七政占星術の基礎 その2


 その1では、七政の基本星図の作成を行いました。まだ十干化曜星とか神殺とかは解説していませんが、その前にこの基本星図だけを使って占ってみましょう。


 -このページの目次-
   1.七政四餘論
   2.日宮推命法
   3.命宮推命法
   4.十二宮位と七政四餘
   5.七政四餘と命宮
   6.七政と宿度
   7.七政四餘の同宮
   8.例題




1.七政四餘論


 占う前に七政四餘の各星曜のだいたいの示す意味をみてみます。今回の改訂で、西洋占星術との比較を追加しました。惑星は同じものですが、七政は星曜、西洋占星術は惑星と呼び方を区別しています。星曜の異名はたくさんありますが、ここでは代表的なものだけ記載しました。

星曜惑星七政四餘西洋占星術
太陽太陽君主、父、恩沢、権力、昇進
宮の意味を強め同宮の星を助ける
生命力、意志、個性、自己
勇気、尊厳、尊大、短気、わがまま
太陰人臣、母、慈柔、自分自身、安身
新月、月食は凶
感受性、母性、想像、直感
神秘、変動、気まぐれ、依頼心
木星
歳星
木星君子、仁慈、福徳、東方
順行は吉、逆行は凶
幸運、発展、寛大、膨張
信頼、知識、浪費
火星
[ケイ]惑
火星礼、南方、暴燥、火災情熱、主張、攻撃、性急
衝動的
土星
鎮星
土星信、中央、平穏、疫病
一名を地羅[ゴウ]
制限、倹約、規則、責任
英知、助言、困難、小心
金星
啓明
金星義、西方、剛利、権威、精厳愛、調和、審美、魅力
貪欲、競争、官能的
水星
辰星
水星智、北方、善に逢えば善
悪に逢えば悪
知識、コミュニケーション、論理
旅行、おしゃべり、虚言
紫気
景星
清高、慈善、吉祥、芸術
学問、富貴
月孛
太乙
智の余気、凶兆、災禍、兵乱精神、外国、旅行
羅[ゴウ]
天首
North
Node
礼の余気、性急、血光運命、努力、進化、成長
選択、生きる目的
計都South
Node
信の余気、毒悪、災禍過去、生き残り、沈滞
本能的行動

 こうしてみると、星曜と西洋占星術の惑星とでは、意味の違うものも多く見受けられます。とくに金星は大きく異なります。
 また、羅[ゴウ]、計都とサウス・ノードも違います。これは、東洋と西洋の月に対する考え方の違いでしょう。東洋では月の現象にあまりいい意味を持たせていません。西洋占星術においては月は自分自身の過去と未来を示すと見ています。月の占いも面白いテーマですが、それはまた別の機会に。




2.日宮推命法


 日宮推命法とは、太陽の位置する十二宮位で判断する方法です。ありていにいえば、いわゆる一般に流通している星占いと同じです。
 今回は、七政の方は『星平会海』の「星曜入宮歌」を翻訳し、西洋占星術は象意をキーワードであげて、その比較をしてみます。実際に使うときは、おそらく西洋占星術の方が使いやすいでしょう。なお、「星曜入宮歌」は『果老星宗』の「太陽入宮枢要歌」と同じです。判田格氏の『七政四餘』にも載っています。
 ここでは春分点を起点として、太陽の移動にあわせた順にしています。すなわち西洋占星術の本の順です。この方が星占いには使いやすいでしょうから。

