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『風の伝説〜ターフを駆け抜けた栄光と死〜』を読み終えた。
私が好きだったサラブレッドの一頭にゴールドシチーというのがいて、もう10年以上も前に死んでしまった馬なのだけれど、来年の干支は午かぁ…なんて考えているうちに思い出された彼が、どうにも頭から離れなくなってしまった。
血統もたいしたことないし、めちゃくちゃ強かったわけじゃない。
でも、あんなに美しい馬はいなかった。
尾花栗毛に四白流星。
銀に近いブロンドの長いたてがみと尾をなびかせて走る彼の姿には思わずため息が漏れた。
私は密かにこの馬を「王子様」と呼んでいた。ちょっと恥ずかしい話だが。
さてその王子様ゴールドシチーが頭から離れなくなってしまい、そうなるともう思い出すだけじゃ物足りない。
どこかに彼の写真はないものかと本屋に入った。しかしそこでは見つからなかった。
競馬史に残る名馬の域には惜しいかな及んでいなかった馬なので、まあ当然といやぁ当然か。
あぁでも見たい。欲しい。あの美しい姿をもう一度じっくり拝みたい。
そんなわけで多大な期待をこめて、絶版状態にあるこの本を購入した。
ネットで探し、中古本を入手。
ゴールドシチー、サクラスターオー、マティリアル。
1984年生まれの同期ライバル3頭の、因縁めいた生涯を追ったノンフィクション。
ゴールドシチーが主役級で登場する本は、私が調べた限りこの一冊だけだ。
果たしてゴールドシチーの写真は拝めなかった。
文字以外は載っていなかった。
残念。
残念だし、そのうえ読んだら余計に思いが募ってしまった、どーしてくれよう。
ゴールドシチー。
ああ、ほんとうに美しい馬だったんだよなぁ。
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