大六壬苗公鬼撮脚下巻


■ はじめに

 引き続き下巻を訳します。
 何度もいいますが、機械的にあてはめてはいけません。そこは注意願います。
 訳がうまくなく、というかほとんど訳になってませんし、また原文で意味がわかるのは訳を省略しているところもあります。できれば原文を読んでニュアンスをつかんでください。(これも今まで述べたとおりですが)



大六壬苗公鬼撮脚下巻


八卦属十二将物類訣
坎宮、神后子、数九、為純水、在石中、其色黒、其物水中這類、為江湖、為溝渠、其音為羽、其性為智、其情為奸、其味為咸、其方在北、其人為耳痛、心病、腎虚之症。其形内実外虚之象、或為音楽、婦人所用之物。
艮宮、大吉丑、数八、為維土、在塚墓、其色黄、其物山中之類、為門闕、為経絡、其音為宮、其性為信、其情為哀、其味為甘、其方在東北、其人在手指脾胃、其形為上実下虚之象、或為雑金。
艮宮、功曹寅、数七、為柔木、在山林、其色青、其物山岩之類。其音性情味方形倶照前大吉下断之。或云五色、文章、或為茂盛花果、或結実而細。
震宮、太沖卯、数六、為低木、在門戸、其色青、其物林木之類、為[ヨウ]扉、為車船、其音為角、其性為仁、其情為怒、其味為酸、其方在正東、其人為足股、為腓、其形下静上動。又云、其物無根、水陸動行盤絡絲綸、或門戸動用、或円而柔軟。
巽宮、天罡辰、数五、為雑木、在城市。其色青、其物水池中之類。為官司中、為山野、其音為角、其性為仕、其情為怒。其味為酸。其方在東南。其人為寡髪、為広額、為白眼、其形長、辰中有水、其物近水池、或堅剛物、火煙囚死焦破之類、其形方円。
巽宮、太乙巳、数四、巳中有雑金、在爐竈、其色紅黄、其物木火之類。為文書、為囚禁、其音為角徴、其性為仁礼、其情為怒楽、其味酸甘、其方在東南、其人為髪額、為皮毛、為方静之象、其物弓弩、鎖鑰、其色青黄、生山野並飛禽之属。
離宮、勝光午、数九、為純火、在屋宅、其色赤、其物炎熱之類、為文章、為兵戈、甲胄、其音為徴、其性為礼、其情為悪、其味為苦、其方在正南、其人為心目、為文人、詩客、其形光明彩色、内虚外実之象。又云、為太陽、其物有彩色、或線蠶、或文章蓋物。
坤宮、小吉未、数八、未中有雑土、在田地、其色黄白、其物土産之類、為衣裳、為布帛、其音為宮、其性為信、其情為哀、其味為甘、其方在西南、其人為腹、其形為円、其物酒器、砕微、塵土、又為絹帛、或言女子衣服、或有滋味之物、似魚類。
坤宮、傳送申、数七、申為少陰、在平野、其色黄白、其物鐵石之類、其音性情方與小吉同、其形外硬心空之象。又云、其物有心、又硬而心空宝器之物、或砂塵鐵類。
兌宮、従魁酉、数六、為純金、在金石、其色白、其物金鐵之類。為銀銭、為利器、其音為商、其性為義、其情為喜。其味為辛、其方在正酉、春人為口舌、為耳目頭類、其形尖円。又云、其形有耳、或尖円金銭刀鞘之類。
乾宮、河魁戌、霊敏五、戌中有辛火、在官府。其色黄、其物金銭殼果之類、為龍馬、為金玉其物為衣、其音為宮、其性為義、其情為喜、其味為辛、春方在西北、其人為首之類、其形為円正剛硬之象、或五穀鐵石細砕之物。
乾宮、登明亥、数四、亥為雑陽、在河水、其色黒、其物水中之類、其音性情方皆同河魁、其形円実多動之象。又亥為重陽、其物無定、逐人情意、小児戲物、或酸味、魚子醋醤之類。
八卦属十二将物類訣

八卦十二将方角
坎宮神后子純水、石中
水中の物
江湖溝涜
耳痛、心病
腎虚
内実外虚音楽、婦人の
使う物
艮宮大吉丑ただの土
塚や墓
山中の物
門柱、経絡
東北手指、脾胃上実下虚雑金
艮宮功曹寅柔木
山林の物
山岩の類
東北手指、脾胃上実下虚五色、文章
植物
震宮太沖卯低木
門戸にある
林木の類
塀扉、車船
足股下静上動根がない
水陸を行く
巽宮天罡辰雑木
城市にある
水池中の物
官司、山野
東南寡髪、広額
白眼、長形
方静水池に近い
堅いもの
火煙、囚死
焼損
巽宮太乙巳雑金
竈炉にある
木火、文書
囚禁





東南髪額、皮毛方円弓矢、かぎ
青黄色の物
野生鳥禽類
離宮勝光午純火
屋宅にある
炎熱、文章
武器、甲冑
心臓、目
文人、詩客
光明彩色
内虚外実
太陽
色のある物
糸、文章
蓋付きの器
坤宮小吉未雑土
田地にある
土産のもの
衣裳、布帛

