わたしの大六壬実占記


■ はじめに

 占いを生業としているわけではないのですが、家族や友人、たまに知らない人からメールで頼まれて実占をすることがあります。
 それを公開するのは私生活を暴かれるような気持ちですが、的中例にしろ外れた例にしろ勉強になると思いますので、このページを設けました。
 どちらかというと、私の占い日記的な感じがしないでもないですが、差し障りがないよう私の周辺で起きたことの実占例ばかりをあげているためです。あしからず。
 ひところは比較的自由に時間がとれていて(海外に駐在のときは特に)大六壬の勉強を兼ねて実占を積んでいたのですが、2011年に大震災があり仕事が忙しくなって占いに割ける時間が少なくなったのと、大六壬を使う機会があまりなかったことによるものです。まあ仕事以外の私の生活は比較的平穏だったというのもあります。
 なお、このページは新しい順に並んでます。

- 目 次 -



第33話 父の退院と病気

 始めに言うと、父が亡くなったのは2022年6月10日で一年前のことです。
 これを書いている今日は2023年6月10日で一年祭にあたります。一年祭の儀式そのものは今年の4月、私が一時帰国したときにあわせて行っていて、今日は私は実家に戻らず、母と妹とうちのかみさんが墓参りに行ってくれました。今日は鹿児島は大雨で、雨の中大変だったと思います。
 この実占は、父が亡くなる前、一度病院から退院するというときに占ったものです。これは父についての最後の実占であり、また私にとって悔いの残る実占記なのですが、私の大事な思い出としてここに載せるものです。
 立課の時刻ですが、実家から父が退院するという連絡のあった時刻を占機としました。


2022年5月18日21時5分
日干支 丙寅 占時 亥 月将 酉 行年 巳  戌亥空亡

初伝朱雀:天后螣蛇朱雀勾陳
中伝貴人
末伝太陰

 このとき父は腎臓から尿管のあたりにがんが見つかり、抗がん剤の治療を受けていました。ただ末期に近く、また年齢も年齢ですので、抗がん剤の効果はあまり期待できないかも、と私自身は漠然と考えていました。で、連絡を受けたあとこの課式をみて、あまり長くはないだろうと考えました。もちろんそういうことはその時は母にもかみさんにも言いませんでしたが。

 まずまっさきに目につくのが病気を示す支上神が官鬼螣蛇です。これは病気占いでは最も忌むものです。客観的状況から考えても治る見込みはほとんど期待できません。また中伝には貴人がありますが空亡です。日干丙を生じるのは干上神の卯と日支寅ですが、末伝酉は卯を冲剋しますので力になりません。また初伝丑、四課戌は土で日干を洩らすので、本人はかなり身体的に衰えていることがうかがえます。この課式をみるかぎり病気(がん)が治るのはかなり難しいといえますし、また病状や年齢的なこと(80代後半)も考えると、そう判断せざるをえません。実際この時に私は覚悟を決めてました。
 他の支神も見てみますと、行年は巳で天空、年命は戌で天徳ですが空亡、末伝酉は破砕、と良いことがありません。

 一時退院させるかどうかについてですが、それには反対しませんでした。というのは、コロナの真っ最中で、この機会を逃すと父と母が二度と会えなくなるかもしれない、と思ったからです。しかし結局のところ一日家にいただけで、救急車で病院に戻りました。が、一時退院の判断はよかったと思っています。その後母は父にゆっくり会う時間はありませんでしたので。

 父はこのあと病状が回復することはなく、6月10日、壬寅年丙午月甲午日辛未時に亡くなりました。私が鹿児島に帰ったのはその翌日で、死に目には間に合いませんでした。新型コロナの検査結果の受領の関係ですが、まあそれを言い訳にしてもしょうがありません。もう一日早ければと悔いが残りますが、海外駐在のある意味避けられない宿命みたいなもので、一年たった今は「これも運命だったのだろう」と思っています。

 (2023年6月10日、父の命日、一年祭の日に記す)



第32話 自民党総裁選

 「2021年の日本の予測」を読んでいただければわかると思いますが、年の中盤に首相が代わることはある程度予想していました。もっとも、年初には誰という予想はしておらず、単に交代を匂わせるぐらいのことしか書かなかったので、我ながらちょっとずるい感じはしていますが…。
 それはさておき、菅首相(当時)が次期総裁選に出ないとなったときに、では次はだれかを予想してみることにしました。
 立課の時刻ですが、菅首相が自民党総務会で次の総裁選には出ないと宣言した(と思われる)時刻を占機としました。


2021年9月3日11時すぎ
日干支 甲寅 占時 午 月将 巳 行年 ー  子丑空亡

初伝白虎:白虎天空白虎天空
中伝太常
末伝玄武

 これは子丑、丑寅の下剋上が2つあるので比用課ということになります。陽日ですから子を初伝とします。
 まずこの課を出してみたとき、この課式の判断は難しいと思いました。それは四課とも子丑で空亡で判断のとっかかりがつかみにくいと思ったからです。また丑は天空であり、貴人の対冲にあたります。しかもこの課を出したのは菅首相が選挙に出ないと宣言したときであり、まだ総裁選の構図も決まっていません。ひとり岸田氏のみ立候補を表明してはいました。
 とりあえず課式は出したものの判断は保留として、総裁選の推移をみることにしました。

 ということで、以下の話は後付けというか、事態の推移に合わせて課式を解釈するという、いささかずるい話になっています。答えがわかっているのを後で復習するということで受験勉強みたいですが、このページも勉強のためのページだと思いますので、そのあたりはご勘弁ください。

 ひとまず一課三課を決めなければいけません。これは選挙ですので主体が当選者であり日干一課がそれを示し、三課を党あるいは党員としましょう。しかしよくみると一課も三課も同じ丑ですから、どちらにしてもあまり判断に差はありません。
 四課三伝に水が多く、日干甲は水に生じられますから、大勝とまではいかないまでも、当選者は多くの票を獲得するものと思われます。
 一方、一課丑は天空で貴人と対極にあります。また空亡です。天空が空亡というのは必ずしも悪い意味にはなりません。天空の象意である消耗とか損失とかの凶意は減じられます。しかし、やはり空亡であり天空ですので、当選者が主体性というか出しゃばるという感じはありません。
 実は候補者が出そろった告示日、すなわち9月17日の段階で、まあ岸田氏が当選かな、とは思いました。野田氏の当選はまずありませんし、河野氏、高市氏は主体性ありすぎで天空や空亡のイメージではありません。日干一課が示すのは岸田氏で間違いないでしょう。

 「以上、判断終わり」では全く面白くないので、課式を少し解釈してみましょう。象意がとれるところが大六壬の良いところです。

 まず四課について。一課二課はすでに触れましたので、三課四課はどう考えればいいでしょうか?
 三課四課も空亡です。結局党員の意見はあまり力になりませんし、おそらく一部の河野氏や高市氏推しの熱狂的な意見は通らず、まあ無風というか国会議員票で大方決まりということになると思いますし、実際そうなりました。

 そして三伝について。
 初伝子は白虎で凶将ですが空亡です。白虎は果断、残酷という象意がありますが空亡で力を失います。これが初伝というのは象徴的で、仕事師と(一部で)言われた菅首相が辞任するというのにピッタリと感じます。またこれは二課ですから、この総裁選の流れを前首相自身が作り出したといえると思います。
 中伝は亥で前にもいったとおり日干甲を生じますし亥は木を含みますから助でもあります。これは当選者に有利に展開するということでしょう。また太常ですから淡々と選挙戦は進むことが予想されます。実際大した波乱もありませんでした。当事者にとってはもちろんいろいろあったと思いますが。
 問題は末伝です。末伝戌は丑と刑ですが、丑は空亡なのでまあさほどの凶意にはなりませんが、丑戌未の三刑の一つである未は貴人です。貴人はまさに党総裁でしょう。
 戌には玄武が乗じています。これはご存じのとおり凶将で、陰謀、賊、陰険の意味があります。また戌は甲の財にあたります。どうも金銭にかかわるスキャンダルが今後起きてくる(あるいは蒸し返される)のではないかと感じます。巷では岸田政権は3Aの傀儡政権となり、政治とカネにまつわる話は封印されるとマスコミを通じて聞こえてきます。岸田氏にとってこのあたりはアキレス腱になるおそれがあると思われます。
 ただし、戌にある玄武は遭囚といい、その象意が減じられることがありますので、政治とカネの問題を上手く抑え込めるかもしれません。私は、多少の混乱はあっても、賊を退治してほしいと願うものであります。

 (2021年10月3日に記す)



第31話 父の発熱

 うちの母から、父が熱を出した、新型コロナじゃないかと心配する電話がかかってきました。実家は鹿児島にありますが、そのころ鹿児島でもクラスターが発生して敏感になっているようです。温度は正確には聞きませんでしたが、38度手前ぐらいあったようです。まあ、父の生活パターンからみて新型コロナに罹るようなことはないはずですが、とりあえず病院に電話してみたら、と回答しました。まあ母があまり心配するので、大六壬で見てみることにしました。母は私の占いを信用しているので。
 母から電話をもらったその時刻で課式を立てました。


2020年8月1日10時13分
日干支 丙子 占時 巳 月将 午 行年 卯  申酉空亡

初伝白虎白虎太常朱雀六合
中伝天空
末伝青龍

 まず本人の状態をみるために日干の強さをみますと、一課は午、初伝は寅で火を生じますから日干は強いといえます。また課伝には空亡もありません。病人というには強く、本人はそれほど弱っていないと判断しました。さほど心配することはないというのが第1感です。また三伝は連茹で寅卯辰と木方をなして日干を生じます。これからみても本人が弱っている感じはありません。むしろ木生火が強すぎるといえるでしょう。熱を生じすぎている感じです。父は高齢なのですが、ひとまずは命にかかわるということはないと思いました。

 すぐにどうということはなさそうなのでひとまずは安心です。ではこの発熱はどこからきたのか?病気の原因は初伝や日支および三課からさぐります。初伝が白虎なので感染症が疑われます。しかし何度も言いますが、父の生活からみて新型コロナに感染する可能性はきわめて低く、ほぼ考えなくてよいでしょう。また白虎は寅に乗じており日干丙を生じます。また寅は長生ですから凶意はあまり強くありません。むしろ日支子は日干と1課を剋します。三課には太常が乗じています。むしろこれが病因を示すと考えられます。太常は衣食や日常生活です。何か生活で無理をしたか食あたりとかそういうことが原因と考えられます。

 では経過はどうでしょう。この課は連珠課のうちでも進連珠です。すなわち順であり、それほど長引くものではないと判断されます。原因が生活での無理がたたっか、あるいは食あたり程度であれば、常識的にいっても長引くことはないでしょう。ただ心配なのは日支子と二課の未が害、二課と三課の丑が冲であり、医者や薬が合わない可能性があります。

 再び電話がかかってきたときに話を聞いたところ、「かかりつけの病院に電話したが、すぐ来いとは言わずに折り返し電話するとの返事だった」とのこと。もっとも結局は連絡がなかったそうで、まあ忙しくて忘れたのか、この時期発熱した人は受け入れたくなかったのはわかりませんが、丑未の冲(すなわち医者や薬が合わない)がこういう形で出るとは思いませんでした。
 思い当たる原因については、前日に庭仕事とかいろいろな作業をやったらしく、おそらく汗をかいて身体が冷えたのか、あるいはちょっと疲れたのだろうということになりました。父ももう85歳を過ぎてますので無理がたたったのかもしれません。
 で、発熱ですが、夕方には平熱に戻りました。これは予想外の早さでした。。私は水の時刻、つまり夜半までは熱は下がらないだろうと何となく思っていたのですが、火が弱められる土金の時刻(すなわち14時から18時ごろにかけて)に熱が発散したのかもしれません。いずれにしても早く回復してよかったです。
 もちろん翌日からは普通に元気で、昨日も電話で話をしましたが、相変わらず元気そうでした。

 (2020年10月17日に記す)



第30話 伯父の肺炎

 この年齢になると、親戚の不幸の話が多くなります。今回もその類の話です。
 鹿児島市にいた伯父が亡くなりもう50日が過ぎたので、今回とりあげることにしました。
 うちの実家の母から、伯父(80歳を超えてました)が間質性肺炎で入院しているとの電話がありました。状況を尋ねると、数日前から入院しており、今は酸素吸入器を使っているとのこと。間質性肺炎については、義父や叔父などがそれで亡くなっていますし、会社でも塵肺やタバコ肺の教育を受けたので、比較的よく知っています。酸素吸入器を使う状態というのは、かなり進行しているとみてほぼ間違いないありません。間質性肺炎は完治することない病気です。これは占いではなく常識的な判断です。
 しかしながら、完治はせずとも進行を抑えることは可能です。果たして進行を抑えることができるのか、また、不謹慎な話ですが、亡くなるとすればいつごろなのかを大六壬占ってみることにしました。(誰に依頼されたわけではありません。念のため)
 母から電話をもらったその時刻で課式を立てました。


2011年10月8日17時5分
日干支 丙申  占時 酉  月将 辰  空亡 辰巳

天后:天后勾陳太常トウ蛇
天空
螣蛇

 まず、ぱっと目につくのが干上神の官鬼螣蛇であり、これは病気占いでは非常にまずいです。中伝も空亡で天空が付いており、まず死は免れないと判断されます。占時は酉金でまた日支も申金です。これはまさに肺の病気であることを示していると考えられます。
 初伝は戊戌土で洩気であり、中伝巳火は日主を助けるはずですが、空亡で力なし。末伝は子でこれまた官鬼です。かろうじて三課卯が日干を生じますが、卯は子と刑であり、これまた力不足です。日干は極めて弱く、日々体力を消耗していることが伺えます。こうなるとそう長くはないと判断できます。
 ではその時期はというと、まず考えられたのが末伝の子日、次に初伝の戌日です。中伝空亡ですから、現在の旬は越えないでしょう。そうなると、10月10日か12日ということになります。中伝の空亡をまたぐことから、どちらかといえば戌日である10日が最も可能性が高いと判断しました。
 さらに時刻まで考えてみました。まず考えたのが昼頃です。これは火が強まる時刻であり、金気である肺を傷めやすいです。午は戌と火局になりますから、午刻は有力です。また巳は空亡、未は戌と刑で日干を洩らすのでこれも可能性としてあります。辰刻も辰戌の冲となりますが、辰は月将でありやや可能性が低い。丑は戌と刑ですが、子との合でありこれも凶意がやや薄い感じがします。

 以上を考えて、10日の昼頃、もしくは12日の昼頃と考え、かみさんにもそういう話をしました。

 実際には、10日13時40分に逝去。その日の夕方実家から電話が入り、早速弔電を打ちました。
 その後、11月に鹿児島に帰ることができ、伯父の家に寄ってお参りすることができました。帰省した折に顔を出すと、伯父から激励されるのがいつものことでしたが、もうその声を聞くことができないかと思うとさみしさを感じます。伯母や従兄から最後のときの様子を伺いましたが、安らかに逝ったとのことでした。

 (2012年1月2日に記す)



第29話 2011年7月10日に地震は来るか?

