のところでも少し述べましたが、[トウ]蛇には疫病の象意があり、2010年の冬は新型インフルエンザがさらに変異している可能性があります。流行しないことを切に願っています。

経済
 本命は寅で天空が付いています。寅は日干からみれば劫財にあたります。財あれども利あらずの象でしょう。例えば、国債(日米とも)価格の下落とか、不動産の値下がりとかが考えられます。
 酉を金銭として陰神をみると巳玄武です。玄武は前にも述べたように、盗難とか隠匿とかの象意があり凶将ですから、景気回復という感じはありません。年の中盤は、中伝に青龍があり、ちょっとした景気回復がみられても、竜頭蛇尾で長続きはしないでしょう。むしろ、三伝が局をなしていて、景気低迷は長引きそうです。ただ相生関係なので、徐々によくなってくることを期待したいところですが・・・。
 昨年の業界動向はあまり当たらなかったので、追試験ということで、今年もトライしてみます。
 三伝が金局で一課を生じることになりますから、水に関わる業界はいいかもしれません。例えば、水処理や浄化、海水淡水化技術を持つ企業、また河川にかかわる事業、さらには水商売まで、水に関わる事業はいいかもしれません。やや飛躍していますが、ファッションホテル業界(なぜか川とかの近くにあることが多いですが)とか、医者でいえば泌尿器科や産婦人科など。
 子に勾陳が付いているところをみれば、軍事関係や警察も商売繁盛かもしれません。ただ、そういう業界がよくなるのは、世の中悪くなっている証拠ですから、そういう予想は外れたほうがいいですね。
 日干が乙木で太歳が寅木ですが、寅木は天空であり、三伝に剋されますから、木に関係する業界はだめでしょう。個人的には林業の復活を期待しているのですが・・・。
 エネルギー関連は今年前半は話題があっても、たいして利益はでないでしょう。
 農業関連は意外と成長するかもしれません。丑に青龍が付き、子丑の合があるから、そう判断しているのですが、客観的にみれば日本の農業には課題が多く、これは希望的観測を含んでいます。私個人としては、農林水産業が元気になってほしいと願っています。もっとも私自身は一介の会社員ですが・・・。

 (以上2010年1月2日午後5時半に記す)




2009年の日本の予測の反省

 本日は2010年1月1日。新年恒例占い。ひとまず2009年の占いの反省から入りたいと思います。
 ポイントを再掲しますと、

(1)衣食住、年長者、空虚、墓地、田畑などがキーワード。
(2)全般に晴れ。暑くなく寒くなくという気候。地震災害は西南日本。被害は抑えられそう。
(3)首相の活躍は空回り。4月~8月に選挙が行われて政界再編。年末に再度の変動。
(4)日本が戦争に巻き込まれるおそれがある。国家主義的傾向が強まる。
(5)上の(4)が実現されなければ、首相周辺で不正支出とか汚職事件が発生。
(6)詐欺事件が頻発する。
(7)入学試験や資格試験が活況を呈する。教育が正常化する?
(8)道路や山林での犯罪や水の事故が頻発する。
(9)女性よりは男性の活躍が目立つ。
(10)結婚よりも離婚が増加する。
(11)ちょっとした景気回復がみられるが、実体をともなわない。
(12)エネルギーや太陽電池関連の業界が伸びる。金属関連は低迷。金は上がるかも。木材、出版関連も注目。

 毎年言っていることですが、占いに頼らずとも予想できたのかもしれません。ただ、占いの解釈というのは常識を働かせる必要があるわけですから、まあ占いに頼らず予想できることもまた占師の力量といえましょう。(たぶんに言い訳がましいですが)
 ま、能書きはともかく、さっそく各項目をみていきましょう。

(2)について
 気象庁のhpによる2009年の気象概況(速報)によると、年平均気温は平年よりプラスで、やや暑かったとのこと。ただ、ここのところ温暖化が続いているので、例年並みといっていいのかもしれません。
 残念ながら、日照時間はやや少なめでした。ただ九州は平年を若干上回っています。降水量は本州は平年並み、九州は少なめでしたが、北海道は雨が多かったようです。
 地震についていうと、8月に駿河湾地震がありました。また12月には伊豆半島東方沖の群発地震があります。ただ、地震そのものは少なく、被害もあまりありませんでした。
 西南日本といえば、地震よりは火山活動で、とくに桜島は警戒レベル3であり、噴火回数も観測史上最高となっています。ただ被害はあまり出てません。
 気象については、2009年はあまり当たっていないような感じですね。

(3)について
 首相の活躍は空回りというのは、麻生前首相にしろ鳩山現首相にしろそうなっていると思います。
 選挙の時期は4月~8月とかなり幅を持たせたのですが、本命は8月だろうと予想していました。ただ、年初の政治評論家等の予想の多くは4月解散説であって、ちょっと自信がなかったもので。まあ課式から4月とみれないこともなかったですし・・・。ですから、この項は当たっていると胸張って言えるわけではありません。ただ、私自身としてはこの部分の予想は大当たりと思っています。
 8月と判断した理由ですが、発用が卯、中伝が寅ですので、春はあまり動きがないだろうと思ったこと。日干は庚で夏が官鬼にあたり、発用の冲が酉、中伝の冲が申でしたので、おそらく夏にいろいろごたごたがあり、申月ぐらいに選挙があるかな、と考えたわけです。酉月では任期が来てしまいますから解散はできません。酉月と考えなかったのは常識的な判断です。申月解散、選挙となると、申月は空亡ですから、選挙の勝利は難しいと判断しました。
 寅申は冲であり刑ですから、民主党が勝ってから政治家の移動、政界の変動があると思ったのですが、社民党と国民新党との連立政権となったぐらいで、政界再編までには至りませんでしたね。これはハズレ。
 仮に4月(辰月)に解散していれば、辰は六合で日干を生じていますので、ひょっとすると自民が勝っていたかもしれません。
 また、年末に再度の変動と書きましたが、この占いの年末とは立春の前ですから、まだ当たったかはずれたかはわかりません。
 ところで、この選挙について、某占い師は著書で自民公明がかろうじて勝つと予想していたのですが(2009年初頭に本屋で立ち読みした)、結果は外れたわけで、彼はたぶん評判を落とすことになるでしょう。将来予測を出版することの恐ろしさを感じました。

