長い階段をのぼりきると、 せまい入り口がある。
古い時計が、時間を刻む音。
うず高くつまれた書物のぬけがら、 たおれかかる書棚の列。
だれもいないが、 だれかがいたという 気配が感じられる空間。
無限回廊都市の 宙にぶら下げられた、 小さな箱。 不在書店。