卵
暗い中空に、白い卵。
大いなる母なるものが産み落とした卵。
卵の中の混沌とした暗闇に、ひびがはいって
光がさしこむと、それは宇宙になった。
爾来、生き物たちはカラをつたって、
内と外を行ったり来たり。
卵の世界こそすべて。
その卵を、女たちはものすごいいきおいで
産み落としはじめた。
世界は多次元の無限遠へとループしていく。
果てしのない迷宮。狂った宇宙。
迷宮宮