6.課式の見方と象意 ~ 占断八門など

■ はじめに

 これまで、課式の出し方を延々と説明してきました。
 いよいよ課式を目の前にしてどのように判断するかを説明します。
 紙幅の関係もあり、ここではエッセンスのみ説明します。
 エッセンスといっても、私が試行錯誤して得たことのうち、基本と思うこと、さらに実際の占いにすぐ役立つことを述べているつもりです。以下を読めばば、今日からでも実占ができると思います。 そして実践を重ねることで、適中率がどんどん高くなると思います。
 繰り返しになりますが、私は占いを独学で学んだものです。特定の流派の考え方もよければ採用するし、一般的に言われていることも納得できなければ以下には採用していません。そのつもりで読んでください。


- 目 次 -

1.十二支関係の吉凶と象意

 大六壬では十二支の関係がもっとも重要です。ここでは、その吉凶と象意を整理しておきましょう。

 剋は、五行関係でいう剋と同じです。支関係のうちで剋がもっとも重要な関係だと私は考えています。悪いかどうかはそのときどきで違いますが、おおむね悪い関係となります。
 支の剋は次のようになります。下が剋される支です。

巳午亥子辰戌
丑未
辰戌
卯未
亥子申酉申酉亥子寅卯寅卯亥子巳午

 刑ははっきり悪い関係です。まずは表にしてみます。下の支が刑される支になります。また、一番下はその刑の意味です。
 自刑というのは、自分で自分を傷つける意味があります。同じ十二支どうし。
 互刑というのは、二者が争って傷つける意味があります。子と卯です。
 無恩というのは、親しい同志が争って傷つける意味があります。孟支のうち寅巳申です。
 恃勢というのは、勢いをたのむ、権力や腕力あるいは策略を使って傷つける意味があります。土支のうち丑戌未です。
 見てわかると思いますが、刑とは、会局が方局を刑する関係になっています。ただなぜ木局は北方を刑し、水局は東方を刑するのかはわかりません。

 木局→北方 火局→南方 金局→西方 水局→東方
自刑互刑無恩恃勢自刑無恩恃勢自刑無恩恃勢互刑自刑

冲(衝)

 冲というのは、方位でいえば反対の方角にあたるものです。やはり悪い意味を含みますが、変動するという意味が強いです。
 表にはしませんが、ぜひ暗記してください。子と午、丑と未、寅と申、卯と酉、辰と戌、巳と亥の6つで、六冲ともいいます。

 破というのは、方位でいえば90度の関係になりますが、そのうちの6つです。破も悪い意味がありますが、大六壬ではあまり重視しません。
 表にはしません。子と酉、午と卯、丑と辰、未と戌、卯と午、寅と亥の6つです。

 害というのは、合にあたる支の冲となる支にあたります。例えば、子の合は丑で丑の冲は未ですから、子の害は未となります。害も悪い関係ですが、物事の障害を意味します。悪さでは刑や剋におとります。
 害は、子と未、丑と午、寅と巳、卯と辰、申と亥、酉と戌の6つです。

 合はしばり合う関係で、通常良い意味となります。四柱推命では冲の悪い作用を解くはたらきがあります。
 合の理屈はいまいちわかりませんが(節月と月将の関係と言われますが)、絶対に暗記してください。子と丑、寅と亥、卯と戌、辰と酉、巳と申、午と未の6つです。六合ともいいます。

 会は方位でいえば、60度の関係で、3つの支の関係になりますから、三合会局などといったりします。組合せは4通りとなります。親和力のある関係であり、通常はいい意味です。
 会については、表の順序どおり覚えてください。それぞれ、孟仲季といったり、生旺墓といったりします。この順番にならべてあります。例えば、四孟とか四生とかいうのは寅申巳亥の四つの支をいいます。以下同様です。