 このページに書くのは久しぶりです。
 今回は地震ネタですが、少し変わった実占例をとりあげようかと思います。
 とある人(ごく身近な人です)から、ある人が7月10日に東京に大地震が来ると予言しているそうであるが、ほんとに来るかどうか看てほしい、との相談がありました。
 まずは、うちのかみさんを通じての依頼でしたが、その話を私が聞いたのは、2011年6月3日の19時45分ごろです。まずはその時刻で課式を立ててみました。


2011年6月3日19時45分
日干支 己丑  占時 戌  月将 申  空亡 午未

玄武:天后玄武青龍六合
天后
螣蛇

 この課の判断をする前に、もうひとつ課式をあげることにします。
 この翌日の6月4日土曜日、相談者と電話で直接話をしたのですが、同じ依頼を受けました。その時刻で課式を立ててみますと、


2011年6月4日12時0分
日干支 庚寅  占時 午  月将 申  空亡 午未

六合:青龍六合天后玄武
天后
白虎

 さて、このような場合に一課と三課をどう決めるかというのが、今回の実占のポイントかと思います。地震の占いだから螣蛇や土支をみるというのは、今回の場合に対しては間違いだと考えます。この場合は、「とある人が7月10日に地震が来ると予言した」ことの正否を問うているのですから、一課は予言した人、三課は予言の内容、と判断しました。そういう視点でこれらの課をみてみます。

 上の2つの課は、全然別の時間にみたものですが、よくみると(ぱっとみてもわかるが)共通点があることがわかるでしょう。それはいずれも一課と三課が玄武と六合の冲となっていることです。このことからして、この予言は当たらないとみるべきと判断しました。また三伝には空亡があることもそれを暗示しています。

 早々と結論を述べましたが、その他何か読み取れることはないでしょうか?

 一課をみますといずれも父母であり、予言をしたのが年長者もしくは師匠、教祖と呼ばれる人かと思われます。ただし私は予言したのが誰なのかは聞いていないので知りません。六合は吉神、玄武は凶神と一般に分類されますが、いずれにも秘密とか虚言とかいう象意があります。六合がからむところからすると、話は仲間内だけだったのかもしれません。

 ということで、東京に大地震は来ないという結論として回答したのですが、念のため7月10日当日の課式も見てみました。この場合はトウ蛇に着目して地震の起きそうな時間を探したものです。その結果は、7時~11時、すなわち辰刻、巳刻、それから14時ごろ即ち未刻、18時ごろ即ち酉刻、この4つの時間を選び出して検討しました。そのうち未刻と酉刻は省略して、辰刻と巳刻の課式をあげてみます。


2011年7月10日辰刻
日干支 丙寅  占時 辰  月将 未  空亡 戌亥

螣蛇:螣蛇勾陳太陰トウ蛇
太陰
白虎


2011年7月10日巳刻
日干支 丙寅  占時 巳  月将 未  空亡 戌亥

青龍:六合青龍貴人朱雀
六合
螣蛇

 気づいた方はいないと思いますが、辰刻の方の十二天将の並びは3月11日の震災の時刻とほぼ同じです。ただ、私はこれは地震ではないと思いました。災害がもしあったとしても、これは水害か火災という感じです。まあひょっとして災害が起きるかもしれないぐらいの感じがします。巳刻の方は初伝が戊辰で末伝がトウ蛇、こちらの方が地震という感じですが、課の十二天将はというと吉神が多く、これも災害が起きるという感じはありません。

 それでも、かみさんと私は、7月10日に向けて食料や乾電池などの備蓄や避難グッズのまとめなどを行いました。何にしても備え有れば憂いなしです。

 さて、当日は日曜日でしたが、うちの会社は出勤日でした。午前中会議があり、私は何となく緊張して会議に出ていたところ、10時ごろ結構長い時間揺れた地震がありました。震度は2か3だろうと思いましたが、時間は長く、ひょっとしてどこかで被害が起きているかもということで会議は中断、総務課長がテレビで情報をとりに行きました。結果は三陸沖でマグニチュード7.1の地震(その後7.3に修正されたらしいが)。久しぶりのm7クラスの余震となりました。ただ最大震度は4で被害はなさそうだとのこと。  7月10日はそれ以外はとくに何事もなく、東京に大地震は来なかったことはご存知のとおりです。しかしながら、東京ではなく三陸沖で起きたということは、地震の予言そのものは当たっていたと判断すべきなのかもしれません。もっとも、私の占的は、東京に大地震が来るかという予言ですから、これは私の占いの結果のとおりと見るべきでしょうね(笑)。

 とはいえ、今回の予言は外れたかもしれませんが、東京にはいずれ近いうちに地震が来ると私は考えています。それがいつなのかはわかりません。ただ、おそらく2,3日前に前兆があるとみていて、とくに千葉東方沖や静岡県の地震を注意深く見ているところです。

 (2011年7月16日に記す)



第28話 2010年7月参議院選挙

 久しぶりの選挙占いです。この選挙結果はもっと前に判明していたのですが、その後の情勢を見極める(すなわち民主党党首選)が終わるまで公開するのを待っていました。
 さて、占機を何にとるかですが、前の選挙占い同様、選挙日程の閣議決定の時刻としました。閣議決定は2010年6月16日19時ごろです。東京ですから、時差の関係ですでに戌時に入っていると考えられます。


2010年6月16日午後7時
日干支 丁酉  占時 戌  月将 申  空亡 辰巳

勾陳:太常太陰天空太常
太常
太常

 私の年初の予想は、かろうじて与党側が勝つとしていたのですが、残念ながらはずれてしまいました。これは六壬のせいではなく私の解釈のまずさだと思っています。その反省は2010年が終わってからやるとして、この課式で判断すれば与党側は敗北です。これは簡単で、干上神、四課巳は太常ですが空亡で、失うところが大きく、大に近い敗北だと予想できます。

 この課は別責課で、初伝は日支の三合支をとり中末伝は干上神をとることになります。干上神は空亡ですから、中末伝は当然空亡です。二課の卯は天空であり落空です。また発用丑は勾陳で日墓であり、これでは勝ち目はありません。党内情勢次第では党首からころげおちるかな、と思って党首選まで見ていたのですが、党首選では小沢氏に勝利しました。巳は金神破砕でありますが幸い空亡です。太常は凶であれば失職の意味が出ますが、空亡といっても兄弟爻であり、また官鬼となる課伝が見当たりませんから、失職の憂き目にまでは会いませんでした。
 別責課というのは不完全な課ですから、選挙後も何も成すことはできないだろうと思います。

 (2010年9月19日に記す)



第27話 雨はいつふるか?

 今回は天時占で、つい先日結果が出ましたので紹介することにしました。
 この占いをする前、私の住んでいるところは1ヶ月以上雨が降らず、ダムの水位も下がってきているという話を聞きましたので、ではいつ雨が降るのだろうかということを占ってみました。


2010年8月29日午前7時30分
日干支 辛亥  占時 辰  月将 巳  空亡 寅卯

天后:天后太陰太陰玄武
貴人
トウ蛇

 四課をみてみると亥子丑であり水方です。これはまさに雨の象です。また日干は辛金で金生水で、普通に判断すればこれは大雨ということになります。しかし、現実には1ヶ月以上雨が降っていないのですから、単に水が多いから雨というよく書に載っている判断ではだめだということです。
 発用を見ると四課には亥子の水があるにもかかわらず丑土で、水を抑えるものとなっています。また、この占いは、占者(すなわち私)が雨を期待している占いであるわけですが、その占いの中伝末伝が空亡であるということは、これはなかなか雨が降らないんじゃないかと想像されます。

 ではどう判断するかですが、まずは発用である癸丑日すなわち2日後にちょっとだけ期待。というのは、それを過ぎれば空亡になりしばらく雨は降らないと考えたためです。
 次に丑を冲する未日、丑は8数ですから、8日後の9月6日己未日は有力でしょう。また丑と三合金局となる酉日、丑を刑する戌日を考えました。古書には、柔日の場合は亥の下神すなわち戌日に降るとありますので戌日も有力です。

 さて、まずは癸丑日ですが、天気予報では曇りときどき雨という予報でした。しかし、結果は残念ながら雨は降らず。むしろいい天気でした。
 その後は全く雨の予報は出ず、週間天気予報で9月6日がかろうじて曇り時々雨という予報。期待して6日を迎えました。確かに雲が多く、ひょっとしてと思わせましたが、結局雨は降らず。そのちょっと前に台風が発生して、9月9日に本州を横切り、ちょうど私の住んでいる場所の上を通過する予報となっていました。9月9日は壬戌日です。さすがに台風ですからこの日には雨が降るだろうと、まあ安心していました。
 ところが、その後台風の進路はやや南寄りとなり、スピードも速まって9月7日に本州を横切りました。もっともそのころは熱帯性低気圧になっていましたが、それでも東京や静岡には大雨を降らせました。もちろん私の住んでいる茨城県(当時)にも待望の雨が降りました。結果は9月8日辛酉日で丑酉の金局です。ただ予想したときには気づかなかったのですが、月将は巳であり、巳酉丑の三合が成立します。すなわち丑土は金化して金気が強くなり、水を生じた結果雨が降ったということでしょう。
 ただ残念なことに東京や静岡は大量の雨だったのですが、茨城はたいした雨にはならず、水不足解消には至っていません。中伝末伝が空亡であることが期待はずれとなることを示していると思います。

 (2010年9月11日に記す)



第26話 母のレントゲン写真

 六壬の実占のアップデートは久しぶりです。もちろん六壬の予測はちょくちょくやっていて、そのうちいくつかは今後紹介しようかと思っています。まずは第26,27話を加えました。
 母から、「久しぶりに健康診断でレントゲン写真を撮ったら癌のような影があると医者から言われた」との電話がありました。母はいたって健康ですが、きちんと精密検査をしてもらうようにと返事をしました。病気は医者の持分ですから素人が軽々に判断してはいけません。とはいえ心配なので、電話をもらった時間で占ってみました。


2010年5月7日午後7時40分
日干支 丁巳  占時 戌  月将 酉  空亡 子丑

天空:天空青龍勾陳六合
白虎
太常

 干上神は午で発用卯ですので、日干は強いです。本人はいたって元気であることを示していると思います。病気を示す支上神の辰は神殺で病符で喪門ですから、単純に考えると病気で亡くなると判断でき、これは心配です。しかし、初伝中伝の干支は木であり辰を剋しますので、辰の意味はそれほど強くないでしょう。そもそも発用卯は四課で天空であり、レントゲン写真の影は癌でも何でもないという判断ができそうです。四課は病気の表れ方ですから、ますますそう言えます。

 うちの母も暢気なもので、あまりあわてたふうもなく、2~3週間後に精密検査に行き、結果はとくに悪いところはなし、ということだったそうです。レントゲンの影は何だったのかは聞きませんでしたが、その後(9月11日現在)も元気です。

 ただ、この課式を見ると、油断は禁物です。中伝に白虎があり、白虎は病占では最も忌むべき天将だからです。ただ幸いに寅は火の長生で、寅に白虎は必ずしも悪いばかりではありませんから、さほど心配することはないでしょう。
 なお、この課とはあまり関係ありませんが、その後親戚が次々と亡くなり、葬式が続きました。

 (2010年9月11日に記す)



第25話 液晶業界の行方

 またまた久しぶりで、いささか旧聞に属することなのではありますが、先が見えてきたので、本例を挙げることにしました。
 インターネットでニュースを見ていたところ、日本の液晶大手s社(別に名前を隠すことはないが)が減産に入るという記事が目に留まりました。これは液晶の部材関係に大きな影響を与えます。そこでこの時間をもって先行きを占うことにしました。


2008年11月16日午前0時30分
日干支 庚申  占時 子  月将 卯  空亡 子丑

初伝天空:白虎勾陳白虎勾陳
中伝勾陳
末伝勾陳

 この課は八専課です。陽日ですから、一課の2つあと、丑を初伝にとり、あとは中末伝は干上神をとります。
 八専課というのは、協力同心の象とし、陽日の場合は物事が速やかにすすむ、とされます。ただ、私は、八専というのは課が欠けた(2課しかない)状態であり、また中伝末伝が同じであることから、事態の解決には長い時間がかかる課だと考えています。

