基本的には、貴賎と成敗と福徳というのは異質なものですが、意外と別にしにくいので、ここではそれらを区別せず取り上げます。
辛 | 癸 | 甲 | 丙 | . | 68 | 58 | 48 | 38 | 28 | 18 |
酉 | 巳 | 午 | 寅 | . | 丁 | 戊 | 己 | 庚 | 辛 | 壬 |
- | - | 丁 | - | . | 亥 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 |
【命式】
日干の強さをみてみると、通根していませんので、日干が強いとはいえません。ただ、時干に金があり通根して結構強いですから、金生水で日干は生じられて従格にはなりません。
夏生まれでしかも寅午巳に通根している丙火が一番強いといえます。これに比べると、日干は印に頼っているだけですので、比較的弱いといえます。
甲はどうでしょうか。寅に通根していますから、癸よりは強いですが、通根しているのは一つですから、丙や辛に比べると弱いです。
日干を強めることがこの命式のポイントといえます。
【判断】
性格を考えると、財が強いので他人を支配しようとするところがありますが、日干が弱すぎてそのようにはできません。日干が弱いのでいまひとつ意志薄弱、その割には他人を従えようとするのですから、性格的には他の人に好かれるというようなことはなさそうです。印が救いですから、他の人をうまく利用するというところもあります。
財が強いのですが日干が弱いのですから、財をつかむのは難しいです。というより、財を有効に利用できません。このような人は貧乏であることが多いのですが、財が忌神でも一応命式中にありますので、財が手に入ることがないわけではありません。
巳は辛の根でありますので、喜神といえるでしょう。時柱と会の関係ですから、夫との仲は悪くないでしょうが、正官戊は忌神であり、本人にとってはあまりよくありません。
官は忌神ですから、貴命とは言い難いです。幸い命式中にはないですが、28歳から47歳まで土運ですから、もっとも働きざかりのときに忌神の官殺がめぐってくるということは、働いていても出世はできないし、いいことはないでしょう。しかも傷官見官ですから、これは苦命といえます。
時柱は干支とも金であり喜神といえるでしょうし、日支と会ですから子供は助けになります。
晩年が水運で、時柱が喜神ですから、晩年の方がよいといえます。幸い保険金が入ったわけですが、この財は命式中の正財丙との関連はないと思います。しいてこじつけられないこともないですが、ここでは関係ないとしておきます。
(丙) | 庚 | 壬 | 己 | . | 48 | 38 | 28 | 18 |
(子) | 辰 | 申 | 酉 | . | 丁 | 戊 | 己 | 庚 |
- | - | 庚 | - | . | 卯 | 辰 | 巳 | 午 |
【命式】
とある方から、この人についての意見を求められて、実は未だその方に回答していないのですが、ここに取り上げることにしました。この例はその方への回答でもあります。
この人は現在(2006年3月25日)話題の人物です。さしさわりがあると大変なので、具体的な事件については触れません。あしからず。
さて、生時がわかりませんから、まずは三柱でみてみますと、日主は月令に旺じて強く、水も2支に通根していますから、まあ強いといえましょう。また印もあり通根していますから、食神と印があり、この人は頭がよいことが推察されます。
ところで、この人の経歴をみると、どうも土金運が喜神運のように思います。とすると、従旺格か内格でも日主よりも食傷の強い命式だということになります。そこで時柱で候補としてあがるのは、丙子、丁丑、辛巳、癸未、丁亥が考えられます。ただ顔かたちから判断すると、金気が強いという感じではなく、辛巳ではないように思います。
あとはしぼりにくいのですが、ここでは丙子と考えてみましょう。すると、地支が三合となり、壬が強くなります。それを己が抑えているかたちといえます。食神が月柱にあり強いのですから、他人とか社会にどう見られているかを気にするタイプだといえます。日主も弱くありませんから、周囲に流されるというわけではなく、自分の意志というのは持っています。この人が功名心に流されるかどうかは、食神と日主の強さ、および時干の七殺の作用とかかわってきます。