(4)(5)について
 北朝鮮のミサイル発射では緊張しましたが、幸い日本に着弾することもなく、また自衛隊はインド洋から撤収し、またアフガン派兵もなく、戦争に巻き込まれるというおそれは今のところなさそうです。ですから(4)の予想は外れたことになります。まあ外れてよかったと思います。
 ただ、別の解釈である(5)は、麻生前首相にはありませんでしたが、鳩山首相、そして小沢幹事長には起きています。
 よって条件付当たり。もっとも政治家に汚職事件は付き物ですから、当たっても自慢にはあまりなりませんね。

(6)について
 今年も振り込め詐欺、還付金詐欺は続いています。また、郵便割引制度の悪用などの詐欺事件もありました。まあ当たっているのですが、これも占いでなくとも予想できたことです。
 ただ、最大の詐欺事件は某党のマニフェスト詐欺かも・・・(苦笑)。

(7)について
 共通テストの受験者数が増加し、資格試験もあいかわらずの人気のようです。しかしよく考えれば、不況で失業率の上昇や就職率の低迷すれば、試験が活況を呈することは、何も占いによらなくてもわかることではあります。

(8)について
 私の思い込みなのかもしれませんが、殺人が増えて死体を山林に捨てているという事件が増えたような気がします。また水難事故も多く、中には助かった人々もいますが、この項は感覚的には当たっているように思います。

(9)について
 イチロー、松井、石川遼選手はもとより、若田宇宙飛行士、アカデミー賞受賞、などなど、2009年は全般に男性が活躍したといえると思います。フィギュアスケートをはじめ期待された女性はあまり活躍しなかったですね。

(10)について
 厚生労働省の人口動態統計速報値(9月まで)によれば、「婚活」という言葉が流行っているにもかかわらず、結婚数は減少、離婚数は増加しています。ですから私の占いは当たっているのですが、まあこれも社会の風潮からすれば予想できたことではあります。

(11)について
 もちろん業種によっての差はありますが、これはほぼ予想どおりでした。(大)企業の中間決算はおおむね昨年よりもよくなっています。しかし実体をともなっていません。回復が雇用に結びついていないことが、それを示しています。まあこれも考えれば予想できないこともないわけですが。

(12)について
 エネルギー関連や太陽電池関連については、まあ予想されたことなのですが、木材関連、紙パルプは全然だめですし、出版関連は雑誌等の休廃刊も続き、不振でした。六壬で業界動向を占うのは、私には無理のようです。(六壬がだめだと言っているわけではありません。あくまで私の解釈が悪いということ)

 私が触れていなかったことで、最大の事件は、やはり新型インフルエンザでしょう。課式をみると、二課に午の[トウ]蛇があります。[トウ]蛇には疫病の象意があります。官鬼ですから被害は広がるでしょう。ただ[トウ]蛇は火神であり午も火ですから、やや凶意は弱いです。
 今後はわかりませんが、今のところは季節性インフルエンザよりやや致死率が高い程度で、世の中がパニックになるほどのことはないようです。お亡くなりになった方に対してはご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、2009年の成績は自分では60点と採点して、かろうじて合格と思っています。ただ株価というか業界動向については全然だめでしたので、これは追試験を受けなければならないですね(笑)。皆さんの評価はいかがでしょうか?ちょっと合格はやれないか?

 それにもめげずに、追って2010年の日本を占って公開することにします。

 (以上 2010年1月1日午前10時半に記す)


2009年の日本についての大胆予測

 まだ立春までは1ヶ月以上ありますが、2009年の日本を大六壬で予想します。
 日本の立春の時刻は、国立天文台によると2月4日1時50分です。

日干支 庚辰  占時 丑  月将 子  空亡 申酉  太歳 丑

初伝勾陳青龍勾陳トウ蛇貴人
中伝青龍
末伝天空

占時・太歳
 占時と太歳は丑で父母であり、天空が乗じています。父母はわが身を生ずるもので、親や年長者、また衣食住全般を著します。天空は文字通り空虚です。丑は土であり田畑や墓地などです。これらを手がかりにして考えます。

気象
 一課は貴人で晴れ、一課二課で午未の合があり、午は太陽、未は太陰とされますから、これを見れば晴れそうです。また、トウ蛇は雨とされますが午に乗じると晴れと言われます。三伝の遁干は戊己土でこれは曇り。末伝や本命は丑でこれは雨。ですが天空が乗じています。よって、総合的には晴れの日が多いと判断します。三課四課は木行で春ですから、気候は総じてよいものと思います。暑くなく寒くなくというところ。
 地震や災害を示すトウ蛇は午についており、これは日干を剋します。未に臨むので、西南方面と予想します。貴人と合しているので被害は抑えられると思いますが、官鬼ですのである程度の被害が出るのではと心配しています。これは外れてほしい予想です。

政治
 貴人が干上神で日干を生じていますから、首相の活躍がある程度期待したいところですが、本命や末伝の丑に冲され、また未は申に坐しているので落底空亡となり、活躍が空回りになりそうです。
 三課の卯が未と会します。卯は勾陳、財です。勾陳は争いであり、その象意は訴訟、警察、軍隊、戦争です。私が気になるのはこの三課が発用となるところです。貴人と勾陳は会になる関係なのですが、それが発用となるとおだやかではありません。インド洋への自衛隊派遣ぐらいですめばいいですが、どうも私には戦争に巻き込まれるような気がしてなりません。それでなくとも、社会の不満が鬱積し、国家主義(ナショナリズム)的な傾向が強まり、外交は難しいものになると思います。
 そうではなく、卯勾陳を財の訴訟事ととらえると、首相の身辺がせわしく(不正支出とか汚職とか)なります。戦争よりは政治腐敗の方がましで、むしろそういう問題ですめばよいのですが。
 いずれにしても天空で終わるので、成果は期待できないでしょう。
 年の中盤、4~8月ぐらいに選挙が行われ、政界再編があるのではないかと思います。政治日程的には4月でしょうが、私は少し遅い(夏ぐらい?)のではないかと見ています。また、末伝は丑で未を冲しますから、年末に再度の変動も予感されます。

