「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2008年12月-




12月31日(水)

今年も大晦日。いろいろ激動の一年でしたが、皆さんの御感想は? 個人的には、けっこう難儀なことが多かったけど、なんとか乗り切った感じかな。その分、趣味のほうは、例年になく作った車輌もジオラマも、買った車輌も少なめ。とはいえ、Models IMON製の特定ナンバー完成品をけっこう買ったので、台数のワリに金額は例年並みかも(笑)。はてさて、来年はどうなることやら。意外と面白い展開になるかも。その辺は。「神のみぞ知る」というところでしょうか。

12月30日(火)

某模型店関係の忘年会。なんか今年は、年末年始の休みが長い分、プライベートの忘年会が年末に集中していて、26日から連日なんか入っている勘定。ひとまず皆さんの消息をまとめてみると、世の中はいろいろゆれているが、ベテランマニアの皆さんは、さすがにマイペースをキープ、という感じ。まあ、それが趣味の王道ということだよね。金回りがいいから、値上がりが期待できるモノを買い漁る、というコレクターは趣味人ではないよ。やっぱり。

12月29日(月)

銀座山野楽器にて、諸星さん製作の「ジオラマギター」の実物を見る。諸星さんのBlogをはじめ、話は聞いていたが、実物はそれなりにインパクトがある。しかし、ギターをプレイする身としては、これ走らしたら、走行音は響くだろうし、モータからのノイズをピックアップが拾うだろうし、と、音に影響する部分が気になってしょうがない。まあ、演出用のギミックなので気にしても始まらないのだが、ギターと名乗る以上は、やっぱりねえ。それより、高中さんが鉄道ファンだったというほうが実はびっくり。こういう「カミングアウト」も、今後は増えるんだろうなあ。

12月28日(日)

昼は、来年やるライブのリハ、夜は企画ものライブの本番と、音楽漬けで鉄分なし。夜のライブは、珍しく阿佐ヶ谷なのだが、本番街の時間に商店街を歩いていると、妙に目立つのが、201系をモチーフにした、「朱色の中央線」の絵柄。正面窓をブラックアウトし、あきらかに201をヒントにしたとおぼしきものが多い。消え行くものへのオマージュということもあるが、中央線沿線のヒトって、やっぱり中央線が好きなんだ、ということに思い至る。まあ、今杉並とか多摩地区とか住んでいるほとんどのヒトにとっては、記憶の中の中央線といえば、バーミリオンの電車にならざるを得ないワケだし。趣味人的には、その車輌が、101か103か201かというほうが気になったりするけど。個人的には、もちろん101系、それも内ばめ尾灯の初期型ですが。

12月27日(土)

とういうことで、HOMP忘年運転会と忘年会の当日。皆さん、JAMとかの「シバり」から離れて、それぞれの芸風満開の車輌で参加。12mm2系統、16.5mm2系統のフル貸切なので、HO スケールの12mm日本型はもちろん、16.5mmの米国型や、はては16番まで登場するにぎやかさ。こういう大らかな楽しみも、運転会ならではのもの。個人的には、IMON原宿の貸しレイアウトで走らせたのは初めてなので、いろいろ発見があって面白かったりも。ということで、レイアウト上での、C57117号機のカット。こういうシチュエーションで見ると、例の「なんちゃってタキ5450」も、けっこう雰囲気でてるなあ。なにげに、日豊本線のムードが漂ってくるし(って、それを覚えているのは、オヤジ世代だけ(笑))。

12月26日(金)

御用納めで、明日から冬休み。円高だし、海外とか行く人も多いだろな、と思いつつ、こちらは予定も多いので、単に「長めの正月休み」以上のナニモノでもないのだが。ということで、昼から夜まで納会続きで鉄分なし。移動の途中で、○天を覗くぐらい。酒気帯びで模型店を覗くというのは、自制心が効かず危険なのだか、タマがなければセーフ。それにしても、この年末は、景気のせいかけっこうブツは出ているが、値付けさえリーズナブルなら、それなりに動いていることも確か。このアタりが、けっこうリアルな景気感かも。

12月25日(木)

今日がクリスマス。ちょっと、告知させていただきます。今週の土曜日、27日の14時から18時まで、原宿のModels IMONのレイアウト全トラック借り切りで、HOMPの忘年運転会を行います。1/87 HOスケール縛りで、12mmも16.5mmも。基本的には、プライベートな運転会ですが、場所が場所だけに、当然公開になってしまいますね。ということで、おヒマだったり、原宿店に行く用事があったりするかたは、ぜひ覗いて声でも掛けてみてください。よろしくどうぞ。

