茶壺
鉄戸のむこうでは
少年が湯浴みをしている。
大きな茶壺は、ゼリー状の液体でみたされている。
それは、人肌のようなあたたかみがあり、
まるで生きているかのように、少年をつつみこむ。
少年は恍惚とし、
壺のへりに手をかけ、
ゆっくりとからだを上下させた。
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