社会
 勢いのある十二天将が多いので、社会全体が騒々しい一年だと思います。ただ本命、占時、末伝がいずれも丑で天空であり、空騒ぎに終わる感じがします。
 昨年に続き、勾陳の象意から、事件は頻発、とくに家庭に関する事件や裁判沙汰が起こるでしょう。さらに、天空は主には虚偽、奉書とかという意味があります。遁干は丁であり、天空とはいいながらもその働きは活動的です。詐欺事件が頻発するなどがありそうです。ただ天空は試験にはよいとされます。入学試験や就職試験、資格取得などが活況を呈するのか、はたまた教育が正常化に向かうのか、まあ後者を期待したいところです。
 月将は子で、子孫であり白虎がついています。白虎に子がつくのは溺水といい、道路や山林などの象意があります。水の事故あるいは犯罪に巻き込まれることが感じられます。 女性についていえば、昨年と違って女性の活躍はあまりないのではないでしょうか。むしろ男性の復権が期待されます(日本の場合は)。
 青龍が三伝に出てきて強いのに天后は空亡というところから、結婚よりもむしろ離婚が増えると思います。残念ながら少子化問題は依然として解決できないでしょう。

経済
 今のところ経済は低迷していますが、年の中盤ではちょっとした景気回復がみられるでしょう。しかしながら、酉金は空亡ですから、長くは続きません。むしろその回復も開けてみれば、実体の伴わないものといえそうです。
 昨今経済は暗い話が多いので、今年はちょっと趣向を変えて業界の予想をしてみましょう。
 不動産関係は価格変動が大きく、年の後半は下がるでしょう。金属相場は全体に低迷。しかし有事の金という言葉もありますので、金だけは上がるかもしれません。これは六壬占とは別の判断です。巳には朱雀が付き、その地盤は午です。巳午朱雀はいずれも火気であり、これから推測すると、エネルギーや太陽電池関連については派手な動きがあるでしょう。また、寅青龍の地盤は卯ですから、卯の類神をとって木材関連、ちょっと飛躍して出版などが注目です。卯に勾陳が付くのはちょっと不安材料ですが。
 (以上2009年1月3日午前7時半に記す)




2008年の日本の予測の反省

 本日は2009年1月1日。私個人の行事としては恒例となりました。新年を迎えて、まずは2008年の占いの反省から入りたいと思います。
 ポイントを再掲しますと、

(1)経済的なこと、盗難、あるいは闘争などがキーワード。
(2)雨はたいして降らず。温暖化は進行。地震が起きるとすれば北方だが、たいした被害はない。
(3)首相は孤立無援。7月、サミット後ぐらいが危機か?
(4)経済、年金問題は解決しない。外交は無難にこなす。
(5)男女関係の乱れが進行。結婚ブームが起きる。
(6)財産の損失が社会問題化する。
(7)流血を伴う事件、事故が多発する。
(8)子供には受難の年になる。女性の社会進出はいまいち。優秀な女性がポッと出る。
(9)世界経済の退潮、円高の進行、国富の喪失が起きる。

 まあ占いに頼らずとも、上のようなことは予想できたのかもしれません。が、私としては、2008年の占いもまんざらな結果ではないと思っています。とくに経済の悪化の進行については、年初はほとんどの経済研究所が比較的堅調な予想をしていたのに反して、(ただし一部専門家はサブプライム問題が大きな問題に発展すると予想はしていたが)経済は悪化すると予測したのはヒットだと思います。(ちょっと自慢)
 では各項目をみていきましょう。

(2)について
 気象庁のhpによる2008年の気象概況(速報)によると、降水量は平年より少なく、気温は高くなったそうです。局地的な豪雨はあったものの、台風も少なく、全般に少雨高温。雨が降ったようで、終わってみればたいして降っていなかったという私の予想はほぼ的中したと思います。(自信はなかったが)
 地震についていうと、6月に宮城、岩手内陸地震(m7.2、震度6強)が発生しました。日本でいえば北方といえるでしょうか。地震の規模はかなり大きかったのですが、その割りには(マクロ的にみれば)被害は少なかったといえると思います。もちろん地震に遭われた方にとっては大変な被害であることには変わりなく、心よりお見舞い申し上げます。

(3)(4)について
 福田前首相は年初から孤立無援でした。サミット後というのは占いを離れての予測だったのですが、マスコミによればすでに早くから辞意を固めていた模様。もちろん次の麻生首相も孤立しているようです。このへんはマスコミの政局についての記事を参照してください。大筋で占い(だけでなく私の予想も)は当たっています。
 年金問題が解決しないのは予想されたことですし、外交も無難というのも、占いでなくても予想できたことなので、まあ当たっても自慢にはなりません。

(5)について
 男女間の乱れが進行したかどうかはちょっと意見の分かれるところでしょう。が、社会が不倫とかに対してあまり抵抗感がなくなっているような気がするのは私だけでしょうか。
 結婚ブームについては、統計的な数値を見る限りはなさそうです。婚姻の件数は減少傾向で、これは外れという結果。ただ、「婚活」という言葉が出てきたり、私の周囲では結構結婚話があったりで、これから結婚率は増えてくるかもしれません。(不況でもありますし)かみさんに聞いたのですが、結婚の低年齢化が進行しているという新聞記事があったとのこと。

(6)について
 今年は振り込め詐欺、還付金詐欺の件数が急増しました。その他大きな詐欺事件もあり、まあ当たっているのですが、これも占いでなくとも予想できることなので、誇れる話ではありません。

(7)について
 事件といえば、秋葉原の事件や事務次官経験者殺人事件など流血を伴うものから、中国製殺虫剤混入餃子やメラミン入りミルク(日本では大きな問題になっていないが)などの問題が発生しました。タクシー強盗など金目当ての殺人などもありました。まあこれも社会の不安などを考えれば、占いでなくとも予想できる範囲ではあります。

(8)について
 子供の事件といえば、先日つかまった東金市の事件や、福岡での子供の殺害など、挙げればきりがありません。
 女性の活躍といえば、オリンピックでの上野選手や吉田選手、またフィギュアスケートの浅田選手などが思い浮かびます。スポーツ以外では、勝間現象ともいうべきブームを起こした勝間和代氏が思い出されます。彼女の活躍は目ざましいものがあり、私はこういう女性が出てくるのではないかと思って「極めて優秀な女性がぽっと出る可能性」と書いたのです。
 しかし世の中をみると、女性の方が男性よりも活躍しているような気がします。ですから、まあこの項目はちょっと外れかな。