宮位星曜入宮歌象意等
戌宮
おひつじ
戌宮の太陽を天枢という。
戌宮は太陽が強まる地である。
月と同宮ならば栄貴で、
福余りある。
自主、向上心、衝動、勇気、
芸術、投資、金銭に淡白
酉宮
おうし
おうしの太陽は九空という。
夜生まれは短命でも運がよい。
昼生まれは実力が伴わない。
もし刑囚に変われば悪い。
独立、頑固、忍耐、深謀遠慮、
善良、美術、理財に精通
申宮
ふたご
申宮の太陽を天暗という。
ここでは太陽は光が暗い。
昼生まれであれば、
百%の実行力はない。
二重個性、自信、楽観、聡明、
弁舌、多才、投機、浪費好き
未宮
かに
未宮の太陽を天輝という。
月と同宮するのは稀である。
もし月に落陥がなければ、
君臣は慶会、枢機を掌る。
老実、感情的、孤独、文才、
負けず嫌い、浪費、財運無し
午宮
しし
午宮の太陽は少微という。
人望厚いリーダーとなる。
たとえ悪星と同宮しても、
富貴栄華は非常である。
意志、自己表現、自己中心、
誇り高い、縁遠い
巳宮
おとめ
乙女の太陽は幽微という。
禄厚く権威があり位が高い。
若くして名をあげるが、
あっさりと地位を捨て去る。
聡明、手際よさ、実務、現実的、
ロマン、毒舌、献身
辰宮
てんびん
角亢の方の龍門を出るのは、
天爽といい最も光輝く。
学問を修め試験に合格する。
その名声は中央にまで達する。
交友、公平、協調、虚栄心、
誤解、同情、浪費
卯宮
さそり
卯宮の太陽は天烏という。
性は稟として英明でいい男。
多芸多才で非凡である。
一生栄誉と富に恵まれる。
陰険、堅忍不抜、善悪、謹厳、
秘密、信念、自律、集中力
寅宮
いて
いての太陽は天桑という。
東から昇り光を照らす。
禄厚く福高く名をあげる。
また高い地位に昇る。
運動、活発、冒険、自由、追求、
優柔不断、物質欲、賭博
丑宮
やぎ
丑宮の太陽は天幽という。
この位置は斗牛宿である。
もし臨官禄の地に照らせば、
きっと悠々自適となる。
意志堅固、刻苦、熱心、保守、
堅実、責任感、義務
子宮
みずがめ
子宮の太陽は天宜である。
夜生まれは却って有情。
もし昼生まれなら光は暗く、
禄は高くとも成すことなし。
独立自主、革新、進歩、主張、
自由、人道主義、企画、科学、
浪費
亥宮
うお
太陽が亥宮で輝けば、
君主のそばで仕える。
もし化曜が官禄となれば、
若くして勲功を立てる。
情感、芸術、修養、犠牲、控えめ、
思慮、優柔不断、金銭トラブル

 七政占星術ということで「太陽入宮歌」を載せましたが、実際に占うときは西洋占星術の象意で見ればいいと思います。
 両者を比較すると、似ているところもありますが、多くは違います。私は両者の根っこは同じだと思いますが、それぞれの術が社会の変化とともに変わってきているために、一見異なっていると考えています。




3.命宮推命法


 命宮推命法とは命宮がどの十二宮位にあるかをみて、性格や体質を判断する方法です。人によっては、先の日宮推命法よりも確度が高いといってます。西洋占星術でいうアセンダントによる判断方法にあたります。
 立命というのは命宮がどの宮位かということです。ただ、『果老星宗』や『星平会海』には、命宮による推命法が整理されて書かれているわけではありません。「論十二宮所守拱照活変看法拱」には、「およそ命を論ずる方法は、まず立命が何宮の何度にあるかを観る。宮は軽くみて度主を重くみる」とあります。ここでは度主ではなく、宮による見方を紹介します。
 原文はないので、ここでは象意のみを記します。この内容は主に『七政四餘推命全書』や『古今七政占星速成』に拠っており、さらに西洋占星術の象意も合わせて記載しています。