西南酒器、塵土
粉砕した物
絹帛
女性の衣類
滋味の物
魚類
坤宮伝送申少陰
平野にある
鉄石

西南外剛心空心があるか
硬く心空
宝器
砂塵、鉄
兌宮従魁酉純金
金石にある
金鉄、銀銭
利器
西口舌、耳目
尖円
耳がある
金銭、刀鞘
乾宮河魁戌辛火
官府にある
金鉄、穀菓
竜馬、金玉
西北首の類円正剛硬五穀、鉄石
細砕の物
乾宮登明亥雑陽
河水にある
水中の類
西北首の類円実多動重陽、無定
逐人情意
子供の玩具
魚子、酢醤



五行出現物類 水上見水、其物有足而多動之象。又云四足好走。
水上見火、其物水土中物之象。
水上見木、其物有輪足転動之象。一云輪転物。
水上見金、其物生禽之象生命之物。
水上見土、其物土中昆虫故旧之象。
火上見水、其物破損故旧之象。
火上見火、其物好行少静之象。
火上見木、其物花果蔬菜之象。
火上見金、其物為陶冶之象。
火上見土、其物瓦磁器皿之象。
木上見水、其物帯花生長之象。
木上見火、其物残焦枯槁之象。
木上見木、其物花紋木器等類之象。
木上見金、其物傷損之象鑄断刀缺槍。
木上見土、其物棺槨之象。
金上見水、其物金石之象。
金上見火、其物爐冶之象。
金上見金、其物五金成器之象。
金上見土、其物石器之象。
土上見水、其物和柔之象。
土上見火、其物光明之象。
土上見木、其物堅牢之象。
土上見金、其物瓦石之象。
土上見土、其物城垣之象。
潤下水之類、曲直木之類、炎上火之類、従革金之類、稼穡土之類。

五行出現物類

水の上に水があるのは、脚があって動き回るもの。また四足でよく動くもの。
水の上に火があるのは、水や土の中のもの。
水の上に木があるのは、輪や足があるもの。転動するもの。一説にくるくる回るもの。
水の上に金があるのは、生きたけもの。生き物。
水の上に土があるのは、土中、昆虫、昔のもの。
火の上に水があるのは、破損したもの、古いもの。
火の上に火があるのは、行くに好い、しばらく穏やかであること。
火の上に木があるのは、花、実、野菜。
火の上に金があるのは、陶冶。
火の上に土があるのは、瓦、磁器、器皿。
木の上に水があるのは、花がついている、生長するもの。
木の上に火があるのは、焼け残り、枯れた植物。
木の上に木があるのは、花紋のついた木器などのもの。
木の上に金があるのは、傷損したもの。折れた刀や刃の欠けた槍の鋳造。
木の上に金があるのは、棺桶。
金の上に水があるのは、金石。
金の上に火があるのは、炉冶。
金の上に金があるのは、金物で器をつくる。
金の上に土があるのは、石器。
土の上に水があるのは、柔和なもの。
土の上に火があるのは、光輝くもの。
土の上に木があるのは、堅牢なもの。
土の上に金があるのは、瓦石。
土の上に土があるのは、城垣。
潤下は水の類、曲直は木の類、炎上は火の類、従革は金の類、稼穡は土の類。



天乙貴加十二辰射覆物類
天乙臨日辰物黄白、珍宝可食、光明文章、女子首飾物。変異水木之類、魚甲鱗物、五穀為麻術類、禽虫為蝦蟹類。
臨子筆墨文章等物。臨丑為魚蟹美和、有泥土物、魚蝦美味。臨寅為陶冶、磚瓦、磁器。臨卯為竹笛、簫笙、空器等物。臨辰為黄土白物類。臨巳為結花、衣服、棉麻、布帛等物。臨午為縷紫赤紅衣裳物類。臨未為貴物珍重酒肉之類。臨申為黒彩牛畜等物。臨酉為黄白泥塑仏像等物。臨戌為草黄蝋等物。臨亥為酒醋銅錫器硬諸等物。
天将臨神象意
貴人日辰黄白、珍宝、食べられる物、光明、文章、女子の首飾り、変じて水木の類、魚、甲羅、鱗のある物、麻朮類、蝦蟹の類
筆墨、文章などの物
魚蟹、美しい和やかな物、泥土にある物、魚蝦、おいしい物
陶冶、瓦、磁器
竹笛、簫笙、空の器等
黄土、白物の類
結花、衣服、綿麻、布帛等
縷紫赤紅色の衣裳物の類
貴重、珍しい物、酒肉
黒色の牛や家畜など
黄白の泥の塑像、仏像
草、黄蝋(密蝋)等
酒、酢、銅錫の器、硬いいろいろの物



螣蛇臨日辰、其物赦、為文章、書史、変異為毒物、甘美可食、五穀為豆、粟類、禽虫為蛇鹿類。
臨子為井為龍、井中龍。臨丑為渠孔穴等類。臨寅為蛇形等物。臨卯為刀剣、玲瓏、花果、船車等物。臨辰為磚瓦、磁器、珠玉宝異等物。臨巳為蛇虫、錦衣、絲棉等類。臨午為尖物、女衣、彩帛、衫類。臨未為文字、黄物、顏色等。臨申為金玉、鍛煉等物、石銀。臨酉火灰石牛吃物之類。臨戌為自死沙中之物。臨亥為爛木、柏皮等物。