 一課、中伝、末伝は亥勾陳で日主を洩らします。初伝は丑で空亡、しかも天空がついていますから、これは大幅な損失を生み出している状況でしょう。初伝丑は庚の墓であり、非常によくない状況を示しています。
 二課四課は寅は財、白虎で凶将です。白虎は事故などを意味しますが、この場合はリストラでしょう。多くの社員がやめる事態に陥ることとなります。その後s社は工場を中国に売却するということになりましたから、このことを指すのかもしれません。ただ寅に白虎ですから、いずれ復活のきざしは出てくるものと思われます。
 では、復活はいつになるのか?2008年11月は戊子年癸亥月で、ちょうど中伝末伝と同じ干支の月です。状況から判断して、来月とか再来月とかに急激に回復するとは考えられません。子丑空亡ですから、せいぜいそのあとの寅月からと考えますが、寅は白虎でおそらくはリストラ真っ最中。卯は太常で財ですから、早ければ3月に回復のきざしが出てくるでしょう。

 実際、韓国勢は2月ぐらいから生産を回復しはじめ、3月にはフル稼働に近くなり、s社も某工場は売却するものの、第2工場は4月にフル稼働に入った模様です。上の時期はだいたいあっています。
 しかしながら、私の当初の予想はそう楽観的なものではなく、景気はそう簡単に戻らないと思っていましたので、回復はもっと遅くて、丑が8、亥が4を示すことから、12ヶ月後または16ヵ月後と予想、2009年の11月もしくは2010年の3月ぐらいから回復と思っていました。ですから、残念ながら私の当初予想は外れということになります。もっとも景気の本格回復は2010年からと予想しているエコノミストは多くいて、本格回復という点では、私の予想はまんざらではないかもしれません。まあ2010年を期待しましょう。



第24話 リモコン紛失

 ここには久しぶりに実占例を載せます。とりあえず解決して差し障りのないものとなると、こういう例しか出せませんし、期間もあいてしまうのです。まあ、日常的に大六壬を使っているわけではありませんしね。
 ところでこの事件ですが、出張から帰ってきた翌日の昼、かみさんが、私の不在中に衛星放送用のリモコンがなくなった、と言ってきました。しばらく(20分ぐらい?)さがしたのですが見つからなかったので、占ってみることにしました。占時は、まさに占おうと思ったその時刻です。


2008年12月14日午前11時30分
日干支 戊子  占時 午  月将 寅  空亡 午未

初伝太常:玄武青龍勾陳貴人
中伝青龍
末伝貴人

 私の占いではめったに見ない昴星課となりました。陽日ですから酉上の巳を発用ととり、中伝は支上神、末伝は干上神となります。
 この課は、上下の剋がないので動きに乏しく、安静に対処して平穏無事の課です。リモコンがなくても電源オンオフ、チャンネル切替はできるため、そうあわてる必要はありません。で、とりあえずさがすのは中断、まずは昼食をとり、食後にこの課を検討してみることにしました。

 失物占は日支三課をなくしたものとします。またリモコンは黒色だったので、日支子にぴったりです。子は辰に坐します。辰は玄武で盗難を意味しますが、課伝中に官鬼などはなく、また常識から考えてリモコンだけ盗難されることもありえません。干上神と末伝は貴人ですし、空亡や天空も見当たりませんから、リモコンは出てくるでしょう。

 発用が巳で太常ですから、なくした場所は日常空間、とくに食堂があやしいと考えられます。また支上神は青龍で、財宝とか権力とかいう意味があります。私ははじめ財布などと一緒にしまったかなと思って、財布を置く場所やその近辺を物色したのですが見つかりませんでした。
 かみさんは、ごみ箱に間違って入れたかもしれない、ということで私の不在中にゴミ袋を全部開けてみたそうですが、なかったそうです。この課式をみても、しいていえば太常がごみ箱を意味しないこともないのですが、青龍が支上に乗じていますから、ごみと一緒という感じではありません。

 15時半ごろ、まあもう一度捜してみようと思い、ソファのクッションに中に手を入れたりしていたところ、私がよく使っているリクライニングチェアの肘掛のクッションの奥まったところに挟まっていました。その椅子の座面のクッションは何度も捜したのですが、肘掛の思わぬところに隙間があり、そこに挟まっていたのです。

 あとで考えると青龍とは夫である私のことで、私が日常よく座っている椅子であることを示していたと考えられます。一度さがすのをやめたのがよかったのかもしれません。課を見ると、未は空亡であり丑の貴人を冲しますから、未時(13~15時)には見つからず、申時(中伝)に入ってから見つかったのはそれを暗示しているようにもみえます。まあ偶然だとは思いますが。



第23話 父母の北海道旅行は大丈夫?

 父母が6月18日から北海道旅行をするという計画があるのは以前から知っていたのですが、6月1日に母から、最近父が食べ物がのどや胃に詰る気がするというので少し心配だ、北海道旅行に行けるだろうか、気になるので占ってくれ、との電話がありました。
 電話をもらった時刻で課式を立てると下のようになりました。


2008年6月1日午後10時
日干支 壬申  占時 亥  月将 申  空亡 戌亥 本命 戌

初伝貴人:六合貴人貴人玄武
中伝六合
末伝天空

 課式を見る限り、凶将と呼ばれる十二天将は少なく、また初伝が貴人、干上神と日支が日干を生じ、また末伝、占時は亥水ですから、また土支も見当たりませんから、日干が弱いということもなく、まずは旅行には行けるとの判断をしました。電話では、旅行には行けると思うが、身体が心配なら病院に行くべき、心配事をかかえたまま旅行に出ても面白くないでしょう、とまずは回答しました。いたって常識的な回答です。

 そこで父は翌日病院に行き、医師の診察をうけたところ、すぐに入院ということになりました。かつて食道がんの手術で食道を全摘し、胃を食道の代わりにしているのですが(第2話に書いています)、その一部が閉塞しつつあるとのことで、その処置が必要とのことです。医者の話では、これはとくに異常というわけではなく、胃を食道にした場合にそういうことは起こるそうです。手術といっても、カテーテルと同じようなもので、風船を口から中に入れ閉塞している部分を広げるだけのようです。医者からは、手術といってもたいしたことはないので、北海道旅行は大丈夫、おいしいものを食べてきてください、と言われたとのことで、母も安心したようです。
 手術を受けるために何日か入院したようですが、手術そのものはすぐに終わり、退院したのは旅行1週間ぐらい前。予定通り6月18日から3泊4日の旅行に行き、旅行は楽しかった、と報告を受けました。

 したがって、結果的にはよかったのですが、「病院に行ってみてもらったら」というアドバイスは、六壬でみたわけではなく常識を働かせて回答したものです。話を聞けば当然でしょう。このことはこの課式にはどう出ているのかといえば、残念ながらはっきりとはわかりません。しいていえば、初伝の遁干が己でありまた貴人(土将)が乗じています。これが日干壬を剋するものです。土は消化器官ですから。あとは、二課の貴人を医者と考えることです。でも、これらはこじつけに近いですね。まあ、占断には常識を働かせることも必要ということですね。

 末伝が空亡でしかも天空というのが気になりますし、凶意があります。しかし亥は巳を冲するのですが、その冲の働きが弱いということでもあり、それほど悪く考えなくていいかもしれません。私は、これについては、旅行後に身体が疲れるか、ちょっとした損失、出費があるか、と予想したのですが、そういうことはなかったようです。
 もうひとつ、三課、発用に貴人があり巳にありますから、旅行中にえらい人に会ったのではないか、と父に尋ねたところ、えらいというわけではないが、人格的に立派な人(ご夫婦ともに立派な人だったそう)に会い、旅行中話がはずんで楽しかったとのこと。
 何はともあれ、無事に楽しい旅行ができて何よりでした。ある意味ほっとしています。



第22話 偏頭痛はいつまで続く?

 2008年3月13日朝は前日の酒がたたって二日酔い状態でした。その日の昼、酒が抜けてきたあたりから偏頭痛が始まりました。別に生活に支障が出るほど痛いわけではありませんでしたし、以前も睡眠不足で偏頭痛になったことがあり(そのときは睡眠をとったら治った)、あまり気にしていなかったのですが、17日朝起きた後も偏頭痛は治っておらず、心配になって六壬で原因といつ治るかをみたものです。
 本来は医者に見てもらうべきことですが、たいした痛みでもなく、まあそのうち治るだろうと安易な気持ちで六壬を使ったものです。私は六壬よりは医者を信用してます(笑)。
 なお練習のため、日干支だけ暦で確認して、あとは通勤する途中の列車にゆられながら、頭の中で課式を組み立てて判断しました。この課式はここで初めて文字にしています。


2008年3月17日午前6時
日干支 丙辰  占時 卯  月将 亥  空亡 子丑 本命 寅

初伝六合:天后六合貴人勾陳
中伝天后
末伝白虎

 偏頭痛をネットとかで調べると、原因はよくわかりませんが、きっかけはいろいろあって、その中にはアルコールというのもあります。まず初伝が子で三伝は水局ですからアルコールがきっかけというのはまさにそのとおりだと思いました。六合は仲間であり、前日の会食がきっかけということと符合します。
 しかし初伝は空亡であり、現象としてはあまりはっきりしないことを示しています。偏頭痛とはいえ、日常生活に支障が出るほどの痛みではないということでしょうか。しかしながら、水局で日干を剋しますから、病気としてはやっかいです。血液の異常の可能性もあります。実際偏頭痛は、頭の血流が多くなり引き起こすと書いてあるサイトもありました。
 末伝の白虎が気になるところですが、二課の酉と合でありますのでまあ大丈夫でしょう。もっとも遠い将来に何か起こるかもしれませんが…。

 さて、冒頭の問い、はたしてこの偏頭痛はいつまで続くか?まず考えたのは、初伝が空亡、三伝が水局で逆逓生(辰生申、申生子となっている)ですから、これは長引くかもしれない、ということです。これまでの経験では偏頭痛はだいたい2、3日で治っていたのですが、今回はもう5日めで、いつもよりはずいぶん長い期間となっています。具体的に私が考えたのは次の2つです。
  ①発用である子を冲する午か、剋する土支の日
   3月19日(午)、20日(未)、23日(戌)
  ②初伝空亡なので、甲寅旬が終わり次の甲子旬に入る3月25日(甲子)
 私としては、早く治ってほしかったので3月19日を期待していたのですが、実際に偏頭痛が治まったのは3月25日となりました。やはりかなり長くかかり、甲寅旬を終わるまではだめだったということです。

 実は単に3月25日に自然におさまったわけではありません。その前日3月24日、背中と首の後ろが凝り痛みが出てきて、寝る前にその凝りをかみさんにマッサージでもみほぐしてもらったところ、翌朝には偏頭痛がなくなっていた、ということがありました。アルコールがきっかけで偏頭痛が起きたというのは、それはそれでいいと思うのですが、原因はやはり血流の異常(おそらくは姿勢の悪さから来ていると思う)、凝りというのはおそらく血行の悪さが背中や首筋に出てきたものと思います。

 ちなみに、3月27、28日連日調子にのって酒をだいぶ飲んだのですが、翌日は普通の二日酔いの頭痛で、酒が抜ければ頭痛は治まりました。しかし、今でも偏頭痛が再発しないか心配はしています。



第21話 叔母は仕事をやめるべきか?

 この話は第20話と関連があります。
 従妹(いとこ)から、叔母が叔父の看護に専念したいので、今の仕事をやめたい、と言ってきているがどうだろうか、という相談がありました。
 この相談はメールできたので、そのメールの発信時間で、課式を立てました。


2007年1月13日午前1時1分
日干支 丁未  占時 丑  月将 丑  空亡 寅卯 本命 子

初伝朱雀:朱雀朱雀朱雀朱雀
中伝太常
末伝天后

 時間が微妙ですが、東京発のメールなので丑時は間違いないでしょう。

 さて、この課は伏吟課です。伏吟は渋滞を意味しますから、転職はまず難しいでしょう。叔父も長くないでしょうから、仕事はやめない方がいい、もっとも仕事を変わるようなことはしてられないだろう、と回答しました。

 実は、これだけではこの話は終わりません。伏吟は伏吟なのですが、日干は土支に囲まれて洩らされる形です。これは本人の体力が衰弱していると判断しました。おそらくは看護疲れでしょうが、伏吟ですから長引きそうです。また本命は子でこれは土支から剋されます。朱雀は火将で、未に乗じているのを臨墳といいます。これはよくない暗示です。
 それで、従妹には、職を変えるのはしばらくやめて様子をみた方がいい、むしろ叔母の体調が心配で、看護疲れで衰弱しているのではないか、血圧とか心臓とか大丈夫だろうか?と回答しました。
 あとで聞いたところでは、そのときおばは肩から腕にかけてしびれがあって、病院に行ったとのこと。たいしたことはないらしいのですが、おそらくは看護疲れで血行が悪くなっていたのだろうと思います。

 この話は実はまだ続いており、いまだしびれはとれない状態だとのこと。先日おばの家に行った時に、医者でみてもらったのだが、原因がわからないそうです。ひとまず大病院に行って精密検査を受けると言っていました。



第20話 叔父の病気

 私は鑑定依頼は受けないということは、このhpで再三述べていることですが、身内からの依頼は断れません。それで占ったのがこの例ですが、結論を先に言うと、叔父は薬石効なく2007年1月29日に亡くなり、悲しい実占例となりました。
 叔父の四十九日も過ぎましたので、ここにとりあげることにしました。
 長らくご無沙汰だった叔母から電話があり、叔父の病気および治療法に関して占ってほしいという依頼がありました。
 このような占いは私には荷が重すぎですし、病気の治療は医者が判断するものですから、私が占う必要は何もないわけですが、叔母も高い電話代を使ってわざわざ韓国まで電話をしてきたわけですから、引き受けました。身内でなければ、決して引き受けないところです。
 電話で依頼を受けた時間で課式を立てて、一晩かけて検討し、翌日(翌々日だったか)回答しました。