食傷が強い場合には財があった方がいい、とはどこかに書きました。財を欲する命式で財がありませんから、他人とかかわって人を使うことは苦手でしょう。リーダーシップはあまりない人だといえます。ただ、時干に七殺があり、食神がそれを抑える形に一応なっていますから、七殺が日主を傷めるほど強くない行運では出世するでしょう。
【判断】
さて、この人は庚辰年に世に出ました。大運は己運であり、日主、印ともに強くなり印が食神を抑えることになります。食神のよい面が出ると、面倒見がよく人に好感をもたれます。世に出たときは結構人気があったでしょう。
ところが、巳運になりますと、月支申を合して日主の根を弱めます。申は三合の一角であり壬の根でもあるので、痛み分けみたいなところもありますが、巳自体は丙火の根になり、丙が強くなりますから、日主が弱くなります。もともと功名心が強く、日主が抑えられていては、ちょっとしたきっかけで表に出たがりたくなる状態になっているといえるでしょう。
さて2006年は丙戌年で日干支といわゆる天戦地冲の関係になります。このような年は、災害や事故にあいやすく、注意力が落ちる時期だといわれます。まして日主が弱い状態なのですから、凶意は増します。七殺というのは”いちかばちか”という面がありますから、なおさら問題を引き起こしかねないといえます。
では、今後はどうなるでしょうか。日主が弱い状態ですから、自分では決められず周囲に流されることになります。今年いっぱいは他人に翻弄されることになるでしょう。(身からでたさびではあります)
あと2年たてば、大運も戊運にはいりますし、2008年は戊子年であり、食神は旺じるものの印で抑えられることになり、運勢は好転するでしょう。
以上は時支が丙子と仮定した場合ですが、丁丑、丁亥でも、大きくは変わりません。丁は壬と合すると考える術者もいらっしゃいますが、私は近貼していない場合は干合の作用は弱いと思っています。丙との違いは、丁の場合庚を剋する作用が強いため、丙よりもう少し強い作用になるとは思います。また行運についても作用が異なってきます。ただ上の見方に限って言うと、まあ似たようなものです。
で、この例の人の場合は、ここしばらくは、周囲の批判等に我慢できるか、人間力を問われる時期となるでしょう。
乙 | 甲 | 辛 | 癸 | . | 63 | 53 | 43 | 33 | 23 | 13 |
丑 | 午 | 酉 | 亥 | . | 甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 | 己 |
- | - | 辛 | - | . | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 | 午 | 未 |
【命式】
甲は秋生まれで弱いようですが、劫財、印があり亥に通根しているので、弱いわけではないようです。辛は秋生まれで強いようですが、丑酉に通根しているだけでしかも癸に洩らされ、さほど強いわけでもないでしょう。
これは両神成象格というべきで、金木の強さは同じぐらいだと思います。すると通関用神である火が喜神といえるでしょうか。
午、丁、巳、丙運は火運ですから喜神となります。
しかし辰、卯運は酉と合したり冲したりするので、官が弱くなり貴命ではなくなります。
【判断】
正官が身貼して強いのですが、なぜこの命式が村長格なのでしょうか。格の高低について、その高低が命式でわかると書かれている本はたくさんありますが、具体的に議論している書はほとんどないように思います。
この命式の場合、両神成象格とはいいながら、干支どうしの関係があまり強くありません。まず甲と辛の関係では、辛は甲を剋すにはよほどのエネルギーが必要です。幸い地支が酉で月令に旺じていますから、甲を剋するに負けない程度のエネルギーはあります。
一方甲をみると、劫財乙は甲を生じる力がありませんし、癸印は遠いですからあまり助けになりません。午は死ですし、亥に通根しているといっても、年支ですから遠いです。つまり甲は辛の剋を圧倒できるほどの強さもないわけで、要は弱いものどうしの均衡を保っているわけです。また火の行運は確かにバランスを保つものですが、消極的なバランスの保ち方です。(火は木を洩らして弱め、金を剋して弱める)
一応正官が働いているうちは低いレベルながらも貴命ですが、正官の働きを失う、すなわち辰運、卯運はその貴が失われるわけで、村長職を失うことになります。
