デジャヴュ

僕の小学校には大きな銀杏の木があった。
校舎の工事で銀杏の木の脇に
土が盛られていたことがあった。
休み時間に盛られた土の山を
駆け登ったり降りたりしていたとき、
その感覚はやってきた。
「この場面、前に見たことがある」
当時はなぜそんなことが起きるのかわからず
デジャヴュという言葉も知らず、
いったい僕はどうしたんだろうと不思議だった。
中学生の頃にデジャヴュという言葉に出会う。
僕がたまに体験することがまさにそれだと知った。
高校生になった頃からデジャヴュの質が変わった。
夢の中ではひどい目に会うのだが、
その後に体験する夢と同じシーンは
はじめは同じだが終わりはハッピーエンドか
少なくともひどい目には会わなかった。
ある人にそのことを話したら、
夢の中で最悪の事態をシミュレーションして
回避しているんだねと言われた。

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