山菜の天ぷら

田舎で食べる山菜のてんぷらには物語がある。

山のどこで採れたか。

どんな風に生えていたか。

何をどれくらい採ったか。

どんな楽しみと苦労がそこにはあるのか。

どうやって調理したか。

そうしてやっと、私の前に差し出される。

ころもに包まれた香り高い山菜たち。

山菜のてんぷらには塩が合う。

ころものパリパリ感と油の香り、

その奥に山菜の味。

私のからだが物語を受け入れ、新しい物語が生まれる。

ああ、おいしかった。

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