(9)について
 これについては言及の必要もないでしょう。年初から徐々に経済の悪化が進行するのをみながら、今年の私の予想は当たってきているな、しめしめ、と思っていたのですが、実は私もここまで悪くなるとは思っていませんでした。しかもその影響がわが身に降りかかってきたわけで、当たったからといって喜べません。来年早期に景気回復するのを切に願っています。

 総じて当たっていると思うのですが、みなさんはいかが思いますでしょうか。
 ちょっと気をよくしたところで、来年の予想をすることにします。
 (以上 2009年1月1日12時記す)


2008年の日本の予測

 新年恒例。今年の日本の予測です。さて、今年はどんな年になるのでしょうか。
 例によって、2008年の立春日時で占います。2008年の立春は2月4日戌刻です。

日干支 甲戌  占時 戌  月将 子  空亡 申酉  本命 子

初伝六合
中伝青龍
末伝白虎
トウ蛇天后青龍六合
----

占時
 占時は戌で財であり玄武が乗じています。この一年は財的なことに関心が集まるでしょう。また玄武は凶将であり、盗賊とか闘争とかの意味がありますから、これらがキーワードとなるでしょう。

本命
 子は天后で吉神です。天后には女性(地位の高い)、秘密、淫乱等の象意があります。また子は父母(印)で、文書や衣服、建物、旅行などの意味があります。これらを考えて以下各論をみていきます。

気象
 一課と三課および初伝と末伝が水局をなします。中伝は午火ですが、壬が遁干していますし、十二天将は青龍です。初伝は庚金で水を生じますから、この課からいけば、雨の多い一年といえます。
 しかし、末伝は空亡で白虎がついており、私には水極まって火に転ずるような感じを受けます。すなわち雨が多い一年のように思いますが、終わってみればたいして雨は降っていなかったということになるのではないかという気もします。(この辺自信なし)二課と四課は寅午の火局であり、結構暑い一年でしょう。年々温暖化は進行しているわけですし。
 地震や災害を示すトウ蛇は寅についており、子に臨んでいますから、北方が危ないと判断します。ただしトウ蛇は火神で寅に生じられますから、凶意は薄く、さほど心配しなくてもいいかと思います。

政治
 貴人は課伝中にありませんが、丑に乗じて陰神は卯木朱雀です。丑は日干甲木や上神卯木に剋されますから、引き続き首相は苦労するでしょう。陰神が朱雀ということは、文書や訴訟での問題があります。衆議院の解散が気になるところですが、2月までに解散がなければ年の半ば過ぎまで解散しないでしょう。これは占いでの判断というよりは、常識を働かせての話です。サミット後というのは大きな機会でしょう。というのは、太歳子と中伝の午が冲となり、これは年の中盤です。また午月は6月(元は7月となっていました、お詫びして訂正します)、7月未月は貴人丑と冲であり、7月も首相の危機となる可能性がありますので。
 占時は戌土、発用は辰土ですから、それから考えると引き続き経済問題が政治上の重要な課題でしょう。とくに戌には玄武がつきますから、年金問題などは解決しそうにありません。
 また発用六合は交際や貿易です。外交もまた大きな政治課題となります。一課ですから、外的な要因に左右されます。支上神と合ですから外交は無難にすむのではないかと思います。しかし中伝は午で子を冲しますし、年の後半は空亡ですので予断は許しません。

社会
 発用が一課で六合です。また支上神が天后で三合の関係にあります。子は甲の沐浴です。こうして並べてみると、どうも今年は雰囲気が怪しいというか淫靡な感じを受けます。男女間の乱れが進行するのではないかと。
 六合は婚姻ですし、中伝青龍と天后は夫婦ですから、空前の結婚ブームが起きるかもしれません。
 中伝青龍はまた、財産、富豪の象意があり、また昇進の喜びがあるとされます。しかし青龍は木神で午火に乗じていますので、青龍は焼かれて傷つけられます。すなわち財産の損失です。個人レベルでの財産の損失はもちろんいつでも起きる可能性がありますが、それが社会問題となるのではないでしょうか。
 末伝白虎は凶神であり交通や凶事全般です。しかも官鬼ですから凶悪な事件や事故は免れません。幸い空亡ですから、いくらかは凶意が減じられますが、申は白虎の本位であり白虎は強められますから、災禍は免れないでしょう。白虎というのは血光の災いですから、流血を伴う事件や事故がとくに年の後半に多発すると思います。
 課伝において全般に水が強いです。水は印であり食傷を剋します。食傷とは子孫です。子供たちには受難の年になるのではないでしょうか。結婚ブームから出生率は上がることを期待しますが、どうも子供が劇的に増えるということはないのではないかと思います。
 天后が三課にありますが、太陰は課伝には出てきません。よって女性の社会進出はあまり進まないでしょう。もっとも太陰の陰神は貴人でありますので、極めて優秀な女性がぽっと出る可能性はあります。

経済
 社会の項でも書いたように青龍が傷つけられるため国富の喪失の危機があります。青龍の陰神は白虎で金剋木と青龍は剋されますし、青龍の乗じる午は太歳子と冲です。課式も経済的には悪いと示唆しています。占時の象意とも合わせて考えるとなおさらです。
 国富の喪失ということで思いつくのは、株価の下落や国債の暴落、対外債権の喪失などです。遁干が壬水でこれを海としますと、海外債権、例えば米国債の暴落、米ドルや各国通貨の下落ということが考えられます。端的にいえば世界経済の退潮です。ということは、円高が進行するということですが、円高は株価を下げますから、それが膨大な額になれば日本経済は崩壊してしまいます。まあ、これでは暗すぎで、現実には日本国債の価格が暴落しないかぎりは、日本は何とか持ちこたえるでしょう。もっとも客観的にみても、経済に関しては悲観的にならざるを得ません。




2007年の日本の予測の反省

 本日は2008年1月1日。中国占術では立春を年の初めとしますので、まだ1ヶ月ほど残っていますが、まあほとんど終わりということにして、新年恒例の2007年の占いの反省から入りたいと思います。
 ポイントを再掲しますと、

