船旅

     一度だけ、長い船旅をしたことがある。
     上海から香港までの二泊三日の旅だった。
     昼は太陽の方向によって海の色が
     変わっていくのを眺めた。
     夜は船客のために用意された
     アトラクションに酔いしれた。
     でも一番楽しかったのはいろんな国の人と
     コミュニケーションがとれたことだった。
     話したのではない。
     船で七人の日本人大学生が乗り合わせていた。
     その七人で「震源地は誰だ」をホールで始めた。
     するとそれを見ていてルールを覚えた子供たちが
     言葉は通じないのに加わってきた。
     そのうち他国の大人も加わり、三十人くらいでやった。
     言葉が通じなくても文化が違っても、
     人は一緒に楽しくやっていけることを実感した。

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