螣蛇日辰赤、文章、書史、変じて毒物、甘くて食べられる物、豆、粟の類、蛇鹿の類
井戸、龍、井戸の中の龍
トンネルや穴などの類
蛇形などの物
刀剣、玲瓏、花実、船や車などの物
瓦、磁器、珠玉、宝物などの物
蛇虫、錦衣、糸綿などの物
尖った物、女性の衣類、彩色のある反物、着物の類
文字、黄色のもの、色など
金玉、鍛煉された物、石や銀
火灰石牛の食べるものの類
自死、砂の中の物
腐った木、柏皮などの物



朱雀臨日辰、其物赤黒色、羅網、捕縛、有晶明、光彩=毛羽文章、変異為煙火燒灼之物。五穀為豆黍、麦類。禽虫為雉、雀、鴉類、獣為馬、驢之類。
臨子為文章、筆墨等物。臨丑為屍穢、塵灰等物。臨寅為鶏雉、毛羽之類。臨卯為果類、黄色之物。臨辰為羅網、水虫、赤色等物。臨巳為燒煉、藥石之物。臨午為衣裳、[ショウ]鹿、騾、兔之物。臨未為帯口舌文章。臨申為釵環、刀鐵等物。臨酉為銅鏡、梳子、釵釧等物。臨戌為飛禽、巣穴、骨角器皿等物、皁玉、鳥巣、印子。臨亥為玳瑁、象牙、泥土等物、牙梳、玳惠梳。

朱雀日辰赤黒色、羅網、捕縛、明るく輝き光鮮やか、毛、羽、文章、変じて煙火、焼かれた物、豆、黍、麦類、雉、雀、鴉の類、けものは馬やロバの類
文章、筆、墨などの物
死体、塵灰などの物
鶏、雉、毛羽の類
果物の類、黄色い物
羅網、水にいる虫、赤色などの物
焼煉された薬石などの物
衣裳、鹿([ショウ]も鹿の一種)、馬、騾馬、兎
口舌、文章を帯びる
かんざし、輪、刀、鉄などの物
銅鏡、くし、かんざし、腕輪などの物
飛ぶけもの、巣穴、骨角、器皿などの物、黒い玉、鳥の巣、印子
べっこう、象牙、泥土などの物、象牙やべっこうの櫛



六合臨日辰、其物色光彩、竹木、金石所傷之物。音声之類、変異可食、五穀為桑麻類、為鹽、禽鳥雉兔等物。
臨子為青白貯水火物。臨丑為傷破、刀割、鍬鋤等物。臨寅為文書、喜信、刀尺、果食、猫狸、刻雕等物。臨卯為術士、車輪、撓搭、草果子等物。臨辰為土石盆瓦等物。臨巳為竹管、空虚、火筒、軍器等物。臨午為鏡匣、盒子、木梳、磁器等物。臨未為婚姻、宴享、器物、臭爛塩黒子。臨申為争闘、鑄成、鏡匣、或白盒子。臨酉為女子剪尺等物。臨戌為婦逃、[カン]磁、角瓦等哭 。臨亥為盂盒物類四足紙器帛。

六合日辰光彩、竹木、金石に傷のある物、音声の類、変じて食べられるもの、桑麻の類、塩、鳥禽、雉、兎などの物
青白、貯水火の物
傷破、刀割、鍬鋤などの物
文書、喜信、刀尺、果食、猫狸、彫刻などの物
術士、車輪、撓塔、草菓子などの物
土石、盆、瓦などの物
竹管、空虚、火筒、軍器などの物
鏡箱、小箱、木櫛、磁器などの物
婚姻、宴会、器物、腐った塩黒子(意味不明)
闘争、鋳造、鏡箱、あるいは白い小箱
女子、はさみとものさしなどの物
婦人が逃げること、るつぼ、磁器、角、瓦の器
[カン]は石へんに甘
盆、小箱の類、四足の紙器帛



勾陳臨日辰、其物青黒、木植之類、傷損勾連之物。羅網之象、変異為瓦石、金銭、禽鳥魚蟹、亀鼈、水虫等物。
臨子為後土、緋紫物類、或不生花。臨丑為花紋、塌鋒之類、塌鋒尖結花紋。臨寅為瓦石、樹根如獣形、四足之物。臨卯為橋柱、河棟、如虫蛇類。臨辰為龜鼈魚蟹、羅網等物。臨巳為衣服旧物。臨午為描樣、符印、文書、符篆刻物。臨未為粟、帛、絹絲、魚肉香美等物。臨申為鐵器刑傷。臨酉為白色鐵鏡[ジ]器等物。臨戌為緋紫、衣服等物。臨亥為盂盒物類、魚肉香美。

勾陳日辰青黒、植木の類、損傷、つながり連なる物、羅網、変じて瓦石、金銭、鳥禽や魚蟹、亀すっぽん、水の中の虫などの物
大地、緋紫の物の類、あるいは生きていない花
飾り紋様、塌鋒の類。塌鋒は先の尖った紋様(意味不明)
瓦石、樹根、けもののような形、四足のもの
橋、柱、河、棟、虫蛇のような類
亀すっぽん、魚蟹、羅網などの物
衣服、古い物
描かれた模様、印符、文書、篆刻のついた物
粟、布帛、絹糸、魚肉、香りのよい物
鉄器、刑傷
白色、鉄鏡、堅い土の器などの物
緋紫の衣服などの物
盆、小箱の類、魚肉、香りのよいもの



