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街並サーベイ・メモ10 自由が丘南口緑道 建物様式は伝播する  2006.2.10
 メモ1で一定の傾向で変化している街並みを紹介したが、自由が丘南口の緑道(別名マリクレール緑道)である。

 1988年、商店街活性化モデル事業の整備事業として南口緑道は「緑陰ショッピングモール」を宣言し、1991〜1993年で電線の埋設、ガードパイプの撤去、道や店先の段差解消、自然石舗装・・・・の整備をした。

 1994年までに通りの両側で地区計画(地元協議の独自都市計画:ルールづくり)により、新築・建替時に壁面のセットバックや用途制限(世田谷側は用途地域・容積率も変更)等を決めたが、建物の形態、様式、建材まではコントロールすることはしていない。
●右の沿道建物(2006.1月現在)を見ていただきたい。

@ 建替・改装が進み大げさな看板は殆どない。(駅前等と比べ)

A ガラスの外装が増えた。カーテンウォール、ガラスリブ、ミラーガラス、強化スモークガラス・・・と多様ではあるが、示し合わせたようなところがある。

B これらの建替・改装は1991〜94以降が多く、明らかに緑道の修景整備事業辺りから活発になっている。この時期から緑道のファッション、美容を中心に商業進出が進み上記のような建物がが増えてきた。

C 家並みが揃ってきたのはもう一つは緑道整備によって桜並木が意識され、内部から見やすく、緑を反射して映すガラス壁面が採用され、その様式が伝播していったことにも拠らないだろうか。前からも並木はあったが、舗石、電線埋設、横断しやすい障害解消(バリアフリー)によって、ガラス張りが相応しくなってきたとも言える。

●前回サーベイの吉祥寺東急裏もその「伝播」の痕跡がある例で、今後も別の例を分析するつもりである。

●街並にある伝統的な建物、様式、雰囲気などを新しい建物が受継ぐケースは、欧米だけでなくわが国にもないことはないが、良い要素にならって行こうということより、互いに新奇なこと(デザイン的にも経済的にも)をしてばらばらになって行くのが、通例であるようだ。外装も全国チェーン店が自社CIと称して飾り立てるので夫々は目立つが、集合としてはどこでも同じ風景になりやすい。 

●街にテーマがあればテナントの選択や注文も、主導権が握れるというものである。

    

左ミラーガラス:1996(改装)、右1992
中央:1989頃、右強化ガラススクリーン2000
左:2000改装、中央2003改装. 右1982
右1980以前.中央1,2階ガラス2002
左:2005、中央1992頃
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