立命宮象意等
立命子宮個性的、創意、自由、高尚、反逆、怪異
立命丑宮老成、刻苦、壮大、権力、責任感、固執、説教、官僚主義
立命寅宮楽観、積極的、理想、宗教、洞察、活力、変化、刺激
立命卯宮沈黙、感情的、直覚、秘密、心霊、色気、こだわり
立命辰宮温和、高雅、交際、中庸、優柔不断、スマート
立命巳宮冷静、穏健、思慮、秩序、文章、弁舌、細密
立命午宮自我、権力、自大、積極、大志、驕慢、派手
立命未宮善良、家庭、身内、情緒、記憶力、美食家、遠回り
立命申宮活発、多芸多才、聡明機知、博学、表現、情報、好奇心
立命酉宮沈思、穏健、忠実、勤勉、保守、理財、審美、朴訥
立命戌宮積極、冒険、剛毅、権勢、独立自主、リーダーシップ、我慢嫌い 
立命亥宮情感、従順、犠牲、宗教、情操、直感、想像力、耽溺、右往左往 




4.十二宮位と七政四餘


 十二宮位には主星、喜忌があります。それを表に示します。

宮位子丑寅亥卯戌辰酉巳申説明
主星我、自分
難星木紫水孛火羅土計木紫土計我を剋すもの
仇星水孛土計木紫火羅土計火羅我が剋すもの
恩星火羅水孛木紫土計金水我を生ずるもの 
用星火羅土計水孛木紫火羅木紫 我が生ずるもの 

 主星、恩星、用星は吉、難星、仇星は凶とおおざっぱにはいえます。
 ここでいくつかの例外を述べます。
   ①紫気は子宮ではそれほど凶ではありません。丑宮では凶です。
   ②亥宮は火星、羅[ゴウ]を用星としますが恐れます。
   ③戌宮の主星は火星ですが、戌は火の墓であり凶です。
   ④水星、月孛は、辰宮では吉ですが、酉宮では凶です。
   ⑤巳宮、申宮は月孛を恐れます。
   ⑥紫気は午宮ではそれほど凶ではありません。

 次に、旺(垣)廟弱陥を表にします。これは他の占星術でも同様の考え方があります。
 十二宮位には主星、喜忌があります。それを表に示します。

宮位説明
主星に同じ 
.
.

 七政四餘が特定の十二宮位に入ったときには別名およびその象意があるのですが(例えば太陽が子に入るのを日華星、天貴星という)、古歌を紹介するときに説明します。
 



5.七政四餘と命宮


 命宮にある星曜の関係で性格や相貌を看ることができます。西洋占星術でいえば、第1ハウスに入った惑星で占う方法です。
 ここでは、「星曜照宮歌」の象意とともに、西洋占星術での第1ハウスの惑星の象意を挙げることにします。なお、惑星の順序は「星曜照宮歌」の順にしています。

七政四餘星曜照宮歌の象意第1ハウスの象意
木星聡敏、芸術、文才、名声、衣禄
危険に逢っても災いを脱する。
楽天、寛大、幸運、反応
火星公明正大、名声、権力、度量
初年は散財、晩年は無事。
勇気、決断、情熱、積極、短気
土星孤独、苦労、憂い、白手起家
初年は苦労、晩年は平穏。
陰性、不器用、堅実、忍耐、勤勉
金星志高い、権勢、義理、華麗
初年は失敗、成功失敗多い。
美的、芸術、異性、援助、好印象
水星聡明、機知、文才、引立て
晩年に財を築く。
敏捷、性急、若々しい、知的、無責任
太陽情厚い、和やか、健康、幸運、長命
西にあれば福は少ない。
寛容、自信、孤高、親分肌、ピンチに強い 
太陰孤高、短気、財、富貴
凶神があれば成果無し。
直感、想像力、感情的、変化
紫気遊芸、名声、離散、晩成
他の星曜と共にあるのがよい。
月孛自尊、災厄、権謀術数
廟であれば大成する。
羅[ゴウ]権勢、渋滞、浮沈が激しい
昼宮ならば恩を受ける。
個性、自己中心、人間関係
計都性暴、孤立、災禍
廟旺ならば補佐として出世。
自己中心、自我、他者




6.七政と宿度


 以下は、七政がどの星宿度にあるかで見る方法です。参考程度に見る程度でいいと思います。
 なお、星宿度は次のとおりです。
   日度:房、虚、昴、星
   月度:心、危、畢、張
   木度:角、斗、奎、井
   火度:尾、室、觜、翼
   土度:[テイ]、女、胃、柳
   金度:亢、牛、婁、鬼
   水度:箕、壁、参、軫

