Time of Onset of Non-Insulin-Dependent Diabetes Mellitus and Genetic Variation in the β3-Adrenergic-Receptor Gene
THE NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE Vol.333 No.6 343
β3アドレナリン受容体は脂肪細胞にあり、遺伝子に変異が入ると脂肪代謝が遅くなります。
米国に住むピマインディアンの方々は、大人の50%が糖尿病です。
米国人でβ3アドレナリン受容体に変異を持っている方の割合は
ピマインディアン |
メキシカン |
黒人 |
白人 |
0.31 |
0.13 |
0.12 |
0.08 |
ピマインディアンの方々は、飢餓に最も適応した体質になっていますが、米国の高脂肪食が体質に合わず、糖尿病になってしまったと考えられます。
Mutation of β3-adrenergic-receptor gene and response to treatment of obesity
THE LANCET Vol.346 November 25,1995
日本人女性でβ3アドレナリン受容体に変異を持っている方の割合は
日本人も飢餓に適応していると考えられます。
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇孝教授の解説
メタボリックシンドロームは肥大化した脂肪細胞がひきおこします。PPARγという核内受容体型の転写因子が脂肪細胞の肥大化に大きな役割を果たしていて、PPARγ遺伝子に変異を持っている方は太りにくくて、糖尿病の発生率は60%抑制されます。欧米人は20%の方が変異を持っていますが、日本人は4%しか持っていません。欧米人は高脂肪食に対する適応がすすんでいて、日本人は飢餓に対する適応がすすんでいると考えられます。
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