(1)日常的なこと、衣食住の面がクローズアップされる。
(2)雨は少なく気象による災害は少ない。あるとすれば南方。
(3)事故や殺人などいたましい事件は続くが、解決される。
(4)虚飾の後の損失、散財。
(5)安倍首相は四面楚歌状態に陥る。後半はかなり混迷を深める。
(6)女性の目立った活躍はない。地位の低い女性や少女が表舞台に出る。
(7)出生率は上昇する。未婚の母とかできちゃった婚とかが増える。
(8)金銭面での闘争が激しくなる。経済的な犯罪が増える。

 あらためて見直すと、以上は結構当たっているようです。だからどうしたといえば、どうということもないわけですが。例えば、株とかやっていれば、こういう予想も役に立ちますけど、私自身はそういうことには興味もないし、無頓着ですから。
 それはさておき、順にみていきましょう。

(1)について
 2007年は食品偽装問題がクローズアップされました。太常の象意から考えたわけですが、太常では、住まいの象意はあまりなく、日常、宴会、酒食ですから、はっきりと食の問題と書いた方がかっこよかったですね。

(2)について
 7~8月にとくに西南日本で大雨があったせいで雨が多かった感じがしますが、その他の月は平均を下回るところが多く、雨は全般に少ない年だったと思います。気象災害は、西南日本において大雨や大風による災害が発生しました。地震は能登半島、中越地方の地震が大きかったです。この項は当たったような当たらなかったような。

(3)について
 事故や殺人はいつもの年より多かったように思います。ただ未解決の事件も多く、今後の捜査の進展に期待しましょう。

(4)について
 これは毎年起きることでありますので、このようなことが起きても当たったなどと自慢できるものではありませんが。2007年についていえば、円天事件がまさにそうでしょうし、もう少し広くみると、年金とかnovaとか守屋前次官とかもそういえるかもしれません。

(5)について
 今だから言えることですが、私は安倍退陣を年初にある程度予想していました。ただ、誰に何を言われるかわからないので、こういうことはそうはっきりは書けません。参院選があること、自民党の不人気から考えると、占いを使わなくとも予想はつきます。課式から、貴人が傷つけられることが読み取れましたから、貴人を首相とおくと、これは退陣しかないな、と思っていました。もちろん福田首相も引き続き苦労しています。

(6)について
 「女性の品格」がベストセラーになるなどしたのですが、2006年ほどの女性の活躍はなかったように思います。しいてあげれば、上田桃子、菊池凛子、沢尻エリカ(?)ぐらいでしょうか。フィギュアスケート勢は総じて低調でした。

(7)について
 これはまだ統計データが出てきてませんからわかりません。ただ、速報値では2007年は出生率は2006年に続いて上昇したとのこと。それも出産年齢女性の減少によるものというのですから、あまり喜べません。実数の子供は着々と減少しているのですから。

(8)について
 金銭面での闘争が激しくなる、というのはあまりよくない表現で、占ったときは具体的なイメージがわかなかったのですが、今にして思えば、企業合併いわゆるm&aのことだと思い当たります。ブルドッグソースの敵対的tobへの防衛策は、一般にはともかく、経済界では話題になりました。やはり終わってみないとなかなか占いが何を指しているのかをつかまえるのは難しいです。
 経済的な犯罪は確かに多く、小は新手の振り込め詐欺から、大は粉飾決算までありました。ただ、これは毎年あることですから、とりたてて当たったと騒ぐほどのものでもありません。

その他
 その他のニュースとしては、原油高、サブプライムローン問題、そのまんま東知事の誕生、朝青龍問題などがありました。サブプライムローン問題などは課式から予想ができなくはなかったわけですが。こういうことが予想できるようになるにはまだまだ修業が必要です。

 総括すると、2007年の予想は私としては会心のできといってもいいくらいです。これ以上当たったことは今までありません。ますます大六壬による測局がやめられなくなりました。こりずに、2008年も続けて大胆予想をします。この調子を持続できればいいのですが、、、。


2007年の日本の予測

 2007年も年があけまして、新年恒例、2007年の日本の予測です。さて、今年はどんな年になるのでしょうか。
 2007年の立春日時で占います。国立天文台hpによると、2007年の立春は2月4日未刻です。

日干支 己巳  占時 未  月将 子  空亡 戌亥  本命 亥

初伝白虎
中伝朱雀
末伝玄武
玄武朱雀白虎貴人
----

占時
 占時は未で兄弟です。兄弟には身内、競争の意味があります。また劫財の意味も含みます。これらがキーワードとなりそうです。

本命
 亥には[トウ]蛇がつきこれはあまりよくありませんが、亥は空亡で日干から剋されるので、その凶作用は減じられそうです。亥の上神は辰で太常ですから、日常的なこと、衣食住の面がクローズアップされるかもしれません。

気象
 この課は鋳印課で、鋳印は晴れとされます。発用は巳ですし、末伝の遁干も丁ですから晴れが多いようです。干上神に子がありますから雨が降らないというわけではないようです。ただ、日干に剋されておりまた卯と刑ですから、雨は少ないでしょう。
 気象による災害は少ないと思いますが、二課に白虎、太歳に[トウ]蛇がついているのが気になります。太歳は午に臨む形ですから、南方は危ないかもしれません。

社会
 発用が白虎なので、引き続き事故や怪我、殺人事件などいたましい事件は続くでしょう。ただ巳に乗ずるかたちなので、巳に剋されるので事件が起きても解決されるでしょう。
 三課中伝は朱雀ですが、空亡です。朱雀というのは火神で華やかさを示しますが、空亡ですから、虚飾という感じとなります。四課末伝と合していますから一概に悪いとはいえませんが、卯には玄武がついていますので、虚飾の後の損失、散財などとストーリーを考えることもできます。
 一課子は貴人で干に剋され、末伝卯の刑を受けます。貴人とはトップですから、安倍首相は苦労するでしょう。四面楚歌状態といってもいいかもしれません。
 卯は玄武で丁が遁干ですから、年の後半はかなり混迷を深めそうな気がします。
 昨年は女性が活躍したのですが、それは今年はどうでしょうか。天后は丑に乗じ陰神は午で天空です。天空は土神で午に生じられますから小事に吉です。大きな活躍はないでしょう。太陰は寅に乗じ陰神は未で青龍ですから、今まで地位の低かった女性や少女が表舞台に出るということはあるかもしれません。
 気になる出生率ですが、まず結婚を意味する六合は酉に乗じていて陰神は寅で太陰です。寅は木神で地盤から剋されます。太陰は金神であり、この課式においては弱いですから期待薄です。ただ金は子孫ですから、出生率はまた上昇するかもしれません。この場合は未婚の母とかできちゃった婚とかが増えるということになるでしょう。

