・ROVERING TO SUCCESS
1922年初版がイギリスにて発行された。著者は同じくベーデン・パウエル卿。写真は日本ボーイスカウト連盟発行の第9版(平成4年当時850円)。
全国のボーイスカウトショップで手に入れることが出来ます。
内容は主に青年向け。青年期の男子が陥りやすい暗礁(酒、ギャンブル等)についての戒め、そして真の幸福について書いてあります。内容の一部を紹介します。(ROVER;さまよい歩く人、放浪者 の意)
「〜前文略〜
ローバーリングとは、目的なしのさまよいだとは考えない。はっきりした目標を見つめ、愉快な道を進んで行くことだと私は意味ずけている。そして、その道中には苦難もあれば危険もあり、君たちはそれに出会うものと考えてのことである。君たちはこのような暗礁の多くを予期しているべきである。〜中略〜
人生が砂糖だったら飽きてしまう。塩はそれだけなめれば、とてもからい。だが、何かの料理にふりかければ味つけとなる。苦難は人生における塩である。」
・ボーイスカウト(田中治彦著 中公新書 定価680円)
著者の田中氏は
岡山大学教育学部
の助教授をされており、イギリス留学中にボーイスカウト運動を知りました。本書はイギリスでのボーイスカウト運動の出発と展開、及び日本での少年団の歴史について詳細に記述されています。
ボーイスカウト日本連盟以外の出版物として、非常に興味深い本です。
〜扉より〜
「英国軍人ベーデン-パウエル(B-P)は大英帝国の国力衰退を予感し、青少年運動「ボーイスカウト」を提起した。第一次世界大戦の予想を超えた惨状に、厭戦気分が蔓延し反戦運動が起きたため、B-Pはスカウトを国際的で平和的な野外活動団体へと路線転換したが、その方法論は彼の意に反して他国の為政者たちに利用されてします。大正時代に始まった日本の少年団運動にも大きな影響を与えた運動の軌跡を、B-Pの生涯とともに描く。」