青龍臨日辰、其物青赤木之類、懸空可食物、変異文章、羽翼、螭虎狼狐兔之類。
臨子為鱓蛇之形状。臨丑為鐵鍋槍鑽等物。臨寅為箱櫃、孔竅、獣形龍状之物。臨卯為木器、果子、貴人家物。臨辰為石頭、瓦器、術杖、龍形。臨巳為奴婢相連、双合相連。臨午為燒成可食之物。臨未為爛木槿茶果之物。臨申為腰帯可用之物。臨酉為刀傷器物之類。臨戌為刀割人形之類。臨亥為果子白色、如瓜形状、刀傷物。

青龍日辰青赤、木の類、空に懸けて食べられる物、変じて文章、羽翼、みずち、虎、狼、狐、兎の類
たうなぎ、蛇の形状
鉄鍋、やり、ほこなどの物
箱、あな、獣形、龍状の物
木器、果物、貴人の家の物
石、瓦器、術杖、龍形
奴婢が続くこと、双合相連(意味不明)
焼成された物、食べられる物
腐った木、茶菓子
腰につけて使われる物
刀傷、器のものの類
刀が割れる、人形の類
菓子、白色、あるいは瓜形のもの、刀傷の物



天空臨日辰、其物主印綬、金石、変異為虚而不実、臭悪之物、禽虫狼狗之類。
臨子為石土、磚瓦、缸鉢、[ジ]器皿等物。臨丑為出形、人鑕鎖鏡奩等物。臨寅為没底物、盂類、火灰。臨卯為土石等物。臨辰為磚瓦空虚等物、土焼過物。臨巳為生気物、蛇虫有角足之類。臨午為不用破損之物、破砕、汚穢、泥糞。臨未為可食甘甜之物。臨申為有角堅鐵石物。臨酉為自破器用等物。臨戌為汚穢泥物、似獣形念珠物。臨亥為穢汚泥水中之物。

天空日辰印綬、金石、変じて虚にして実なし、臭悪なもの、けもの、虫、狼狗の類
石土、瓦、かめ鉢、堅い土の器皿などの物
形となること、まな板、鎖、鏡箱などの物
底のない物、かめの類、火灰
土石などの物
瓦、空虚などのもの、土を焼いた物
生きた物、蛇虫、角足のあるものの類。
不用、破損した物、破砕、汚いもの、泥糞
食べられる物、甘い物
角があり、堅い鉄石の物
自破、器に使う物
汚い物、泥、獣の形をしたもの、念珠
汚い、汚泥、水中にある物



白虎臨日辰、其物色白、金玉、刀剣、鋸等物。若傷人死傷等物。五穀為豆、黍類、獣為虎狼猿猴之属。
臨子為焼成瓦器等物。臨丑為刀斤物類。臨寅為鏟鍬尖刀利器。臨卯為割成鐵物。臨辰為銅鐵環子等物。臨巳為金銭利刃孝服。臨午為棄石藥器。臨未為白或針焼鋳形象。臨申為鐵鉗環子。臨酉為鍬鋤鐵器鏡銅等物。臨戌為獣形、[チ]吻、鍬鈕、有口銅印等物。臨亥為刑傷、虎豹、四足、小兒戲物。

白虎日辰白いもの、金玉、刀剣、鋸などの物、人が傷つけたり死傷させるような物、五穀では豆、黍類、動物では虎、狼、猿に属するもの。
焼成された瓦器などの物
刀や斧などの類
スコップ、くわ、尖った刃物
切りとる鉄物(ナイフみたいなもの?)
銅鉄の環などの物
金銭、するどい刃物、葬式
棄てられた石や薬、器
白いもの、あるいは針や焼成鋳造されたもの
鉄のペンチや環
鍬、鋤、鉄器、銅鏡などの物
獣の形をしたもの、みずちの口、鍬、紐、口のあるもの、銅印などの物
刑傷、虎豹、四足のもの、子供のおもちゃ



太常臨日辰、其物黄可食、形円好珍宝、変異醫藥、金石、文章、有日月耳目、生毛髮、五穀為麻類、獣羊鷹之類。
臨子為花羅衣裳。臨丑為旧衣服。臨寅為師人、筆研、剛物、僧道法衣。臨卯為童行、経巻。臨辰為土、光明之物。臨巳為花装之物、故破之物。臨午為飛雁之書。臨未為衣服、黄褐色等物。臨申為猴畜、白錫銭物。臨酉為白色物、花毬、鶏雉、雁属之類。臨戌為破白赤色衣服。臨亥為勒白帯縄等物。