癸 | 丙 | 丙 | 丁 | . | 48 | 38 | 28 | 18 | 8 |
巳 | 寅 | 午 | 未 | . | 辛 | 壬 | 癸 | 甲 | 乙 |
- | - | 丁 | - | . | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 |
【命式】
丙日夏生まれで、比劫多く地支は火支ばかりであり、極端に火の強い命式といえます。癸はありますが、根も助もなく、これは従旺格といえましょう。従旺格の官殺は傷です。従旺格においては官殺が混じると賎命となります。また地支は午未は合ですが、寅午が火局、巳午未は火方であり、方と局が混じるのはよくありません。また寅巳の刑もあり、まず賎命といっていいでしょう。
【判断】
辰運においては、癸が通根して強くなりますので、官が強くなります。さらに癸運になり乙亥年で、癸は通根しますのでさらに強くなります。亥は巳と冲ですが、寅と合であり、合冲とも解かれて、作用を生じます。ところが丙子運では、子は癸の根ですが、午未の合を解くことになり、吉凶半ばというところです。その後は卯壬寅運と続きますが、卯や寅運はまだいいのですが、壬は丁と合して悪くさらに辛運では丙と合しますので、悪いです。戊運になれば癸と合して化火しますから発福するかもしれませんが、78歳以降のことですから、おそらくはその前に亡くなるでしょう。
癸 | 癸 | 壬 | 甲 | . | 66 | 56 | 46 | 36 | 26 | 16 |
亥 | 亥 | 申 | 申 | . | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 | 己 | 庚 |
- | - | 庚 | - | . | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 | 午 |
【命式】
癸日主が秋生まれですので強い日主です。申は水の絶地ですが、金が水を生じまた蔵干に壬もありますから水を強めます。比劫多くまた地支全部に通根しており、土気がありませんから、従旺格ととります。傷官甲は亥に通根しており、そこそこです。この従旺格の傷官は喜神です。従旺格ですから、金水木が喜神で土が忌神です。火は木をうまく洩らしますから、喜神ととっていいでしょう。調候的にも火が欲しい命式です。ただし丁は忌神です。
従旺格で官殺の傷がなく、比劫が十分強く、喜神が多いので好命です。
傷となりそうな戊己ですが、戊は癸と合して癸を取り去るだけですし、己は甲と合して傷官を取り去るだけですから、官殺としての作用はほとんどありません。また土支も地支への作用はあまりなく、心配いりません。したがって一生を通じて困難や災禍などほとんどないという恵まれた人生を送ることになります。
しいていえば、癸を非常に強く助ける壬を合する丁は忌神であること、寅や巳は地支の申亥と合冲をなし、また刑でもあり地支の作用に変動を与えることから忌神です。
【判断】
この女性は台湾の某大病院の院長夫人であり、幼時よりほとんど苦労をしていない人で、現在(本が書かれた当時)も幸せに暮らしている人です。
辛 | 辛 | 戊 | 丙 | . | 66 | 56 | 46 | 36 | 26 | 16 |
卯 | 未 | 戌 | 戌 | . | 乙 | 甲 | 癸 | 壬 | 辛 | 庚 |
- | - | 戊 | - | . | 巳 | 辰 | 卯 | 寅 | 丑 | 子 |
【命式】
これは「四柱推命の見方総論」でも取り上げた命式ですが、再度みてみることにします。
土用生まれの辛金日主ですから、季節的には強いといえます。一応戌にも通根しています。戊土は3支に通根して火から生じられしかも土用生まれですから、きわめて強いといえます。丙火はやはり3支に通根しており強いといえます。あとの五行では、木は卯未にありますが、水は全くありません。
五行的には、日主と印が強いので、財食傷が喜神といえます。官殺は印を強める作用があるので時と場合によりけりです。この場合は、印が強すぎで埋金の恐れが強く、土を抑える木が喜神です。また命式中に水がないのは傷であり、水が必要です。
なお金は一応忌神ですが、埋金の場合には金はそれほど悪いわけではありません。
【判断】