木局火局金局水局
亥卯未寅午戌巳酉丑申子辰

生、助

 通常の五行関係の生、助の関係です。会ほどではないですが、良い関係になります。表は省略します。

2.生剋、十二支、十二天将の象意

 生剋(六親ともいう)、十二支、十二天将の象意について表にまとめてみました。
 象意とはキーワードみたいなものと思えばいいと思います。

 基礎知識で、五行の関係を「生」、「洩」、「剋」、「分」、「助」と分類しました。
 六壬では(六壬に限らないが)その関係をそれぞれ次のように呼びます。
   「自分が生ずる五行」は「子孫」と呼びます。
   「自分が洩らす五行」、すなわち「相手が自分を生ずる五行」は「父母」と呼びます。
   「自分が剋する五行」は「妻財」と呼びます。
   「自分が分ける五行」、すなわち「相手が自分を剋する五行」は「官鬼」と呼びます。
   「自分が助ける五行」、すなわち同性の五行は「兄弟」と呼びます。

 先の表とはちょっと違いますが、以上を表にしますと、

相手\自分
兄弟父母官鬼妻財子孫
子孫兄弟父母官鬼妻財
妻財子孫兄弟父母官鬼
官鬼妻財子孫兄弟父母
父母官鬼妻財子孫兄弟

生剋の象意表

生剋 象   意
子孫子供、目下、弟子、僧侶、医者、薬、日用品、占い、生産
父母父母、目上、師匠、文書、印鑑、衣服、旅行、乗り物
妻財妻、使用人、商売、財産、事業、男性にとっての結婚
官鬼夫、悪人、役人、裁判、盗難、危険物、死体、病気、怪異、苦労
兄弟兄弟、同僚、競争、戦争、武器、賭博、嫉妬、散財

十二支の象意表

十二支の象意はたくさんあります。代表的なものだけ。
十二支別名 象   意
神后雲、雨、秘密、婦女、江湖、寝室、水、氷、箱、課、黒、九
大吉田宅、田畑、争い、財産、神仏、宋、農夫、台所、黄、八
功曹風、文書、木器、婚姻、財産、道路、官吏、書斎、緑、七
太冲雷、駅、交通機関、長男、盗賊、窓、門、材木、青、六
天罡闘争、訴訟、田宅、霧、軍人、悪人、墓、塚、黄、五
太乙口舌、怪異、長女、主婦、楽器、布、台所、陶磁器、鳥、紫、四
勝光晴れ、文書、役所、婦女、旅客、山林、書画、かまど、赤、九
小吉酒食、婚姻、祭祀、父母、妹、職人、客、医薬、黄、八
伝送旅人、兵卒、城、道路、廊下、金銀、疾病、郵便、栗色、七
従魁宝物、金銭、賞罰、少女、下女、山、丘、倉庫、門、小麦、白、六
河魁詐欺、印綬、雲、軍人、召使、浴室、垣根、礼服、牢屋、黄、五
登明秘密、訴訟、汚いもの、孫、倉庫、庭、亥子、図画、褐色、四

十二天将の象意表

同様に十二天将の象意はたくさんあります。代表的なものだけ。
十二天将所属干支象   意
貴人己丑土高貴、給料、昇進、文章、長、福徳、宝石、牛、寒熱、黄、八
螣蛇丁巳火文字、災禍、怪異、心配、小人、悪人、蛇、腫物、血、紫、四
朱雀丙午火知恵、華麗、学者、文書、贅沢、羽毛、果物、午、火気、赤、九
六合乙卯木交易、信用、仲人、婚姻、友人、秘密、製造、材料、塩、青、六
勾陳戊辰土戦争、兵、警察、遅滞、愚直、貧困、死者、霊、けもの、青黒、五
青龍甲寅木活動、権力、金銭、儀式、商売、転職、収穫、狐狸、黄赤、七
天空戊戌土損失、召使、無駄な努力、詐欺、消耗、貧乏、合格、黄、五
白虎庚申金果断、残酷、病気、怪我、武器、流血、交通、栗色、七
太常己未土忍耐、日常、田園、酒食、衣服、転職、昇進、黄、八
玄武癸亥水陰険、横領、盗賊、邪なこと、陰謀、水神、豆類、黒、四
太陰辛酉金陰私、秘密、消極、引退、潔白、同僚、清潔、黄、六
天后壬子水柔軟、耽溺、女性、妻、結婚、男女関係、傷害、白、九