太常日辰黄色いもの、食べられる物、形は丸、よい珍しい宝物、変じて医薬、金石、文章、日月耳目あるもの、毛髪が生える、五穀は麻の類、動物は羊鷹の類
模様のついた衣裳
古い衣服
師人、筆硯、堅いもの、僧道の法衣
童行(意味不明)、経巻
土、光輝く物
花かざりのある物、古く壊れた物
飛雁の書(独特の書体の本?手紙?)
衣服、黄褐色の物
猿や家畜、白錫、金銭
白色の物、花毬、にわとり、雁に属する類
破れた白赤色の衣服
結んだ白帯、縄などの物



玄武臨日辰、其物出水中相勾連、鱗甲、文章。変異為内虚、女子之物。五穀為豆類、禽虫為鼠燕之属。
臨子為魚蝦、蝉、経巻之物。臨丑為羊角、禽鳥、金箭。臨寅為皂色木植勾動之物。臨卯為瓜果園中之物。臨辰為黄黒瓦石磚属、黄瓦燒赤石[ジ]磚。臨巳為破瓶、旧甕之類。臨午為心虚、赤色之物。臨未為廚中吃食之物泥中物、吃食。臨申為蛇虫、蝶蜂、白蝿子、石[ジ]磚、兔形。臨酉為金銀匹帛之類。臨戌為斑駁花紋、瓦器。臨亥為果木喜美之物、草木美物、因滋味來。

玄武日辰水中から出て連なるもの、うろこや甲羅、文章。変じて中が空虚なもの、女子の物。五穀では豆類、動物では鼠、ツバメに属するもの
魚蝦、セミ、経巻物
羊の角、鳥禽、金の弓矢
黒色、植木、かみつく動物
瓜、園の中の物
黄黒色、瓦石に属するもの、黄瓦、焼赤石瓦
[ジ]は土へんに自、堅い土
壊れた瓶、古い甕の類
中が空洞、赤い物
台所の食べ物、泥の中の物、食物
蛇虫、蝶蜂、白いハエ、石瓦、兎の形
金銀反物の類
まだら模様の瓦器
果木、よく美しい物、草木、美しいもの、味わい深い



太陰臨日辰、其物黄白色、為金銀刀針之類。変異生産水中之物、五穀為麦米類。飛禽為鶏雉之属。
臨子為曲麺、甘甜可食之物。臨丑為鮮明、婦人衣服之物。臨寅為刀斧、器用、可食、黄色之物。臨卯為其物似銭光明。臨辰為釵釧花朶等物。臨巳為布帛婦人衣飾之物。臨午為白色銅鐵器用、剪刀、白毛。臨未為黄色堪食、油麻之物。臨申為女子釵釧、小麦、鶏雉。臨酉為金銀、雉鵝、鶏鴨之類鴿。臨戌為髦毛羽翼、虫不然多足物。臨亥為雉鶏、刀錐通白物。

太陰日辰黄白色のもの、金銀刀針の類、変じて生産、水中の物、五穀では麦米の類、飛ぶけもの、鶏や雉に属するもの
麺やこうじ、甘くて食べられる物
鮮明、婦人の衣服のような物
刀斧、器物用品、食べられるもの、黄色の物
銭に似たような光輝くもの
かんざし、花枝などの物
布帛、婦人の衣服飾り物
白色の銅鉄の器用品、かみそり、白い毛
黄色、食べられるもの、油麻の物
女子のくしかんざし、小麦、鶏雉
金銀、雉、ガチョウ、鶏、鴨の類、ハト
前髪、毛、羽翼、虫、でなければ足の多いもの
雉、鶏、刀、きり通し、白い物



天后臨日辰、其物皂白、女人用物、変異為草木可食、五穀為稲豆類、禽虫為蠶蛛之類、一云潔白物、蝦蟆。
臨子為婦人黒白衣衫、青黒花彩。臨丑為瓦石器用等物。臨寅為香味黒甜果子。臨卯為泥土草木之物。臨辰為土中所産之物、穢汚物、赤色。臨巳為水中火中所出之物、爛白衣服。臨午為水煮羹之物並破物。臨未為果品、飲宴之物。臨申為形如猫虎之類。臨酉為白色衣絹之物。臨戌為黄衣土泥之物。臨亥為水中魚蝦之物、水族類、酸醋物。
天后日辰黒白のもの、女性の物、変じて草木、食べられるもの、五穀では稲、豆類、けものや虫は蚕蜘蛛の類、一に云う、潔白の物、蝦、かえる
婦人の黒白のシャツ、青黒の模様
瓦石器用品などの物
香りのある黒い甘い果物
泥土、草木などの物
土の中で産出するもの、汚物、赤色のもの
水中、火中から出る物、古くなった衣類
水煮あるもの、壊れた物
果物、飲食宴会の物
猫や虎のような形をしたものの類
白色、衣類、絹の物
黄色の衣、土泥の物
水中、魚蝦のようなもの、水族類、酸っぱいもの、酢の物