さて、おおざっぱにいって、官印(とくに印)が多いのは学問好きで、喜神運が来れば出世します。この命はまさにそういう命です。少年期は北方運で食傷の喜神運です。食傷は聡明、表現などを表します。すなわち少年時代から学問好きで聡明であることがよみとれます。
中年期からは、壬寅癸卯と水木運となり、これは明らかに喜神運です。官印が強い場合の喜神運は出世すると書きましたが、まさにその行運となっています。
本文によれば卯運に出世していますが、実際によかったのは壬運ではないかと思います。このころ研究の業績があがったのではないかと。これはあくまで私の想像ですが。
いずれにしても、官印が強く食傷が喜神の場合、学問で身を立てることが多いのですが、この命式はその典型的な例だといえるでしょう。
辛 | 乙 | 癸 | 壬 | . | 52 | 42 | 32 | 22 | 12 | 2 |
巳 | 卯 | 丑 | 寅 | . | 丁 | 戊 | 己 | 庚 | 辛 | 壬 |
- | - | 癸 | - | . | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 | 子 |
【命式】
前の例と似て、印の強い命式です。
丑月ですが、月令は癸水となり、乙日を生じることになります。また寅卯に通根しており、強い日主といえます。水は2干あって冬生まれですから比較的強いです。辛金は巳丑に通根していますが、強さは他の干に劣ります。火土は弱いです。
五行の強弱からは、日主と印が強く官殺があるので、財と官殺を喜神とします。食傷は七殺辛を弱めるので本来忌神ですが、冬生まれで水が強いので、この命式は寒の命式で、乙は凍木気味です。巳寅には多少解凍の作用があるものの、調候的には火を必要とします。ただし丙は辛と合するのでやはり忌神です。
【判断】
印と殺があるので学問好きです。早年は北方運ですから、忌神運となります。印が強いので学問好きですが、依頼心が強くなる傾向となります。家庭環境はあまりよくなかったでしょう。
庚運は正官であり、乙と合して、官の作用が日主に直接的に作用します。この場合、官殺混合の悪い面はあまり出ません。庚は辛に構ってられないというべきでしょうか。すなわち官印双全であり、職業面で吉となります。あるいは恋愛面もいいかもしれません。
命式中の財は弱く、また大運においても戊土は癸と合して財の作用はあまり出ず、戌土も卯と合するため財としての作用は薄いです。未土に至っては丑を合して命中のわずかの財をも取り去ります。してみると、大運において財としての作用があるのは己土だけです。独立して事業を興すには財が力不足であり、勤め人として地道に生きるのがいいと判断します。
甲 | 乙 | 甲 | 戊 | . | 65 | 55 | 45 | 35 | 25 | 15 |
申 | 亥 | 子 | 寅 | . | 辛 | 庚 | 己 | 戊 | 丁 | 丙 |
- | - | 癸 | - | . | 未 | 午 | 巳 | 辰 | 卯 | 寅 |
【命式】
乙木の冬生まれですが、寅亥に通根しており、しかも甲の助を受けるので、木が非常に強い命式といえます。戊は通根しておらず(寅に土があるという人もいるが私はとりません)、甲木から抑えられていますので、弱いです。また地支は申亥子と水が強いです。印比劫が強いので、従旺格と判断します。また冬生まれの木ですから丙丁が欲しいところです。よって、喜神は木水火、喜神は金、財は金があれば忌神、なければ喜神か閑神といえるでしょう。幸い金は申にのみあり、年干が時支を生ずる作用はほとんどありませんから、命式中の戊土は忌神にはなりません。
【判断】
おおざっぱにいって、貴賎は官印でみ、貧富は財食傷でみます。この命式の場合は、忌神である官殺がなく喜神である印が地支に多くあります。よって貴命といえます。命式中の財は喜神といっていいと思いますが、残念ながらあまり強くありません。むしろ比劫争財となっており、財的にはあまりよくないでしょう。
若いときに丙丁運であり、これは喜神の食傷ですから頭の良さで世に出るといえます。また喜神の東方運ですので、なおさらです。戊運は財ですのでむしろよく、辰運は木水土の根となるので好いでしょう。己運は甲を合去するので忌神です。巳運は亥申と合冲となり、巳寅申の三刑でもありますので、この期間から浮き沈みが激しくなり、その次の庚運は強く木を剋すので非常によくありません。この場合財が忌神の官殺を生じますので、金銭的なトラブル(官殺は刑罰も示す)に巻き込まれる可能性があります。