3.占断八門

 「占断八門」と書きましたが、「審査八法」などいろいろな呼ばれ方をされています。
 この八門を順にみていくことで、大六壬の課式の見方を習得することができます。
 順に解説していきましょう。

(1)先鋒門

 先鋒門とは占った時刻のことです。この時刻が日干支からみてどうかをまず見ます。
 私の実占記をみてもらえばわかりますが、まず占時の生剋をみておよその判断をしています。
 干支と占時だけで占う術者もいるぐらいで、先鋒門というのは意外に重要な項目です。

(2)直事門

 直事門とは占時の上に月将を載せる(重ねる)ことをいいます。この関係も重要です。
 例えば、占時と月将が支冲になっていれば返吟ですし、同じであれば伏吟です。占時と月将の関係だけでも何となくよしあしがわかる場合もあるのです。

(3)外事門

 外事門とは一課のことです。日干は自分あるいは主体、または男性のことで、一課はその動作、考え、性質など示します。つまり、まず一課をみることで、主体の状態を知ることができます。
 日干は主体そのものですから、一課と日干の関係をみることで、現在の状況が本来の状態なのかなどといったことも示すことがあります。

(4)内事門

 内事門とは三課のことです。日支は相手あるいは客体、または女性で、三課はその動作、考え、性質などを示します。
 また内事とあるように、家庭など内向きのことを示すこともあります。

(5)発端門

 発端門とは初伝のことです。初伝はものごとの発端や原因を示します。初伝自体の十二天将や、初伝と日干や一課、三課などの関係をみることにより、その事件のきっかけを知ることができます。
 初伝を丹念にみることで、意外な原因がわかったりします。

(6)移易門

 移易門とは中伝のことです。中伝は事件の経過を示します。移とは移ること、易とはかわることですから、まさしく移り変わりのことです。

(7)帰計門

 帰計門とは末伝のことです。末伝は事件の終結の結果を示します。何事も終わりよければすべてよし、というように、末伝の吉凶が非常に重要です。末伝が空亡だったり、天空だったりすると、終わりはすっきりしないものになりがちです。
 また、末伝は応期、すなわち事件の終結の時期を示すところでもあります。(応期についてはなかなか難しく、発用こそ応期であるという考え方が一般的かもしれません)

(8)変体門

 課や三伝は占った時間が同じであれば人によって異なることはないですが、変体とは人によって違うもののことです。具体的には、その人の年命(生まれ年の干支)や行年(年齢)を指します。同一課式、同一の占的であっても、人によって判断は違うことを意味します。

 以上8項目を占断八門と呼んでいます。この8項目にそって課式をみることが基本です。
 次に、この占断八門(の一部)をもう少し具体的にみることにします。

4.占時の見方

 課式を具体的に検討するまえに、日干と占時の十二支の関係をみます。
 私は、以前は占時すなわち先鋒門をほとんど見ずに、すぐに課式で判断していましたが、勉強を進め実占を積み重ねていくうち、占時が結構重要であることに気づきました。いわゆる干支術では占時を重視しますが、課式だけでなく占時をまずは見ることをお勧めします。

 以下は古書の引き写しでありますが、適宜、常識を働かせて、象意を推測してください。
 占時が日干の財にあたる場合は、お金にかんすることが多いものです。また、妻のことの場合もあります。
 占時が駅馬の場合は、道路、移動、旅行のこととすると古書にありますが、あまり当たりません。ただ、駅馬の場合、事が早く進むという感じはあります。
 占時と日干寄宮が合の場合は、夫婦、家庭、友人関係などを意味することがあります。
 占時と日干寄宮が刑、冲、害、破の場合は、おもに外事とされます。日支と刑、冲、破、害の場合は内事といわれます。
 占時が空亡のときは、はっきりとしないことが多いものです。また十二天将の象意を空しくします。
 占時の六親、十二天将はその象意が占おうとすることに直結することが不思議と多いです。射覆の場合はとくにそうです。