八卦射覆断訣須用例。
乾卦
河魁、登明主之。内赤外白、内方外円。遇水則軟、遇火則堅。夏火金敗、秋月金全。土有文字、節義相兼。旺則珠玉、休是銅銭。仰如鼎立、覆似鐘懸。団円外貌、堅硬内堅。人見敬仰、富貴双全。上有文字、縄索相連。聚而成実、散而無縁。細想是卦、無過銅銭。仰似鼎立、格似鐘懸。若非金鐵、即是銀銅。団円外実、裏面虚空。人見敬貴、能鑑身容。
坎卦
神后主之。坎性成風、依近水中。下浮南北、又浮西東。有形不動、落亦無蹤。騰浮萬物、便似飄蓬。悠悠之物、外黄内黒。性喜潛蔵、情同隱匿。長在家居、惟能野合。去即被擒、逢生不識。
艮卦
大吉、功曹主之。艮青之形、不動其情。内虚外実、団円所成。旺相則実、無気則霊。木能生火、豈能停停、人驚響谷、形如覆盆。春秋不改、積世長存。此物団円、内悔外貞。能屈不動、種之生生。若非青白、即是亀紋。
震卦
太沖主之。震物動停、内白外青。員頭尾小、将変其形。震主変動、身無定形。如蠶作繭、能勝能壮。能周能円、似獣能聲。逐物敗変、其體蒼然。下不著地、上不侵天。若非果物、即是魚鮮。
巽卦
天罡、太乙主之。巽主風雪、節気氤[ウン]。聲添琴韻、遠聴時聞。乍吟乍笑、時聚時群。形如彩蝶、影如青萍。奔注為形、光彩金生。遊行照影、縄索之形。空中隱映、神歌鬼哭。裏実外虚、空谷傳聲。
離卦
勝光主之。似龍無角、似馬須訛。若非牝馬、即是驢騾。人頭即少、離體身多。不臨溪谷、即是長城。先白後赤、水土円蔵。雕形鱗族、内柔外剛。外頭雖実、裏畔虚張。賊人盜得、灰土埋蔵。
坤卦
小吉、傳送主之。坤體外黄、其色内蒼。水上而実、内円外方。形如瓦礫、堅実能剛。若非古器、即是[トウ]嚢。卦體名坤、土性長存。朝則平野、暮則孤村。人来捉抱、逐伴隨群。若非牝馬、即是其犉。
兌卦
従魁主之。兌為金鉄、堅硬栽截。乍剛乍柔、有時曲折。内裏光彩、外邊欠缺。若非連珍、衣加帯剛。兌性居平、外缺裏明。形依静域、炫耀光生。遙為宇殿、似仏光榮。若非銅銭、即是金銀。
八卦射覆断訣須用例

乾卦
十二支は戌、亥。内は赤で外は白、内は方で外は円。水に遇えば軟らかく、火に遇えば堅い。夏は火金は敗、秋月は金が全うする。土に文字あり、節義相兼ねる。旺ならば珠玉、休ならば銅銭。仰げば鼎立(三本足の食器、鍋)のごとく、覆えば鐘懸(ぶら下がった鐘)に似る。団円外貌、堅硬内堅。人見れば敬い仰ぎ、富貴双全。上に文字あり、縄索相連なる。聚れば実となり、散ずれば縁なし。この卦を細かくみれば、銅銭に過ぎない。仰げば鼎立に似て、覆えば鐘懸に似る。もし金鉄でなければ、すなわち銀銅。団円で外実、裏面は空虚。人見れば敬い貴び、身体容量の鑑となる。
坎卦
十二支は子。坎の性は風とし、水中近くに依る。下は南北に浮き、また西東に浮く。形あって動かず、落ちて足跡を残さず。萬物を飛ばし浮かべる、すなわち飄蓬(落ちぶれること)に似る。悠悠とした物で、外は黄内は黒。性は潛蔵を喜び、情は隱匿と同じくする。長ずれば家に居り、ただよく野合する。行けばすなわち擒にされ、生に逢うを知らず(生死不明)。
艮卦
十二支は丑、寅。艮は青の形、その情を動かず。内虚外実、団円となるところ。旺相は則ち実、無気ならば則ち霊(精妙なこと)。木は火を生じ、どうして停まることができようか。人驚きは谷に響く、形は覆盆のごとし。春秋は改めず、積世長くある。此物は団円、内に悔外に貞。能く屈するも動かず、種からいろいろと生まれる。もし青白でなければ、即ち亀紋。
震卦
十二支は卯。物を震い動いて止まらず、内は白外は青。頭は大尾は小、まさに形を変える。震は変動であり、身は無定形。蚕が繭を作るように、よく勝ちよく壮、よく周よく円、獣が鳴くようなこと。物を追えば敗変し、その体は蒼然。下れば地に着かず、上れば天を侵さず。果物でなければ、即ち魚鮮。
巽卦
十二支は辰、巳。巽は風雪を主にする、節気は霧雲が立ち込める。歌声や琴の音は、遠くに聴き時に聞く。吟じたり笑ったり、時に聚まり時に群がる。形は彩蝶のごとく、影は青萍(ウキクサ)のごとし。奔注して形となり、光彩は金を生ずる。遊行照影は、縄索の形。空中に隱映し、神は歌い鬼は哭く。裏実外虚、空谷に声伝わる。
離卦
十二支は午。龍に似て角なし、馬に似てすべからく誤りとする。もし牝馬でなければ、即ち驢騾。人頭は即ち少なく、離の体は身多し。溪谷に臨まず、即ちこれ長城。先に白後に赤、水土円蔵。雕形鱗族、内柔外剛。外頭は実といえども、裏の回りは虚張。賊人盜を得る。灰土を埋蔵する。
坤卦
十二支は未、申。坤の体は外は黄、その色は内は蒼。水上にあって実、内は円外は方。形は瓦礫のごとく、堅実でよく剛。もし古器でなければ、即ち[トウ]嚢(袋)。卦の体は名づけて坤、土性で長存する。朝は平野、暮は孤村。人来て捉抱する、伴を逐えば群にしたがう。もし牝馬でなければ、即ち其犉。
兌卦
十二支は酉。兌は金鉄とする、堅硬にして裁断する。剛だったり柔だったり、時によって曲折する。内裏は光彩、外辺は空欠。もし連珠でなければ、衣に帯剛を加える。兌の性は居平、外は欠、裏は明。形は静域に依る、炎のきらめき、光生ずる。遙は宇殿(広い屋敷?)となし、仏の光榮に似る。もし銅銭でなければ、即ち金銀。