経済
 占時に青龍、兄弟がつきますから、金銭面での闘争が激しくなると思います。社会でも述べたように、虚飾と考えると、単なる見栄の張り合いという気がしないでもないですが。
 玄武が末伝にあるので、経済的な犯罪が横行することと思います。
 今年は、投資は安全なものに振り向けた方がよさそうです。




2006年の日本の予測の反省

 2007年になり、恒例の2006年の占いの反省から入りたいと思います。
 予測のポイントを再掲しますと、

(1)経済面での損害が発生するかもしれない。
(2)気候はかなり不安定で異常気象、地震、洪水などの災害がありえる。
(3)外交面では成果が得られない。
(4)女性の活躍が目立ってくる。
(5)交通災害、鉄道事故とかが考えられる。
(6)男女間の殺人事件が増える。少女暴行殺人は増える。
(7)隠された事件や訴訟問題が明らかになり裁かれる。
(8)景気回復は本物。実体経済でない部分が拡大し勝者と敗者がわかれる。

 私自身は楽観的な方ですが、占いは転ばぬ先の杖で悲観的な方がいいと思ってますので、結構悪い予想をしています。もちろん悪い予想は外れた方がいいのですが。

(2)について
 7月、12月は豪雨、豪雪、10月はとくに西日本を中心に少雨高温、また竜巻の被害もあり、平年とは違った非常に不安定な気候になりました。もっとも長期的に異常気象は続いていますので、占いでなくとも予想は的中したでしょう。地震は大分の震度5弱が最も強い地震となりました。東南といえばいえるでしょうか。

(3)(4)について
 小泉から安倍へということでしたが、たいした政治的な混乱はありませんでした。外交面では成果がないと予想しましたが、これは評価のわかれるところでしょう。中韓外交に対しては、建て直しのきっかけはつかみましたが、その他の国、とくに北朝鮮に対してはほとんど成果がありませんでした。
 私は政界で女性が活躍すると読んでましたが、これはまるではずれてしまいました。女性が活躍したのはスポーツでしたね。荒川静香やカーリングなど。男性はからっきりだめでした。

(5)について
 確かに飲酒運転の事故など、交通災害が注目されました。しかし、交通事故による死者は減り、また大きな航空機事故、鉄道事故も起きませんでした。この辺はまあ外れですね。白虎に重きをおきすぎました。

(6)について
 男女間の殺人事件はもちろん起きていたし、少女の殺人事件も何件もありました。しかし問題となったのはいじめであり実子殺害でした。課式からいじめを読み取るのは難しいです。発用から読み取れないことはないことはないでしょうが、そこまでの力量はなかったですね。

(7)について
 この部分は割りと正解だったと思います。姉歯事件ばかりでなく、麻原も死刑が確定しましたし、各県の談合事件もどんどん明るみになりました。ちょっとやりすぎの感はありますが。また自民党も民主党も傷つきました。

(1)(8)について
 ここは、別に占いでなくとも当たりそうなところでしたので、自慢にはなりません。確かにいざなぎ景気を超えましたが、庶民には実感がないようです。私的には少し給料が増えましたので、まあ実感がなくはないです。
 前項とも関係しますが、ライブドアや村上ファンドなど実体経済とはない部分が拡大しましたが、結局はつぶされました。しかし二極化は依然として進んでいるようです。ライブドア関係者は大きな損失を被ったと思いますが、それは一部で、バブル崩壊のような経済的損失は発生しませんでした。この点については、私の予想はあまり当たっていないようです。

その他
 その他、北朝鮮の核実験や紀子さまが男児をご出産などのニュースもありましたが、もとより北朝鮮のことは予想の範囲外ですし、紀子さまの話も、極端なことをいえば、日本の国情とはあまり関係のある話ではありません。

 全体としては外れた方が多いようです。ただこれは私の課式の読み取り方が悪いだけのような気がします。大六壬による測局はできないという結論を出すには、まだ早いと思いますので、しょうこりもなく、2007年も大胆予想をします。乞うご期待?


2006年の日本の予測

 2006年にはまだ入っていませんが、「東洋占術アンダーグラウンド」でも予告したので、大胆にも予測をやっちゃうことにしました。以前の予測よりも少し詳しく、審査の過程を補足しながら書きます。
 例によって、2006年の立春の日時で占います。立春は2月4日8時27分です。

日干支 甲子  占時 辰  月将 子  空亡 戌亥  本命 戌

初伝六合
中伝天后
末伝白虎
玄武トウ蛇天后六合
----

占時
占時は辰で財ですから、2006年は金銭、経済面、あるいは男性にとっての女性の面で動きのある年のように思います。また十二天将は玄武で、盗難といった意味があります。経済面で何らかの損害がなければよいがと思います。

本命
 年占いの場合は、本命、この場合は年支戌をみます。ところが年支戌は空亡です。ですからあまり吉凶とも内実のないものとなりそうです。本命戌の天盤支は午です。午は戌を生じますが、戌が空亡ということは午は落底空亡ということですから、空亡ほどではないにしろ、やはり実を伴わないことになります。十二天将は天后で水ですから、午に天后というのはあまりよくありません。さらに本命戌の陰神は寅ですが、これは白虎で疾病、戦争、凶器などという意味があります。また寅は木で年支を剋しますし、白虎は金神で寅を剋すので、全般としてよくない年といえるでしょう。

