岡田節人先生の本「からだの設計図─プラナリアからヒトまで─」によれば、プラナリアは
扁形動物門(Plathelminthes)に属する
食肉性の動物で
体の表面がせん毛で被われているのだそうな。
このせん毛を使って水中を泳ぐとき、水面にうずが起こるので“渦虫(ウズムシ)”ってな名前が付いたんだって。
それにしても食肉性ねぇ…。何食べてんのかな? 書いてないや。
それから、なになに、
全国各地に棲息
少し山間部の、水の澄んだ、そして水温のあまり高くならない
小川や池で、今もよく見かけられるとな!
ってことは! よーし、捕まえてやる。私がこの手で捕まえてやる。でも春になったらね。今はまだ寒いから、山に入るのイヤ。
引き続き、岡田先生の本でわかったこと。
プラナリアの再生について。
彼らの驚異的な再生能力については00.プロローグにも書いたとおりで、切り刻んだ小さな破片からでも完全な一個体を復元させることが可能なのだそうだ。で、こんなことが何故できるのかというと、それは体の中に、再生のタネとなる特別な細胞(新生細胞と呼ぶらしい)を持っているからなんだって。
いくら小さく切り刻んでも、1ミリだろうが0.5ミリだろうが、その破片の中にこの新生細胞が含まれているかぎりは再生できちゃう。逆に運悪く含まれていない場合は、破片は破片のままのようだ。
ところでプラナリアはもちろん生殖細胞を持つ動物なのだけれど、どうやら彼らの中には、そんなことはお構いなしに自分で自分の体を分断し、それぞれを再生させることで、無性的に個体を増やしている種類がいるらしい。
これってすごい!よね。無性生殖と書いてあるけど、こんな形でも生殖って呼べるのかな? だって新たにできた個体は子供じゃないよ、自分の分身だよ。でもってその分身がさらに分身を作り、分身の分身がさらに分身を…って、結局は全部自分じゃん!
うっわ〜。やっぱりタダ者じゃないよね、コイツら。
今回は極性について書こうと思…ったが、しかし!
一大事、一大事! 凄い本が出たとのニュースを得て(加藤さん、古川さん、情報ありがとうございました)、早速購入。ややっ、驚いた。
科学であそぼう4「切っても切ってもプラナリア」
文・阿形清和 絵・土橋とし子 (岩波書店 定価1545円)
絵や写真をふんだんに盛り込んだ子供向けの本なのだが、も〜う感動! まさにこんな本を待っていました!といった内容で、言うことなし。完璧!! 帯の文字からして泣けるよ。「君の近くにもきっといるプラナリア。さがして、みつけて、切ってみよう。」
そう、この本には、プラナリアの見つけ方、捕まえ方、飼育方法、切り方、観察方法などが事細かに書かれている。勿論、彼らの特性、再生の仕組、大学での研究内容の紹介なんてのもきちんとフォロー。うっ、ありがたくて涙が出そう…。
ちなみに著者の阿形氏は姫路工業大学理学部の助教授。やはり、という感じだ。この本を読んでいただいても分かるが、姫路工業大学理学部には渡辺憲二教授というご高名な方がいらっしゃって、この際だからバラしちゃうけど、私が02.Web上のプラナリアで指していたのも、その渡辺先生だったのである。ああ、姫路工業大学はプラナリア研究のメッカなのね(万一ご迷惑かかったらごめんなさい)。
といったわけで、渡辺先生、阿形先生のご尽力の賜であるこの素晴しいテキストを手に、これで私も安心してプラナリアが飼える! 次回からは「切っても切ってもプラナリア」で得た新知識をご紹介しつつ、ぼちぼちホントに捕獲作戦へと行動を移そうと、そう思っている次第。プラナリア捕まえたら観察日誌つけるんだ。ワクワクしちゃうなー。
「切っても切ってもプラナリア」によれば、きれいな水があって、水生昆虫(これがプラナリアのエサだね!)がいるようなところであれば、だいたい見つけられるんだそーだ。あまり農薬を使用していない田んぼの用水路だとか、水がチョロチョロの浅い川だとかがオススメ・ポイントらしい。
でもって、水の中の石や枯れ葉をめくったりなんかしてみると、そこに隠れてるんだって、プラナリアが! うー、早く見つけてみたい!!
さてプラナリアを見つけて水といっしょにペットボトルに入れて持ち帰ったとする。今度はどうやって飼うか、だ。
実は私、そこそこ立派な水槽買わなくっちゃかなー、って思ってたんだよね。ホラ、水が循環するようなヤツ。熱帯魚屋でメダカの入ってる水槽を眺めながら、プラナリアにもせめてこれくらいの設備は必要かもね、なんて考えてた。なにせ、水中生物はおたまじゃくししか飼った(瓶に入れて放置してただけ)ことのない私、なのだ。
けれど、本読んで安心。実際はもっと簡素な容器で充分らしい。
水は汚れたら取り替える。水道水を2〜3日陽にさらしたもの、水道水を沸騰させて冷ましたもの、市販の天然水、のいずれかでOKという話だ。なんだ、簡単。
次にエサだが、水生昆虫の代替物として、鶏レバーが挙げられている。小さく切り刻んで生のまま与えてあげればよろしい、とある。ただし注意事項。レバーをあげたら、水を替えろ。放っておくと水が腐ってプラナリアも死んでしまうから気をつけなくっちゃ、だそーだ。