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2000.09.10
『YASHA 夜叉』第8巻を読んだ。

 シン・スウ・リンだ!
 シン・スウ・リンだ!!
 シン・スウ・リンだ!!!
 

別コミフラワーコミックス『YASHA 夜叉』第8巻
著/吉田秋生 発行/小学館
2000年9月20日初版第1刷発行 ¥390 ISBN4-09-138028-X


2000.09.10
『HUNTER×HUNTER』第9巻を読んだ。

 クラピカも悪くはないんだけれど、例えば似たようなポジションにいた(と思う)「幽遊白書」の蔵馬などに比べると、まだまだ何かが足りないんだよね、そんな気がしてた。
 何が?と考えて、今日わかったよ。

 クラピカ、もっといたぶられなきゃダメだよ。
 私の中のSM心をもっともっと刺激してくれなくちゃ。
 

ジャンプ・コミックス『HUNTER×HUNTER』第9巻(NO.9 9月1日)
著/冨樫義博 発行/集英社
2000年7月9日第1刷発行 ¥390 ISBN4-08-872890-4


2000.09.04
『遺書』を読み終えた。

 自ら命を絶った少年・青年たちによってこの世に残された遺書と家族を追ったドキュメント。
 編集・執筆を含む制作作業を20代の若者グループが手掛けている。

 あっという間に読み終えてしまった。
 物足りなさに不満。
 

『遺書』
制作/verb 発行/サンクチュアリ出版
2000年7月10日初版第1刷発行 ¥1260 ISBN4-88641-520-2


2000.08.26
『傷だらけの天使』を読んだ。

 まってました!の単行本化。
 ああ、まったくTVを観ているかのようだよ。読んでる最中ずーっと、あのテーマ曲が耳から離れなかった。

 脚本・西田俊也、漫画・やまだないと。このおふたり以外には、『傷だらけの天使』はもう誰にも触ってほしくないや。
 

TATSUMI COMICS『傷だらけの天使』
著/やまだないと+西田俊也 原案/市川森一 協力/東宝テレビ部 発行/辰巳出版
2000年7月10日初版第1刷発行 ¥1260 ISBN4-88641-520-2


2000.08.26
『我れに五月を』を読んだ。

 小野塚さんの本。今年に入ってこれで何冊目だろ。
 

DEAR+ COMICS『我れに五月を』
著/小野塚カホリ 発行/新書館
2000年6月15日初版発行 ¥580 ISBN4-403-66030-4


2000.08.26
『トイレのお仕事──ニューヨーク・トイレ再生物語』を読み終えた。

 著者はトイレ壁画デザイナー。駅や住宅や店鋪のトイレ壁画の制作を職業とされている方だ。
 その彼女が「ニューヨーク公衆トイレ再生計画」と銘打って、「汚い、臭い、怖い」ニューヨークの公衆トイレを快適空間に変身させる試みに取り組んだ。
 発案から、かかること数年。山あり谷ありだった、ニューヨーク壁画トイレ第一号完成までの経緯が、本書には詳しく綴られている。

 世の中にはいったいいくつの職業が存在するのか見当すらつかないけれど、ま、間違いなく珍しい部類だよね、トイレ壁画デザイナーって。
 馴染みのないその仕事が実際どんなものなのか、興味深く読んだ。
 ふと教育テレビの番組「はたらくおじさん」を思い出したりして。
 他人の仕事の現場を垣間見るのって楽しいな。

 ところで。メインは前述のとおり「ニューヨーク公衆トイレ再生計画」のドキュメンタリーなのだけれど、横道にそれての話も多く含んだこの本、トイレ考の書としても、あるいはまたニューヨーク旅の手引きとしても使えるかも。
 

集英社新書『トイレのお仕事──ニューヨーク・トイレ再生物語』
著/松永はつ子 発行/集英社
2000年8月22日第1刷発行 ¥680 ISBN4-08-720050-7


2000.08.19
『EDEN』第5巻を読んだ。

 ケンジってなんとなくスマパンのジェイムズ・イハに似てない?
 ……と言ったところで、おそらく誰の同意も得られないだろうな。ま、得られなくても全然かまわないのだけれど。