(1)太陽躔度
星宿度象意
日度忠直、道芸、仕官、声名、大貴、昼生は高位 
月度父母助力、密謀、深遠、財、大富
木度貴達、多福、仕官、財布、晩年主富
火度清廉、有福、性直、危険を顧みず、世渡り
土度貴人委用、子女、技巧、中身のない貴
金度音楽、歓楽、困難、主星で昼生は福力あり
水度財帛充足、多学多智、清潔、浪費

(2)太陰躔度
星宿度象意
日度多才、有福、声名、主星ならば大貴、夫位 
月度形貌超群、爽快、巧言、淫欲
木度文学、経営、財産、老富、中年は弱
火度性急、兵火、卑賎、悪星と同宮なら寿短
土度困難、妻子に憂いあり、32を過ぎて吉
金度富貴、歓楽、婦人による災い
水度聡明、智恵、学問

(3)木星躔度
星宿度象意
日度文芸、声名、貴族、大貴
月度文章、予知、主星ならば福力、大貴
木度寛大、文章出群、二妻、多子女、主星で昼生は富貴 
火度災厄、争訟、夭折、妻財、国務
土度口舌、憂い、昼生まれならよい、晩婚、再婚
金度美妻、文武、子女、財を手にする
水度性情不定、詩画、芸術

(4)火星躔度
星宿度象意
日度性急、是非、夜生まれは位、昼生まれは財、損祖財、兵厄 
月度性急、聡明、夭折、不実、交際は続かない、主星なら吉
木度災厄、疾病、損傷子女、風狂
火度威厳、武芸、多子孫、主星なら人に損なわれる、知勇超群
土度損兄弟、子女死、木があればよい、32以降財あり
金度貧困、女性で身を滅ぼす、主星で昼生は福力、貴あり
水度災厄、施恩徳、不善

(4)土星躔度
星宿度象意
日度父貴、冷疾、重厚、主星で昼生は大貴、夜生は微福 
月度損母財、冷疾、文章、主星ならば大貴
木度財あり、貴人を見る、晩年子女の助力
火度損父母兄弟、女性の災い、昼生は福、夜生は凶、残疾 
土度大富貴、声名、財産、地位
金度父亡、30前辛苦、再婚、主星なら福あり、貴人を見る 
水度損子女、損害、木と同宮なら免れる

(5)金星躔度
星宿度象意
日度離婚、闘争、功名
月度多淫、婦人財物で出世、非礼、男は貴、女は淫
木度武勇、歓楽、爽快、財物、貴人
火度女性、離婚、婦人による損害
土度晩婚、離郷、妻妾で憂い、色欲、散財、主星なら地位 
金度兵権、色欲、子女
水度敬愛、良妻、一生貴達

(6)水星躔度
星宿度象意
日度温厚、聡明、芸道、文芸、主星で昼生は貴、夜生は富 
月度聡明、有信、性急、多巧
木度智謀、子女多い、義理、吉慶、主星でなければ多災
火度災厄、毒害、機密、損財、木を見れは災い半減
土度損兄弟、子女有厄、婚姻不定、貪財論訟、火相剋は凶 
金度聡明、兵法、予知、声名、財帛、威風、女性による災い 
水度文学、声名、快楽、論争、財帛、女性は厄




7.七政四餘の同宮


 二つの七政四餘の星曜が同じ宮に入った場合の象意を示します。近ければその意味は増しますし、遠ければその意味は薄くなります。例によって単語を並べますので、適宜取捨選択してください。