12月24日(水)

クリスマス・イヴ。世の中、未曽有の不景気というけれど、模型界は妙な動き。店頭を見ていると、確かに量販品の売れ行き、特にNの「発売日」の動きを見ている限りは、かなり厳しいものがあることは確かで、年末商戦ながら、ひところほどの「活気」は感じられない。その反面、ブラスモデルなどの高級品は、それほどの影響はない模様で、けっこう「お買い上げ」の場面にも出くわすし、いつの間にか店頭に飾ってあった在庫品が消えていることもしばしば。余裕のあるヒトは、それなりにマイペースということか。そういう意味では、やはり「Xデイ」的な、自粛の影響が強い消費後退なんだろうなあと、改めて実感。

12月23日(火・祝)

今月は、例の「ムックの月」なので、「国鉄時代」と「蒸気の時代」の散財(笑)。しかし、書籍といえどもこのくらいの金額になると、Models IMONのポイントで充分電車代が出てしまうので、わざわざ買いに行っても損はないし、ついでに買うなら、充分おいしい。国鉄時代は東北本線の特集だが、そろそろネタが苦しくなってきた感じもチラリと。編集という視点からいえば、スクープ的な大ネタを使わずに、手堅く毎号まとめられるかどうかが、今後のこの雑誌の継続のカギだろうなあ。そのスタイルなら、各号ごとに、名撮影地のある路線を特集しても数年間は持つし、材料もいくらでも掘り起こせるだろうし。

12月22日(月)

一般紙にまで、富士・はやぶさ廃止のニュース。少なくとも、大都市圏を連絡する実用列車としての夜行寝台特急は、すでに国鉄時代末期、どんなに緩くみても90年代アタマにはその役目を終えていたワケで、よくぞここまで走らしていた、というほうが正しいだろう。だからこそ、当時からの車輌を今まで使いまわさざるを得なかったわけだし。そういう意味では、赤字ローカル線の廃止のように、「存在意義がなくなってしまったモノが、消えてゆくことへの哀愁」は感じても、それ以上の感傷はないなあ。だって、25年以上社会人やっているが、夜行で出張って一度もなかったモン。ブルートレインなんて、そのくらいですよ。昭和30〜40年代ならいざ知らず。

12月21日(日)

受注生産でオーダーを受けていた、ModelsIMON特製のC6113号機。やっとのことで納車という連絡を受けたので、原宿に取りに行く。一連のC61シリーズが発売される前からだから、三年越しというところか。蒸気時代の鹿児島本線は、ぼくにとっては「撮り鉄」の原点ともいえるし、13号機も実際に撮影しているので、これは押えておきたかったところ。門デフ付きのD51、C59、C61といった機関車は、16番だとボイラ径やランボード幅のデフォルメが目立って、どういうサイズで作ればいいのか、とても悩むのだが、ファインだけに、さすがにそれらしいプロポーションに仕上がっている。しかしこれ、生産台数は、製品ラインナップに上がっていた「EF5861号機・普段仕様」より多いのね。

12月20日(土)

早朝から、いろいろやることがあって多忙な一日。間を縫って、簡単に撮影。ガキの宿題の、Nの世田谷線パイク。MODEMOのデハ80の中古を見つけたので、300系への移行期のイメージで撮影。303なら、まあいいか。実はデハ80も、厳密に言えば、この時はカルダンになっていたワケだけど。リアルだと昼近い陽射しなのだが、まさに夏の早朝の雰囲気。それにしても、MODEMOのデハ80は、中古だと動力がいかれてしまっているのが多い。欲しかったので、見つけるたびに試していたのだが、ことごとく動かないか、ギクシャクする。やっと、快調なのを見つけたけど、何個目だろうか。まあ、この手のシリーズでは初期製品なので、まだ設計がこなれていなかったのだろうけど。それにしても、Nの撮影のポイントは、タンポ印刷をどこまでクッキリ描写するかと、プラ質感をどうライティングで消すかだなあ。

12月19日(金)

機関区と機関車シリーズの42巻、坊之本氏の写真集「九州のC55・C57」を店頭で発見。表紙からして、川線のC579号機とあっては、ひとまず買わなくては(笑)。写真としてはなかなかキツいカットも多いし、キャプションも間違いが目立つが、「その時代を写真に捉えた資料」という意味では、どんなものでも価値はある。特に、爆発的SLブームが始まる前の、60年代後半に撮られた写真は、当時の趣味誌に発表された写真がマニアの関心を反映し、C59、C62、あるいはC51というように、まだ残っていた「最後のSL幹線」と、消え行く形式にあったため、亜幹線系に配置され、ワリと多く残っていた機関車は比較的資料が少ない。それだけに、個々の機番の写真にはなかなか発見がある。特に配置区と装備の変更の関係は、想像していたものを立証する証拠に出会ったという感じで、なかなか楽しい。

