ランベルス

塔をのぼろうとしたら、
その階段をひたすら
おりつづけねばならない。

何たる滑稽。

男が階段を上に向かって、
つるつるすべるように、
汗だくで
下へとおりようとしている。

やがてどうにか
階段が加熱しはじめる。
両側の壁が
蒸気を吹き出しながら回転する。

男はようやく
のぼり階段をくだっていく。

 

 

 

差延の列