今も忘れられない肩車の思い出。
私の兄は十三年上。
私が三歳の頃、兄は十六。
兄はポストに手紙を出しに行くと言って私を連れだした。
兄は私を肩車した。そしてポストまで走った。
私は兄の肩から落ちないように、必死で兄の頭につかまった。
激しく上下するうちに私の手は兄の目をふさぐ。
すると兄は私の手を持ってバンザイの格好をさせながら、なおも走る。
私はおかしくて笑いっぱなし。
兄は私を恐がらせようとかなりのスピードで走ったり、止まったり。
家に帰る頃にはヘトヘトだった。
兄はあんなに上機嫌で、いったい誰に手紙を出したのか。
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