2007年1月7日午後8時30分
日干支 辛丑  占時 戌  月将 丑  空亡 辰巳 本命 酉

初伝天后:螣蛇太陰太陰白虎
中伝白虎
末伝白虎

 これは上下に剋なく3課しかありませんから、別責課となります。別責課の三伝の出し方は特殊で、陰日は日支の合を初伝としますから、巳が発用ということになります。

 病気占いの場合は、一課を病人、三課を病気とし、医者や薬は基本的に二課でみます。依頼は治療法でしたので、二課をみるのですが、まず日干をみてみます。日干は辛金で、初伝を除けばすべて土支で日干を生じることになります。しかし、これは土多くして金が埋まる形で、辛日干は息苦しさを感じます。初伝は巳火で日干を剋し、干上神と中末伝は白虎ですから、病気占いとしてはよくありません。叔母からは病気は肺炎で病状もよくないと聞いていたのですが、第一感で、これは助からないなと思いました。そうと感じる気が重いものです。まあ、先へ進みましょう。

 まずは治療法。二課は日干を生じる辰土ですが、これは空亡で日墓です。いかにも薬石効なしという感じがします。また初伝も空亡ですから、今のところは何をやっても変化なしという感じでしょうか。
 干上神が白虎で金の墓ですから、本人の状態は極めて悪いといえそうです。当月は月建、月将ともに丑で、しかも丑には白虎がついて中伝末伝にありますから、叔父は今月いっぱいで亡くなると考えました。
 叔父の本命は酉(61歳)です。酉は午に臨んでおり、これもよくありません。三伝は巳酉丑で金局をなし、金は肺を示しますから、肺の病気で状況は悪いというのは、ここからもわかります。まあ電話で聞いていたので、ここは悩む必要はないのですが。

 さて回答ですが、隠してもためにならないと思いましたので、思ったことを正直に話しました。

叔父の病状は非常に悪い。現時点では治療は効果が薄い。もしやるなら、かなり強い薬などを使わないとだめだろう。温熱療法を考えているようだが、それは病人を傷めるだけなので、絶対にやらないように。私の占いではそう長くはなく、おそらく立春は越えないと思う。常識的に判断すれば1月末ぐらいか。冷たい言い方だが、身辺整理にとりかかった方がいいと思う。
 以上の内容を、気に障らないよう話したのですが、端的にいえば覚悟を決めなさいということで、厳しい内容です。こんなことは身内でなければ言えません。

 はじめにも書きましたが、叔父はその月の29日に亡くなりました。非常に温和な表情だったそうで、救われた感じがした、と葬式に参列した母から聞きました。「○○子(叔母の名前、母の妹)は占いに非常に感謝していたよ。」と母は言っていましたが、私としては複雑な心境です。占いの限界というようなものを感じました。
 1月29日は癸亥日で水が強く日干を洩らして弱めますが、29日とまでは予想しませんでした。これがわかれば六壬の名人といえるでしょうが、私は全然そこまでいってません。

 後日談ですが、叔母がその後担当医と話したところによると、担当医は病状は厳しくなまなかな治療法では駄目で、かなり強い薬(新薬か?高額らしい)や治療法を行おうと思っていたそうです。叔母がさらに、おい(私のこと)が月末までには亡くなるのではないかと言っていた、と話したところ、その医者はかなり驚いて、どうしてそんなことがわかるのか教えてほしい、と言っていたとのこと。もちろん叔母は説明できるはずもありません。それにしても、占いを否定しない医者とはまた珍しい、と思いました。そういうことを言われること自体は文字通り有難いのですが、結果が結果だけにもちろん喜べるものではありません。



第19話 何の本を買った?

 とある人からメールで、六壬の本は何を買ったらいいでしょうか?というメールでの問い合わせがあり、回答をしたところ、しばらくして、「六壬の本を買ったのですが、何の本を買ったのか当ててみてください」という何とも挑戦的(?)なメールが届きました。その回答を以下に載せますが、結論からいうと当たりませんでした。六壬課式そのものは間違いはなく、それを解釈する私の力不足ということでしょう。
 私自身、射覆の実占例はほとんどないことと、課式の解釈の誤り例としてはなかなかいい例と思いますので、ここにあげることにしました。


2007年2月1日午前10時15分
日干支 丙寅  占時 巳  月将 子  空亡 戌亥

初伝六合:白虎貴人太陰六合
中伝太陰
末伝青龍

 課式を上にあげましたが、射覆のときは、日干支、占時、月将、発用(初伝)、干上神、支上神ぐらいしか使いません。まれに三伝とも使う場合がありますが、今回は使いませんでした。メールの回答は次のとおりです。実はこの文の前に、外れるかもしれないと言い訳をしているのですが、その部分は割愛します。

日干支は丙寅、占時は巳、月将は子です。一課は子、三課は酉、初伝(発用)は子です。射覆ですから中伝、末伝は使わなくてもいいでしょう。
課は知一課、遁干は子は甲、十二天将は酉が貴人で子は六合、巳は太常です。
本の類神は朱雀で亥、陰神は午で勾陳がつきます。
これらのことから推測です。
まず、課は知一課でこの課は多くのものから一つを選ぶという課です。
三課は酉で貴人で財ですから、高価な本だと思います。
発用は干上神で官鬼ですから、本人にとっては難しい本だとします。
ただ六合がついていますから、今後なじみ深い本になるでしょう。(これは私の期待半分)
占時は兄弟で太常ですから、比較的手に入れやすい本だとします。
子の遁干は甲ですし、日支は寅、三課は酉ですから、色は白か青緑、いや占時が巳だし、陰神は午だから赤と考えるべきか?ここは迷うところです。
定価をとれば、「六壬神課活用秘儀」なのですが、古書の価格はどちらが高いのでしょう。
手に入れやすさからは、おそらく、「六壬神課活用秘儀」か「干支六壬占法」または「初学詳解」
難しさからは「大六壬占術」か「初学詳解」。
色からは「干支六壬占法」「初学詳解」が緑色、「大六壬占術」のカバーが赤、本体は緑色、です。
これでは迷いますね。まあ、ここは思い切って「六壬神課活用秘儀」または「干支六壬占法」としましょう。
 以上がメールの回答です。結論ですが、その方の買った本は「大六壬占術」(中井瑛祐著)と「天文易学六壬神課吉凶正断法」(阿部泰山著)でした。つまりまるっきり外れてしまったわけです。

 この場合は、本は本でも、その書名を当てるのですから、先例のないものでしょう。ですから、どう判断すればいいのか、と半ば手探りでやったのですが、課式自体は正しい回答を与えていて、その解釈もそれほど間違っていなかったと思います。
 ただ、私は、以前「大六壬占術」は手に入りにくいと聞いていたので、手に入れやすいのは「六壬神課活用秘儀」だろうと判断したのですが、その方は中尾書店に行かれたそうで、ああそれなら「大六壬占術」は手に入りやすいだろう、と合点がいったのでした。なんてったって「大六壬占術」は中尾書店の出版物ですからね。ちょっと手に入りやすいという情報にとらわれすぎた感じがします。

 また、2冊買うとは思いませんでしたから、緑色、赤色、白色と出てきて、どう判断すればいいかなと思っていたのですが、赤は「大六壬占術」のカバーですし、緑は本体の色、白は「吉凶正断法」の箱の色ですので、全くぴったり当たっていたわけです。また上剋下が複数あるので、ひょっとして2冊以上買ったかもしれないと考えるべきだったかもしれません。結局、難しさと色で「大六壬占術」か「阿部泰山全集」と素直に判断すればよかったな、と思います。

 まあ、その方には、外れたことはとくに批難されず、ほめられたというかなぐさめられたというか、そういうメールをいただきました。買った本で六壬の勉強を続けるとのことですので、六壬ファンを失わなくてよかったな、と私は安堵しているところです。
 あとで、支上神に貴人(土神)がついているのは、日本占術界の巨匠阿部泰山師のことではないかと思い当たりましたが、この判断は是とすべきか否とすべきか?



第18話 義父の病状は?

 まずはじめにいうと、義父(かみさんの父)の病状は回復せず、2006年10月29日に数え83歳で亡くなりました。いい父でした。
 こういうことを実占記に載せるのもどうかと思いましたが、私の病占の貴重な記録ですし、もう四十九日も過ぎましたので、例としてあげることにしました。
 10月24日にかみさんを実家に帰して、26日にかみさんから義父の容態を伝える電話が来た時刻で占ったものです。


2006年10月26日亥刻
日干支 戊子  占時 亥  月将 卯  空亡 午未  本命 子

初伝玄武:螣蛇玄武天空朱雀
中伝螣蛇
末伝青龍

 電話では、病状は客観的にみても悪い状況であり、医者の判断もそう長くはないということでしたので、ある程度覚悟してから課式を立てたのですが、見た瞬間、これはやばいと感じました。

 まず思ったのは、中伝が螣蛇で日干を洩らすために、病状は急変する可能性があるということ、さらに干上神が酉で日干を洩らし、その上酉は戊の死にあたりこれはよくないということでした。その2点が強く感じられて、ああこれはだめかもしれない、と、多少諦め気分でした。
 病占では日干を病人としますから、日干が剋されたり洩らされたりするのが最も悪いのです。
 また、初伝辰が末伝子を剋しています。三伝は水局ですが、初伝が末伝を剋するのは終わりが悪いものです。子は二課の丑と合ですが、丑は天空であり、合のよさは空虚です。これは、医者や薬が効かないことを示しています。
 神殺はあまり重視しないのですが、中伝末伝は戌年の吊客喪門ですから、これはまさに不幸があるということでしょう。

 医者の見立てもあわせて考えると、死は免れません。ではいつでしょうか。戊日と考えましたが、医者の話も考えるとそう長くはないようです。戊月と考えると、当月は戊月ですから、これは月を越えないと判断しました。当日は子日ですから、それからそう遠くない日、本命であり末伝子を剋す辰、あるいは刑である卯が思い当たります。初伝が辰ですから、まずは辰日と考えました。すると10月30日となります。

 10月29日(日)辛卯日には会社に出る用事があったので出勤していたのですが、昼ごろ亡くなったとの電話がかかってきました。結局本命末伝子を刑し、日干を剋する卯日となったわけです。こういう占いは当たってもあまりうれしくないものです。
 電話を受けてから飛行機のチケットを手配し、翌朝韓国から福岡を経由して鹿児島に帰りました。
 なお、この課では貴人が未なのですが空亡です。貴人は年長者で空亡ですから、これもやはり死を暗示していたということでしょう。もっともこれはあとで気がついたことです。



第17話 我がPCは再びトラぶるか?

 去る1月23日にPCがトラぶって、HPに告知を出したところ、とある人から「六壬で占ったら」とのメールをいただき、「再びトラぶるだろうか」と言うことで占ったものです。
 その後、告知しているとおり、4月7日に再度トラブルが発生し、結果が出たので、そのときの課式を検討してみようというわけです。
 なお、立春の前ですから流年支は酉となります。また占時は5時18分だったのですが、標準時との差を約30分考慮して申刻としました。


日干支 庚申  占時 申  月将 子  空亡 子丑  流年 酉

初伝玄武:玄武螣蛇玄武螣蛇
中伝青龍
末伝螣蛇

 PCが再びトラぶるか、というのはどういう見方をすればいいのでしょうか?こういう実占はやったことがありません。とりあえず、六壬の原則に従い、日干を私、日支をPCとしてみましょう。

 占時は兄弟、十二天将は青龍で、あまりpcとは関係なさそうです。ただ金気なので機械という意味はありますが、この時間に占えばだいたいは金支ですから、意味のあることではありません。
 日干支とも金で、上神が子水、さらに三伝が水局をなして、日干支とも洩らされますから、日干支とも弱くなります。PCが力を失うとは、まさにソフトウエアを失うことを意味するのでは、と思いたくなります。
 干上神、支上神、末伝が子で空亡です。まさに失うことであります。螣蛇という凶神がついていますが、空亡ですから凶意は減じられると考えますと、致命的なトラブルにはならないが、やはり再発すると考えた方がいいように思います。
 また、ソフトウエアがトラブルのもとですから、ソフトウエアは何にあたるかを考えて見ます。その昔はソフトウエアというものはありませんでしたから、類推するわけですが、文書と考えると午にあたります。申金をコントロールするという意味で、申金の官と考えるとやはり午ということになります。で、午はどうかというと、午には白虎がつき、これは凶です。

 以上を考え合わせると、どうもトラブルは再発しそうです。では、いつ発生するのでしょうか。やはり末伝の子をとるのが本線かと思い、三伝は水局をなしますから冬とみて、今年の子月、12月発生を予想しました。

 実際に起きたのは、4月7日、壬辰月丙寅日です。辰は水局の一翼を担いますし、しかも天干は壬です。寅は申を冲し水局を壊すのですが、申自体は兄弟で金が力を得るわけで、それを冲するということは、やはり申自体が弱くなります。よって、壬辰月丙寅日はトラブルがありえる日だと思えます。
 しかし、この結論は後知恵であって、この日だとわかっていたら、当然それなりの対処をしておくのがほんとでしょう。実際には、どうせ冬だと思って何もしていなかったのですから、私の見方はおおきな間違いだったということです。そもそも、PCなんていつクラッシュするかわからないのですから、そういう事態に常に備えておくべきでしょう。こういうことは占いに頼ってはいけないという、好例(悪しき例というべきか)です。
 近いうちにハードディスクを買うことにして、データバックアップをなるべく多く持つことにしようと思います。