 いつの間にか、もう5巻。
 5巻目なのに、この物語がどこに向かって突き進んでいるのか未ださっぱりわからない。
 先の展開がまったく読めない。その読めないという点で、この物語はとても現実的だと思う。
 

アフタヌーンKC『EDEN』第5巻
著/遠藤浩輝 発行/講談社
2000年7月20日第1刷発行 ¥505 ISBN4-06-314246-9


2000.08.19
『そどむ』第2巻を読んだ。

 う〜ん、なんかドロドロしてきちゃったなぁ。
 

Wonderland COMICS『そどむ』第2巻
著/小野塚カホリ 発行/宝島社
2000年8月24日第1刷発行 ¥838 ISBN4-7966-1909-7


2000.08.19
『幽霊──或る幼年と青春の物語──』を読み終えた。

 北 杜夫氏の処女長篇小説。23歳の年から書き始められ、後に自費出版された作品だという。

 少年期の終わりに位置する主人公が、忘却した想い出を探し求めようとする、そういう物語。

 読んだ時期が、多分悪かった。
 なんせこちとら、昨日のことを振り返る余裕すらないのだ。
 せっかくの青い感性も、眼前の問題に追われて慌ただしく日々を送っている今のこの身には、ただ甘ったるく感じられるばかりだった。
 

新潮文庫『幽霊──或る幼年と青春の物語──』
著/北 杜夫 発行/新潮社
1965年10月10日発行 ¥400 ISBN4-10-113102-3


2000.06.26
『ローラ、叫んでごらん──フライパンで焼かれた少女の物語』を読み終えた。

 1970年に書かれたもの。
 一歳のとき、両親の手によりフライパンで焼かれた少女、ローラと、臨床精神科医である著者との交流の記録。

 心と身体に傷を負い、言葉を発することのできなかったローラが、徐々に人間性を勝ち得ていく、その過程自体はなかなか感動的だったものの、著者の饒舌ぶりにはちょっとまいった。
 余談とも思えるエピソードが多く、演出もいちいち過剰ぎみ。
 もっと淡々と綴ってくれていいのにな、と途中何度も思った。
 

講談社+α文庫『ローラ、叫んでごらん──フライパンで焼かれた少女の物語』
著/リチャード・ダンブロジオ 訳/関口英男 発行/講談社
2000年2月20日第1刷発行 ¥780 ISBN4-06-256411-4


2000.06.13
『朗読者』を読み終えた。

 新聞やTVが「傑作だ傑作だ」と騒いでいたので手に取った。
 読んでなるほどと思う。
 

『朗読者』
著/ベルンハルト・シュリンク 訳/松永美穂 発行/新潮社
2000年4月25日発行 ¥1800 ISBN4-10-590018-8


2000.06.11
『ベルセルク』第19巻を読んだ。

 絵も話も濃厚すぎて、新刊を手にするたびに正直「もうこれで最後にしよう」と思うのだけれど、なぜだかまた買ってしまった。
 気付いたらもう19巻だよ。
 ああでも、ちくしょう、この先まだまだ長そうだな。
 

JETS COMICS『ベルセルク』第19巻
著/三浦建太郎 発行/白泉社
2000年4月5日第1刷発行 ¥505 ISBN4-592-13717-5


2000.06.10
安田火災東郷青児美術館で『ラファエル前派展』を観た。

 「ラファエル前派」とは、19世紀半ばにイギリスで華咲いた絵画運動。ハント、ミレー、ロセッティらがその中心で、彼らは緻密で迫力のあるリアリズムをベースにして宗教や神話、文学のロマンチックな一場面を好んで描いた。

 ま、そういう学術的なことは後から知ったのだけれどね。けっこう好きだったりするのだな、その手の絵。
 特にバーン=ジョーンズとウォーターハウスはなんだか無視できない存在で、この展覧会も、ふたりの作品を目当てに行ったのだった。

