今月のお勧め

ここでいうお勧めとは売れないモノをお勧めすること。だって売れてるモノならお勧めしなくたってみんなが勝手に買ってくれる。
ここでお勧めするのは、ホントは良いモノなのに人気がなくって売れない
可哀想な商品類。
お勧めする以上、実際に海の中で使ってみてこれなら良いというモノばかり。カタログデータや盲目的ブランド志向で選んだんじゃない
元々自分で使いたくて作り出した人がメーカーになっちまったモノだから、そのくらいは当たり前だけれど、
DIVの場合は手作りでどんな機種にも対応し、どんなに売れない機種のハウジングでも作れるんだから、
何も売れ筋をねらって出す必要がない。売れないモノだって
良いモノは良いからお勧めする。



決定的お勧めレンズが出た
ペンタックス がやってくれた!APSサイズ用の180度対角線魚眼。しかもズームで画角を70度くらいまで狭めることができる。10〜17ミリズームフィッシュアイレンズだ。180℃という画角は時には広すぎて使いにくいこともある。自分のフィンや手が写ったりして恥をかく。ニコノスの名レンズ15ミリは対角線で94度くらいだった(正確にはおぼえていない)。それにくらべて180度はいかにも広すぎるからズームは有効だ。ズームアップすると倍率では1・7倍だけれど、この超ワイドでの効果は大きい。最大で27ミリ程度になるからこれは水中写真のほぼ標準レンズ。多少の歪は残っているけれど水中デはまるで気にならない程度。クローズアップにも強くなり、最短接写距離は、レンズ前 なんと、2.5cm!! シグマ15ミリも真っ青。もちろんDIV元祖のミニドームが使える。レンズ全体の大きさも単焦点フィシュアイなみに小さい。とこれはもう水中写真にとっては夢のような理想の超ワイドレンズなのだ。、
だからこれ、今までペンタックス・デジタル一眼を使ってきた人にとっては超朗報なのだが、さて水中でペンタックスのハウジングといえばDIVしか作っていない。いや小野沢先輩もペンタックスファンだった。生きていれば二人で乾杯するところなのが悲しい。
しかしこういうレンズは陸上用としてはかなり特殊で、それほど大きなマーケットが見込めない・・・・と思ったのかペンタックスでは当初月産200台だという。だったらさ、ダイバーがみんなで買えば買占めできるぞ!
このレンズはトキナーとの共同開発ということで、そうすると、トキナーブランドで他のカメラ用も出るかも知れない。と期待してくれてもかまわない。すっぽかされても自己責任。ついでながら、ペンタックスとトキナーは全く同じスペックの12〜24ワイドズームを出している。外観は全く違い、価格はペンタックスのほうがずっと安いという妙。

ところが!!!
ist のストロボPーTTLは 不純性ストロボとの相性が悪い。既製の高級水中ストロボのほとんどが同調しないのだ。うまく行くのはエポックの ES−150DSみたいな単純なプリ発光キャンセル回路がついているだけのヤツで、NIKONやCANONの凝りに凝ったストロボシステムに対応するものはダメみたいだ。sea&seaの初期のYS25はいいけれど55TTL−Eになったら、発光はするけれど、まるで同調しない。イノン自慢のZ2000もS−TTLはフル発光になってしまう。総じて、調光をカメラに依存しない外光式オートなら手堅い。デジタルの場合、結果がすぐ見えるから 外光式オートくらいの精度があればまず十分で、変に難しい理屈で動くストロボよりもアタマの健康によい。後でレタッチでも救いようがないほど狂ってしまうことはほとんどない。
お奨めはどのストロボでも外光式オートで撮ること
近頃大抵のカメラメーカーが純正ストロボしか使えないような戦略をとっているのは、金儲けのために頭をつかっているからで、ユーザーはそんなものに乗せられないほうがよい。そうなればもう単純な外光式オートを使いこなすほうがはるかに賢いのではなかろうか。

ところが
オリンパスから E300の後継機 E330が出たがこれがタイヘン!
一眼レフをデジタルにするといろいろ欠点が出てくる。ゴミ問題。液晶でライフビューが見られない超ワイドレンズがない。など、2の足を踏む要素ががあったのだけれど今度のE330はそれらをすべて解決してしまった。前作E300にもダストリダクションはあったけれど、ファインダーの見にくさは水中では大問題だった。それが液晶ライブビュー(本来のライブビューではないけれど)で解決。超ワイドレンズはオリンパスでは7〜14ミリという優れもののワイドズームを出してくれたが、ナンセ値段が20万円以上という。それがいまや対角線魚眼が8万円で出たから。まあ現実的値段。かくて、水中一眼デジタルの全ての基本問題にオリンパスが回答を出してしまったのだ。オリンパスにいいことを教えてやろう。E330のハウジングのネーミングをソリュ−ションとすればよい。商標登録はまだしていないから、勝手に使ってくれてもいい。その代わり一台頂戴。
頂戴というのは、買えないからで、オリンパスの一眼レフハウジングシステムはそれまでのコンパクトデジカメプロテクターシリーズとくらべて、飛躍的に高い。理想的に揃えると100万円クラスになってしまう。オレにはソリューションがない。100万円!ないわけじゃないよ。でも100万円を水中写真機に注ぎ込む気はしないまで。
100万円を水中写真に使いたい人にはオリンパスE330はお奨めだ。ニコノスRSとどっち? エ?両方買う? 勝手にしてくれ。こっちは指をくわえてみているぜ。


 コンパクトデジカメ
高倍率ズーム時代に必要なのは色収差のないクローズアップレンズなのだ

クローズアップ U は そのために作られた

           
 

