「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2015年6月-




6月30日(火)

ということで、八雲工芸の北海道タイプのC6215号機と44号機が到着。前に2号機、3号機の出来は見ているので、どんな感じの製品かある程度はイメージが想像できたのだが、やはり現物を見ずにこの価格のものを買うというのは、ある意味「清水の舞台」ではある。届いてみると、2号機、3号機とは、またちょっと雰囲気が違っている。まあ、「ていね仕様」の44号はあったものの、「ニセコ仕様」の15号機、44号機はエリエイの製品ではなかったので、直接は比較されないというところもあるのだろうが、八雲さんらしさが感じられる出来ではある。でもまだ取り出してみただけで、走らしてないんだよね。そこまで時間がなかった。

6月29日(月)

ずいぶん前に注文していた、八雲工芸の北海道タイプのC62。15号機と44号機を頼んでおいたのだが、まさかの同時仕上がり。前の生産の2号機と3号機のように、かなりのタイムラグがあっての発売になると思っていたのだが、一気にきたよ。さすがにけっこうな金額。払えないわけではないが、キャッシュフロー的にはちょっと工夫が必要。でもこれ、インターネット通販で買ったものとしては、結果的に最高額になっちゃったよな。

6月28日(日)


と思ったら、開けて日曜日は真夏のような陽射し。さらに、陽射しそのものは真夏より強いときている。こりゃ撮れる。この光線を使わない手はない。いつもの撮影とは、光線の具合を変えるべく、真夏っぽいトップライトが来るようなポジションを検討。時間帯も、いつもより2時間程度遅くして、太陽の位置を違える。ということで、こんな感じ。同じセットでも、光線が違うと、けっこう雰囲気は変わってくる。こういう工夫も結構面白い。

6月27日(土)


本日は、ちょっとボランティア系の用事で一日仕事。5時台に早起きし、夜の打ち上げまで。ということで、先週のフォトセッションの別テイクにてお茶を濁します。梅雨の期間は、写真が撮れるような陽射しが来ないから、新作も撮りにくいし。

6月26日(金)

寺田さんがFacebookで開かれている「古き佳き蒸気機関車の世界」で、話題が沼ノ端のネタになりいろいろな写真が登場したら、「あそこの立体交差」のガーダー橋の待避所から撮影された方がいらっしゃった。「無意味に望遠 その1 -1972年7月14日-」に載っけたヤツ。あそこで撮影したことのある人はわかると思うけど、一日鉄橋を見上げていると、絶対そこから撮りたくなるんで、他にもけっこう撮った方はいるだろうなとは思ったけどね。寺田さんとは、八高線のお別れ列車を並んで撮っていたのに40年近くたってから気付いたこともあったし、古い写真からも、いろいろ発見があるものですね。

6月25日(木)

「蒸気の時代」はC58特集だったが、個人的にはどうもC58という機関車は、中途半端であまり好きになれない。いわゆる「スモールエンジンポリシー(安物買いの銭失い)」を体現するような貧乏臭い機関車ということもあるのだが(別形式を製造する金で路盤強化・線形改良を図れば、C58を投入したほとんどの線区は、D51、C57を増やした方が全体最適になるし、残りの線区は余剰の8620、9600で対応可能)、とにかくバランスが悪い。短いメインロッドや、頭でっかちで不必要に大きな密閉キャブ(戦時下で灯火管制ということがあったにしろ、資源の無駄遣いでもある)など、小型機関車としての精悍さも持っていない。まあ、鉄道省・国鉄の車輌戦略の無策さの象徴という意味では、存在感があるともいえるのだが(笑)。

6月24日(水)

この数年、異常気象だとよく言われているが、今年は特に気合が(?)入っている。五月の暑さも相当なものだったが、6月も梅雨らしからぬ天気が続いている。特に、関東で夏至の周辺に晴れが続くというのは、あまり記憶にない。この時期は、日照が一番長く、日の出が早く日の入りが遅い。晴れてさえいれば、普段は撮影できない早朝や夕刻の列車も、ちゃんと撮影できるチャンスである。案の定、名残の北斗星やスーパレールカーゴ、あるいはななつ星など、夜行の列車を普段撮影できない地点で捕らえた写真もけっこう目にする。葬式鉄じゃなくて、こういうときに出撃するのが、ほんとうの「撮り鉄」だと思うんだが。自分しか撮っていないカットを撮って後世に残す、というのが、鉄道写真を撮る大きな意義だと思うぞ。

6月23日(火)

