Chobe river and Victoria falls
ヴィクトリア・フォールズ
チョベリバ(Chobe river)なボツワナ

Todd's African tour Sept.97


Victoria falls(from Zimbabwe)

傷だらけの旅人・石井さんとの日々
920日、ケニアを離れ、ジンバブエの首都ハラレに帰ってきた。ジャカランダロッジに行くとなんとアリさんがいた。我々は再会を喜び合い、色々な話をした。アリさんは日本語も少しだけ話せるので我々の会話は英語と日本語がごちゃ混ぜだ。野口君は既に南アに発ったあとで、それからガーナに行くという事らしい。アリさんにナイロビであった現地人女性の話をした。永田さんと2人でいるとき会ったのだが、これがアフリカ人らしからぬ美人。しかしどうも娼婦らしく、ナイロビのこの手の商売の人々がエイズキャリアである確率は30%とも70%とも90%ともいわれる(えらいバラつきだが)。旨い話には何事もウラがあるもんですね、と話すと、アリさんしみじみと肯き「そう。美人には毒があるもんです。」。日本でもそういう諺があるが、パキスタンでもそうですか?と聞くと「パキスタンでもそうです。」なにかアリさんにも苦い思い出があるのだろうか。アメリカにもこういう歌がある、「Every Rose Has Its Thorn」。二人で歌ったものだ。

翌日、ボーイング707でヴィクトリア・フォールズへ。空港からバスで20Z$。キャンプサイトの9人部屋ドミトリーへ泊まる事に。滝まで歩き、写真を撮ったり、他の旅行者にシャッター押してもらったり。帰ってドミで休んでると石井さんという人がオカバンゴからやってきた。ともに久々に見る日本人だったので笑みが漏れる。

アフリカ旅行のもっとも素晴らしい点はここにある。たとえばロスやハワイやルーブルで日本人に会ったからといってそれだけで友達になるだろうか?どこも行ったことないが別段挨拶もしないと思う。しかしこういうところで日本人と会うという事はそれだけで劇的な出会いなのである。リビングストンとスタンレーの再会の如しである。そういうわけで一緒にブラワヨ、ハラレまで夜行列車で行くことに。

翌日UTCバスでボツワナのカサネに。片道35US$。びっくりするほど高い。ロンリープラネットの表記の倍近い。抗議したら「値上げしたんだ」という。そんなこんなでカサネに着き、チョべ・サファリ・ロッジのチョべ川のほとりのキャンプサイトでキャンプした。地元の人の話では雨の心配はまずないうえ、石井さんから借りた寝袋もあったのでもう地べたにテントの生地一枚だけの上に寝ることはない。実際、快適な夜だった。動物の鳴き声はすごかったが。初日は木を刳り貫いて作ったモコロというカヌーに乗って舟遊び。4時からチョべ国立公園へサファリだ。ライオンも見れて好調。も束の間、いきなり車が故障。一時間立ち往生。同乗したオランダ人カップルも苛々していた。チョべの夕焼けはしかし最高に美しかったが。お詫びに翌朝のサファリにただで行けることに。で、朝6時に集合場所に行くとさっさと車は出かけていた。ボツワナではいちいち全員揃ったかなんてチェックしない。何人か集まってればひとりやふたり足りなくても気にもしないらしい。文句を言って、帰りのバスが9時だったのでカサネを去る。まったくボツワナは適当な国だ。

チョべの動物と自然はケニアをも凌ぐ

で、ヴィクトリア・フォールズに帰ると、レンタサイクルでバオバブの樹(樹齢1,600年!)を見に行くと、道端にゾウが4匹。大木を鼻で倒して皮を食っていた。大迫力。一休みして自転車でザンビアへ。一日ヴィザ(US10$)をイミグレで取り、リヴィングストンへ。しかし滝はジンバブエ側からのほうがずっといい。

そうこうしてたら石井さんラフティングから帰ってきた。膝を思いきり切っていた。痛々しい。ザンベジ川ラフティング中岩にぶつけたらしい。しかし時間は待ってくれない。ブラワヨ行き夜行列車に乗るため駅へ。18:30発で翌朝着。ハラレまで通しで195Z$。約2,000円。安い。食堂車での食事は趣がある。ザンベジビール美味い。ブラワヨでは石井さんともどもマトポス国立公園へサファリに行く。サイがいてラッキー。

マトポスにて

壁画やらセシル・ローズの墓もある。サファリが終わり、ブラワヨ駅で夕食を取る。シチューアンドサザを食う。30Z$くらいだが美味い。サザはトウモロコシやらジャガイモやらその他穀類やらを混ぜて練って作ったものだ。ケニアのウガリに似ている。そしてまた夜行で21:00にハラレへ発つ。朝7:00にはハラレ駅に着く。再会を誓い石井さんを空港で送る。

ハラレ行き夜行列車

私はまたジャカランダへ泊まる。夜アリさんと食事をし、翌朝9時ホテルを出ようとしたら朝から姿の見えなかったアリさんから電話が。食事の後別れて、そのままモスクに泊まったらしい。わざわざ出先から別れの挨拶のため電話してくれたのだ。本当にうれしかった。それぞれの国を訪れたら必ず訪ねあうことを約束し、9月26日私はジャカランダの咲き乱れるハラレを後にした。

一期一会こそアフリカ旅行の精神
そうして27日間に及ぶ私の2回目のアフリカ旅行は終幕を迎えたのである。アフリカの筆舌に尽くし難い大自然、生きとし生けるものたちの姿、街の人々の熱気そのすべてが素晴らしい。しかしそれをも凌ぐ旅の素晴らしさの本質とはやはり多くの人々との出会いなのだ。6ヶ月かけてアフリカを回る野口君、中古車ブローカーアリさん、ホテルマン・イワン、ザンジバルの中大生・熊谷さん、岸本さん、ケニア山調査にきてマダガスカルやウガンダにも行ったという先生と大内さん、パラダイスの三浦さん、上田さん、なんといっても永田さん、そしてアンボセリで帯同したオランダ人たち、ワールドツアラー・JR東日本の石井さん、そして一人旅の私のためにシャッターを押してくれたすべての人たち…などなど。今の職場2年半いて本当の友達ってせいぜい4、5人。対して今回の一ヶ月で出来た友達はざっと10倍。一期一会にこそ本当の旅の素晴らしさがあるのだ。また改めてそう感じた。そしてまた新しい出会いのために俺はまたアフリカに来る−。曠野が俺を呼んでいるのだ。

アンボセリ編

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