茶室へ入るために手と口を清める。
流れる水が水琴窟を響かせる。
遠くで響くせせらぎのように私の記憶を呼び覚ます。
釜の音、衣擦れの音。
鳥が飛ぶ音、虫の声、葉の揺れる音。
茶碗にお湯が注がれ、茶せんが軽やかな音をたてる。
差し出された茶碗を手に、静かにお茶をいただくと、
味や香りが心の疲れを流してくれる。
これから起こるすべてのことが一瞬にして思い出される。
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Web版 『 気持ちいいもの 』
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