12月18日(木)

今月は、18日が趣味誌の店頭発売日。最近は発売日情報が出ないので、カンでいくしかないが、年末進行があるので、多少早まるかなとふんでいたので、大アタり。そういえば、昔は趣味誌の発売日だと、木曜日でも中二階の渡り廊下のところで雑誌販売の営業だけしていたっけ。どちらにしろ、12月は木曜が営業日だけどね。で、「とれいん」は、なんと近鉄特集。濃すぎ。確かに、近鉄は形式からして魑魅魍魎としていてよくわからないのだが、関東のファンとか、知らない人にはとっつきやすかったのでは。でも、近鉄マニアには、この程度の分量で書けることなど、当たり前すぎかも。

12月17日(水)

○天3階のショーウィンドウに展示してあった、ModelsIMON製のC55。30号機と34号機とが残っていたのだが、いつの間にか両方とも売れている。多分、この月・火の間に売れたモノと思う。まあ特定番号機の完成品では、最後の店頭在庫(関西方面では、あと1〜2輌あるかもしれないし、キットはまだ在庫があるが)だったので、いつかは売れるだろうとは思ったが、一気に捌けるとは。今となっては、ブラス製完成品としては、決して高くない値段だし。あとは、IMON店頭の原型機だけか。

12月16日(火)

あまり行くことのない某模型店だが、前を通りかかったので、ちょっと覗いてみると、書籍の不良在庫の半額セール中。呼ぶものがある時は、なんかあるんだよね。背表紙とかヤケているものの、鉄道関係の本は、古書でも半額というのは少ないので助かる。まあ、めぼしいモノでないからこそ売れ残ったともいえるのだが、いくつか資料としては置いておきたいモノもあったので、購入。それにしても、実際に撮影に行った同じエリアで、前後2週間ぐらいに撮影した写真があると、なんかピンとくるモノがあるなあ。

12月15日(月)

今月分の「記憶の中の鉄道風景」、コンテンツを製作してアップロード。やるネタは決まっていたので、作業は楽なのだが、ヘンなところでトラブル。スキャナ専用に、古いパソコンを一台用意し、LANでつないでいたのだが、このパソコンがついに御臨終。マトモに起ち上がらなくなってしまった。まあ、代替機はいくらでもあるのだが、ソフトやドライバをインストールしたりしなくちゃいけないので、けっこう手間はかかる。とはいっても、材料を選ばなくていいのは、やっぱり楽。というわけで、お届けするのは「宮崎機関区のその2」。

12月14日(日)

今日は午後からは、年末年始のパーティーバンドのリハが詰まっているので、午前中のみ。雨天なので、ちょうどさよなら運転の日でもあり(笑)、この前入手した0系新幹線22形式の再生を行う。最近は0系ブームのせいか、カツミの0系もなかなかタマが出てこないし、出てきてもなかなか強気の値付けが多い。そんな中、難ありながら、10年前より安い価格なので手に入れておいたもの。ボディーは、塗装がはがれているようにも見えたが、レモンオイルで磨くと、実は細かな傷と汚れだけだったと見えて、色ヤケをのぞけばそこそこキレイになる。モーターは渋かったが、さすが縦型モーターにインサイドという超アナログメカ。車輪やコンミテーターを磨き、ギアの噛合せを調節すれば復調。一番の難物は、ぐしゃっとツブれたパンタだが、線材ではなく、プレス板材なので、一旦バラしてカタチを整え、再度組み立てれば、再生可能。全部で1時間弱の工程で、新幹線の中古としてはまあまあの状態に。実は、21形式は余りが一輌あったので、これでもう1編成でっち上げられる勘定。

12月13日(土)

曇りの予報だったが、ほどほどの陽射しはある。とはいっても、冬至の直前という、一年の中でも一番太陽光の角度も、色温度も低い時期。この時期の雰囲気ならさておき、春〜夏だと、朝日か夕日と浴びた感じになってしまう。なら、そういう感じを狙ったらどうなるか、というテスト。ちょっと雰囲気を変えるべく、架線柱を立てて交流電化してみました。個人的には、やはり交流の碍子は緑色でないと。ということで、市販の16番用の架線柱をなんちゃってで仕立てました。しかし、電気機関車の写真は、実物でもあまり撮ったことがないので、蒸気と違って我ながらイマイチ。思い入れの差が出てしまうようで。

