ソサエチーとの出会い


小学校3年生でサッカーを始めた私は、高校1年の時に先輩と衝突してサッカー部を辞めてしまいました。
以来12年、やはり何か悪いイメージでも残ったのか、すっかりサッカーから遠ざかった生活を送っていました。
時は(懐かしの)バンドブーム(笑)。私もバンドを結成してライブハウス通いの毎日。
サッカーはテレビ放映すらほとんど見なくなりました。
自分はもう球を蹴ることなんかないと勝手に決め付けていた気がします。

そんな私が30近くになっていきなりフットサルに目覚めたのは
(もちろんそれ以前にJリーグ発足、ドーハの悲劇など、サッカー自体に再び興味を持たせる様な出来事があったのですが)
仕事で時々行く
イングランドの草フットボール環境にびっくりしたのがきっかけです。
そこら中に芝のグラウンドがあり、それぞれの街に30代、40代、50代の草リーグが何部もある。
仕事帰りや週末に仲間が集まってきて、まるでクラブに集まるかパブに行って飲むかの様に当たり前にボールを蹴っている。
結構へたくそでも、足がもつれてても、みんなとっても楽しそう。
人数とかは結構いい加減、ゴールはいわゆるミニゴールが多い。

それを見ていたら、ものすごいものに圧倒された気分になりました。
そしてその後に、
なんか無性にボールが蹴りたくてたまらなくなりました。
なんだ、別に自分もやったっていいんだ!」と思ったのかもしれません。

で、日本に帰って、どうやらフットサルというものがあるらしいという情報を探り当て、
昔のサッカー仲間に声をかけ、二子玉川にコートを見付けて、チームを結成しました。
なんて楽しいんだろう!なんでこれをずっと忘れてたんだろう?
もう10年以上会ってなかったのにみんなのボールのもらい方やドリブルの癖なんかは変わってなかったりして。
でもそのメンバーで集まれるのは1〜2ヶ月に一度が限界。
1年程過ぎると、次第にもっと蹴りたくなってきました。
一方で最初は懐かしさで沢山集まっていた仲間もだんだん揃わなくなって行きました。
場所も限られている、値段も高い(人数集まらなければ特に)、
あれ、実はフットサルってそんなに気軽になんか出来ないじゃないか。
そんなことも思い始めた矢先・・・・

2000年3月、フットサルネットのメールニュースで、
藤沢市サッカー協会フットサル委員会、 小野直樹さんによる「
アポ無しブラジル紀行」という連載が始まりました。
そこでまず紹介されていたのが、「
ソサエチー」(詳しくは、「ソサエチーとは」をご覧下さい)

ああ、なんて素晴らしい!そしてうらやましい!ブラジルにもあったんだ。

極端なことを言えば、私はソサエチーやイングランドの
草フットボールの様なものがあるかないかっていうのは、
サッカーが「
文化」となっているか否か、であるのではとすら感じています。
ただのスポーツの1つか、それとも「文化」なのか・・・・(大袈裟か?)

その日から私は、東京都内における「
日本流ソサエチー
(=職場に道具を置いておいて平日夜に時間が出来た時に近くでふらっとボールが蹴れる環境、というのが私の勝手な解釈。
海パンとタオルを会社に置いておいてふらっとプールに行く様な感じでサッカーがしたい!)
の実現を夢見る様になりました。
で、現状これに一番近いのは、「
個人参加型フットサル」ではないでしょうか?
私も実際に、時を同じくして始まった都内(羽田)の人工芝コート主催の個人参加フットサルに頻繁に通う様になりました。
間に合う様頑張って仕事して、で、最悪行けなくっても誰に迷惑をかける訳でもないし。
そのうちだんだん顔見知りも増えてくる。
始まった当初は5〜6人だったのが、すぐに爆発的に人数が増えて30〜40人集まる大人気企画となり、
ああ、みんなこれに飢えてたんだなあ、と感じました。

しかし(払えない額じゃないけど)ちょっと高い。
しかも家からも勤務先からも1時間かかる。
2人目の子供ができて夜の外出が難しくなったこともありだんだん行く回数が減ってきましたが・・・・

そこに地元、世田谷区の体育館施設でのフットサルボール解禁のニュースが入って来ました。
(蛇足ながらこの解禁の為の運動/区への働きかけには私も参加しました)
ふふふ、、、、もうこれは自分でやるしかないでしょう!
すぐさま私メンバー(FC萬流の、このチームは上記のチームとは別)の説得を開始しました。
(偶然にもフットサルネットが時を同じくして「ソサエチー」と声高に言い始めました)

嬉しいことに個人参加企画を行う民間コート、業者、チームはだいぶ増えて来ました。
でも私はまだまだ少ないと思います。
まだまだパイの奪い合いになんかならない。
現状ではまだ、遠くまでわざわざ通わなければならなかったり
いろんなレベルの人達が一緒にプレーすることを強いられ
中級者以上も初心者もお互いにフラストレーションが溜まる状態にあると思います。
あちこちで各曜日に、色々なレベルの人の為の同様の企画ができて、
多くの人が会社や学校の帰りに、
安価で、気軽に、近くで、楽しく、思い立った時にいつでも
ボールが蹴れる環境ができたらいいな
、と私は夢見ています。
そして興味はあるけど機会のない人達なんかが実際にボールを蹴れる様になってくる、
そしたらもう「たかがブーム」なんて言わせない。
そしていつの日か、日本でサッカー・フットサルが「
文化」となる日・・・・・

日本代表は
ワールドカップを手にしていることでしょう。

(と、書いた途端、イングランド代表が決して強くないことを思い出した。とほほ・・・・・
すいません、「ワールドカップ」の部分は皆さん各自で、自分に説得力のある言葉に読み替えて下さい)

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