街並みサーベイ・メモ18 街並と広告看板その3
 ●看板(自家用)と他の広告(広告料金用、案内誘導用)
2006.10
 街から広告料金目的の企業広告や案内誘導広告が姿を消したら、かなりすっきりする。
@ の写真は電柱もあり看板もあるが少なくと家並みがはっきりと見える。
A :現代の街並みで看板と電柱で店のファサードも定かでない。この街は国道でもなく、トランスを地下埋設できる歩道も持たないのに、私有地内にトランスを抱えながら架空線の地下埋設化をやりとげた。
B 道路も御影石張りになり、街路灯も更新、電柱・トランス・電線・電柱広告もなくなり14年を経て建物も一部は改装してすっきりした。しかし、街並みは思ったほど変わっていない。この間、地区計画をつくり業種規制やセットバック等々のコントロールをしたが、残念ながら看板の規制は地域協定で強制力がなく「お題目」になっている。それでも店舗が小奇麗に並びめくら壁がないので自転車の放置はない。
もう一歩の要素は何か。業種によりでかい看板が不可欠(と信じられている)店舗がある。専門大店など個店の看板が不要だが3、4階まで雑居的に店がありどうしても看板から抜け切れない。
 この道と平行な緑道では看板は少ない。この理由はすでにメモ10で明かしているが、このマリクレール通りでは同じ解決はない。経済原理から言うと店舗構成のコントロールしかないが、特殊な地区特性として「でかい看板のあるような店は流行らない」という雰囲気を作るか、それに先行して「景観地区」として強制力のあるルールをつくるしかない。
  
C エクサンプロバンスの例を挙げるまでもなく、諸外国では日本的な都市景観は少ない。2階、3階が住宅であるという例もあるが、自由が丘と同じような物販店、飲食店、サービス業ででかい看板なしに営業していることが多い。恐らくヨーロッパで言えば「口込み文化」や「常連狙い」の商売が残っており、チェーン店、マスメディアを使った商売が多い日本の商店街と異なるのであろう。しかしわが国でも成熟した街ではこういった店舗も多い。ここに至っても、とりあえずの結論は「街それぞれ」なのである。

    

@内照看板も電柱広告もない。明治横浜。

A1992年の自由が丘マリクレール通り

B2006年の自由が丘マリクレール通り

C自由が丘友好の街:エクサンプロバンス
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