同宮象意
日月声名、文章、富貴、昼生で日が主星あるいは夜生で月が主星で、旺廟であれば大貴命、重要な地位につく。未宮なら衣食官禄充足、戌辰宮なら甚鞍馬牛羊(意味不明)
日木貴人、少災有福、財帛、多子孫、木星旺なら気転、主星なら大貴、木が弱ければ損失。日廟なら貴。
日火信用、文章、財物、旺ならば貴
日土聡明、文章、主星で昼生で日在後なら大貴、日在前なら父母、財産を損なう、父に疾あり
日金好色、妻財、夜生で金在前なら大富貴、声名
日水聡明、陰徳、主星ならば人文学出群、順行なら貴、文章では成事父母によって立身、逆なら技芸、音楽、昼生は富、夜生は貴
日紫技芸、高位、父疾あり
日孛国外、昼生なら災い
日羅不寿、身近貴
日計疾厄、腹部、脱財物
月木文学、貴人と会う、一星が旺なら大富貴
月火性急、主星なら位有り、主星でなければ災い、遅鈍、富妻、嫁公侯、寿至中年
月土土が主星なら学問、夜生は微福、淫乱、主星でなければ災害、性鈍、母に疾あり
月金婦人、主星でなければ事は定まらず、晩婚、情欲、志気
月水温厚、和睦、水が主星なら文芸、議論、女性は厄
月紫衣食、医術
月孛夜生は訴訟、昼生はよい
月計同上
月羅貧賎、妻子逃亡、昼生は刑法、夜生はよい
木火性快、忠直、文章、木が主星で昼生か火が主星で夜生で旺なら文武で名声
木土文章、任官、主星で昼生は権威、夜生は給諫
木金順行なら文芸、早く発福、名声
木水文章、主星ならば大貴、貴子あり
木紫若くして栄顕、妨害なし
木孛驚事、憂い
木羅陽宮なら福厚、陰宮なら悪死
木計進退不定
火土凶悪、殺害、土が主星で昼生か火が主星で夜生は官位、逆で旺ならば役人、旺でなければ下っ端、病多い
火金性急、婦人による損害、不婚、妻妾不良、淫欲
火水道芸、文章、逆行は多難、星の助がなければ眼疾
火木大富貴、権威、兵刑、長命、陽宮なら薄寿
火紫文学、少子、昼生は火災
火孛負傷、化膿
火羅昼は凶、夜生は官位、無力なら火災
火計病死、昼生まれは火災、夜生は権威
土金好色、財帛、婦人、軽薄、二母、少子、土が主星で昼生か金が主星で夜生なら官位
土水不信、図画書籍、貴人を見る、主星なら禄位
土木重位、財帛
土火父母兄弟を妨げる、疾病
土紫昼生は貴顕、夜生は貧苦
土孛高位
土羅芸高強
土計夜生は貧窮、餓死、徒配、刑名
金水文武、極貴、水が主星で昼生は文中成事、貴権、不生でなければ文中立身、職位、金が主星で昼生は武中成事、夜生は大貴、逆行は多難、渋滞
金木大富貴、子孫多し、女性は殺夫
金火妻を妨げる、妻不良、淫欲
金土難妻、財物を乱有、子女少なく婚姻難し
金紫温和、志節、慈愛、仏道、事業
金孛晩年は禄あり
金羅兵権
金計落馬、中年にて死
水木智恵、文章、大人委用、貴子あり
水火富、心平、奸悪
水金食妻禄、富貴、若く栄顕、寿
水土渋滞、言語不快、文章、昼生は吉、夜生は90
水紫財禄、寿
水羅若くして病疾、衣食平平、霹靂の難
水計兵刃、賊盗の厄
水孛貧賎
紫日月父母助力、貴人に近い
紫金貴人、女性に愛慕される、陥害なら妨害
紫水声名、文章、吉宮なら大富貴
紫土土地の役人、神仙を好む、長生
紫火心卑下、火星順行なら福禄広大
紫木大人の推挙、貴を顕す
紫孛深謀遠慮、兵機を掌握、高位
紫羅器量広大、雄貴顕禄
紫計夜生は文学、昼生は凶険、成敗剋害事物
孛金行為不良、妻も同じ、巫女
孛水文により災い、虚訴、刑星、膿血、三九宮なら水死
孛火善良だがうまくいかない、膿血
孛木才芸によくない、夭折、悖逆の徒
孛土夜生なら寿を損なう、傷財、刑害、聾唖
孛日月権力、昼生は争訟、夜生は飲酒賭博
孛羅廟旺なら権威
孛計姦淫、不廉潔、損疾
孛紫技巧聡明、技芸、文章、衣禄、権治
羅日傷あり、剋陥、衣禄は長くない
羅月刑害、旺廟なら災い軽い、訟厄、是非
羅土廟旺で順行なら権威、高位、夜は忌む、土が逆行なら凶害
羅孛技巧智謀、廟旺なら食禄、背なら漂流の人
羅紫旺なら清職、禄名高い、旺でなければ名を興し、寿は長く、福資は妙
計木紫旺なら顕官清俊の任、財帛、子孫繁栄
計金孛夜生で旺なら武職貴顕、文科顕禄、昼生は犯刑、不忠良
計土昼生は財利、夜生は経営渋滞
計日月刑剋、傷父母、成敗多い、主星がなければ困窮下賎、不常
計火夜生で廟旺なら生殺威権、兵符可詔、昼生は凶曜