第16話 かみさんの父の入院

 11月1日かみさんの父が肺炎で入院したと、かみさんから電話が入りました。外出中であり、電話のあった時刻だけ書きとめて、経過はどうなるか、いつ退院するかをのちほど占いました。
 結論からいうと、すでに退院して、今はすっかり元気です。今はもう問題ないと思いますので、実占例として挙げることにします。


日干支 己丑  占時 午  月将 卯 空亡 午未 行年亥 本命子

初伝貴人:白虎太陰螣蛇勾陳
中伝勾陳
末伝太陰

 まずは占時ですが火生土で日干を生じますが、占時午は天空で空亡ですから予断を許しません。といって空亡だから凶ともいえません。

 病名ですが、電話で肺炎と聞いていたので、疑問の余地はありません。したがって、課式から病名を判断することはしませんでした。参考のために、病名を考えてみますと、この課式を見る限りは肺炎というのを判断するのは難しいですが、行年、本命とも亥で、亥の天盤は申、陰神は巳であり、金気が剋されているため肺を痛めていると考えることは無理なことではありません。ただし、ある程度の情報がないとこの判断しにくいでしょう。普通なら土支または水支の病気とみるはずです。ちなみに、亥の天盤申は初伝中伝と三合水局をなしており、寒さによる風邪が原因になったとみることができます。実際、入院する前の週から風邪をひいていたとのことで、それをこじらせて肺炎になったそうです。
 課は昴星課であり、虎の尾を踏む、危なっかしい卦となります。易経でいる履卦にあたります。昴星課は通常動かないのを吉としますから、入院したというのは好判断でしょう。初伝が貴人ですから、初めの対応はよかったといえます。

 経過はどうでしょうか。土支ばかりなので、冲刑破の関係が入り乱れて、トウ蛇や勾陳、白虎といった凶神が課にみえます。が、初伝が貴人ではじめの治療がよく、末伝は太陰ですから平穏無事、遁干丙も土を生じ、治る可能性が高いです。ただ、末伝戌は辰と冲ですし、丑と刑であり注意が必要です。四課にも白虎がありますが、幸い空亡であり凶意は低くなります。
 ではいつ治るか、いつ退院するかですが、ここは常識を働かせる必要があります。肺炎は1~2日では治りません。とくに年寄りですから、1週間程度かかると考えるのが普通でしょう。逆に治るのであれば、2週間以上というのは長すぎです。まず考えられるのは末伝から戊戌の日、すなわち11月10日、次に考えられるのは丙申日で11月8日です。また古書によると、病気が治るのは日干が生じる干の日というのがありますので、庚子日辛丑日つまり11月12、13日。13日は日曜なので除外しました。末伝と会となる午日も考えられますが、これは11月6日か18日で早すぎか遅すぎの感じですので、これも考えませんでした。とすると、11月8日か10日か12日かということになります。まあこれだけ挙げれば当たりそうです。

 結局、悪かったのは初めの数日で、6日ぐらいにはすでに元気をとりもどしており、10日の血液検査で炎症マーカーも正常値になり、結局12日に退院の運びとなりました。何か当たったような、数打ちゃ当たるの類のような。
 まあ、元気になってよかったです。さらに長生きをしてほしいものだと思います。



第15話 悪夢をみた!

 はじめにお断りしておきますが、今回の実占例は、あまり役に立ちませんし、一部の方々には馬鹿にされそうです。結論についても、あまりまともに受け取らなくて結構です。(私は信じてますが)
 第16話は夢占いを六壬でみるという、あまり例のない実占です。さらに、私の独断も入っています。そういう意味ではあまり参考にならないかもしれませんが、悪夢をみた、という状況とそれによって出した課式の内容がまさにピッタシで偶然にしては面白いと思ったので掲げました。(私は偶然だとは思ってません)
 夢の内容はあまり覚えていませんが、自分に悪霊がついておりそれを払おう(除霊しよう)ともがいている、というような夢でした。で、もがいていて大声を出したところで夢から覚めたのです。その時間はちょうど午前2時でした。その時間で課式を出しました。


日干支 癸丑  占時 丑  月将 辰  空亡 寅卯  流年 酉

初伝螣蛇:勾陳螣蛇勾陳螣蛇
中伝勾陳
末伝白虎

 さて、大六壬で夢占いをした例は寡聞にして知りませんが、一応一課が本人で三課が夢と考えるのが、大六壬の考え方にそっていると思いますが、夢の意味を探るのなら、これは射覆的な見方をしたほうがいいかもしれません。

 まず、課式を立てての第一印象は、きわめて悪い感じです。というのも三伝四課占時がみな土行で官鬼であり、全ての十二天将が凶将であって、干上神支上神は墓であるという、まあ最悪に近い課式であるからです。
 さて、射覆においては、占時、干上神、支上神、初伝を重視します。この課式の場合、占時が丑であとは辰です。つまり官鬼であり、丑は太陰、辰は螣蛇です。官鬼の官はすなわち警察とか裁判とか役所とかですが、鬼とは自分を剋すもの、あるいは幽霊ということです。太陰は女性とか秘密とか、螣蛇は驚きとか災害とかの象意があります。さらにいろいろな文献をみると、辰にトウ蛇が付くのは悪夢をみるという判断もあるようで、それはまさにぴったりというところです。また螣蛇には、無縁仏、土神の障り、という象意もあります。
 これだけ官鬼とか螣蛇とかあると、やはりこの夢は何か現実に起きる事件を暗示しているのではなく、全くの霊夢だったのではないかと、すなわち、無縁さんか浮遊霊が自分の近くに寄ってきていたのではないかと判断する次第です。果たして、現実に何か悪いことが起きているかというと、この夢の後会社がちょっとうまくいっていなかったということはありましたが、とりたてて問題となるようなことも起きてませんし、身近で誰かが病気や怪我を負ったとか死んだとかいうこともありません。
 ということで、今回の判断は、やはり霊のしわざで悪夢をみたのだ、としました。しかし、この判断は当たっているのか外れているのかを検証しようがありませんねえ。

 ちなみに、私の宗教は神道であり、簡単な祝詞はいくつか知っていまして、夢の中では、祝詞と早九字を切って除霊を試みてました。しかし、その夢の中ではあまり効き目はなく、大声をあげてやっと目が覚めたわけで、ひょっとして最もよい除霊方法は大声をあげることなのかもしれません。あるいは韓国人の霊だったため、言葉が通じなかったためなのかも。
 また余談ですが、私は若い頃何人かの霊能者に会って話を聞いたことがありますが、私自身にはそういう能力はありません。



第14話 2005年9月衆議院選挙

 今回は、選挙前に予測したものではありません。全部後付けです。後だしジャンケンみたいでずるいのですが、研究材料としてはいいかと思い、15話として載せることにしました。
 参考文献にも挙げてますが、大六壬を使った『選挙預測之研究』という本があります。その中には、米国、日本、ロシア、台湾の選挙予測の実例があります。それらの立課の時刻の立て方にはいくつかあり、例えば、TVニュースで見た時間とか、立候補を表明した時間とか、パーティーの時間とかさまざまです。今回の15話をとりあげるにあたり、立課の時刻をどうするかが私の一つの悩みでした。
 いろいろと考えたあげく、今回の選挙は解散にともなうものですから、解散の決まった時間を立課時刻として判断することとしました。
 では、解散はどの時点で決まったか?いくつか考えられます。事実上郵政法案が参議院で否決されたときに解散することが決まったようなものですが、正式には臨時国会で衆議院の解散が議長より宣告されたときということになります。しかし、解散の宣告は全く形式的なものですし、参議院で否決されたときというのはあまりに事実上すぎて(法的な裏付けが全くない)、立課時刻としては不適当な気がしました。
 で、私が採用したのは解散の閣議決定の時間です。閣議決定で解散は正式に決定したといえるでしょう。(天皇が署名を拒否することはまずありませんから)ただ、今回の閣議決定に至るまでは、島村農相が罷免されたり、閣議が一時休会されたりで、すんなり決定されたものではありません。この辺に何となく天意を感じまして、閣議決定された時間を採用することにしたのであります。
 首相動静や閣僚の閣議後の記者会見などから、閣議決定の時間は8月8日17時15~25分とわかりました。その時間をもって解散総選挙の行方を実際と照らし合わせながらみてみたいと思います。


日干支 甲子  占時 酉  月将 午  空亡 戌亥  流年 酉

小泉純一郎  1942年1月8日生  年命 巳  行年 巳
 
初伝青龍:青龍太常白虎太陰
中伝朱雀
末伝天后

 今回は、審査の過程を明らかにするため、一つ一つの項目を箇条書きにしてみました。長くなりますが、その方が勉強になると思いますので、ご容赦ください。

1.占時(先鋒門)
 酉は太常で官鬼です。政治のことですから、官鬼が必ずしも悪いということにはなりませんし、太常が酉に乗ずるのは争いごとを示唆するので、選挙にピッタリという感じですが、もし何も知らずにこの課をみたときに、私だったら訴訟ごとと判断するでしょう。

2.日干支、一課、三課
 この場合は、小泉首相を日干、一課とすることには異論がないでしょう。では三課は何か。古書には選挙占の項目はありませんから類推するしかないわけですが、前出の「選挙預測之研究」には、選挙活動を三課としているようです。実占経験からそういう判断を下しているのでしょう。ただ、今回の選挙は、「国民に信を問う」と言っているのですから、日支、三課は国民、有権者と考えていいのではないかと思います。

3.課式
 この課は元首課であります。元首課というのは、貴人にとっては非常によい課です。課経の解説をいずれしようとは思いますが、この課は「柱石元勲、門庭喜溢」であり、国家の重責を担う人にとっては喜びごとが多いとされます。

4.日干、一課(外事門)
 日干の強弱をみてみると、日支と末伝の子から生じられ、干上神は長生、中伝は卯で助です。支上神は日干を剋し、また干上神は空亡で力が弱いのですが、そう弱い日干ではないと思います。一課は長生で太陰で吉なのですが、空亡ですから吉意は減じられます。

5.日支、三課(内事門)
 日支を有権者としますと、日干を生じていますから、有権者からの応援はあるでしょう。しかし、三課は日干を剋していますから、反対するグループもそれなりに強いことが伺えます。太常は日常とか財貨とかの意味があり、一般的には吉神ですから、小泉首相にとってそう心配することもないでしょう。酉は胎ですから、むしろ解体的な出直しみたいなことを示しているようにも感じられます。

6.発用(発端門)
 発用は四課からですから、内事、すなわち政党、国会内でのできごと(参院否決)がきっかけということになるのでしょう。午は日干を洩らしますから、小泉首相としてもやや不本意だったかもしれません。しかし、青龍が乗じていますから、権力を行使し一気呵成に解散を決断、総選挙に突入したという感じがします。青龍の象意からそう感じられます。

7.中伝(移易門)
 中伝は、日干を助していますから、選挙の中間集計が自民党に有利だったことと符合します。また朱雀が乗じており、凶神ではありますが、派手、冷淡という象意があります。これも、この選挙期間中、「小泉劇場だ」とか「刺客、くの一」とかいう言葉が飛び交いましたが、ピッタリという感じです。朱雀は火神で卯から生じられますからなおさらです。ただ、朱雀が卯につくと音信不通という象意もあります。小泉首相が岡田代表との討論会を避けたのはその表れかもしれません。(ここはちょっと強引かな?)

8.末伝(帰計門)
 さて選挙結果を示す末伝ですが、日干を生じ、三課から生じられ、一課とは助、二課とは会ですから、選挙は勝つとみます。四課とは冲ですが、選挙には対立候補がつきものですから、四課との冲はあまり気にしなくていいでしょう。十二天将は天后です。天后は女性ですから、小泉首相は女性の助力、あるいは女性票を得て勝つと判断できるでしょう。子に乗ずる天后は結婚を意味することがありますが、まあそれはないでしょう。

9.変易門
 小泉首相の本命も年命も巳です。巳の地盤は申で合となりますし、巳の天盤は寅で生じられます。巳は日支に剋されますが、その他は合会生助の関係が多く、運気は強い状況です。

10.占断のまとめ
 鬼神の如く解散を決行した小泉首相は、女性の力を借りて選挙に勝つ。有権者も応援し、ひょっとすると大勝するかもしれない。選挙戦は派手に行われる。反対勢力は引き続き小泉首相を批判するが、小泉首相はそれにとりあわず、ほとんど問題とならない。

 以上みてくると、現実の経緯とかなり符合していることに驚きます。結果が出てからやおら課式をたてたせいもあるかもしれません。しかし今回はそれぞれの項目について、割と虚心坦懐に判断しているつもりです。
 前書きで書いたように、立課の時間をどれにするかが重要なポイントでした。ちなみに衆院での議長の解散宣言や参院の否決の時間で立課しても、このような結果は得られません。8月8日の中では、閣議決定の時間が最も適した課式だったのです。ですから、ある意味現実とピッタリ合っているのは当然のことではあります。
 しかし、前に書いたように、今回の閣議はすんなりとはいかず、閣議としては珍しく紆余曲折をたどりました。この辺に天意を感じてこの時間を採用しました。いつも閣議決定の時間を採用すればいいということではありません。この時間の選択も術者の力量のひとつなのでしょう。