いすみ鉄道の新増備車輌が、旧国鉄色で登場。すでにいすみ350型が国鉄顔で登場し、イベント用兼用で活躍しているが、今回はいすみ300型の増備(303号)ながら、国鉄顔で国鉄色といういでたちに。なんせ16m車輌なので多少妙な感じもあるが、最近はいろいろな「復元塗装」が多いので、見慣れてしまえがそんなのもアリかな、というところか。それなりに風景の中には溶け込む(黄色と緑のいすみ鉄道色よりいいかも)と思うので、けっこう話題と人気は呼ぶだろうな。

6月22日(月)

今月は季刊ムックの発売月でもある。まとめて買うとけっこうな金額になるので、店頭発売日と一般書店売りの間に模型店に行き、ポイント付きで購入できるときはまとめ買い。そうでないとパラパラと気が向いたときに買う、という感じになってしまう。パラパラ買うと、けっこう買い忘れが出るんだよね。でも今月はまとめ買いできた。さて、問題は読むヒマなのだが。

6月21日(日)

日本鉄道模型の会の月例理事会。年末に東京芸術劇場で開催される「池袋鉄道模型芸術祭」。出展者のノミネートも段々進み、場内イベントの概要もかなり見えてきた。中身が固まってきたのを受けて、今後は地元の関係各団体への協力要請や、隣接する西口公園での併設イベントの企画固めのほうにメインの作業の重心を移すことになる。年末商戦真っ只中の池袋駅前で、多くの人の耳目を集める仕掛けが登場する。乞うご期待。

6月20日(土)


さて週末。本来なら梅雨のまっただ中なんだろうが、妙に天気がいい。というか、こんな夏至直前の日にカンカン照りっていうほうが、東京じゃ珍しい。街中を歩いているだけで、日焼けしそう。で、ふと真夏の山野線を思い出してしまった。忙しい中で、15分のフォトセッション。夏休みで、貨物がなくワフ一台。照りつけるダウンライトの下、とことこ走ってるイメージ。単なる40年前の想い出、思い入れなんだけどね。

6月19日(金)

Models IMONのWebで確かめると、けっきょく今月の趣味誌の店頭発売日は昨日の18日(木)だった模様。でも、店頭発売日が木曜って、なんか多いような。確かに土日との関係で、木曜になる可能性は高いのだが、それ以上によくあるような気も。ところで、来週末の26(金)〜28(日)は天賞堂全館あげての模型大売出しだそうな。こんどは、店内でやるのね。期間中は、エバーグリーンは臨時休業とのこと。ご興味のある向きはどうぞ。

6月18日(木)

東京メトロと東武鉄道から、かねてから予告のあった日比谷線用の新型20m級車輌に関する記者発表。東京メトロが13000系、東武鉄道は70000系と称し、基本的に同型の車輌を増備。塗装のみが違うという。外観予想図も発表されているが、注目される端部の処理はよくわからない。しかし、図からすると、メトロ・東武とも最近の車輌ではおなじみのダブルスキン構造のアルミ車体と思われるので、いずれにしろ、端っこは面取りされるのだろうけど。はて、日比谷線に3ヶ所ある急カーブの部分は、建築限界を拡大して壁面を削り取るのだろうか。未だ謎である。

6月17日(水)

今月はもしかして、今日が店頭発売日の雑誌もあるかなと思って覗いてみたが、いつも一日早いファン誌があるのみ。今月は18日の模様。そのかわり、RMライブラリーの国鉄F級ディーゼル機関車のヤツが出ていた。しかし、これもある意味「スモールエンジンポリシー(邦訳:安物買いの銭失い)」の犠牲者なワケで、読んでいて複雑な気持ちになる。ストレートではないものの、「路盤の狂歌や線形の改良等が亜幹線では望めなかったので、苦肉の咲くとして当時の技術でできる範囲で作ったらこうなった」というニュアンスの解説はあったので、まあよしとするか。しかし、こういう鉄道技術のあり方からすると奇形というかガラパゴス化というか、歪んだ進化を遂げてしまった車輌は、概してマニアに人気があるんだよね。いくらマニアは蓼食う虫といっても、健全に鉄道史技術史を捉えようとするためには困った傾向なのだが。

6月16日(火)

天賞堂のショーウィンドウに、16番プラ製客車の「ニセコ」編成の見本が並んでいた。それなりに努力の跡は感じるし、新しいロットの製品が出るたびに少しづつ良くはなっている。確かに塗装の質感など、かつての天賞堂のブラス製客車の妙な質感(それが良いというヒトもいるわけだが)を思い出せば、相当に改善しているといえるだろう。でも、なんか違うんだよな。まあ16番だからねえ。でもいかに16番とはいえ、プラ製なら上回りは完全にスケールにしちゃっても問題ないはずなんだがね。

