シナリオ「天使の輪（エンジェル・ハイロゥ）」

対象レベル：15〜18レベルのＰＣ、４〜５人くらいか？(覚醒篇の場合は20レベルくらい？)

背景情報：

1. ヘブライ神族
   　天使達のLIGHT-LAWサイドと堕天使達のDARK-CHAOSサイドで争っているかに見えるが、これは「審判の日」に人々（魂）をふるいわけする為というＹＨＶＨの計画の一環にすぎない。もっとも、これらのことはルシファーとその側近（ルキフグスとか）クラスでないと認識はしていない。（元ネタは真II）
   　もっともルシファー自身はこうした「仕組まれた敵役」である自分から抜け出たいと思っており、その思いが複数の分霊を生んでいる。

2. アメリカ合衆国
   　世界最強の軍隊とぬきんでた科学力をもつアメリカ合衆国は、一面でキリスト教国家としても有数の存在である。また古き神々であるネイティブ・アメリカンの精霊達はネイティブ・アメリカンともどもほとんど圧殺してしまっている。そんな合衆国はヘブライ神族の策源地となっている。
   　その頂点に立つのが「ミカエルの転生体」であるアメリカ合衆国副大統領。官僚機構や軍産複合体には巧みにメシア教徒や顕現したり転生した天使達が入り込んでいる。軍産複合体の一部には堕天使勢力も食い込んでいるが、これとても「神の計画」の一部となっている。

天使の輪計画

　星辰の移ろいで蘇りつつある「古き神々」に、ダークヘブライ神族を使ってハルマゲドンを演じさせ、核爆弾で全世界を破壊する「大破壊」「大洪水」「ERASE」の後、選ばれし民のみを新しいエデンで生き延びさせ、古き神々を一掃するヘブライ神族によるハルマゲドン計画の一環。

　「天使の輪」は静止衛星軌道上のトーラス型宇宙ステーションに見える。実際、真の姿を隠蔽するため、実験軌道ステーションをUS-AIR FORCEが作っているとされている。（NASAでないあたりが怪しい）
　カテドラルに選ばれし民を集めて後に分離発射される「エデン」と合体し、核の冬と放射能の減衰を待つ際のスペースコロニーの基盤にもなるが、その本質は「巨大なマグネタイト・バッテリー」である。「大破壊」による悪魔や人々の死によるマグネタイトを凧状のテイザー（軌道エレベーターのようなもの）で収集し、大天使や最終的にはＹＨＶＨを顕現させるための礎とする。

シナリオの導入

　ＰＣはゴトウと知遇を得ており、カオスサイドに立つものとするあたりが適当か。「大破壊」「カテドラル建設」「天使の輪」などのアメリカ合衆国による陰謀を「日本抹殺計画」として把握したゴトウは、ＰＣ達に天使の輪の破壊または占拠を依頼する。

（ゴトウ）「陸幕調査部別班の調べによれば、すでにステーション内部に多数の天使と数体の大天使が実体化しているらしい。奴ら『悪魔』どもと対決出来る人材が必要なのだ」
（ゴトウ）「このステーションは東京を核攻撃して大量の悪魔と人を殺害し、そのマグネタイトを収集せんとする外道なものだ。わが日本を守るため、諸君達の協力を望む」

筑波研究学園都市

　ともあれ宇宙にいかねばならない。ＰＣ達は筑波研究学園都市で密かに作られていたスペースプレーン試作機「桜花」に搭乗する。だが、静止衛星軌道上にある「天使の輪」に到達することは桜花には出来ない。
　そこで・・亜軌道飛行の末、ロシアの「星の街」に飛ぶと伝えられる。

　ゴトウグループ監視役のメシア／米軍との戦闘などを適宜織り込み、Ｆ−１８からのＡＡＭをＰＣの加護（命運）（笑）でかわしながら「桜花」が飛び立つ。

ロシア「星の街」

　搭乗してきた「桜花」を司令船がわりに使い、エネルギア・ロケットでＰＣ達を打ち上げる。ゴトウグループと連携しているのは旧・ＫＧＢである。

（ＫＧＢ職員）「敵ステーションにアクセスするためには敵の近接防御システムを無効化しなくてはならない。トランスファー軌道に乗り次第、アメリカの軍事衛星「BIG-EYE-III」とレーザー回線を開いてくれ。そこからハッキングしてシステムを乗っ取るのだ。BIG-EYEまでのパスコードは我々が入手した。
　だが、ステーション内部のシステムは電霊化した天使達に守られているようだ。君たちもまた電子の世界にダイブしてもらうことになるだろう」

　旧・ＫＧＢよりネット・ダイブ・システム「ネミッサ」を受け取れる。

　桜花の所在をつきとめたアメリカ軍によるＢ−２ステルス爆撃機による強行爆撃をＰＣの加護（命運）（笑）でかわしながらエネルギア・桜花が飛び立つ。

軌道上の悪魔

　ＫＧＢのパスコードとネミッサを用い、軍事偵察衛星経由で電霊化したＰＣ達がステーションのガードと戦う。
　コア・システムにたどり着き、ハイテク・コンピューターなＰＣがシステムを書き換えれば勝利。

　ガード役としてはエンジェル、アークエンジェル、大天使ラミエルあたりを用いる。またネット内部という特徴をだすため、ウィルス「アンドロメダ」を仲魔相当として使えたり、敵側にワクチン「ポリス」を出してもよいかもしれない。

「天使の輪」

　ステーションに接近したところで無効化したはずの近接防御システム（バルカン砲）あたりで銃撃を受ける。ただし、生きているバルカン砲は１基だけで、施工途中でシステムから切り離されていたものを手動で動かしているようだ。そのため桜花は死角にまわりこめるが、中心部のドッキングベイいは近づくことが出来ない。そこで縁辺部の非常ハッチから侵入することになる。

　ＰＣがノンビリ構えている場合はステーションが回転を始めたなどと言ってせっついても良いだろう。ＥＶＡをするＰＣを宇宙仕様（？）のエンジェルやアークエンジェルが襲ったりしても面白いかもしれない。

（ＰＣの一人）「スカート付きか？」＞エンジェル

　中心部のコア・ブロックには大天使ザフキエルが頑張っている。

（ザフキエル）「神の座を侵す愚か者め。我が裁きをうけるがよい」

　ザフキエルの周囲にはタルカジャ要員として妖鳥アエロー、ラクカジャ要員として闘鬼スパルトイ，前衛の壁＆回復役としてプリンシパリティあたりを配置する。

　ＰＣが勝利を収めれば「メタトロン召喚プログラム」「ＹＨＶＨ召喚プログラム」などを納めた大型コンピューター（巨大マグネタイトバッテリー付き／ただしＭＡＧは０）を入手出来る。ただし、プログラムは巨大すぎてアームターミナルへは入らない。それにノンビリしていると米軍が奪回部隊をさしむけてくるだろう。なんらかの手段でステーションを破壊し、桜花で帰還するのが良いだろう。

　「天使の輪」を再建するまで東京への核攻撃は控えられる。これにつづいてシナリオ「白亜の魔城」あたりをやや変更して使えば、「核ミサイル回避、大破壊は起きない」未来が待っているかもしれない。

　また東京が核攻撃されてしまい、天使の輪が膨大なマグネタイトを収集してしまう展開にも出来る。この場合は大天使やＹＨＶＨのプログラムを消去し、カオスな神々を蘇らせてもよいかもしれない。