 けど出品数が少なくて残念。
 う〜ん、一度たんまりじっくり観てみたいな。彼らが描いた、とびきり美しい少年少女たちを。
 

『ラファエル前派展』
2000年5月13日〜7月9日 安田火災東郷青児美術館
主催/財団法人安田火災美術財団・産経新聞社・東京新聞 後援/外務省・文化庁・ブリティッシュカウンシル・サンケイスポーツ・夕刊フジ・サンケイリビング新聞 協賛/安田火災海上


2000.05.27
『赤瀬川源平の名画探検 広重ベスト百景』を読み終えた。

 広重の傑作の数々を赤瀬川さんの解説付きで眺められるとは、なんとも贅沢。
 赤瀬川さんの懇切丁寧なガイドのおかげで、広重がますます好きになったよ。

 それにしても広重の浮世絵ってモダンだよなぁ。
 赤瀬川さんも「広重の視角には、現代のカメラアイが潜んでいる」と書かれているけれど、ほんと、広重の目って、画家の目じゃなくカメラマンや映像作家の目だと思う。
 大胆な構図を粋にキメちゃうところが、カッコイイよ、広重。
 

『赤瀬川源平の名画探検 広重ベスト百景』
著/歌川広重(画)・赤瀬川原平(文・構成) 発行/講談社
2000年2月25日第1刷発行 ¥2400 ISBN4-06-209947-0


2000.05.27
国立西洋美術館で『ピカソ 子供の世界』を観た。

 『日本画の100年』を観た帰りに、せっかくだからと寄ってみた。
 ピカソは、まあ特別好きでもなく嫌いでもなく、といったところ。しかし改めて「上手いよなぁ」とは強く思ったよ。
 

『ピカソ 子供の世界』
2000年3月14日〜6月18日 国立西洋美術館
主催/国立西洋美術館・読売新聞社 後援/外務省・文部省・フランス大使館・東京都・日本ユニセフ協会 協賛/清水建設・大正製薬・NTTドコモ・NEC 協力/日本航空・日本通運・東京海上・西洋美術振興財団 企画協力/パリ ピカソ美術館・バルセロナ ピカソ美術館


2000.05.27
東京藝術大学 大学美術館で『日本画の100年』を観た。

 日本画を観るのは楽しい。

 静かと思って近付けば動。
 大胆な構図、目を凝らせば繊細な筆致。
 たとえばそういう何かしらの発見が、私を嬉しくさせてくれる。
 20世紀の日本画に的を絞ったこの企画展の作品の中にも「おおっ!」というものが少なくなかった。

 最も見入ってしまった一品は、菊池芳文の「小雨ふる吉野」(1914年)。桜を描いた屏風装だ。
 一面を埋め尽くす桜の花、また花。
 花心を暈され、半ば透けた白い花びらのみで咲いたその桜は、多分そのせいなのだろう、変な言い方だけれど実際の桜よりも桜らしくて美しかった。
 ホント、泣きたくなるほどに美しかった。
 

『日本画の100年 東京国立近代美術館/東京藝術大学の所蔵品を中心に』
2000年4月4日〜5月28日 東京藝術大学 大学美術館
主催/東京藝術大学・東京新聞 企画協力/東京国立近代美術館 協力/東京海上


2000.05.20
『HUNTER×HUNTER』第8巻を読んだ。

 新たな敵キャラ登場。それもかなり手強そう。
 

ジャンプ・コミックス『HUNTER×HUNTER』第8巻(NO.8 オークション開催!!)
著/冨樫義博 発行/集英社
2000年4月9日第1刷発行 ¥390 ISBN4-08-872847-5


2000.05.15
『人間はどこまで残虐になれるか──拷問の世界史』を読み終えた。

 『拷問の世界史』(1974年 講談社刊)という本を改題し、再編集したものだそうだ。

 読んで思ったのだけれど、有史以来、拷問のない世の中ってあったのかな。
 今日学校での「いじめ」なんつーのも、ありゃ一種の拷問に違いないなどと私は考えているわけで、とすると、誰かをいたぶりたいという欲求は、ひょっとして人間の本能なんじゃないだろーか。
 だったら、すげぇ始末に悪いよね。
 