6月15日(月)

またまた戯れに安めで応札しておいたオークション、全部落札しちゃった。それはそれでラッキーではあるのだが、個々の単価は安くても、数が固まるとけっこうな値段。それなりに破壊力はある。とはいえ金策に走らなくちゃというほどではないので、まあいいか。ちょっと他で節約しよう。でも、最近こういうのがけっこう多い。もしかして、意外と入札が低調なのかな。

6月14日(日)

この場ではちょっと詳細はまだ書けないのだが、模型店でちょっと尋ねてみたら、購入するつもりだった発売予定の製品、すでに予約が集まっていてタマは最後の1本とのこと。とるものもとりあえず予約を入れてきたが、まさにスベり込みセーフ。ぼくの場合、こういうのはワリと珍しい。しかし、虫の知らせというか、本当に偶然に寄って偶然その話題になったんだけど、話は聞いてみるモンですな。

6月13日(土)

毎年この時期恒例の、大学の時の鉄道研究会のOB会。とはいえ、まあ実質的には飲み会でしかないのだが。しかし、今年はちょっと成果も。去年あたりから一部の人とは話をしていたのだが、OB会としての対外的な活動もあまりに少なく寂しいので、有志で写真展を開こうという提案。かなり賛同者が集まり、ひとまず開催はできそうなメドは立った。およそ一年後、2016年の5月か6月。それなりに来やすく、来た方もその後三々五々飲み会に行けるような場所で。細かい内容はこれから検討するので、詳細が決まり次第、また発表いたします。

6月12日(金)

JR北海道も、JR東日本と同系の新型電気式気動車を導入し、国鉄時代から残る気動車を置き換えると記者発表。まあ、客室の耐寒仕様とかは異なるのだろうが、時代の趨勢や、部品の規格化・共用化・標準化、調達の一本化等、合理的な選択であることは間違いない。しかし電気式のメリットとして、「推進軸や自在継手等の落下につながりやすい部品をなくすことで安全性が向上」というのは、いかにも役人の答弁のような感じで、なんかわざとらしいなあ。

6月11日(木)

帰りがけは、時間をある限り使って、津波被災地の復興の様子を見て廻る。開通したばかりの仙石線は、復興の過程で新たに整地されたエリアに、真新しい路盤が目に付く。これも、模型のレイアウトでやると故山崎さんあたりから、「実物の景色というのは、こういう単純なものではない」などと批評されてしまいそう。やはり「事実は小説より奇なり」。実際の景色の方が、模型にしたらワザとらしくてしょうがない、ってのがあったりするのが面白い。「帰宅困難地域」を通過する常磐道も経由し、周囲の状況をじっくり分析しながら通ってみた。百聞は一見にしかず。やはりこういう場合の常で、実際に行って見なくてはわからないファインディングスもいっぱい気付くことができた。しかし、蒸気現役時代末期を知るものにとっては、C62牽引の「ゆうづる」でおなじみの地名が次々と出てくるというのは、感慨深いものがある。ある意味「最後の蒸気牽引特急が走った地域」、という事実自体が語っているものがあまりにも大きいことを改めて感じた。

6月10日(水)

ちょいと用事があったので、東北方面へ一泊二日。新幹線も考えたが、いろいろと廻りたいのでクルマにて。それにしても東北エリアの高速道路網は、しばらく行かない間にかなり充実している。かつての鉄道網の「背骨と肋骨」に近い形で、縦横に結んでいる。鉄道時代も決して黒字とはならなかったようなところも、ちゃんと高規格の道路が結んでいる。まあ、かつては「鉄道しか敷けなかった」時代だったので、一概に今の視点から評価はできないが、路盤強化、線形改良ができない鉄道網ならば、もっと早い時代から高規格道路を建設していた方が、インフラの二重投資にはならなかったのではないかと不思議な思いが。

6月9日(火)

今月の「記憶の中の鉄道風景」のコンテンツ作成。先月からスタートした新シリーズ「雨の加太越え」。今月は第二回。いくら列車密度が高く、速度が遅いので同じ列車で複数カットを狙える線区とはいっても、撮影に行ったのはたった一日のみ。このネタで何回引っ張れるんでしょうか。前回は3列車、今回は4列車。まだまだネタはあります。小出し、小出し(笑)。

6月8日(月)

全検を受けて出場したEF6627号機の活躍が、「撮り」の皆さんによって各地で撮影され、BlogやSNSでその姿を多く目にする。まあ、人気なのは理屈ではわかるが、EF66は、そのエポックメイキングな登場から知っているだけに、なんか複雑な視線。自分ではわざわざ撮るもんじゃないな。偶然きたら、こりゃラッキーって撮るだろうけど。蒸気機関車現役末期に、戦前からのオールドファンが「C57やD51じゃ、わざわざ写す気がしない」って言っていたのも、こうなってみるとなんだかわかる気がする。

