旅のこぼれ話U


PARAGON HotelCalcuttaIndia

98年9月中旬マダガスカル・フォートドファンにて

同行者イアンとレストランで夕食中に

イアン「藤堂、日本ではどんな外国アーティストが人気あるの?」
とうどう「ああ、音楽かい?うん、英国や
アメリカで人気のものはたいてい人気あるよ。」
イアン「たとえば?」
とうどう「うーん、たとえばといわれると…」
イアン「サマンサ・フォックスか?」
とうどう「…」…なんでだよ…
とうどう気を取り直して「U2とか色んなアーティストが人気あるよ。
だけど昔から一番人気があるのは…」
イアン「人気があるのは?」
とうどう「ザ・ビートルズだ!」
イアン「当然だ!」
うーん、さすが英国の誇りだ。

99年3月中旬インド・バナラシ久美子ハウスにて

Uさん(19歳・大学休学中)「俺の友達で、姉ちゃんが***持ってるって奴がいますよ」
とうどう「はあ?***ですか??」
Uさん「そうです、***です」
携帯電話でいうところの着信を振動で知らせるシステムである。
とうどう「で、その友達はそれを見ちゃったわけだ」
Uさん「ええ、部屋にあるのを見ちゃったみたいです。机の抽斗の中に入ってたって」
とうどう「それで?」
Uさん「いや、匂い嗅いだら臭かったって言ってました」
……嗅ぐなよ……

99年2月ナイロビ・イクバルホテル横タジレストランにて

エアカナダ職員江川さん、協力隊内定・建材会社退職したて・中村さん、上
智大Kちゃん23歳女の子、ヒトヅマパッカー知子さんとキーマカレーなん
か食いつつ、Kちゃんが入る会社が私と同じ業種だったのでいろいろアドバ
イス。本文にもあるけどもう少し補足。

とうどう「じゃ、TOEICの成績なんか結構良かったんだ」
Kちゃん「ええ、850くらいですけど…」
とうどう「うーん、僕らのころならうちの会社のトップクラスだけど、今そ
の会社だと真ん中よりちょっと下くらいでしょ」
Kちゃん「そうなんですよ。留学もしてたんですけど。それでも上はいっぱ
いいるんです。」
で、会社の雰囲気の話になると
Kちゃん「やっぱり体質保守的なのかな、って思うのは面接の時とかワビサ
ビって言う言葉を使うと凄く感心されちゃって…」
とうどう「…なるほど」
Kちゃん「そうかと思えばパンフレットとか、大勢集めてやる役員のお話と
かでは、若い力をどんどん入れてくれ、って話してて…やっぱり建前なのか
な、って思って」
とうどう「いや、みんなそうだって。面接とか、大勢の前のスピーチでは会
社を変えるとか、気の利いたことを言えて、実際の現場では保守的で前例通
りのことだけやる保守的なお調子者が重宝されて、出世するんだよ。あなた
が受けた入社面接はほかでもない、そういう資質をなによりチェックしてる
んだよ。だから”会社を変えてくれ”なんて言われて額面通り受け止めて新
奇なことしてたら絶対だめなの。その言葉を建前だと腹芸で読み取ることを
要求してるんだよ。それが出来る奴が出世すんの」
Kちゃんたいそう感心した様子で「…いままでそんなことだれも教えてくれ
なかったですよー!」
とうどう「そういうことを言ったらおしまいだからね。逆に建前の美しい言
葉の真意を言われなくても読み取れるかどうかが大事だから。そのうえで、
保守的な人材がやっぱり日本的企業にはありがたいわけよ。つまり本音と建
前の使い分けが大事で、本音いうところで建前言ったり、建前言うところで
本音言う奴なんか、もう日本社会では終りなの。いわゆるどこの会社にもひ
とりはいる問題児になっちゃうわけ。俺みたいに」
江川さん「建前というと、ほんと組合なんかもそうですからね。」
とうどう「組合もねえ…社員の労働条件の維持改善とかいって、結局は形だ
けの闘争ですからね。結局経営の責任も権限も無い組合なんか、何も出来る
わけ無いんだから組合費ドロボーですよ」
Kちゃん「オトナだー…昨日までのわたしはコドモ。今日からのわたしはオ
トナだー!…」
とうどう「良く考えてみなさいよ、学校だって教えてこんできたことって結
局そういうことだってわかるでしょ。口先で立派なこと言って、やるのは周
りがやること。でなきゃ怒られる。つまり要領だよね…」

Kちゃん「そういえば温故知新って言う言葉を良く偉い人が使ってます」
とうどう「口で言うと同じ温故知新でも半紙に毛筆で書くと物凄く「温故」
が大きくて、「知新」が虫眼鏡でないと見えないくらい小さい温故知新なん
だよね」
一同、手を叩いて笑う。
温故が本音、知新が建前なの。
こんだけ分かっててなぜ会社を辞めねばならなかったのか…

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