講談社+α文庫『人間はどこまで残虐になれるか──拷問の世界史』
著/D・P・マニックス 訳/吉田誠一 発行/講談社
1999年7月20日第1刷発行 ¥740 ISBN4-06-256357-6


2000.05.01
『じろじろ日記』を読み終えた。

 赤瀬川さんの文はクセになる。
 何気なく思い付くまま書かれているようでもあり、計算されて書かれているようでもあり。
 いずれにしても、赤瀬川さんの独特な文章に接するたびに私はグイグイ引き込まれてしまう。
 たまに真似て書いてみたりなんかして。ちっともうまく真似られないのだけれど。

 さてこの一冊は、赤瀬川さんといえばの「路上観察」、その番外編みたいなもの。いろんな物事を「じろじろ」観察して書かれたエッセイをいくつも集めた本だ。

 「じろじろ」して書かれたご本を今度は私が「じろじろ」してしまった。
 

ちくま文庫『じろじろ日記』
著/赤瀬川原平 発行/筑摩書房
1996年8月22日第1刷発行 ¥600 ISBN4-480-03185-5


2000.04.23
『ドラゴンヘッド』第10巻を読んだ。

 最終巻。
 まったく予想外なエンディング。消化不良を誘発しかねないような。

 でも私、こういう終わり方ってけっこう好きだな。
 

ヤンマガKCスペシャル『ドラゴンヘッド』第10巻
著/望月峯太郎 発行/講談社
2000年4月21日第1刷発行 ¥514 ISBN4-06-336854-8


2000.04.23
『無限の住人』第10巻を読んだ。

 私は月刊アフタヌーン愛読者なので、きちんと連載を拝読させていただいている。
 毎月毎月、ストーカーのごとき執拗な眼差しで、そりゃもう何度も何度も、ページの隅から隅までじろじろと眺めさせていただいている。
 しかしそれでも飽き足らないので、単行本になっても同じように何度も何度もじろじろじろじろしてしまう。

 ああもー、なんてカッコイイのだろう!
 ひとコマひとコマ無駄なくカッコイイものだから、もったいなくて見逃せないよ。
 そこにある、絵も、セリフも、すべてが悉くカッコイイ。

 当然この最新刊も、この先幾度となく繰り返しじろじろしちゃうに違いない。
 でもホント、何度じろじろしても全然飽きないんだよなぁ。
 心底、惚れてます、私。
 

アフタヌーンKC『無限の住人』第10巻
著/沙村広明 発行/講談社
2000年4月21日第1刷発行 ¥505 ISBN4-06-314238-8


2000.04.22
東京国立博物館 平成館で『日本国宝展』を観た。

 めちゃ混みだった。バーゲン時期のデパートかと錯覚するほどに。
 おかげで不必要に疲れもしたが、しかし、わざわざ足を運んだ甲斐はあったと思う。

 玉虫厨子の意外なスマートさ。
 弥生時代の銅鐸の案外なデカさと精巧さ。
 運慶の初期の作に見る腕の確かさ。
 長光や正宗の太刀の妖しい美しさ。

 実際を観なければ分からないことって、けっこうあるものなのだな。
 

『文化財保護法50年記念 日本国宝展』
2000年3月25日〜5月7日 東京国立博物館 平成館
主催/文化庁・東京国立博物館・読売新聞社 協賛/三菱商事・三菱重工・鹿島・日本移動通信 特別協力/JR東日本 協力/東京海上・日本通運


2000.03.26
『死の物語──恐怖と妄想の歴史』を読み終えた。

「死にまつわる不安は、宗教的なものと世俗的なものに大別される。本書では、死後の生や、神の裁き、天罰といった宗教的な考察はさしひかえておく。したがって大半は、もっと世俗的な不安にかんする考察となる。つまり、哲学的な瞑想ではなく、ありのままを観察して好奇心を満たす類のものだ」
 と「本書の趣旨」にある。