五行占物之所主
木主曲直、作酸、木実之性、為木之物類。主曲折、長短、粗細之形、像曲折木器之物。
火主炎上、作苦、火焦之性、為火之物類。主光明、華彩、虚心之形、像煙火虚心之物。
土主稼穡、作甘、土養之性、為土之物類。主包含、広大、厚重之形、像匠士所養之物。
金主従革、作辛、金堅之性、為金之物類。主堅硬、雕刻、鋒利之形、像堅硬雕鏤之物。
水主潤下、作咸、水生之性、為水之物類。主柔弱、卑下、綿軟之形、像水中之物。
 読めばわかると思うので訳文は省略します。雕鏤とは彫刻のこと。




課名用神物之所主
不備之課乃不全之物。返吟乃遠路入來之物。伏吟乃遠近出入之物、近處持至之物。四孟神為用神、乃方而有稜角之物。四季神為用神、乃円転敦之物、物円実。四仲神為用神、為物平直。用起水神、日辰上見火神、乃半虚半実之物。土火為用神、加臨日辰、乃陸地所生之物。水為用神、得青龍、白虎、玄武者、水中所生之物。
課名用神物之所主

 不備の課(別責、八専、返吟、伏吟のこと)は不全の物。返吟は遠路から来た物。伏吟は遠近出入の物、また近いところに持っている物。
 四孟神が用神になるのは、角のある物。四季神が用神となるのは、丸く転がるような物、または物は円実。四仲神が用神となるのは、平直な物。
 用神が水であり、日干支上に火を見れば、半分虚で半分実の物、土火が用神で日干支に臨むのは陸地に生ずる物。水が用神で青龍、白虎、玄武となれば、水中に生じる物。



十干五行顔色訣
甲乙日與春同、木青、火黄、土黒、金紅、水白。
丙丁日與夏同、火紅、土白、金青、水黄、木黒。
戊己日與四季土旺日同、土黄、金黒、木白、火青、水紅。
庚辛日與秋同、金白、水青、木黄、火黒、土戲。
壬癸日與冬同、水黒、木紅、火白、土青、金黄。
十幹五行旺相死休囚訣
當生者旺、我克者死、生我者休、克我者囚、我生者相。
甲乙日與春三月同、木旺、火相、土死、金囚、水休。
丙丁日戌夏三月同、火旺、土相、金死、水囚、木休。
戊己日與四季土旺日同、土旺、金相、水死、木囚、火休。
庚辛日與秋三月同、金旺、水相、木死、火囚、土休。
壬癸日與冬三月同、水旺、木相、火死、土囚、金休。
甲乙樹木、丙丁爐冶旗象、戊己塚墓、庚辛釵釧、利、刀兵、鎧甲、壬癸江河泉源。
甲草木、乙竹管、丙爐冶火燭、丁鼎釜火、戊濕潤、己甲土生物、庚刀槍利器、辛珍宝、壬雨露、癸江河。
金、旺金土珍宝、相銅鐵利器、死鍋釜、囚鉛錫、休銀針。
木、旺材木、相竹葦上葉、死棺槨、囚染棟船車、休朽木柴薪。
水、旺雨露江河、相山澤流泉、死地坑池湖、囚死水溝渠、休、濕地、廁。
火、旺爐冶、相燈燭、死光明、囚灰炭、休煙、塵埃。
土、旺山嶽、相丘阜田、死塚墓、石、牆壁、囚砂泥、休屋宇、地基。
 すでに訳されている部分もあり、訳文は省略します。字面を見ればだいたい意味はわかると思います。



苗公発休旺訣
《苗公密宝》云:“五行毎二日一遷換、毎十日則一輪転。”此六壬占法、旺相之精髓也。常行説卻以四季分之用者、謬矣。大抵天元六甲運気治病、次五行相四時、而分五臟、乃醫家治病法之妙處。若在課式之中、毎月三十日之間、五行三周、毎旬十日、五行輪一遍、此六壬式用課之活法也。
苗公発休旺訣

 《苗公密宝》に云う「五行は二日ごとに変わり、十日ごとに一周する。」これは六壬占法の旺相の精髄である。常に四季の分かれ目を用神として説くのは誤りである。大抵天元六甲、運気は病を治し、次に五行、四時をみて、五臓を分ける。これが医者の治病の法の妙処である。課式の中にも、毎月三十日の間、五行は三周し、毎旬は十日、五行は一周する。これが六壬式用課の活法である。