晩年が悪いので、地位は高くとも富命にはなりにくい命式です。
[2012年6月17日追加]
乙 | 戊 | 丁 | 戊 | ・ | 52 | 42 | 32 | 22 | 12 | 2 |
卯 | 午 | 巳 | 子 | ・ | 癸 | 壬 | 辛 | 庚 | 己 | 戊 |
- | - | 丙 | - | ・ | 亥 | 戌 | 酉 | 申 | 未 | 午 |
【命式】
1億6千万円を強奪した犯人。林旺陽師の『天界魔界妖神察法』から採りました。
林旺陽師はこの命式を妖神(神殺)から説明しているのですが、ここでは“hiroto的”な見方でいきましょう。まだ生きている方かもしれないので、生年月日は記載しないことにしました。
戊が夏生まれであり、季節的には強い日主です。年干月干に比劫があるのですが、通根はしていません。ただし午や巳が土を含むとする術者ならば通根とみます。少なくとも巳午は建禄帝旺で火であり土を生じますから日主を強めることになります。時干の乙木は卯に坐していますが、年支子に水があるだけであまり強くありません。よって乙木正官を喜神としますが、弱い喜神です。
五行上の喜忌は木水が喜神、火土金が忌神となります。
【判断】
貴賎という視点からいいますと、喜神の正官が弱いので貴命とはいえません。行運で乙木を強める運が巡ってくればいいのですが、残念ながら中年までの大運は火土金であり、行運での救いがありません。
忌神の印が強く喜神の正官が弱いので、基本的にわがままであり発想が自己中心的です。
若くして家を飛び出したのはやはり年干月干支が忌神だからでしょう。24歳から事業をはじめては潰しの繰り返しで、36歳辛運甲子年に金融業者から1億6千万円を強奪しました。辛運はいうまでもなく傷官運で忌神の正官を剋します。甲子年は喜神年のはずですが、子は午と冲で力がなく、甲は官殺混合、さらに甲子は日干支と天剋地冲で凶意を含みます。こういうものが積み重なって犯罪に手を染めたといえるでしょう。
その後はどうなったかわかりませんが、42歳からは水木運に行きますので、その後はよさそうですが、残念ながら積極的に好転はしません。壬は丁と合して丁火を取り去るだけですし、戌運は卯と合して乙の根の作用を弱めます。癸運は戊と合して化火しますのではっきり忌神でしょう。亥は巳と冲して丁火を弱める程度ですから、劇的によくなる感じはありません。おとなしく会社員などをやっておくのが無難でしょう。
[2012年6月17日追加]
辛 | 己 | 癸 | 庚 | ・ | 68 | 58 | 48 | 38 | 28 | 18 |
未 | 酉 | 未 | 寅 | ・ | 庚 | 己 | 戊 | 丁 | 丙 | 乙 |
- | - | 丁 | - | ・ | 寅 | 丑 | 子 | 亥 | 戌 | 酉 |
【命式】
元台湾総統 馬英九の命式です。
この命式は七政のページで取り上げているのですが、四柱推命でも見てみましょう。
未月なのですが、土用ではなく夏生まれとなります。いずれにしても日主は季節的には強いといえますし、もちろん未に通根の作用はあります。癸水は通根していませんが金の生を受けています。金は庚辛と2つありますが、酉に通根しているのみです。よって五行的な強さは己土の方が強いとします。
身旺ですので、官殺、食傷、財は喜神となります。印と比劫は忌神です。官殺が喜神で天干にはありませんが、地支には寅未があります。行運によって貴命となる可能性があります。また形としては食傷生財であります。聡明であるといえます。
忌神は火土となりますが、土自体がそれほど強くありませんから、火土運が来ても極端に悪くなることはありません。すなわち運が乱高下するようなことはない命式です。実際スキャンダルらしいスキャンダルがありません。
【判断】
命式中に喜神が多く、行運でも波がないので好命で、成功する命です。喜神の官殺が寅未の蔵干以外になく、初年運には巡ってきますので、いいとこの坊ちゃんではありますが、自分で切り開くような貴命とは言い難いと思います。むしろ食傷のよさ(聡明さ、スマートさ)で人気を得ます。
ただ食神辛は己土とはあまり相性がよくないので、子供との関係はいまいちかもしれません。
[2012年6月17日追加]