そうではなくて、 それはけたたましい警報機の音。
轟音とともに闇の中を、 黒い列車が過ぎる。 ガタンガタン! ガタタンガタタン!
気の遠くなるほど長い長い客車の列が すぐ目の前を走りぬけていく。 バイ煙と機械アブラのにおい。
あの少年に背中を突きとばされ、 客車の一番後の席にころげおちた。