心得(その2)

前回は、超初心者がとりあえずゲームに入る為の
最低限の心得の様なものを書きました。

今回はステップ2と言うか、もう一つ二つ上のレベルの話として
ボールを止める/蹴る、はある程度出来る、もしくはサッカー経験が多少ある。
だけどフットサルの狭いコートの中で、どの様に動いたらいいのかがよく分からない、という方々向けに
もう少し書いてみようと思います。
(チームじゃないんだし、これを必ずやって下さいとは言うつもりはありません。
これが出来ればもう少し楽しくなるんじゃないかな、という程度。
チームとしての連携とか約束事とか以前の、
「個人戦術」としてのフットサルの動きの基礎、と言ってもいいかもしれません。
別に目新しい事でも何でもないのでどこかに既に詳しく書いてあるとは思いますが
個人参加企画に参加するにあたってのポイント、という程度の意味でまとめてみます。)

1)ディフェンス
ディフェンスは、基本的にマンツーマンを意識します。
別に「ゾーンの反対語」として、つまり相手のポジションがどんなに入れ替わろうと
一人の決めた相手をどこまでも追い回す、という意味でのマンツーマンではありません。
フットサルは基本的に、全員で守り、全員で守備をする競技。
だから、守備時は全てのプレーヤーが、前線でも、後方でも、必ず一人マークする相手を見付け
「余ってしまう」ことの無い様に常に努力する、という意味です。
もちろん、相手がポジションチェンジしたら、味方と声掛け合ってマークの受け渡しをして構いません。
(更に言えば、受け渡し方や、受け渡すべき場合/付いて行くべき場合とか、色々あるんですが
それは又の機会に。最近はフットサルの本も結構出ているので、そちらでもご参照下さい。)

まれに、サッカーで言うところの、スイーパー的な位置に、
最後尾に一人余って守っている人がいるのですが、これは基本的には「間違い」です。
(もちろん、各チームでは、戦術的にある時間帯は後ろに余して守る、とか色々あっていいと思いますが)
スイーパー的な役割はキーパーが果たす事が可能ですので、
フィールドプレーヤーはスイーパーをする必要はありません。
(相手の攻撃者が一人フリーになってしまう上、GKのブラインドになってしまいます)

尚、前方(相手陣内)での守備は、一発でスカッと抜かれない様にある程度距離をおいて
(で、ドリブルやワンツーでマーカーが前に出てきたら、それに付いて行く)
後方(自陣)での守備は、シュートを撃たれない様にある程度距離詰めて守る、というのが基本です。

2)縦に抜ける/カバーリング
以降は、攻撃時の動きについてです。
上述の通り、フットサルでは基本的に、常に全てのプレーヤーが相手のマークを受けている状態になります。
その中で、ポジションチェンジをしないでパスを繋ぐのはよほどの実力差でも無ければ不可能です。
そこで大事なのが、いわゆる「縦に抜ける」動き。
つまり、後方のプレーヤーがパスを出したらそのまま縦に走り抜ける動き。
サッカーでも同様ですが、後ろから出て来る人の方が相手がマークしずらいのでフリーになれる確率が高くなります。
かつ、縦に抜けたプレーヤーに相手マーカーが付いてくれば、そこにパスやドリブルのスペースが生まれる事になります。
そして、パスした人が縦に抜けると同時に、他の誰かが後ろに戻ってあげる、という
カバーリングの動きが同時に行われる事が必要になります。
(ちなみに、この動きをパターン化してチームで約束事にまでしたものが、
エイトとかタスキとかボックスとかいうフォーメーションなのですが、
そこまでは今ここに書かなくてもいいのでは、と思います。
抜け方にも色々ありますが、それもここでは省略します。)

よく、カバーリングに下がってきている人がいるのにパス出した人が前に抜けない為
パス受けた味方が次のパスを出す所がなくなってしまう、とか
前に抜けたのにカバーリングの動きが無くて、後ろがガラ空きになってしまうとかいうシーンを見受けますが
非常にもったいないなあ、と思います。
縦に抜ける/カバーリングという意識が全員にあれば、個人参加でフォーメーション云々の決まりごとが無くても
ストレス無くみんながよりスムースに動けると思います。

3)ダウン(ボールを後ろに戻す)とその後の動き
今でも、味方が持っているけどハードマークを受けていたり前方にパスコースが無い様な場合
(もしくは後ろ向きで相手を背負っている様な場合)
後ろにいるフリーの味方が「ダウン!」(つまり、ボールを一旦後ろに戻せ)という声をかけていますよね。
これは、後ろにいる、よりフリーで、より周りが見えている人にボールを預ける、という意味で
とてもいいことだと思います。
(無理して奪われるよりも正しい選択であることが多い。まあたまには無理もいいとは思いますが)。
しかし、現状ではボールを後ろに戻した人が「これで自分の役割は終わった」という感じで、
パス出したままぼおっと突っ立っていることが多くて、
ああもったいないなあ、とよく思います。

後ろにパスを出した後は、縦に抜けてマーカーを振り切る、
もしくはそれでも相手が付いて来る様なら、急にストップして戻る(フェイク)、
という動きをそこでして、ダイレクト/1トラップでボール返してもらえば
ボールを戻す前より有利な状況でボールが持てます。
(ちなみにこれを2〜3度繰り返すのも有効です。)

他のプレーヤーも同様で、他の味方が後方にダウンした瞬間に
その後方のプレーヤーからパスが出せる位置にすっと動いてあげれば
1トラップ、もしくはダイレクトでパスがもらえる。
同時に、後方にいるプレーヤーが「ダウン」を要求する時には、自分も周りをよく見ておくことも重要になります。
(パスが出る前に、及びトラップをする前に)
この意識があれば、「後方に戻すパス」の意味合いがガラリと変わると思います。
(「自分で勝負するのを放棄するパス」ではなく、「次に繋がるパス」になるし
ダウンしたがらない、という様な自己中心的なプレーも減るのでは?)

4)ボール受ける前に周りを見る
まあこれは出来ている人も多いし
言ってみれば上記の3)をやる為の大前提でもあるのですが
初心者の方はやはり、まずはトラップすることに精一杯になってしまい
トラップしてから、周り見て、考えて、という順序になってしまう為、プレーが遅れてしまいがちです。
自分にパスが出る前、出た瞬間、トラップ前に首を振るクセをつけておけば
トラップする前に次のプレーのイメージ/選択肢をいくつか持てる上、
ダイレクトではたくことも可能になります。
これは、対人パスとかをしている時から、実戦を想定して
相手が蹴った瞬間にコース/速さを判断し、一度首振って周り見てからトラップ、という
練習をするのもいいと思います。

尚、これは、リスタート(GKスローやキックイン)の時も同様です。
GKが投げられる状態になってから/キッカーがボールをライン上に置いてから、周りを見るのではなく
ボールを拾いに行きながら周りを見ておく。
周りも、それを意識して予備動作やポジション取りをしておけば、次のプレーに素早く進めます。


今回はこの程度にしておきます。あくまで参考まで。
何か御意見ありましたらお聞かせ下さい。と言うか、私もまだまだ勉強中なので教えて下さい。
又気になることがあれば書き足すこともあるかもしれません。


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