黄地風水記:抄(世界設定)
ここでは、シャモンが編纂したとされる「黄地風水記」になぞらえて、「摩陀羅RPG」の主な舞台となる黄地大陸の世界設定を概観してみることにしましょう。
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1)歴史概観
上古、黄地大陸は神の国アガルタに支配されていました。秘儀精通者(イニシエ)と呼ばれるアガルタの神人たちによって人類は統治され、奴隷的な位置づけにあったのです。
やがて一部の人類の氾濫をきっかけにアガルタは土中に入定しますが、その際、地上に大洪水を起こして人類の文明を消し去ろうとしました。
この時、上位秘儀精通者の一人ノア・オシワケが、一部の下級秘儀精通者たちと共に、方舟でアガルタを離脱。わずかに生き残った人類……以後、「人祖(マヌ)」と呼ばれる……を導き、人類の文明を再興させます。
その後、日修羅人たち同士の争いや、日修羅人の文明を独占しようとする辺境国家同士の争い、その結果としての2回の大きな「秘儀戦争」と呼ばれる戦乱を経て、いったんは安定期に入るのですが、マヌ歴3499年、東方のフダラク大陸より来襲したナーガ公国によって、黄地大陸は再び戦乱の時代となります。この戦争は当初、黄地のウガヤ王朝をはじめとする8カ国の連合軍が優勢だったのですが、ナーガ公国の公王子が変死した後、ナーガ軍を掌握したミロクによって、形成は逆転しました。ミロクは、魔界より召喚した魍鬼を操り、黄地大陸を一気に制圧して「金剛国」を建国します。「金剛国」というのは通称で、正式には「ヴァジュダートウ王朝」と呼ばれますが、ミロクが大陸を制圧した際、魍鬼八大将軍と呼ばれる八体の強力な魍鬼を、金剛界曼荼羅に模して大陸各地に配置したため、「金剛国」の名で呼び習わされるようになりました。
金剛国の支配は数十年続きますが、かつてのホウライ国の王子カオスによって組織された反乱軍により滅びます。この際、伝えによれば伝説の真王マダラが現われ、ミロクを倒したとも言われています。その後カオスは統一国家「千年王国」を建国、以後850年の長きに渡って黄地大陸を統治することになります。
2)地理概観
それでは、黄地大陸の地理を、かいつまんで説明しましょう。
- ニソの杜
コミックス第1作の主人公マダラが育った村のあるところです。大陸最大のレインツリー(宇宙樹)を中心とした日修羅人の集落が形成されており、大陸における日修羅人の最大の拠点となっています。
- 雨の河
須弥山を源流に持つと言われる、大陸南部を流れる大河です。その主は「応龍」と呼ばれる巨大な龍で、この応龍が肥沃な土を下流に導くために、流域には肥沃地帯が広がっていると信じられている一方、この応龍が狂ったために雨の河の大氾濫が起こり、流域が壊滅的打撃を被ったとされる歴史的記録も残っています。
- マナダ山
ソーマ地方の山で、ハマオ族の聖地です。ソーマ国の王城が麓にあり、山頂にはアガルタ時代の遺跡も存在します。ソーマの製法を知ると言われ、別名「ソーマの精」とも呼ばれる妖精「秘燐(ぴりん)」が、大陸で最も多く見られる地域です。
- 風の杜
ホウライ国領であったこの地は、オロチ族の一部氏族によって建立された風を信仰する神殿「風源宮」のある地であり、彼らの子孫は「風一族」と呼ばれます。
- 須弥山
大陸東部の高山地帯に位置する巨山ですが、普段は霧に包まれており、雨の日だけしかその姿を見ることはできません。山頂には「王の間」と呼ばれる遺跡があり、そこの天楼門はアガルタと現世とを結ぶ扉であるとも言われます。実は、須弥山そのものがアガルタより飛来した浮遊城塞です。その麓に位置する「天の都」は、アガルタ、ウガヤ、金剛国と続く歴代王朝の首都でした。
- 予言者の島
大陸東部の内海「死の海」に浮かぶ島で、予言書「九竜文書」を編纂した日修羅の予言者イコゼが眠りについた場所であるため、この名で呼ばれます。アガルタに関するタブレットが多数封印された場所でもあり、多くの研究者が出入りした時代もありました。
- カイサーラ山
神代(アガルタ時代)に「ティセ」と呼ばれる塔が建設されて地殻変動が引き起こされ、山となりました。塔の内部は外界の時間の流れから隔絶されていると同時に、魍鬼どもの故郷とも言える魔界とつながっており、別名を「ヨミの城」と呼ばれます。
- 炎の回廊
かつてはアガルタの拝火教の神殿であり、オロチ族の聖地であると同時に王城でもありました。金剛国に対抗した反乱軍の大きな戦力となった2体の魔人「蒼炎(そうえん)・颶風(ぐふう)」の封印されていた場所で、その封印がホウライの「廃皇子」カオスによって解かれたことは有名です。
- ニルヤの城
ホウライ国西部にある聖地で、別名を「蒼の回廊」と呼ばれます。「炎の回廊」以前のホウライの王城でもあり、これまたアガルタ時代の神殿です。代々のホウライ王族の娘が巫女として治めていました。
- バントウ
死の海の北部沿岸にあり、死の海を通る水運の拠点として重要な都市です。金剛国時代には重要拠点として要塞都市の様相が色濃い都市でしたが、金剛国滅亡後は千年王国の首都と定められ、2代王ロキの時代に大規模な王都造営がなされました。
- リョサン
大陸北部、マナシキ山脈に位置するイズモ族の隠れ里で、ウガヤ王朝の初代王ウガヤが「闇の剣」を封印したといわれる場所です。セブリ族という獣魔とイズモ族が共同生活を営んでいましたが……その運命がどうなったかは、コミックスに詳細が出ています。
- 大樹海
大陸中央、ミンラ国領の大半を占める大森林です。あまりに広範囲なため未踏の地域が多いのですが、古代拝火教のものと見られる神殿が存在し、今なお炎を崇め祀る人々の集落があると言われます。
以下、工事中です。
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