第13話 パメラさんの本は出てくるか、その後

 第9話 パメラさんの本は出てくるかの続編です。
 その後、6月3日に出てきたとのご報告があり、第10話の再検討です。
 第9話の内容は、風水書、my秘伝書の入ったバッグが見つからない、出てくるかどうか、ということで、課式はパメラさんが自分で立てたものです。
 結果からいうと、第10話では、出てこないと判断したのですから、私の解釈が間違っていたということになります。
 いちいち第9話を開くのも大変でしょうから、課式を再掲します。


日干支 癸卯  占時 未  月将 亥  空亡 辰巳  流年 酉

初伝勾陳:天空朱雀勾陳貴人
中伝太常
末伝貴人

 まず、第10話の結論を整理しますと、
 (1)本は出てこないか、出てきてもかなり時間がたってからである。
 (2)本は破損しているか、もはや役に立たない状態である。
 (3)盗まれたものではない。
 (4)戌(西北)の表すところにあると思われる。
 (5)応期は1年であり、まず年内は出てこない。1年以上たって見つかることは常識的には考えにくい。
ということでした。一つ一つを検証します。

(1)について
 まず、占日は3月20日で本が出てきたのは6月3日です。末伝空亡であることと四課との冲からこう判断したのですが、末伝は一課と同じで、日支から生じられていること、さらに三伝は金局しており日干を生じていることから、やはり出てくると判断した方がよかったかもしれません。まあこれは後知恵で、同じ課式で失物占いをやれば再び出てこないと判断してしまいそうです。この課式はよく覚えておきます。

(2)について
 単にしまわれてしまっただけなので、別に破損はしていないようです。では4課の天空は何を意味しているのか?単に忘れられた存在だということを暗示しているのか?これは十分にはわかっていません。
 後日考えてみると干上神である貴人が空亡であり、これは本人の思い違いである可能性が大と判断できます。天空も上に書いたようにそれを示していると思われます。

(3)について
 これは常識的に考えても当たりそうですから、自慢になりません。

(4)について
 戌というのは古書にある失物の場所を看る方法でとったものですが、術者によっては、初伝や中伝で看る方法を採っている場合があります。初伝は勾陳、中伝は太常です。勾陳は田宅であり、太常は日常生活を送っている場所です。これから判断して「家にありますよ」と言ってその通りになればかっこよかったですが、そこまでは気が回りませんでした。また、土行は方位では中央を示すので、十二天将に土が多かったり戌があったりしたのは、自分からみて中央、つまり家にあるということを示したのかもしれません。さらに発用は二課ですから、このことも自分の身の回りであったことを示しているのかもしれません。いずれにしても、今後失物占をやるときには、以上のようなことも気を配らなくてはと思います。単に古書にある方法をそのままとるのではなく、常識を働かせて臨機応変に対応せねばならないのでしょう。

(5)について
 6月3日の月干支は辛巳、日干支は戊午です。初伝が酉でこれは太歳ですから、応期は今年としたのですが、単純に末伝から巳月とするべきだったのかもしれません。しかし出てこないと判断していたので、考慮の外でした。出てくると考えていれば、巳月あるいは巳日は当然考えるのですが…。

 総じていうと、私がまず「失物は出てこない」という判断を先に出して、それから細かくみたせいで、最初の前提の間違いがそのまま引っ張られたという感じです。もし、「遅くても出てくる」という前提にたてば、もう少し違った結論になったかと思います。まだまだ勉強不足というか、実占経験が不足しているのを痛感させられました。
 ちなみに、この結果だけみて、「やっぱり大六壬は当たらない」とか「大六壬は難しい」などと考えないようにお願いします。大六壬は原則は簡単ですが、実占には「慣れ」というものが必要なのです。(だから私は今のところ実占を生業にするつもりなく、あくまで勉強に徹しているのです)



第12話 かみさんが突然入院

 8月15日に病院に検査に行ったかみさんが突然入院したとのこと。状況がはっきりしないので占ってみることにしました。


日干支 辛未  占時 酉  月将 午  空亡 戌亥  流年 酉

初伝白虎:青龍朱雀朱雀天后
中伝天后
末伝天后

 この課は剋戦や遥剋もありませんし、二課と三課が同じなので別責課となります。すると初伝は亥となります。この求め方は、三伝の求め方を参照してください。

 例によって、日干と時支の関係をみてみますと、兄弟の関係です。病気占いであり、時支が日干を助しているわけですから、これだけで良いとは即答できませんが、第一感としてはあまり悪くなさそうです。ただ、別責課というのは、合を基本に三伝が成り立ってますし、中伝と末伝が同じですから、物事が長引くという象意があります。
 まあ即断は避けて、課伝をみていきましょう。この占では、入院したと聞いたのですが、病状とかがよくわからないという状況でしたので、病気占いと同様、一課を本人、三課を病気とみることにします。

 四課はすべて土で日干金を生じていますから、本人は元気であると判断しました。では病気とは何か。まず三課をみてみますと、朱雀でこれは火を表します。つまり循環器系の疾患が考えられます。また辰土ということですから、消化器ということも考えられます。一課も病因を表すことがありますが、一課は天后でこれは女性を意味し、婦人科の病気が考えられますが、まあ本人が女性ですから、単純に女性を意味しているだけのような気もします。実は、かみさんは血圧がやや高くそのための検査に行ってましたので、まずは循環器系と考えるのが常識的な判断でしょう。

 事の推移はどうでしょうか。まずは、初伝は亥で白虎です。白虎には疾病、怪我、手術といった象意がありますから心配ですが、幸いに亥は空亡であり凶意は減じられます。中伝末伝は天后で一応吉神ですが、未土に乗じており、剋されますから(天后は水の神です)凶意があります。中井氏の「大六壬占術」には、婦人は憂いを生ずる、と書いてあります。

 以上を総合してみて、たいしたことはないが、ひょっとして長引くかもしれない。血圧かなにかで倒れたのかな?と考えました。

 連絡を受けて、病院へ行ってみると、本人はいたって平然としています。事情を聞くと、検査のため造影剤を打ったのだが、その手の指先が紫色に変色したとのこと。ただし、私が行った時にはすでに肌色にもどっており、ごく一部分だけがやや青っぽくなっていました。腕のどこかの血管が詰まったものの、時間がたってその血栓が流れてしまったものと思われます。(某医師の話)とりあえずこの日は入院して血栓を溶かす薬剤を点滴するとのこと。そして翌日退院という運びになりました。

 まあ今回のは的中したようなしないような結果となりました。再考すれば、中伝、末伝とも未であり、占日は未でしたから、即日結果が出ると判断すべきでした。課式にとらわれて、長引くという判断は、入院に関しては外れですが、その後も血圧の治療は続行してますので、治療自体は長引いてます。もっともこれは牽強付会ですかね。
 憂いということに関しては、かみさんの兄(つまり義兄)が偶然にも同日8月15日に同じ病院で手術しており、それが予定を大幅に延長して長時間の手術となっておりました。そのことを示しているのかもしれません。なおその義兄は今も(22日現在)入院中で、かみさんは毎日お見舞いに行ってます。術後は順調に回復しているとのことです。



第11話 反日デモはどうなる…その後

 今回は、第9話の反省です。新しい話題ではありません。課式を再掲しますと、


日干支 辛未  占時 酉  月将 午  空亡 戌亥  流年 酉

初伝玄武:白虎螣蛇勾陳太陰
中伝螣蛇
末伝太陰

 第9話で挙げた反日デモはどうなったかといえば、ご存知のように上海の大型デモ以降は小規模なものは起きそうでしたが、すぐに解散させられそのまま下火になりました。天安門事件の日もとくに騒ぎもなく、一応は鎮静化したようです。もっとも、8月15日までは余談を許しませんが。

 占いの時点ではさらに流血騒ぎが続くかもしれないと予想していたのですが、それはありませんでした。しかし、反日ではなく、いわゆる農民抵抗運動は収まっておらず、反日デモ以上の騒乱が起きているようです。(中国政府は発表しないが、香港のメディアは伝えている)これが、中伝の螣蛇が示しているものなのかもしれません。
 デモはいずれ押さえ込まれる。デモを押さえ込むのは、権力、金銭、そして解決には女性が関係する、というのが私の占いの予想でした。権力、金銭というのは、だいたい当たったと思います。権力は例えば警察、検閲など、金銭はデモの主催者や反日団体の温泉旅行とか、しかしこれは、別に六壬を使わなくてもおおよそ予想はつくものでした。だいたい、今回の反日デモは海外の予想以上の反応を引き起こしており、中国としても面子にかけて押さえ込む必要があったからです。中国政府が反日デモを画策したとする評論家もいますが、それはどうかと思います。まあ黙認していたのは確かでしょうけど。

 女性に関して、私は副首相がキーマンかもしれないと予想しました。確かに、対日関係改善のため反日デモ後はじめて日本を訪問した中国政府の高官でしたから、まあキーマンの一人だったのかもしれません。しかし、反日デモの解決の直接的な役割を果たしたのかどうかはわかりません。そういう意味では私の占いはこの点は外れたことになります。
 結局彼女は小泉首相との会談をボイコットするという暴挙に出て、その名を日本中に知らしめたわけですが、後からこういうのは何ですけど、私は彼女が小泉首相と話し合いを持つとははなから思っていませんでした。彼女の中国や国連における言動から、そう考えていました。何といっても彼女は衛生担当であり、SARSのときは台湾をコケにしてましたからね。そのとき私は台湾に住んでいたので、そのときのことは忘れられません。
 では、私の予想した卯の天后は何だったのでしょうか?古書をひもとくと、交際とか温和とかという象意もあるようなので、そういうことなのかもしれません。ただ、卯は干上神辰を冲するということを第9話では指摘しませんでしたが、そのことに着目すれば、金銭的に解決するとか、なあなあで事をすますということは、一課すなわち中国の国民にとってもあまり利があることではないようです。

 と書いてきて、第9話の反省にはなったような、ならないような…。



第10話 日韓首脳会談と日韓関係?

 朝起きてニュースを見て、6月20日は日韓首脳会談ということを思い出しました。
 で、果たして日韓首脳会談の行方は?日韓関係は?と思いをはせていて、「そうだ六壬で占おう」と思ったのが、7時25分でした。こういう政治的話題は本来は占いの対象ではありません。なぜなら、結果はほぼ予想できるからです。
 ま、それはともかく、「そうだ」と思ったのも何かのきっかけですから、課式を立ててみることにします。


日干支 乙亥  占時 辰  月将 申  空亡 申酉  流年 酉

初伝天后:天后白虎勾陳貴人
中伝六合
末伝白虎

 まずは先鋒門をみると、占時辰は太常で財です。日韓関係というのは、やはり政治的というよりは経済的な結びつきなのでしょうか?
 次に一課、三課を何にするかを考えると、私も韓国に住んでいるといいながら、やはり日本人ですから、ここは一課は日本、三課は韓国とせねばならないでしょう。
 一課は貴人ですが空亡ですから、貴人の意味はほとんどなくなります。むしろ、貴人とはいいながら、貴人としての体をなしていない、貴人として遇されないかもしれません。このことは、前から想像されていたことですが。
 三課は白虎ですから、あまりいい意味はありません。傷害などの意味がありますから、流血騒ぎがあるのかもしれません。しかし、卯は乙の日禄ですから、日干を助ける作用があるわけで、決して日本に対する害はないと思われます。
 三伝をみてみると、木の三合です。木は日主を助けますから、このことからも決して日本にとって悪いことはないと考えます。
 ただ、三伝が三合の場合は、なかなか結果が出ないわけで、日韓関係もしばらくは進展しないでしょう。

 今、畢法賦の解説をしていますが、その中の第8番目の句に「権摂不正禄臨支」というのがあります。この課式はまさに「禄臨支」であり、「権摂不正」でありえるわけです。「権摂不正」とは権限が相手にわたってしまうことであり、これからすると、日韓関係の主導権はしばらくは韓国にあるといわざるをえないでしょう。

 二課をみてみると、子は勾陳で三課と刑であるため、日本国民は韓国に対してやや不満をもっていることが読み取れます。逆に四課は天后で日干を支え一課を生じますので、韓国国民はニュースで見るような反日ではなく、むしろ友好的と考えられます。これは別に私が韓国に住んでいるからひいきしているのではなく(多少はそういう面もあるかもしれないが)、概して一般の韓国の人は日本に対してある程度の親しみと敬意をもっています。ただし、それは一対一のときであって、集団となると、反日的な面が出てくるように思います。もっともこれは私の個人的な見解であって、実際は違うのかもしれません。
 あと三課の白虎は果断ですから、おそらくは小泉首相は押しまくられるものと思います。で、三伝から判断できることは、今回の会談は成果はないが、さしあたって日韓関係が急に悪化するおそれはないということです。

 この文章は2005年6月25日に書いていますが、実際そうなっているように思います。もちろん日本外務省は、「小泉首相はたじたじだった」などとは発表しないでしょうけど。



第9話 パメラさんの本は出てくるか?