6月7日(日)

予定がキャンセルになり、ぽっこり時間が空いた。梅雨前に一度千葉の草刈をしておかなくちゃいけないのだが、ちょうど天気も好天。千載一遇の好機とばかりに、早起きして千葉に一撃離脱。速攻で草刈を決行。5月は異常な気象だっただけに、例年の梅雨前の植生とけっこう生え方が違う。で、移動の途中に現役蒸気時代の写真提供依頼のmailが入ってくる。これも、時間があったので帰ってから悠々スキャンして対応。結果的に、それなりに有意義に時間が使えたかも。

6月6日(土)


諸般の事情により、今年は土日が異常に忙しい。というより、これから数年はこのパターンが続かざるを得ないのではないか。そうなると鉄分も砂漠の多肉植物よろしく、やれるときに少しでも何かやる、ということが大切になる。そんなワケでまたまた鉄分のない週末ではあるが、ちょっとの時間を惜しんでフォトセッション。まだ梅雨入り宣言前ということで、初夏らしいのをアレンジ。毎度おなじみの機材ですが、タテ構図がちょっと新鮮か。実物でも、ウマくタテ構図を活用すると、けっこう新鮮な絵面が作れるからね。そんなこんなで、初夏の高原風。実物でもそうだけど、こういうのは車輛をどこで切るかがポイントね。そういえば、大畑でもこういう方向性のがあったね。撮ったのは40年以上前だけど。

6月5日(金)

なんだか十数年前に、スゴいプレミアムが付いていたと記憶するNゲージの車輌が、けっこう大量に天4に出ている。値段は、生産された時代相応の、かなり低い値段。かつての値段を知っている人にとっては、ツワモノ共が夢の跡という感じである。確かに、ネットバブルとかに浮かれていた世紀の変わり目の頃は鉄道模型業界も景気がよかった。中古市場も、その波に乗った絶番品のプレミアムブームから起ち上がったようなところもある。でも、あのアタりから鉄道模型マーケットがおかしくなってしまったことも確かなのだが。

6月2日(火)

JR貨物広島車両所に長期間留置されていた、最後の国鉄色として知られる吹田機関区のEF6627号機が、全検を終えて出場とのニュース。山陽本線で行なった試運転の様子は、多くの{撮り鉄」によって撮影されている。まあ、いろいろな意味で「客寄せ」を考えているのな間違いない。でもまあ、最近のブームって、あまりに作られすぎだよね、まったく。

6月3日(水)


渋谷駅頭で、都バス90周年記念塗装車の一つに遭遇。多分、これは1970年代の「黄色にエビ茶」のリバイバル塗装ということになっているヤツだと思うんだが、よく見ると微妙に色味が違うなあ。もっと黄色が濃かったと思うんだが。まあ、ラッピングと塗装の反射光の出方の違いという気もするが。60年代〜70年代の「クリームに青」見たが、あれもちょっと感じが違ったし。しかし、今回の復元塗装は、全部オリジナルを見たことあるからな。ううむ、歳を感じてしまう。

6月2日(火)

ピクトリアル誌の「ディーゼルカー」特集を立ち読みしてみた。国鉄時代のディーゼルカーというのは、鉄道省-国鉄の技術開発の悪い面が百花繚乱という感じで、世界の趨勢、それどころか日本におけるディーゼル技術の開発からも大きく取り残され乖離したまま独自の進化を遂げてしまった、鬼っ子のあだ花である。しかし、マニア特有の「あばたもエクボ」的な視点からは、欠点も魅力にされてしまう面が多々あった。そういう中では、ワリときちんと是々非々で問題点をあぶり出していると視点があり、ワリと小気味良い。JRになって全てが全て改善されたわけではないが、25年以上の歳月を経て、やっと客観的に筋が通ったことを語れるようになってきたということだろうか。

6月1日(月)

天4に、珍しくOJ関係の出物がいろいろと。ときどきは出てくるし、それで勢いで買ってしまったこともあるが、あまり束ででてくることはない。が、今回は車輌から線路からパーツから、けっこうまとまって出ている。まあ、そういう趣味の方が売りに出したのだろうが、ということは確実にOJのユーザが一名減少したということだろうか。このところ、大量のアメリカ型のパーツとか、なんかそういう妙な出物が多いのだが。



(c)2015 FUJII Yoshihiko


「ホビー日記」にもどる

はじめにもどる