8.例題


 以上でおおざっぱな見方を説明しましたが、実は神殺や行運とかを説明していないので、通り一遍の見方しかできません。推命というには彩りに欠けるという感じでしょうか。
 しかしこれだけでも結構な判断ができますので、前ページで星図を作成した馬英九氏についてみてみましょう。
 何度もいいますが、別に私は彼を応援しているわけではありません。たまたま本に星図が載っているため、それを参考にしているだけです。また、私は彼をよく知っているわけではないので、間違っていることもあるかもしれません。そこはお断りしておきます。
 主星は◎、難星は×、仇星は△、恩星は○、用星は◇とします。

例 1950年7月13日14時40分 東経114度 出生地 香港

[巳]


福徳
張5
翼23
×土16

.
[午]


官禄
鬼5
柳10
星27
.

.
[未]


遷移
井5太陽20
水23


.
[申]


疾厄
畢8
觜23
参24
○金19
月28
[辰]


相貌
軫10
角23
○計都2
火14


.
  [酉]


夫妻
婁3
胃16
昴29
◇月孛20
[卯]


命20
亢4
[テイ]14
.

.
  [戌]


奴僕
壁8
奎20
羅[ゴウ]2
[寅]


財帛
房2
心7
尾15
.

.
[丑]


兄弟
箕1
斗9
紫気3

.
[子]


田宅
牛3
女11
虚23
.

.
[亥]


男女
危3
室23
◎木7

 太陽が未宮にありますから、若くして老成した感じで負けず嫌いでしょう。命宮は卯宮ですから、機を見るに敏です。感情的なところがあります。太陽と水星が同宮して、かなり近いです。いずれも主星ではありませんが、本人は聡明で、親の力で身を立てることを意味します。また遷移宮にありますから、父親の都合で引っ越すことが考えられます。月金が同宮しており女性に縁があります。辰宮で火星と計都が同宮しており、これは火災というよりは若いときに苦労していることを示していると思います。
 二十八宿との関係をみても、聡明であることを示すことが多く、ハーバード大学博士号というのも納得できます。
 紫気は丑宮にありますが、命度が20度で財帛宮にあるということができます。難星ですから、財的には苦しいでしょう。公金流用の罪に問われましたが、月孛や土星と会ですので、それもむべなるかな、という感じです。
 総統選についていえば、相手のあることですからこの星図だけでは判断できませんが、女性票をかなり獲得することができるとはいえます。勝つかどうかはまだわかりません。(2012年も再選を果たしました:後日記す)


 これでその2を終わります。
 実は七政四餘と各宮の象意とか、まだまだこの星図だけで読めることは多いのですが、それはずっとあとの各論で説明します。
 たいがいの書は始めの方に神殺についての説明があるのですが、その前に行運法をみていきましょう。神殺がなくても基本星図と行運法がわかれば、結構いろいろとわかるものですから。


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   作成   2008年 5月19日
   改訂   2017年 3月20日  HTML5対応