 実占を積んでいくと、だんだんとコツがつかめてくるでしょう。

5.日干支の見方

 日干支は、古書では日辰とよく言われます。辰というのが十二支の辰と紛らわしいので、古書を読むときは注意が必要です。

 日干が自分、当事者、男性などを示すというのは、すでに書きました。例外はありますが、通常の場合は、日干が強められることが必要です。
 日干が干上神(一課)から生じられるのは吉ですが、日干が干上神に剋されたり、洩らされたりするのはよくありません。
 日干が季節的に旺相しているのは概して吉ですが、他課や三伝との関係に気をつける必要があります。

 日支は相手、目的、対象、女性などを示します。日支の場合は、必ずしも強めることがいいとは限りません。
 例えば、病気占いの場合は、日支が剋されるのが必ず悪いともいえないようです。むしろ、日支や支上神が強められるのは、病状が悪化する可能性が高くなります。ただし、これもその他の条件をよく比較しなければなりませんが。

 注意しなければいけないのは、日干と日支の関係で単純に吉凶を判断してはいけません。日支が日干を剋すのは凶意がないわけではないのですが、必ずしもそれだけが決め手にはなりません。
 佐藤六龍氏、佐藤文栞氏の本では、一課の方を重視し、日干の強弱をあまり強調していないような印象を受けます。私は、一課は主体の表象だと思っていますので、一課よりは日干の強弱(吉凶ではないです。念のため)の方が重要だと考えています。むろん、一般的には一課も強い方がいいですが、どちらかというと一課は強いよりも、吉の十二天将、神殺がついた方がよいと思います。支上神(三課)も同様に吉神が付いた方がいいです。ただし、他の課や三伝との関係(剋洩刑冲合会など)は日干支、一課、三課とも重要です。

6.三伝の見方

 三伝こそは、六壬の判断の鍵です。三伝の意味は先に占断八門にあげましたが、三伝と日干支、四課、年命、行年などの関係が大六壬では非常に重要です。また、三伝の遁干も往々にして判断の鍵となります。もっとも、遁干を全く見ない術者もいますが。

 一般的には、初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生じる場合は吉、初伝が中伝を剋し、中伝が末伝を剋する場合は凶とされます。また、初伝が末伝を剋する場合は凶、末伝が初伝を剋する場合は吉といいますが、これは占うきっかけが凶の場合に限ります。

 以下は古書からとってます。これ以外にもいろいろとありますが、私がうなづけるものを挙げています。
 初伝が末伝を生じるのは順道といい、和合の象とされています。末伝が初伝を生じるのは逆道といい、悖乱の象といわれます。
 三伝に吉将があっても、地を得ていないとあまり吉意が発揮されません。逆に凶将があっても、空亡や地を得ていないと凶意は軽減されます。
 三伝が孟神(寅巳申亥)の場合は新たなことが発生しやすく、仲神(子卯午酉)の場合は古いことがぶり返しやすいです。

 初伝(発用)は重要なので、別項で説明します。

7.四課の見方

 一課、二課は日干から出されたもので、三課、四課は日支から出されたものです。陰神については、のちほど解説しますが、二課、四課は日干支の陰神ですから、次のように考えるといいでしょう。
 日干は自分自身、一課は自分の状態、二課は自分をとりまく環境。
 日支は相手、目的など、三課はその状態、四課はそれにまつわる条件や環境
 一課、二課が初伝のときは主として外で起きた事や自分に関すること、三課、四課が初伝のときは主として内輪の事や相手に関することが原因だとされます。ただ必ずしもそうとはいえない場合も実占のときはあります。
 一課と四課、あるいは二課と三課の関係が悪いときは、家庭の不和やもめごとが多いといわれます。これは、例えば結婚占いの場合、一課は新郎、三課は新婦で、二課と四課はそれぞれの家族と見ますので、この判断はきわめて原則どおりということができるでしょう。
 三課や四課が初伝で財の場合は、求財占いでは財を得るとされます。

 あといろいろな見方がありますが、要は日干支と四課の示すものと、その間の関係をみて推理することです。古書をいちいちひもとくよりはその方が覚えやすいし納得もいきます。