 著者の言う「死にまつわる世俗的な不安」とはどういうものを指すかというと、例えば「実は死んではいないのに、あるいは生き返る可能性があるのに、早まって埋葬されちゃったらどうしよう」という不安、例えば「亡骸が何者かによって穢されちゃったらどうしよう」という不安、例えば「死後、誰からも忘れられちゃったらどうしよう」という不安。
 著者は精神科医だそうだが、しかし、それらの不安を覚える理由やメカニズムといった心理学分野にも一切言及しない。書かれているのは主に、人々がそれらの不安に対処するために何をしてきたか、だ。
 「ありのままを観察して好奇心を満たす類」と自ら記したとおり、古今東西の文献を渉猟し、著者は本書に事例の数々を詰め込んだ。

 出版社によって帯に書かれたキャッチが、的確にこの一冊の有り様を伝えていると思う。
「奇怪なエピソードと豊富な図版で綴る「死」をめぐる文化誌」
 まさにそういう本だった。

 テーマ、目的が何であれ、事例、事例、事例で埋め尽くされている本は、読んでいてたいてい楽しい。
 

『死の物語──恐怖と妄想の歴史』
著/ロバート・ウィルキンズ 訳/斉藤隆央 発行/原書房
1997年8月10日第1刷発行 ¥2500 ISBN4-562-02958-7


2000.03.16
『EDEN』第4巻を読んだ。

 対立する政府と反政府勢力、そこに軍事力を売り込む経済組織が絡んで……と、かなり骨太なSF。宗教問題、遺伝子工学、コンピュータ技術などの知識も盛り込み、微に入り細に入り実によく描かれている。
 もっとも作者、遠藤さんは人物描写に長けているマンガ家さんなので、たとえ舞台が近未来であっても決して人間ドラマから離れることはないのだけれど。

 ま、それはさておき、この第4巻で過去が語られているケンジって人物が、『EDEN』の中では一番の私のお気に入りキャラだ。
 何かがポッカリ欠けたまま、殺人マシーンのごとく有能に働く戦士、それがケンジなのだけれど、どういうわけか私はこの手のタイプに弱い。いや、私だけではなく、多分世の中にはご同類が数多く存在するに違いない。しかしホント、どうして惹かれちゃうのかわからないんだよね。
 誰か教えてくれないかな。冷酷な歪んだ人物に、私が魅力を感じてしまう理由を、さ。
 

アフタヌーンKC『EDEN』第4巻
著/遠藤浩輝 発行/講談社
2000年2月23日第1刷発行 ¥505 ISBN4-06-314233-7


2000.03.14
『日本語練習帳』を読み終えた。

 美文名文を書きたいとは思わない。けれど悪文を書きたいとも思わない。できればせめて正しくてわかりやすい文章を私は書きたい。
 とか言ったところで日頃実際に書いてる文章がこれじゃあねぇ……。あんまり信用してもらえそうもないけれど、これは本当に私のささやかな志なのだ。

 そんな私にとっての本書は実にありがたい一冊だった。

 ところで本書の中にこういう記述があった。
「法学者の文章は、日本語としての分かりやすさに配慮しないものが少なくありません」。
 まったく、だ。そして法学者に限らず、政治家やお役人の文章も、多くはとてもわかりにくい。1センテンスが無駄に長く、どう見ても「読ませる」という努力を怠っているようにしか思えない。
 専門用語や難解な言葉を羅列しただけのような冗長な文が、すなわち高尚な文だとでも考えているのだろうか。そういう文章を平気で書く人の気が知れないよ、ホント。
 

岩波新書『日本語練習帳』
著/大野 晋 発行/岩波書店
1999年1月20日第1刷発行 ¥660 ISBN4-00-430596-9


2000.03.02
『ビューティフル・ワールド』を読んだ。

 恋人や家族、友人たちに囲まれて暮らす主人公の、なにげない日常のなかで起こるささやかなできごと。それらを紡いで仕上げられた逸品。

 埋もれてしまいがちなもの、忘れられてしまいがちなもの、捨てられてしまいがちなもの。
 そういうものを掬い上げて静かに丁寧に描くやまださん、彼女の感性と才能が私はとても大好きだ。
 

『ビューティフル・ワールド』
著/やまだないと 解説/奈良美智 発行/祥伝社
2000年3月1日初版第1刷発行 ¥886 ISBN4-396-76216-X


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