気象
 これは私の独りよがりの説なのですが、気象という面でいうと、日干一課二課は天文現象、日支三課四課は地上現象を主に指しているのではと思っています。その伝でいくと、日干一課二課は寅午戌の火局、日支三課四課は申子辰の水局をなしています。水と火が交じる状態であり、これは気象面でいうとかなり不安定な状態かと判断しています。
 三伝はまさに火局でありますが、昨年もそうでしたが、火が極まっていればいるほど、一点の水があればあっというまに大雨になるということがあります。まして、日支三課四課は水局ですから、大雨のおそれがあります。旱魃と大雨のダブルパンチという昨今の異常気象が続くと思われます。
 気になるのは日支上神の申でトウ蛇がついています。トウ蛇は災害、地震の神です。申の遁干は壬でこれは海川ですから、洪水や津波が考えられます。では地震はどこで起きるかというと、はっきりいって日本は地震大国なので、毎日日本のありとあらゆる場所で地震が起きています。それでもしいてといえば、申の方角からいえば西南、申の地盤は子ですから子の方角だと北になります。これはちょっと強引なのですが、地盤申の天盤にいるのは巳でこれは東南の方です。巳の遁干は己ですから意外とこれが本命かもしれません。

社会
 社会の動きは三伝と本命、干上神、支上神などを総合してみます。
 初伝は六合で空亡です。六合は和合を意味しますから、国としては外交面での成果が得られない、個人の面では商売、結婚などがうまくいかないということです。外交面ではあまりこちらから目立った動きはしない方が得策かと思います。
 中伝は天后でこれは女性です。社会的に女性の活躍が目立ってくるでしょう。しかし、天后は太陰と違って、やや派手目の感じですから、活躍する女性もしずしずとという感じではなく、男性を凌駕するような感じでしょうか。(例えていえば片山さつき衆院議員のような)
 末伝は白虎、支上神はトウ蛇と凶神が重なり、冲の関係になります。疫病、災害による死者が懸念されます。例えば鳥インフルエンザの流行なのか、地震による死者なのか?また白虎には交通、旅行という意味がありますから、何らかの交通災害、航空機事故とか鉄道事故とか、そういうことも考えられます。そういうこともあり、また小泉首相退任も間近ですから、政治的には混乱を招きそうな予感がします。
 世俗に目を向けると、三伝に六合と天后があるということは、男女間の乱れ、世の中が軽佻浮薄に流れやすいムードになってきます。出会い系サイト(この迷惑メールには私もあきれてますが)はますます繁盛ということになるのでしょう。(空亡がついているので、それに期待したいが)その結末は末伝白虎ですから、出会い系サイトを舞台にした殺人事件が増えるという感じがします。また、天后は少女の象意もありますから、今年起きたような少女暴行殺人はますます顕在化し、増えていくものと思います。
 さて、2005年はアスベスト問題やマンション偽装問題、あるいは政治家のさまざまな犯罪など、隠れていたものが表に出る年でした。そういうことは今後訴訟問題となっていくと思いますが、そういう訴訟問題を示す十二天将は勾陳です。勾陳は亥についており、亥の天盤支は未で貴人です。訴訟問題は2006年にどんどん裁かれていき、問題は解決していくでしょう。ただし、陰神は卯で太常ですから、それによって焼け太りするような人が出てきそうです。太常というのは酒食ですから、焼け太りなどと表現しました。
 こう書いてくると暗い話が多いですが、実際あまり明るい見通しが立ちません。初伝から末伝へ洩の関係になるので、今年得た活力が徐々に失われるというような世相になるのでは、と感じます。

経済
 経済とは金銭ですから、まずは酉に着目します。酉の上神は巳で火で太陰が乗っています。太陰は土神ですから、巳に生じられることになります。太陰は財貨、女性、結婚、隠し事などの象意があります。女性にまつわる産業が栄えるかもしれません。ただ、私が思うには、経済活動は表に出にくい、例えば機関投資家やデイトレーダーなど、実体経済とは違った部分が拡大していくように思えます。太陰の悪い意味には損失というのもあります。
 さらに酉の陰神をみてみると、子で青龍が乗っています。青龍は権威であり、人でいえば金持ちでもあります。
 これらを総合して考えると、景気回復は本物ですが、徐々にバブルに移行しつつあることをうかがわせます。ただかつての80年代末頃のバブルと違って、派手なことはあまりないでしょう。ただし、マネーゲームの勝者と敗者ははっきりしてくる、格差が広がるでしょう。来年はバブルがはじけてほしくありませんが、占時が財で玄武であり、白虎が末伝にありますので、特に年の後半は注意が必要かもしれません。




2005年の日本の予測の反省

 まもなく、2006年立春を迎え(これを書いたのは1月7日)、占い的な乙酉年はもうすぐ終わりです。そこで、2005年の日本の予測をふりかえってみることにしました。結果としては、我ながらいやになるぐらいはずれてしまいました。はずれた占断は私自身は面白くないのですが、貴重な反省材料となるでしょうから、よく検討してみましょう。
 第6話での予想を整理してみますと、

  (1)気候的には暑く、日照りの心配がある。
  (2)景気はまずまず好景気で、過熱気味かもしれない。
  (3)人心はやや派手になる。
  (4)地震や農業が気がかり。とくに農業への影響が心配。
  (5)戦争やテロが盛んになるが、外交的な努力には限界があるかもしれない。

 少し長くなりますが、個別に検討してみましょう。

(1)について
 2005年の気象状況については、6月から台風シーズンにかけてに各所で集中豪雨が発生し、感覚的には雨が多かったような気がするのですが、気象庁の発表によると、西日本を中心に降水量は平年を下回ったということです。ちょっと実感と合わないなという感じですね。早明浦ダムの渇水などはニュースに報道されてましたが、それ以上に集中豪雨のニュースの方が多かったように思いますから。ただ、西日本の渇水状況は継続中ということであります。
 気温は一年を通すと平年並み(やや高め)だったのですが、6、9、10月は記録的な高温で、12月は記録的な低温でした。ですから、暑さと寒さが交錯したという年になるでしょうか。ただ9月の暑さは半端じゃなかった思いもあり、暑い年だったという実感があるのですが。
 さて、(1)は、四課三伝が火ばかりで、十二天将も朱雀だというところから予想したものでした。確かに降水量は少なく、西日本を中心に渇水状況であったので、まあ全面的に外れたわけでもないのですが、これだけ火が多ければ日照りに近い状態になってもおかしくない、という思いがあります。それでも、雨のネタが全くないわけではなく、十二天将でいえば、青龍、六合は雨ですし、本命酉金は水を生じ、十二天将は天后ですからやはり雨です。
 2006年もそうだと思っていますが、火極まれば水に転ずで、ちょっとしたきっかけで雨が降ると予想した方がよかったかもしれません。しかし、火支が多いため、やはり基調は暑くて雨は少ないということにはなるとは思います。