クローズアップレンズは水中デジカメで重要なアイテム。もともと、銀塩カメラよりもはるかにクローズアップに強いデジカメだけれど、ワイド側だとワーキングディスタンスがなさ過ぎて被写体を脅かしてしまう。ストロボ光もうまく回ってくれない。といって望遠側にすると最短距離がずっと遠くなって到底マクロにはならない。
10倍クラスのズームはテレ端では最接近距離が2m近くにもなって、マクロとして使えないからクローズアップレンズをつける。そこでディオプター+3(No3)のクローズアップレンズをかければ約30cmまで近づけ、35mmカメラ換算で350mmという長焦点レンズの等倍マクロが撮れるわけだが。

でも人間、特にあなたは欲張っているから、10cmくらいまで近付きたいということでカメラ量販店を探すと、+10つまり10cm前後まで撮れるクローズアップレンズ(No10)が売られているのに気が付く。
大喜びで買ってきて使ってみるとあなたはガリレオ・ガリレイと同じ発見をすることになるだろう。喜んではいけない。その発見は天才ガリレオをいたく落胆させ、天才アイザック・ニュートンがその解決法はないと断じた色収差である。
ガリレオが望遠鏡を作ってすぐ気がついた色収差。望遠になればなるほどこの問題は大きくなる。デジタル時代の近代科学でも高倍率ズームのテレ側にそんじょそこらのクローズアップレンズをつけると収差が無視できなくなるのだ。これがフツーの3倍ズームくらいなら問題にはならないのだけれど、5倍10倍12倍など、どんどん増えてくる倍率が高いズームレンズは普通のクローズアップレンズでは色収差などが出て高画質がえられない
そこで色収差を消したACクローズアップレンズを使う必要がある。
ACつまりアクロマートクローズアップレンズの中でも最高倍率が得られるのがケンコーの AC No5
   DIV のクローズアップUにはこれが標準セットされて    12600円

ニュートンが不可能だと思った色収差を消すレンズは案外簡単に実現した。屈折率が異なる凹、凸レンズを複数組み合わせたモノ。アクロマートといって、ケンコーあたりではACと表記されているクローズアップレンズがある。それも量産品だから量販店では3000円もしない。ACレンズで一番接写出来るのがディオプター+5(No5)で焦点距離20cm。カメラにつけたときの最接近距離もつまりその位。
普通だったら 15000円のクローズアップレンズを2枚重ねなければ得られないような倍率が、しかも色収差なしで得られるのだ。
ハウジングへの取り付けネジ径が67mmで、多くの既製デジカメハウジングにも取りつけられる。3倍ズームのデジカメであればACはさほど必要でないからMC No 10 のクローズアップレンズ(標準価格5500円、実勢価格3800円程度)を入れればこれまでのクローズアップレンズを3枚重ねした以上の倍率)になる。
 

この種の高倍率ズームのカメラは、ズームを3倍までにしておけば普通のカメラと同じことで、水中写真は普通に撮れる。普通に撮れる水中デジカメは当たり前で、すぐつまらなくなってシステムを拡張したくなる。こうしてダイバーは水中写真の泥沼に入ってゆくのだ。それは次々と道具を買い足してゆく出費の泥沼
ところが高倍率ズーム機の場合はクローズアップレンズをプラスするだけでもう立派に泥沼に落ち込める。10倍ズームで撮れるマクロ写真は肉眼を超えて驚きが絶えないし、その難しさといったらちょっと桁違い。でも失敗しても消せば良いデジカメで、がんがん撮ってゆくうちにそれなりに慣れても来る。撮っても撮ってもきりがない泥沼だ。なんてったって出費がない泥沼なんだから安心して堕ち込もうではないか。
ここに来て人は初めて気が付くだろう。高倍率ズーム機のDIVハウジングは結局安上がりだ。


カメラもお風呂に入れてやろう

ダイビング前にカメラをセットしたハウジングを水槽につけておく人が多いけれど、本当は温湯がよいのだ.。お湯で温まったハウジング内の空気は膨張して防水機能が弱いところから泡になって出るので一目でわかる。普通の水につけて泡が出るかどうかで防水性が試せると思っているのは大間違い。ぶくぶく大量に泡が出るのは水と空気が急速に入れ替わっている場合で、防水テストを終わったときはもうカメラは水没している。また少しだけぽつんと出る泡は外側のステーやストラップかどこがにくっついていた空気かも知れないし、定常的にプチプチ漏れてくるのは空気が出ていることで,水が入っていることではない。お湯につけるテストは後者の場合である。つまり泡は空気が出ていることであって水が入っているとは別の現象なのだ.。もっと意地の悪い言い方をすれば、泡が出るのは空気が出ているので、そこから水が入ってくる余地はない,つまり防水の証拠なのですよと…もちろん真に受けてそのまま潜らない方がよろしい。いずれにしても完全防水とはいえないが一種の排気弁のようになっていて流体が出ても入っては来ないようになっている可能性はある。また,水圧がかかればパッキングが押さえられて漏れはとまるのが普通。完全な防水ではなくて一方通行漏れの可能性があるのだ.
さあそこで確認のために
,先に温水につけて泡が出たハウジングを冷水につける。すると、内部の空気は収縮して圧力が下がる。今度は泡が出ないで、水が中に入る・・・・。これでやっと本来の完全防水テストが出来たわけだ。が?!待てよ?本当に水が一滴も入っていないかどうか,金属ハウジングでは中が見えないからどうする?ポートから覗ける範囲は限られている。でもって開けて調べるしかない.。開けたらまた閉めるときにOリングが完全かどうか、また水槽につけて最初からやり直し振り出しに戻る
        こうして水槽テストで完全防水を追及すると水中撮影は不可能状態におちいる。
          (つぶやき)Oリングってだめですねぇ


完全でない方法でやるなら
,ただの水につけるよりは温水につけるほうが確実なのだ。


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