 ちょっと前の話ですが、ご本人のご許可を得ましたので、ここに実占例としてあげます。
 まずは、このhpに挙げることにご快諾くださったパメラさんにお礼を申し上げます。
 この例は、「東洋占術パメラの館」 (http://www3.kannet.ne.jp/~snk/) の占い談話室の中にある例です。
 このhpの掲示板はなかなか興味深いので、ぜひ見てみてください。
 さて、依頼内容は、風水書、my秘伝書の入ったバッグが見つからない、出てくるかどうか、ということで、課式はパメラさんが自分で立てたものです。この課式をどうよむかというのが、今回の話題です。


日干支 癸卯  占時 未  月将 亥  空亡 辰巳  流年 酉

初伝勾陳:天空朱雀勾陳貴人
中伝太常
末伝貴人

 3月25日にパメラさんが私のHPをみてメールを送ってこられ、本件について意見を求められました。そのときに出した返事をほとんどそのまま載せています。

 結論から先に言うと、末伝に貴人がついているものの、空亡ですから出てこない可能性が大きいと判断します。あるいは、出てくるにしても、かなり時間がたってからで、すでに傷をうけているか、役に立たなくなっているかもしれない。
 以下そのような結論になった過程を述べます。少し長くなりますが、練習ということで少し詳しく説明します。
 まず占時(先鋒門)をみると、官鬼ですから失物占いとしてはあまりよくありません。
 通常、失物占いでは、一課をなくした人、三課をなくしたものとします。三課は朱雀で、これは文書そのものです。
 一課の貴人は何かといえば、これは本人の状況を示すと考えるのがいいと思います。貴人には高貴な人、宗教という意味もありますし、巳に乗じていることから円満という意味も出てきます。(貴人は土で巳は火ですから地を得ているといえます)しかし、これに空亡がついているのですから、不満あるいは不安という状況を示しているのかもしれませんし、別の考えとしては、パメラさんが非常に高貴な方なのか、宗教に凝っている方なのもしれません。(私はパメラさんと面識があるわけではありませんので、この辺はわかりません)
 次に四課をみると、すべての課が下から上を剋す形になっています。渉害課とは、艱難辛苦多く、物事の成就は遅いと課経にあります。
 占時と月将の関係は会ですから、三伝は三合会局になりますが、三伝が三合となるときも結論が出るのが遅いと言われます。(何に書いてあったが思い出せませんが)
 さらに、酉は丑に生じられ、丑は巳に生じられる関係ですから、逆方向です。これまた結果が出るのが遅いことをあらわします。(初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生じる関係が順方向でベスト)いずれも、結果が出るのに時間がかかることを示唆しています。
 四課は失物の状態を示すものですが、これも天空でよくありません。天空は毀損の神であり、すでに破損している可能性があります。天空は試験占いの場合はいいのですが、その他の占いでは、あまりいい意味がありません。日干と比和ですから、それほどの凶意はないかもしれません。
 失物占いでは、十二支の類神の陰神をみるという方法があります。この場合文書ですから十二支では午です。午の陰神は戌です。戌は西北であり、場所でいえば、暗いところ、山、丘、お寺、牢獄、あるいは召使の部屋などの意味がありますが、この辺は常識で判断すべきでしょう。(なおこれらには本人は心当たりがないと言われてました)
 初伝はなくしたきっかけですが、勾陳ではいまひとつピンときません。というか、勾陳のあらわす意味がつかめません。(今のところお手上げ)なくした日の状況を聞けばもう少しなにかわかるかもしれませんが…
 中伝の太常は、この場合酒食というような意味というよりは、日常生活のことで、三課から冲刑を受けているので、失せ物のことで、平穏でいられない状態を示しているものと思います。
 末伝は貴人ですが、空亡がついており、結果はあまりよくありません。空亡は吉凶ともに無効にしてしまうからです。
 肝心のどこでなくしたかは、常識的に判断すべきで、なくした状況や前後の行動を聞かねばなんともいえません。ただ、この課式からは盗難にあったという意味はあまり強くないように思います。
 ちょっと気になったのは、十二天将のほとんどが土神であること。これが何を意味するのかは今のところわかりません。

 以上がパメラさんへの返事でした。その後の状況について、先日メールで伺いましたが、まだ出てこないとのこと。初伝が酉でこれは太歳(今年の支)ですから、この件の応期は今年いっぱいということになりますが、常識的にいえば、1年もたってから失せ物が出てくるのはまれですから、残念ながら、出てくるのは難しいと思います。

 付記.この結末は第13話に書いています。



第8話 反日デモはどうなる

 日本に戻ってきたほぼ3週間たちますが、中国の反日デモはますます激化しているようです。
 台湾からのニュースは伝わってきませんが、おそらくは冷ややかにみているものと思います。
 巷説では香港や上海では激しいデモはないだろうと言われてましたが、残念ながら昨日16日はそれまででもっとも被害の大きかったデモが上海で起きてしまいました。私の会社も上海事務所を持っており、また知り合いもおりますのでひとごとではありません。
 朝起きて、今後の観測などをテレビでやっておりまして、私も気にかかったので占ってみました。
 ただし、このようなことは本来占いでみるものではなく、情勢を分析して判断するのが筋ですが、まあ堅いことを言わずにみてみましょう。


日干支 辛未  占時 辰  月将 戌  空亡 戌亥  流年 酉

初伝玄武:白虎螣蛇勾陳太陰
中伝螣蛇
末伝太陰

 占時は父母で太陰ですから、きっかけはインターネットというのはなんとなくうなづけます。またあまり悪意はないものと思われます。
 返吟課ですから、予断を許しません。しかし返吟課でも日干をのぞきすべて土支であり、特殊な課式です。井欄格と呼んでいます。なんといっても上下の相剋がありませんから、ある意味では変化に乏しいといえます。

 この占いの目的は、反日デモがどうなるかですから、一課を中国民衆とするのはいいとして、三課をデモと考えるべきでしょうか?それとも日本と考えるべきでしょうか?このことは、大六壬においては大事なことですが、私としても迷います。しかし、日本が直接の当事者ともいえないので、願望占いと同様に、三課を目的、すなわち反日デモととりあえず考えることにしましょう。

 一課は太陰ですから、過激なイメージとは反対です。デモの主体である人々は、デモを行うことを別とすれば、騒ぎになることは望んでいないものと考えられます。しかし、二課は勾陳ですから、その取り巻きというか周囲はまさに争乱を巻き起こすおそれがありますし、実際そうなっています。しかし空亡ですので、その影響は限定的でしょう。なお、勾陳には警察という象意もあります。
 しかし、三課、四課は螣蛇、白虎です。災厄とか流血とかいう意味を表しますから、これはよくありません。初伝も玄武であり凶将です。
 井欄格においては、十二天将が凶の場合はすなわち凶象となるとありますから、当面はこの問題は解決しそうにありません。むしろ悪化していくでしょう。トウ蛇や白虎、玄武の象意から考えると、騒動はますます激しくなり、いよいよ武器を持っての混乱も考えられます。
 では、この混乱は収まるのでしょうか?

 以下は伝統的な大六壬とは少し違う私の方法ですので、あらかじめお断りしておきます。
 この事態を収拾するのはやはり中国政府であろうと考えます。一課、末伝の辰を合するのは酉であり、また日干の兄弟です。酉の十二天将は青龍です。青龍には権力とか金銭という意味があります。酉の陰神は卯で天后がついています。天后の象意は柔軟、女性です。
 以上から判断すると、国家権力の介入、ただし抑えこむというよりは軟着陸を目指すものと思います。金銭的な解決もあるかもしれません。また解決には女性が活躍するのかもしれません。しかし、卯の場合は木剋土で、女性が表に出た場合むしろデモを抑えこむ方向になるかもしれません。中国の副首相は女性だったと思いますが、彼女は女丈夫ですから…。これについてのコメントは差し控えます。

 まあ、早期の終息を祈るばかりです。さらに韓国に飛び火するのはぜひとも避けて欲しいと思います。ちなみに明日から韓国暮らしのスタートです。

 とここまで書いたのは4月17日ですが、その後は予想と違った展開になっています。まあ、5月4日を過ぎたら検討したいと思いますので、しばらくお待ちください。



第7話 陳水扁撃たれる!1周年?!

 このコーナーの第1話が陳水扁撃たれるで、それから1周年たってしまいました。
 このコーナーの話が1年たってまだ8話というのはさびしいですが、別に当たっている例だけを捜して載せてるわけではないです。さしさわりのある例が多いのと、私の不精さのためです。今年は、せめて月1例は出したいと思います。
 さて、陳水扁が撃たれて1年がたちますが、先日刑事部より重大発表がありました。それは、陳水扁の狙撃犯は昨年3月末に溺死していた(させられた?)というものです。
 3月7日の昼にニュースをみて知りました。果たして彼が事件の犯人かどうかを占ってみました。


日干支 庚寅  占時 午  月将 亥  空亡 午未  流年 酉

初伝螣蛇:螣蛇天空白虎貴人
中伝太常
末伝六合

 占時をみてみると官鬼で白虎。この組合せはいかにも殺人事件という感じです。
 比用課ですから、判断ははっきりしません。
 四課が発用(初伝)ですから、内事、すなわち内輪の話が発端となったと考えられます。

 この占いは彼が犯人かどうかを占うので、一課を犯人、三課を事件と考えるべきでしょう。
 一課の天将は貴人です。どうも犯人像とは結びつかない感じです。(?)しかし、二課は午で占時と同じく白虎、官鬼です。このことは、彼の周りの人間はあまり良くない人々のようです。午は空亡ですから、多少凶意は低減されると考えられますが。
 三課をみると未であり、未は一課と冲の関係であり、天空でしかも空亡です。これから考えると、彼と事件の関係は希薄です。この卦から判断するかぎり、彼は狙撃事件とは関係があっても、首謀者ではないと思われます。(別の見方では、彼はすでに事件とは無関係になっているともとれる。というのも既に死んでしまったので)

 本人はすでに亡くなっているとのことで、これ以上の展開は望めませんが、中伝、末伝が、太常、六合と続くので、これ以上の事件の進展はどうも望み薄です。何となく時とともに忘れ去られそう。(日常の中に埋没していくような)

 以上はあくまで占いの結果なので、実際は今後の捜査の展開を待ちたいと思いますが、現時点では刑事部の発表には直接的な証拠がなく、一般庶民にはいまいち信じられていないようです。
 ちなみに十二運をみてみると、1課は墓、初伝は死ですが、まあこれは偶然すぎるような。



第6話 2005年の台湾液晶業界

 台湾はこの時期、占い師がテレビに出てきて、新年をいろいろと占います。
 2月7日にテレビを見ていましたら、台湾では有名な林真邑師が出演して、台湾の液晶パネルメーカー(面板業界という)について話していました。
 私がテレビを見ていたのは、20時30分。その時刻で同じ課題を占ってみました。
 第3話と合わせて読んでいただければ幸いです。


日干支 壬戌  占時 戌  月将 子  空亡 子丑  流年 酉

初伝白虎:玄武白虎太陰太常
中伝玄武
末伝天后

 占時をみてみると、官鬼でこれは役所とか訴訟です。どうもしょっぱなからあまりいい感じはしません。この課は重審課であって、順序がよくなく、吉凶の判断も注意を要する課です。

 一課二課を業界、三課四課を市場と考えてみましょう。
 まず、一課は太常です。これは業界に変動はないということでしょうか?しかし、日干を剋しているので単純に考えていいものかちょっと迷います。
 初伝は三課からとっており、子で白虎の凶神です。第3話でも言ったとおり、状況は依然生易しくありませんが、空亡ですので、凶意はやや弱くなります。
 中伝は玄武で凶神です。盗難とか陰謀とかの意味がありますが、いい意味では積極性の意味もあります。
 末伝は天后で吉神ですが、日干の墓にあたります。天后には女性、柔弱の意味があります。
 各神の関係を見てみると、一課と三課は支合、末伝と三課は会、二課と三課、初伝は刑です。

 まとめると、初伝と三課が白虎で二課の刑を受けていますので、現在の状況は決してよくありません。市場も冷え込んだままでしょう。中伝も日干を洩らし、また末伝も墓なので、いまいち良さに欠けますが、ただ、末伝は一課と助、三課と会の関係にあるため、完全ではないものの回復が期待されます。その時期は、末伝の遁干が丙ですので来年である丙戌年か?もっとも丙は季節では夏ですから、早ければ夏にも回復の兆しがあるかもしれません。

付記.台湾のLCD業界の生産は2005年初夏から回復してきています。



第5話 転職占い

 1年以上前の話で、もう時効だから載せても大丈夫でしょう。
 身内に頼まれて、転職するのはどうか、というのを占ったものです。私は占いを生業とはしていないので、人の占いはしないのですが、身内ということで引き受けました。電話を受けたのが、2003年1月8日の夜9時20分でしたので、その時間で占いました。


日干支 辛巳  占時 亥  月将 丑  空亡 申酉 本命 酉

初伝太常:六合螣蛇太常天空
中伝太陰
末伝貴人

 まず占時をみてみると、亥は子孫にあたります。子孫というのは、官鬼を剋すものですから、失業という意味もあります。このときこの知人はまだ元の会社をやめていなかったのですが、これはいずれやめることを示していたことになります。このときは気が付かなかったのですが…。
 この課は遥剋課であり、結論が出るのに時間がかかることを暗示しています。

 転職ですので、一課を本人、三課を転職先とします。
 結論からいえば、転職はできるでしょうが、本人の意にそわない可能性が大きいと判断しました。
 末伝は一課とは冲ですので凶、三課と末伝は午未の合ですので吉、一課と三課は害ですが、三課は一課の官鬼でこれはまさに職業を示しています。三課は日干を生じており、吉凶半ばで転職が成功するかどうかは判断が難しいです。
 しかし、私は転職できると考えました。末伝は貴人でしかも三課と合ですので、えらい人の口利きがあるものと考えます。おそらくその口利きが功をそうするのではないかと考えたのです。午とは冲で、意にそわないといったのは、そのせいです。
 一課は天空でしかも日干を洩らしているので、本人自身は非常に疲れている状態だろうと思います。このようなときに転職を判断するのは適当でないと考え、「転職はできるけど不本意な職業につきそうだ。ゆっくり考えてみては」と返事しました。

 この後1週間ぐらいして、本人は元の会社をやめました。しばらくは休養し、就職活動はぼつぼつやっていたようです。結局、半年ぐらいして就職しましたが、口利きがあったようです。誰の口利きかは確認していません。(たぶん就職先の社長から人事へ口利きがあったのではと推測しています)
 就職先の候補は2つあって、食品会社とホテルや交通を手広くやっている会社だったそうです。結局後者の会社に就職しました。四課の六合は商業、交易を意味しますから、まあ当たっているような。

 その後しばらくたってから直接会って話をしました。なかなか大変な様子で結構疲れているようでした。まあ事前に「不本意な職業」などと言ってしまったので、それが先入観になっているのかもしれませんが。
 占いのときには触れなかったのですが、三課に螣蛇がついているのが心配です。その会社に訴訟ごとや事故などがなければいいが、と思っています。
 後で気が付いたのですが、二課には太常がついています。太常は酒食という意味があります。今さらではありますが、食品会社の方が性にあっていたのではないかとちょっと思っています。

付記.この方は、結局2年ほど勤めたあとこの会社をやめて、また元と同じ業種の会社に転職しました。



第4話 水はいつ出るか?

