○ 現代病(生活習慣病・心筋梗塞・脳梗塞・がん・認知症)の主な原因と予防法

健診でコレステロール値が高いと言われた方、何が原因かご存知ですか?減量したほうがいいと言われた方、血糖値が高いと言われた方、ご飯を減らして糖質制限ダイエットに取り組んでもリバンドしませんか。

 高コレステロール血症は動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。動脈硬化性疾患予防ガイドラインに原因と予防法が以下のように記載されています。
「1946年から1990年の観察で、全穀物、米の消費量は著明に減少し、牛乳、乳製品、肉類の消費量は著明に増加しており、食生活の欧米化が認められる。」

 つまり、昔の食生活を変えてしまったことが現代病の原因だと判明し、栄養学は既に現代病予防に書き換えられているが、日本では現代病の原因となった栄養指導が続けられている、
ということなんです。

 日本では癌・脳梗塞・心筋梗塞・認知症の患者さんが増え続けていますが、欧米先進国では現代病の患者さんは、すでに減少に転じています。つまり原因は解明され予防法も実証されています。現代病の原因は高齢化ではなく、工業化・都市化・経済発展によるライフスタイルの変化、つまり運動量の減少と食生活の変化が原因と解明されています。

 19世紀後半から電気や鉄道、自動車などが普及した欧米諸国で食生活が変化しました。牛乳・肉・卵の動物性食品の流通が可能となり、小麦とじゃがいもと野菜の伝統的な植物性食品主体の食生活を”粗食”と呼ぶようになりました。

 ところが、飽食の時代に入った1950年代から現代病が急激に増えて、栄養と病気の関係を調べた結果、高脂肪食、特に動物性脂肪(飽和脂肪酸)が原因と判明し、栄養学が現代病予防に書き換えられて、穀物を中心とした伝統食に戻るように指導されています。世界ではいわゆるセレブの方々がベジタリアンやビーガンになり、卵や乳製品を使っていない商品がもてはやされるようになりました。

 日本では粗食と言われる和食は世界中憧れの的となり、ユネスコ文化遺産に登録されるほど評価され世界に広まっています。

 人間は必要なカロリーを過不足なく食べますので、穀物を沢山食べると脂肪比率が下がり LOW FATとなります。畜産物はタンパク質ではなくFATと表現されます。おかずは畜産物(飽和脂肪酸)ではなく、魚・豆類(不飽和脂肪酸)に替えましょう。日本では和食を素食として米に偏らずバランス良く食べようと指導して、肉、牛乳や卵を未だに大事な栄養素と位置づけていることが、日本でだけ現代病が増え続けている理由です。

  

topへ