街並みサーベイ・メモ21 景観をつくる要因:自由が丘の場合  2007.06

●狭い道で建物高さや容積率が制限されているで、小振りの建物(商店)が多くなっている。

カトレア通り(南口)幅6m マリクレール通り(幅員6m) 私道の細街路(駅広北地区)4m幅
斜線で9m制限で3階からの斜線ビル。手前のビルは角地で直交道路の斜線緩和で4階建て。 ここは道路際9m高さ。地区計画で1mセットバックすると12m(4階)ができる。架空線埋設で一度すっきりしたが、最近、看板は増えている。 細街路の中は道際で2階(6m高)しか建たない。 道幅の制限で240%容積に制限(基準は600%)。 しかし、広場や都計道に面した角は高層が建てられる。複雑な法が嬉しくない家並みをつくっている。

●計画道路通りに建っている街並み。これがないとこうなっていたという姿。

カトレア通り(都市計画127号線)幅6m 広場(計画道路127) すずかけ通り(都市計画46号線)幅8m
計画道促進で一昨年から2階制限。道路が狭く容積率600%の内360%しか建たない。計画道がなかったら高い斜線ビルになる。 ここも2階制限。屋上広告でビルの高さと広告料を稼ぐことになる。都計道がなければ鉛筆ビル、剃刀ビルが林立していたろう。 本来は4階以上建つのに、計画道で 奥行6mが3階制限。2階の後に見えるのは計画道のライン。
自由が丘商業地の景観構造
1.どんな景観か。
 @道路が狭く歩道もない。広い場所や並木道がない。車がなければこれも魅力になる。
(商業地22haに4〜8m巾の公道と4m以下巾私道しかなく、広場・緑道・私道を含め19%以下の道路率)
 A建物は低層が主体。(2,3階が中心6階以上は数棟。容積率で可能な床面積の利用が筆者推定60%)
 B建物の敷地が狭い。間口が狭い。(大部分が数b間口。奥行きも浅く10数b平均)
 C看板が氾濫、電柱とその広告ですっきりしない。一部では改善が見られる。
2.なぜこのような景観になったか。
 @道路が80年前の耕地整理の幅員のまま、戦後も60年間変わっていない。
 A都市計画道路や私道などの細街路は法(都市計画法、建築基準法)で高層化できない。
 B借地による地元小規模商業が戦前から繁盛し、一部でしか敷地の統合がなされていない。
3.これからどうなる---
 @地価・テナント料の高騰----テナントが定着せず変化がはげしい。不動産債権化で外部資本が建替え。
 A地元商業者の撤退---------現在のところ敷地の統合は顕著でないが、今後大型の開発も予期される。
 B今までの自由が丘の小振りな景観は守れない。(地権者の動向、歩車インフラの行詰まり等の問題)
 C自由が丘の特色を残しながら、新たな景観計画やルールをつくる時期に差し掛かっている。
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