12月12日(金)

両国駅から電車に乗ろうと改札を入ると、なんと地平ホームへの通路が開いているじゃないの。通路にレッドカーペットを敷いて、イルミネーションで飾った、クリスマス企画。ホームには入れないものの、階段の直下までは行けるし、ホームの上までカーペットは敷かれている。ということで記念写真。よく見ると、上屋の柱もちゃんと塗装され、けっこうきれいな状態。まあ、新聞輸送には今も毎日使われているワケだけどね。そういえば、○天4階では在庫一掃を狙ってか、外国型中古バーゲンセールを実施中。中古価格から2〜3割引。まあ、遺産整理のたびに、在庫が増える感じだったからねえ。

12月11日(木)

テレビの子供向け番組の中で、なんと、「Bトレインショーティー」のタイアッププロモーション。とはいっても、据置型のでも、Nゲージ型のでもない。ダミー線路の上を、無線リモコン(赤外線または超音波かもしれない)で、前後進、速度をコントロールしながら走るというもの。ちょうど、プラレールとNゲージの間を狙っている感じか。上廻りは、今までのヤツの使いまわしなので、下廻りを付け替えれば、そのままNゲージ用の線路を走る「鉄道模型」になるワケで、とっつきやすい入門用としては、なかなかいいかも。それにしても、バンダイさんも、けっこう真剣に鉄にとりくんでるのね。

12月10日(水)

京橋のINAXギャラリーで開催されている、「デザイン満開 九州列車の旅」を見にゆく。ドーンデザイン研究所を主宰する水戸岡鋭治氏と、JR九州の、20年を越えるコラボレーションを振り返る展覧会だ。詳しい内容については、「今週のギャラリー」の該当記事のほうを参照していただきたいが、鉄道とデザインというのは、昭和40年代に鉄道趣味にハマっていた頃から、現状に非常に問題を感じていた領域だった。これほど景観や景色に影響をおよぼす存在でありながら、国鉄時代の車輌は、技術と理論だけで組み上げられ、ほとんどデザインというモノを感じさせる要素がなかった。まだ、戦前の鉄道省時代の車輌のほうが、デザイン的なコダわりが感じられるモノが多い。そういう意味では、民営化されJRになって、やっと「お客さんからどう見られるか」が重要なことがわかってきたということなのだろう。鉄道を「鉄」とは違うコダわりから見ると、こう突き詰められる、というところが、趣味人にとってもなかなか面白い。

12月9日(火)

どうやら、無理してもローンやクレジットで購入するモノについては、明らかに需要減が見られるが、キャッシュで買うモノについては、実はそれほど購買力は下がっていない。特に、衝動買いみたいなのではなく、予定購入については、粛々と金が流れてはいる。このあたりが、下支えになっているということか。そういう意味では、ブラス製の鉄道模型などは、その最たるものの一つだし、それなりに回っているというのも、まんざら外れてはいなさそうである。確かに、動いているモノは動いているし。

12月8日(月)

○天4階に行くと、珍しく12mm関係の出物があるが、待てよコイツ。元の持ち主も、その流通経路も知ってるヤツじゃないか。というか、「狭い世間」なので、けっこう「素性を知ってるタマ」も多いのだ。そういうのが出てくると、逆に持ち主の方がどうかしたのか、いろいろ思いをめぐらせてしまったりして(笑)。直接知らなくても、特製品とかいわく付きのも大体素性はわかっているし。まあ、有名な上玉の所在を完全に把握していないとビジネスにならない、ヴィンテージギター業界ほどじゃないけどね。

12月7日(日)

「旧型貨車保存図鑑」というサイトを主宰している鈴木慶一氏からmailがあり、「記憶の中の鉄道風景」で掲載した「セサフ1」の写真を使いたいとのこと。資料の少ない、43・10の「75km/h・二段リンク化」により消えてしまった貨車にコダわったサイトということで、まだコンテンツの充実を図っている段階ながら、個人サイトとしては、なかなか面白いものになりそう。そもそも「埋もれた記録のアーカイブ」という趣旨は、ぼくも常々主張しているところなので、今後に御期待したい。当方は、現在リンクのページを休止中なので、日記の中でアドレスをご紹介したい。一度、覗いてみてください。

12月6日(土)

