注意:本シナリオは、一応ユル・ブリンナー主演の洋画「ウエスト・ワールド」の
パロディのつもりで作りましたが、筆者はこの映画を未見です。
「サムライ・ワールド」とは、時代劇の登場人物になって、アンドロイドの侍たちを
相手にチャンバラをやったり、江戸情緒を楽しもうと言う近未来のテーマパークで、
ハイテク化して規模を大きくした日光江戸村のようなもんだと思って下さい。
俳優達の役は、この「サムライ・ワールド」に遊びに来た普通の人々です。
国籍などは特に関係ありません。日本人だとやりやすいでしょうが、敢えて
「勘違い外人」のメタプレイを導入すると、
それはそれで壊れた面白さが楽しめるでしょう(笑)。
「サムライ・ワールド」の入場口では、 振袖のおねーちゃんが切符を切ってくれたり、
衣裳やカツラを選んでくれたりします。
中に入ったところは、 土産物屋を兼ねた浅草風の風景です。 茶店 (ちゃみせ) や
一膳飯屋などに似せて作ったレストランなどもあります。
ここでは、 テーマパークとしての 「遊び」を演出してください。
(ダンゴを食ってうっかりする俳優とか、 出会い茶屋に行って腰元回し
をする俳優とか、 基本的にノリに任せてよいでしょう)
「サムライ・ワールド」の人気アトラクションの1つに、 「チャンバラ・ゲーム」が
あり、 2つのパターンが選べるようになっています。
1つは「時代劇コース」で、 数人一組になって悪役の屋敷に乗り込み、 時代劇の
悪役の姿をしたアンドロイド (エキストラ。SP:10、技能:なし)
を切りまくって遊ぶコース。 もう1つは 「剣豪対決コース」で、 こちらは割に本格的
らしく、剣の心得のある人が腕試しに入ったりします。
俳優達がこのいずれかで遊ぼうとする場合も、俳優のノリに任せてよいでしょう。
俳優たちが「剣豪対決コース」を選んだ場合、剣豪ロボと俳優との1対1の戦いに
なりますが、実際の戦闘ではありませんから、1回だけ戦闘の判定を行なって、その
ロールの結果が低い方の勝ちとするなど、簡易に判定してもよいでしょう。
それが終わった後、以下のシーンが、俳優達の目の前で起こります。もし、俳優たち
が別の遊びをしていたならば、このシーンは「視聴者の視点」として、監督から
俳優たちに語って下さい。
剣豪ロボ
いうまでもないことですが、俳優たちは初めて剣豪ロボと遭遇した場合、最初は単なる
アトラクションだと勘違いして、ホログラフの刀で戦いを挑むなどの行動に走るのが
定石でしょう。
(ルールブック「うまくバカをやる」参照)
そして、剣豪ロボに実際に傷つけられて初めて俳優達は事態を認識し、驚いて(いる
ような演技をして)、体勢を整えるためにいったんは逃亡を図るでしょう。このへんは
ホラーっぽく演出してください。
賢明な判断として(そして、レイトショウの俳優らしからぬ選択として)外部と連絡 を取ろうとすることも考えられます。しかし、謎の光球は「サムライ・ワールド」の 管理システム全体に影響を及ぼしており、今や「サムライ・ワールド」は外部から 遮断され、完全に孤立しています。
俳優たちが逃亡するのと時を同じくして、それとすれ違うように取方の格好をした 警備ロボット(エキストラ。SP:10、技能:棍棒)が剣豪ロボを取り押さえに向かい ますが、一蹴され、怪光線を浴びせられて、剣豪ロボに操られてしまいます。 俳優たちがスタコラと後を振り返りもせずに逃げているようなら(そして、その可能性 は高いと思われますが)、ここは再度「視聴者の視点」として語ってください。
俳優達の工夫次第で、決戦の場所はいろいろ考えられます。
巌流島、忍者屋敷、あるいは土蔵に立てこもるなど、俳優たちは時代劇に出て
きそうな様々な場所を思いつくでしょう。そして「サムライ・ワールド」には、
そのすべてがあります。
ザコロボットたちは、操られていてもエキストラであることに変わりありませんので、
一撃でやられていくでしょうが、剣豪ロボはもちろんタフです。「ターミネーター」
風に、ズタボロになって顔や腕から金属が見えるようになりつつ、それでも立ち上がり
襲ってくるシーンを適宜演出してください。その演出のためには、上記の「剣豪ロボ」
のデータ(特にSP)は、無視してもかまいません。
炎に巻かれ、完全に金属体と化しても立ち上がるくらいまでがいいところでしょう。
この後何らかのダメージを食らったら、さしもの剣豪ロボも倒れます。
俳優達が立ち去って行く後ろ姿、剣豪ロボの残骸。
と、その残骸から光の球が飛び出す。
ふわふわと飛ぶ光の球にかぶせてスタッフテロップが流れる。
テロップが終わると、光の球は再び地上に向かって降りてゆく。
その降りて行く先には、また別のテーマパークらしき楽しげな光が……。