8.発用の見方

 初伝は発用ともいい、また用神ともいいます。課式のキーポイントという点では、四柱推命でいう用神に近いかもしれません。

 以下は古論をそのまま訳していますが、疑問点には注意書きを入れてます。
 一課または二課が発用で、貴人が順行であれば、物事は速くすすみ、三課または四課が発用で、貴人が逆行であれば、物事の進みは遅いといわれます。(これは検証してません)
 初伝が上剋下(初伝がその地盤支を剋する)ならば、物事は外部で起き、偉い人、年をとった人によく、また動くに吉です。
 初伝が下剋上(初伝がその地盤支から剋される)ならば、物事は内輪で置き、若い人、身分の低い人によく、また先に動かず後で動いた方が吉です。
 初伝が長生の場合は順調。初伝が長生でその下神が墓ならば古い事が発端といわれます。
 初伝が墓の場合は事が進みません。病占の場合はとくに凶です。
 初伝が死の場合は事態の収拾は手遅れで、絶の場合はもう事態は終わっています。(これは中伝、末伝をよく看なければいけません)
 初伝が刑冲破害を受けるときはやはり順調にはことは運びません。(破や害はそうでもないが)
 初伝が空亡の場合は、事の発端がはっきりしませんし、無意味になることもあります。
 初伝が日干を剋すのは、本人に不利です。初伝が日支を剋すのは家に不安があります。(占的による)
 初伝が時支を剋すのは、突然の出来事で驚くことが多いものです。(これも常識的に判断すべし)
 初伝が末伝を剋すのは、終わりがよくないかはっきりしません。(初伝と末伝の関係は諸説あり)
 初伝が太歳(年支)の場合は、事は1年以内にはっきりします。
 初伝が月建(月支)の場合は、事は1ヶ月以内にはっきりします。
 初伝が日支の場合は、事は1旬(約2週間)ではっきりします。
 初伝が日干の場合は、事はその日のうちにはっきりします。
 (以上の4つは常識的判断が必要です。応期については、また別に説明します。)

9.空亡について

 空亡はご存知のように、算命学では天中殺と呼ばれるものです。ただ、最近の四柱推命ではそれほど重視していないようです。(流派によるかもしれませんが)
 ところが、大六壬では空亡はきわめて重要です。その理由ははっきりしたことはわかりませんが、私なりの考えはあります。それについては、別に説明するとして、ここでは空亡がどういう働きをするかを説明します。

 一言でいえば、空亡とは空虚であると、ものの本には書いてあります。
 例えば、財に空亡が付いている場合は、求財占においては財が空虚なわけですから凶ということになります。
 逆に、病占などで日干を剋する神に空亡がついている場合は、日干を傷める力を減じることになり、その空亡自体は吉の作用をすることになります。(ただし積極的な吉作用ではなくあくまで凶作用をなくすという意味)
 つまり、吉神には空亡がないほうがよく、凶神には空亡があった方がよいといえます。吉か凶かはよく見極めなければなりません。
 ある支の天盤支が空亡の場合を、浮天空亡とか遊行空亡とか言います。また、ある支の地盤支が空亡の場合を、落底空亡と言います。
 三伝が全部空亡だったり、一つが天空であとが空亡だったりするのは、全く得るものがなく、目的も達成しません。ただし悪いこと、心配事はなくなってしまうと言われます。

 しかし、私の意見ですが、何も起きないというのは概してよくないと考えます。悪いことでも、何らかの対策をとって解決しなければ、結局その問題は依然と残るわけで、たとえ悪い結果、悲しい結果になっても、何らかの結論が出る方がよいのではないでしょうか。結局空亡は現実としてはあまりよくないと思うのです。

■ あとがき

 ここまでくれば、だいたいの判断はできるはずです。あとは、神殺や応期等々個別にとりあげた方がいいテーマとなりますので、以降は各テーマごとに解説します。
 以上で「六壬神課あるいは大六壬入門」をとりあえず終わることにします。


<<前ページへ ・・・・  >>「六壬課式の構造」へ



作成 2008年 5月19日
改訂 2021年 4月 6日  HTML5への対応、一部修正

このページのトップに戻る