 2004年の台風は異常でした。日本も大変でしたが、台湾も大変でした。
 台風の影響で、8月23日から桃園地区は断水となってしまいました。やきもきしながら、水が出るのを待ってました。結局は2週間以上断水ということで、かなり不便な生活を強いられてしまいました。
 この占いは水が出ないとき(8月27日)に、いつ水が出るかを知りたくて占ったものです。


日干支 戊寅  占時 亥  月将 巳   空亡 申酉

初伝白虎:白虎螣蛇太陰勾陳
中伝螣蛇
末伝白虎

 まず占時をみると財です。この占いの場合は占う目的というか対象物が水と明確です。生命にかかわるものということで財にあたるのでこの点は符合しているとしましょう。返吟課ですので、思惑と反対の結果になりがちです。つまり、水がでるかと思えば出ない、出ないとあきらめると出るというような状況と判断できます。

 一課と三課をまず定めましょう。私は、一課は自分、三課は待っているもの、すなわち水と考えました。願望占いと同じように考えたわけです。この占いの目的は「水はいつ出るか?」という問題ですので、自分のことは議論する必要はないわけで、三課、四課、三伝のみをみて判断すればよいといえます。

 さて、二課は太陰ですがこれは遅滞を意味します。私の期待は滞っていて、私の周辺もやきもきしている状況でしょう。。心配なのは、初伝や四課についている白虎と中伝についている螣蛇です。白虎は災禍や傷害、交通を意味します。確かにきっかけは台風ですので災禍といえるでしょう。螣蛇は驚く事、怪異、憂い、訴訟ごとなどです。こう並べてみると、事件の経過としては、やや血なまぐささを感じざるを得ません。おそらく水が出るまでには、かなりの紆余曲折があるものと考えられます。

 さて、では水はいつ出るのでしょうか?返吟課ですので、水が出ると発表される日より早かったり遅かったりする可能性があります。状況としては遅くなるのではないかと思います。ニュースなどでは数日後といってましたので、末伝からとった寅や戊日というのはちょっと先すぎる感じです。で、考えたのは末伝寅と会や合になる日で、直近の午日、戌日、亥日と推測、8月30日、9月4日、5日と考えました。希望的には、8月30日でしたが。

 水が出たのは、結論からいえば9月4日でした。ただ、最終的に政府が発表したのは供水開始は9月5日でしたが、私の住んでいるマンションはその前日、9月4日から水が出ました。なんでそうなったのかはわかりませんが、まさしく返吟課の示すとおり(出ないと思ったら出る)になったわけです。
 実は、8月30日を期待していたので、その日に出なかったのはちょっとショックだったのですが。
 ちなみに、今回の断水では抗議行動が続出、政府や水道会社(台湾自来水公司)の発表も二転三転しました。さらに悲しいことに、水道会社の職員が過労死するという痛ましい事件もありました。これは螣蛇が示していることです。占いが当たるのは私にはいいことなのですが(勉強の成果が出ているという意味で)、こういう悲しいことはあまり適中してほしくないものです。
 ちなみに、現在も水道配管は仮の配管で道路上に敷設されています。白虎には道路という意味もありますが、これは偶然でしょう。



第3話 台湾の液晶業界の行方?

 これはまだ結論がでていないのですが、何となく適中しそうになってきたのであげることにしました。
 私の仕事が液晶業界に関わっているので、ためしに占ってみたものです。
 2004年の初めまで、台湾の液晶業界は非常に好調でした。しかし、5月ぐらいになって何となく雲行きがおかしいなと 感じられるようになりました。(その時点でも業界はかなり強気でしたが)
 仕事中にふと気になったので、時刻をみると、2004年5月21日10時20分頃。 例によって、仕事中であったのでとりあえず時間だけメモし帰宅後検討しました。課式は、下のとおりです。


日干支 庚子  占時 巳  月将 申   空亡 辰巳

初伝白虎:白虎太陰天后朱雀
中伝勾陳
末伝トウ蛇

 まず日干支を何とするかですが、日干を液晶業界とし、日支を業績と考えます。

 日干の強さをみると、占時は官鬼ですし、5月は季節も夏ですから、日干は弱いといえます。よって、業界には力強さに欠けると判断しました。
 課は遥剋課であり、状況は判然としません。すなわち、5月時点ではまだ判断は難しいということでしょう。
 三伝をみてみると、十二天将は、白虎、勾陳、トウ蛇でいずれも悪神です。それもそのはずで、三伝は午酉子で方位にとれば、それぞれ90度の角度をなしています。この場合、初伝が悪神ならば、中伝、末伝ともに悪神になることが多いです。
ということで、台湾液晶業界の先行きは暗いと言った方がよいかもしれません。

 ここで時期的なものを考えてみますと、占った時点は巳月ですでに夏です。初伝は午ですから、これも夏を示しています。酉は季節的には秋、子は冬にあたります。私の考えでは、この冬までは、業界の回復はないと思います。ただし、この時期の見方(応期の考え方)は術者によっては否定するかもしれません。

 どういう状況になるかといえば、初伝が白虎ですから、状況は生易しいものではありません。一課に朱雀があり、朱雀は飾り立てるという意味がありますから、今から思えば、5月時点では単に強気なだけで、実際の業績はかなり厳しい状況であったのではないでしょうか。
 中伝は勾陳で、これは遅滞を意味しますから、秋ごろも業績は停滞したまま。さらに末伝はトウ蛇で、心配事や驚きですので、ひょっとすると冬には何か異変があるかもしれません。

 この文章は8月に書いています。現在、台湾液晶メーカーは、公式には10~15%減産といっていますが、私の感じではそれ以上の減産を行っているようです。2004年の私の会社の業績もちょっと心配になってきました。

付記.
この後しばらく液晶メーカーは減産を続けました。心配された業界再編は結局ありませんでしたが、業績はかなり厳しいものとなりました。
2005年のことについては第6話に書いています。



第2話 父の病気は?

 ちょっと古い話で、さらに身内の話で恐縮ですが、私の数少ない病占例ですので、紹介します。なお、父はまだ健在です。
 電話で、父が食道ガンで入院すると電話を受けたのが、2002年8月10日9時45分頃でした。(このときはまだ私は日本で仕事をしておりました)
 かなり心配でしたが、仕事中でもあったのでとりあえず時間だけメモし帰宅後検討しました。課式は、下のとおりです。


日干支 庚戌  占時 巳  月将 午   空亡 寅卯

初伝太陰:天后太陰玄武太常
中伝天后
末伝貴人

 身内の病気となると、どうしても悪く悪く考えてしまいますし、医学書によると食道ガンというのは死亡率の高いガンであるそうで、 占うのも恐ろしかったのですが、意を決して課式をたてました。

 病占の基本ですが、一課を病人、三課を病気とします。
 占時巳は官鬼で通常は非常に悪いですが、巳申は支合であり、一概に悪いともいえません。ただ、食道ガンにかかっているのはまぎれもない事実ですから、現状は厳しいと判断しました。気になるのは治るかどうかですが、末伝は丑で貴人、日干を生じ、また支上神を剋するので、病気は治ると考えられます。しかし、丑は庚の墓にあたるため、予断は許しません。日干および干上神から支上神を生じていることから、治るにしても本人はかなり疲弊するはずです。

 初伝は太陰で、支上神も太陰ですから、病状は安定しています。治療に関しては、初伝の遁干が辛ですから、手術ということになるでしょう。
 また、二課は医者、薬を表します。玄武が付いていますが、それは悪い十二天将です。ただ、日干、干上神を生じており、いい意味でとらえれば、陰の実力者、一網打尽ということもありますから、手術によって一気に病気を解決してくれそうな感じもします。

 以上が、電話を受けた当日の占断でした。でも、そうはいっても、末伝が墓であるとか(病気占いでは非常に悪い)、日干が支上神を生じるとか、そういう悪いことばかりが気になって、この病気は最終的には治るのだという確信はどうしても持てませんでした。

 結果ですが、10月に食道全摘出という大手術を行いました。それにより全てのガンを取り除き(と医者は言っていた)、文字通り一網打尽で、その後の転移もなく順調に回復。以前ほどではありませんが、今ではすっかり元気になりました。
 手術後、抗がん剤によって転移を抑えるという治療法が医者の方から打診されましたが、私は手術後の経過が順調だったことと、これ以上体に負担になるようなことはしてはいけないだろうと思い、父母に抗がん剤治療はやめるように進言しました。
 お断りしておきますが、私は医者に治療法を指示したわけではありませんで、親からどうかなと意見を求められたので、自分の意見を述べたまで。医者の方も、無理に使わなくてもいいとは思っていたふしがあり、使わないという方針はすんなり同意されたとの由。

 占断についてさらに分析してみます。  電話当日の占断はおおむね正しかったと思います。
 応期に関しては、手術は10月だったのですが、実際に回復したのは12月。末伝丑と合となる子月でした。ただ、これは後知恵で、実際手術が何月になるかわかりませんでしたので、いつ治るかは当時は見当もつきませんでした。もっとも術者によっては、三伝が方局をなしていることから、この冬のうちに治ると判断する人がいるかもしれません。
 応期というのは、大六壬ではもっとも難しい分野ですので、今後の課題にしておきます。

 余談ですが、病気にかかってからというもの、母は四国のとあるお寺さんにちょくちょく出掛けて、病気平癒の祈願をしていました。話によると、そこのお坊さんは大変立派な方だそうで、(私は会った事がありません)貴人や太陰はその方を示しているのかもしれません。

 さらに余談ですが、手術当時、私の家は先祖の墓(五輪塔)を建立中でありました。建墓にあたっては父の代理で私が立ち会いました。ま、末伝の墓とは偶然の一致なのでしょうけど。



第1話 陳水扁撃たれる!

 台湾に住んでいる関係で、3月20日の台湾総統選は私にとって公的にも私的にも影響の大きな事件でした。
 その前日、3月19日15時50分頃、会社で仕事をしていたのですが、従業員から「陳水扁が狙撃された」という情報が入ってきました。実際に撃たれたのは13時半頃だったのですが、それは帰宅してからわかったことです。
 話を聞いた瞬間にとっさに思ったのは、「犯人は誰で、何の目的で撃ったのか?」ということです。このようなことを占うのは、大六壬が最も適しています。仕事中でしたから、とりあえず日付と時間だけをメモして、帰宅後検討することにしました。
 なお、この事件は現在のところ(5月16日)未解決ですので、この実占が当たっているかどうかはまだわかりません。
 3月19日15時50分の課式は、下のとおりです。


日干支 丁酉  占時 申  月将 亥   空亡 辰巳

初伝天后:太常天后太陰螣蛇
中伝太常
末伝青龍

 この場合は、占いの目的が、「犯人は誰か」ということでしたので、一課が主体で犯人を表すとします。撃たれた陳水扁が主体ではありません。さらに三課は犯人の目的となります。ここはちょっと判断の分かれるところで、後で述べます。

 大六壬は、まず占時を見るのが基本です。占時は日干からみて財であり、十二天将は六合です。財は文字通りお金ですし、六合は取引、隠し事の象意がありますから、金銭からみのことと推察されます。
 一課をみてみると、干上神は「トウ蛇」であり、これは悪人を表します。端的にいえばやくざの類。
 二課は、犯人の属している団体あるいは背景と考えられますが、太陰には兄弟とか宗教とかという意味があります。
 三課は、犯人の目的ですが、天后ですから女性です。また六親は官鬼であり、ここは二通りの考え方ができます。
 ひとつは、犯人の狙いが副総統候補であった呂秀蓮を指すという考え。たしかに彼女は女性で、当時も副総統でしたから、官鬼の象意とも合います。もうひとつの考え方は、犯人に犯行を指示したのが女性であったというもの。官鬼には上司という意味がありますから、こういう考え方もありえます。わたしは、始めは後者の考えでしたが、今は迷っています。犯人がつかまったらはっきりするでしょう。

 では、この事件はどう推移するのでしょうか。
 残念ながら、展開は犯人に有利のようです。中伝は卯で干上神と合で日干を生じていますし、末伝は午で干上神を生じ、日干と比和ですから、一課に不利な面はありません。ただ、三課は末伝と冲の関係ですから、犯人の目的は果たされない可能性があります。
 しかし、三課を呂秀蓮だとすれば、本事件によって彼女はかなりダメージを受けているとも考えられます。
 その他、子卯は互刑であること、子丑は支合であることなどを考えると、想像はどんどんふくらみますが、この辺でやめておきます。

 以上まとめると、犯人自体に政治的動機はなく、金銭によって依頼されたやくざの類であり、本事件の解決は難しいということになります。
 何度も言いますが、この結果はまだ出ていません。真相がわかれば、さらに検討してみたいと思います。

付記.2005年3月24日時点では犯人はわかりません。



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