差延の列

水晶の中に沈む感覚。
ひかえめな笑い声。
それは
さらさらとした行進の音なひか。

もっくりとした
四つ足の毛ものたちが、
熟れた目つきで視線を投げる。

渡っていくのは、
金鮫色に輝く七曲がりの河。

「しぶきが舞い上がっては、
空中ですぐに結晶してしまうのは、
水の硬度が高すぎるから・・・」

耳の奥でひびく少女の声。

 

 

 

管理人      はざまの森