師走モードで、週末は家の用事で忙しい時期がスタート。本日も予定満載なのだが、朝晴れていたこともあって、フォトセッション。イメージ的には、大畑のループ線を、築堤の外側から見上げた感じ。大畑は確かに景観だし、重装備D51の力闘が見られる区間で人気があったのだが、全列車を入れ込むには実は撮影ポイントが限られるし、一日で撮れる列車数は少ないし、個人的には重装備ってそんなに好きではなかったりするので、そんなに行きたい撮影地ではなかった。だから、一人で撮影に行ったときは、日程があれば肥薩線の川線か霧島側、または吉都線に時間を割くのが常だった。それでも同行者がいると、大畑に行かざるを得ないので、そういうときは「全列車写らなくていいから、変わった構図を探そう」ということになる。で、ループ線の外側には、このエリアで一本だけ大きな木が生えていた。この木をからめて撮影したのが、個人的にはここでとった中では、一番気に入った写真だったりするのだが。

12月5日(金)

模型の車輌のディティールをどこまで作りこむか、という判断は、ひとそれぞれ大きく違う。中には「模型は模型なのだから、模型なりの大胆な省略やデフォルメも味があればいい」という方もいるし、1960年代の16番などを、オリジナルを大切にしてコレクションされる人などは、そういう主義なのだろう。一方で、凄腕のクラフツマンシップにあふれる方のように、外から見えないところまで、実物と同じ構造、同じ造作を求める人もいる。まあ、これは趣味なのだから、それぞれ主張を持ち一貫していればいいことだと思う。ぼくの場合は、「一般的な実物の鉄道写真に写るもの」は、そのレベルで再現したいが、客車の床下の機器の裏側の配管みたいに、特別な撮影をしてはじめて認識できるもの、目立たないワリにそれをつけることで走行上支障をきたすもの、縮尺と技術の関係から適切なバランスで再現不可能なものなどについては、思い切って省略したほうがいいんじゃないかという考えかただ。そういう意味では、自分で工作することは不可能だが、立体的に表現するより、印刷で表現したほうがいい造作もあると思う。

12月4日(木)

鉄道ピクトリアル・アーカイブスセレクション16 国鉄の客車1950〜60として、1950年代から60年代にかけての、国鉄客車関連記事をまとめた増刊号がでた。鉄道ピクトリアルといえば、その名に反して(笑)、ミーシーなデータの記録が強みだが、歴史があり過ぎて古いバックナンバーを置いておくのは一苦労なので、こういう編集ムックはありがたい。しかし、資料という意味からすると、旧版の印面の再録ではなく、せっかく版を組み直しているのだから、是非デジタルデータ化したものも付録につけて欲しい。「記録鉄」にとっては、データの検索機能は必須である。模型誌などは、資料というより「古い記事を読む楽しみ」のほうが大きいが、ピクトリアルは記録性が命なのだから。

12月3日(水)

久しぶりに京急に乗ると、蒲田付近の高架化工事がけっこう進んでいる。高架の路盤までできているところもあるが、少なくとも支柱はすでにかなり立っている。つまり、直上方式で建設しているので、現状では高架の支柱の内側を走ることになる。とはいえ、付け替えのカーブがあるところとかを除くと、速度制限はかかっていない。結果的に、柱の立ち並ぶすぐ脇を、120km/hで駆け抜けるコトになる。なんとも京急的といえばそうなんだが、これはスゴい迫力。いかに窓が開かないとはいっても、ドアとかは風圧でガタガタいうし。「目視」同様、ルーツの「路面」が偲ばれる一瞬でもある。

12月2日(火)

気がつくと、IMON製の12mm製品が並んでいたショーウィンドウの一番上の棚が、半分ぐらい天賞堂製の16番で占められるようになっていた。要は、半分ぐらいは売れてしまった、ということ。確かに、ポツポツと売れて、歯が欠けたようになっていたのは知っていたが、けっこう売れていたんだなあ。ほんとに、いつの間にかという感じ。まあ、それだけ12mmを買っているヒトがいるということなのだろう。いろんな店で、在庫が動いているのも確かだし。

12月1日(月)

0系ブームも最高潮、という感じで、マスメディア独り占め。昨日のテレビのニュース、今日のワイドショーをはじめ、中央紙では日経を除いて、1面に写真が登場(ただし、朝日は社会面の特集記事の告知写真)。読売・産経にいたっては、トップに登場。論調も、「高度成長昭和の、到達点にして象徴」としたモノが多い。JR東海からの引退時には、ほとんどメジャーでは話題にならなかったコトを考えれば(当時は、すでに出戻った後だった)、やはり最近の昭和レトロブーム、鉄道ブームの成せるワザということができよう。


(c)2008 FUJII Yoshihiko


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