(2)について
 これは、青龍と朱雀から予想したもので、これ自体はまずまず当たっていると思います。株価は年を通じて上昇、とくに年の後半はやや加速気味でありました。また企業業績も大企業の業績のよさが徐々に中小にも広がってきているという感じになってきています。

(3)について
 この評価は難しいですね。でも「小泉劇場」とか「萌え」とか「フォー」とかがはやったし、愛地球博とかが想定以上の人出となるなど、概して派手な一年だったと私は思いたいです。(むりやり)

(4)について
 日本は地震国ですから、毎年地震は発生します。2005年についていえば、規模は宮城県沖の地震が大きかったのですが、被害としては3月の福岡での地震の方が大きかったようです。しかしいずれも負傷者や家屋の損傷程度で、重大な惨事には至らなかったようです。ちなみに福岡の地震では、韓国も揺れて南の方ではちょっとしたパニックになったようです。(震度3程度なので特段の被害はなかったようですが)
 農業への影響ですが、農水省の統計によれば、とりたてて高温少雨の影響はなく、生産量も平年並みのようです。ここへ来て野菜の値段が上がってますが、これは雪の影響であり、農業全体に影響を与えるというほどのことはないようです。農業への影響は、遁干戊と日干己が土であることと、高温少雨から推測したものですが、これはまるで外れてしまいましたね。

(5)について
 これ自体は、占いでなくても予想できることですから、まあ当たったような気もしますが、自慢になりません。

予想しなかった重大事件
 第6話で触れなかった重大事件をみてみましょう。以下は、yahooの10大ニュースによります。
 まずは自民圧勝ですが、選挙の結果については第15話で触れているのでそれをみてもらうとして、選挙があるかどうかというのは、この占法では予想は難しいでしょう。
 列車脱線事故はどうでしょうか。4月の福知山線に始まり、先月の羽越線事故に終わったという感じですが、脱線事故ばかりでなく大惨事にはなりませんでしたが航空機トラブルも頻発しました。よく見てみると、四課三伝に火が多く、年命は酉金は剋されています。酉の上神は申金でやはり剋されます。申金は交通であり旅行という象意もあります。したがって、輸送関係の事故の多発は想定されますが、この課から脱線を予測するのは並大抵ではありません。
 同様のことが少女殺害事件にもいえます。どういうことかというと、酉金は少女を表し、また酉には天后が乗じるため、女性に対する災難が考えられるわけですが、じゃ酉年はみなそうなるかといえば、それはどうかなとも思うし、ここはちょっと難しいですね。事前に予想しておけばかっこよかったし、実は思いつかなかったわけでもなかったのですが(今言うとうそくさいですけど)。占時が丑で白虎がついていたので、多少血なまぐさい感じはしていたのですが、テロとかそんなものかいな、と何となく考えていたので。
 昨年は、アスベスト問題や耐震偽造問題など、これまで隠されていたものが明らかになりました。これはちょっとこの課から導き出すのは、私としてはお手上げです。いろいろこじつけはできるかもしれませんが、正直にこれはわかりませんということにします。
 最後に、日本の外交について。靖国問題や安保理常任理事国入りの問題、拉致問題など、外交が手詰まりになるのは、大六壬を使うまでもなく年初からほぼ予想していました。こういうことは大六壬で見る必要はないのですが、この状況はまさしくこの課である八専課に当てはまります。八専課は同人卦になぞらえられまして、他人との協力関係を表しますが、八専課は物事が滞ることも示しますので、特別の吉神が乗らない限りは、行き詰まります。そういうことから八専課は口舌のトラブルの意味があるのですが、まさに日本外交はそうなっています。こういうときは、へたに動かないのがよいと私は思います。

 以上で総括おわり。まあたいして当たってないというのが、正直なところです。
 2006年の予想はやや暗いですが、そういう暗い予想は外れてほしいものだと思います。


2005年の日本の予測

 香草社刊の佐藤文栞著「干支六壬占法」の中に1年の気象を占う方法が載っています。
 この方法は知りたい年の立春の時間を課式とする方法です。
 このような方法は、寡聞にしてこの本以外では見たことがありません。
 多少実験的ではありますが、私としては、もう少し間口を広げて、気象だけではなく社会現象なども考えてみたいと思います。
 2005年の立春は手元の暦では2月4日の2時43分です。

日干支 己未  占時 丑  月将 子  空亡 子丑  流年 酉
  
初伝青龍
中伝朱雀
末伝朱雀
六合朱雀六合朱雀
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 占時をみてみると、丑で白虎、兄弟が付いています。兄弟は仲間、争い、散財、賭博などの意味があります。また、白虎は凶神で病気、凶器、死亡などの意味があります。
 この課は八専課であって、易でいう天火同人卦にあたり、多くが一同に集まるという意味があります。
 四課三伝をどうあてはめるかは研究の余地がありますが、一応一課二課が気象、三課四課が地上の現象と考えます。
 まず、一課は午で朱雀が付いています。午も朱雀も火ですから、気候的には暑い一年であることが想像されます。日照りの心配があるかもしれません。
 初伝は卯で青龍で、いずれも木になります。青龍は権力とか金銭の意味があります。遁干も乙で木でありますので、青龍の意味がかなり強くなります。おそらく年の前半の景気はまずまずでしょう。ひょっとすると過熱気味かもしれない。
 中伝末伝は朱雀で、ぜいたくとか気位、書物の意味があります。午についているので、かなり意味が強められます。
 また遁干は戊で、これは土の意味です。地震とか農業とかが気がかりです。
 二課、四課は六合で、交易とか信用、製造の意味があり、他人とうまくやるという意味があります。
 課式全体をみると、火と土が強く、潤いに乏しいものとなっています。
 以上をまとめてみましょう。気候的には、暑い一年であり、日照りの心配があります。農業への影響が懸念されます。景気はまずまずですが、好景気により人々の気分はやや派手になるでしょう。世界的には戦争やテロがますますさかんになり、その影響は少なくありません。外交的な努力で解決しなければなりませんが、情勢はそれを許さないかもしれません。気候的にも世の風潮も何となくカサカサと乾いた感じの一年になりまそうです。