街並サーベイ・メモ14 商店街の街並み/名古屋・大曽根
 名古屋市北区にある立派な商店街 :オズモール
 6月11日(土)昼下がり、通行人が少ない。
 街並みづくりとして「優等生」/商業としては「シャッター商店街候補生」---と最初は思ってしまう。なにせ自由が丘に先駆け1989年中心商店街活性化事業モデル地区でアーケード商店街を洒落た街に変えたと聞いていたので訪問した。(右図の「どえりゃあ門」OZMALL) 近くには名古屋ドーム、徳川園・美術館があり、JRと名鉄の乗換駅があり、こんな静かなのはどうしたことか。
 大まかに分かったことは次の通り。街は明治中期から大正に掛けて商店街が形成され、料亭や遊郭もある繁華街であったが、戦後も周囲で区画整理等もありながら、昭和50年代まで賑わいを持ち続けていたという。この地域の新副都心構想で近くの再開発が始まった。東京で言えば以前の新宿に比べられる存在という。駅の向こう側や周りで大型商業、ホテル、高層ビルが建ち始め、この大曽根商店街もアーケードを撤去し道幅を広げることになる。すなわち、再開発で飲み込まれてしまうような商店街が先行して街並みをつくり、生き返ろうとしている過渡的経過を見なせる。駅、アクセス道路と駐車場(右写真)、架空線地中化・・・・・といったインフラもほぼ理想的に揃っている。
 単なる地域商店街になるか大型都心ゾーンの名物ショッピングモールになるかはこれからの勝負。オズモールのほかにも別の雰囲気の商店街があり、全体では面白い街になるのであろう。モールの商店上層の共同住宅もかなり工夫されていて、地域での景観コントロールはしていると思われる。住宅と共存する商店街としては一つの好例であり、道路拡幅の商店街再生のモデルではある。
●総括:街の活性化は環境だけでは出来ない。されど商業は周辺を含めた流れがあり、じっくり攻める手もある。ハード、ソフトに工夫が要るだろうが、今客が少ないといってまちづくりの不成功例ともいえない。
    

前ページへ レポートTOPページヘ 次ページへ