日本の若者における粥状動脈硬化病変の進展
多施設における病理形態学的調査
1999年6月 第31回日本動脈硬化学会総会(宮崎)において発表

 
厚生労働省循環器病研究委託 「若年者における粥状動脈硬化病変の進展とリスクファクターの解析に関する研究」(油谷班)1995-97年で、(田中班)1982-84年で行われた同様の調査結果と比較して、約13年間における変化を検討した。


大動脈の線状脂肪沈着巣と丘状硬化巣の% 左は男性、右は女性 
` 腹部 下行 上行、弓部 ` 腹部 下行 上行、弓部
0歳 1 1 2 0歳 0.5 2 2
1-9歳 7 6 4 1-9歳 4 6 4
10-19歳 27 24 13 10-19歳 25 14 10
20-29歳 31 26 14 20-29歳 35 27 16
30-39歳 37 26 18 30-39歳 38 28 19

冠動脈線状脂肪沈着巣と丘状硬化巣の% 左は男性、右は女性
` 1978-1982 1991-1995 (年) ` 1978-1982 1991-1995 (年)
0歳 0 0.2 0歳 0 0.1
1-9歳 0.5 0.5 1-9歳 0.3 0.3
10-19歳 2.5 5 10-19歳 3 2.8
20-29歳 5.5 9.5 20-29歳 5.7 5.6
30-39歳 9.5 12.5 30-39歳 5.8 7.5

今回の調査結果は約13年の経過の影響をうけ、前回の調査結果よりもPDAY studyの結果により近づいていると考えられた。
血清総コレステロールの平均値は1980年から1990年にかけて10mg/dlをこえる上昇を認めている。今回の調査では男性における、冠動脈の動脈硬化病変の有意な進展に関与したと思われる因子は同定できなかったが、上記のような食生活の変化や総コレステロール値の上昇などが影響したのかもしれない。


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