 課式を固定的に見るのではなく、また季節だけを見るのではなく、課式とその時々巡ってくる日干支、とくに六旬との関係を見るのが秘訣だと述べています。これはとくに短期の占的、ここでは病気をあげていますが、そのような短期間で結果が出る場合には、応期の取り方としては、確かに季節という大くくりではなく、めぐってくる日干支でみるべきでしょう。


山陰道士口訣
山陰道士云:“凡両日計二十四時、五行各有旺相死囚休處。過兩日而遞收換也。假令甲乙日木旺火相土死金囚水休、象春之時序也。餘倣此。先賢之玄秘、聖人之奧妙、愚欲隱之、恐後人不明、故為是説也、學者秘之。”
山陰道士口訣

 山陰道士が云う、「およそ両日二十四時、五行にはそれぞれ旺相死囚休のところがある。二日すぎればまたそれが収まり変わる。たとえは甲乙日は木旺火相土死金囚水休であり、象は春の時序である。あとはこれにならう。先賢の玄秘、聖人の奥妙、愚者はこれを隠そうとし、後の人がわからなくなるのを恐れる。ゆえにここで説く。学ぶ者はこれを秘密にしておくこと。

 旺相死囚休(死囚休は異説がありますが)についてはすでに秘密でも何でもありませんが、六壬、とくに射覆においては、この五行の旺相死囚休が重要だとされます。


二十八宿起法
有以乾坤角坎離斗艮坤奎震兌井八純帰魂之宿、先世応而自外以[フ]至内、三百八十四爻、各有一星司之、然禍福之兆於壬象而兆也。
以乾世爻起角星、応爻是亢星、五爻是氐星、初爻房星、四爻心星、二爻尾星、此先世応而後自外以[フ]至内也。其姤卦世爻起亢星、応爻是氐星、三爻房星、六爻心星、三爻尾星、五爻箕星之法也。大有世爻起斗星、坎卦世爻起斗星、帰妹世爻起角星、乾卦世爻起角星、此乃八純門帰魂之宿也。然帰妹三爻角星、六爻亢星、初爻氐星、五爻房星、三爻心星、四爻尾星、蓋此応之星、八純帰魂相同、而余星則異、此黄金策劉夫子伝也。
承勲案二十八宿起法、乃京房金銭擲課所需。非苗公六壬法也。後人不明混列鬼撮脚後。本宜削法。因坊間鈔本皆有。姑仍付刊。閲者自知。且黄金策非誠意伯所著。後人付託於大六壬、更無干渉矣。
二十八宿起法

 乾坤は角、坎離は斗、艮坤は奎、震兌は井を八純卦の帰魂の宿とする。まず世応は外卦から内卦に配布し、384爻(64卦×六爻)、それぞれ星が司る。そして壬象にあらわれる禍福の兆しが兆しとなる。
 乾卦の世爻は角星から起し、応爻は亢星、五爻は氐星、初爻は房星、四爻は心星、二爻は尾星、これが先に世応を決め、後に外卦から内卦へ配布する方法である。姤卦は世爻を亢星に起し、応爻は氐星、三爻は房星、六爻は心星、三爻は尾星、五爻は箕星とする方法である。大有卦は、世爻は斗星に起し、坎卦は世爻を斗星に起し、帰妹卦は世爻を角星に起し、乾卦は世爻を角星に起す、これがすなわち八純門帰魂之宿である。しかして帰妹卦は三爻を角星、六爻を亢星、初爻を氐星、五爻を房星、三爻を心星、四爻を尾星、蓋しこの応の星は、八純帰魂と相同じで、余星は則ち異なる。これが黄金策、劉夫子の伝えるところである。
 承勲が考えるに、二十八宿の起法は京房易金銭擲課の必要なところで、苗公六壬の法ではない。後の人がおそらくわからずに鬼撮脚の後に混ぜたものだろう。本来は削除すべきであるが、巷の写本にはいずれも付いているので、ここに載せるのである。見るものはこのことを知り、黄金策については、その意味を説明するところではない。後の人が大六壬に付託したものだが、まったく関係のないものである。

 世応の法については、五行易の解説書を参照してください。六壬とは関係ないので、説明は割愛します。


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■ あとがき

 以上で鬼撮脚の全巻の翻訳を終わります。もっとも途中、原文で意味のわかるところは訳をとばしているところもありますが。
 原文を掲げていますので、訳文よりも原文に目を通してみてください。意味は何となくわかるはずです。ただ、テキストによって使われている言葉が違う場合がありますので、他のサイトと異なることもあるでしょう。
 再三再四述べるように、射覆には活断を要します。この鬼撮脚はそのとっかかりでしかありません。ここにある類神や象意を元に、さらに旺相死囚休を考え、それこそ分析力やインスピレーション、すなわち頭脳をフルに動員して判断を下す必要があります。
 私自身はとてもそのような能力はありません。ただ、射覆に限らず、占術というのは実占を重ねていくとそのようなインスピレーションというか能力が身についてくるようです。
 皆さんの実占力の向上に資することを祈って。




   作成 :  2008年5月19日  
   改訂 :  2021年1月24日  内容追加およびHTML5への対応

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