街並サーベイ・メモ8 町規模と街並み構造  2006.1.31
 自由が丘、吉祥寺、銀座1〜4丁目の「界隈規模」といえるような範囲を、同じ縮尺で比べてみる。この地図は敢えて10年以上前の「ピア」からピックアップして経年の変貌も意識しようとしている。
○ 地図で見て判ること
地図では道路巾等で現実の街のスケール感を想起し、機能分布を見ることで町の性格が読み、比較できる。
 
● 自由が丘/眺め渡すような景観は少なく、スケール感の変化も僅か。用途も物販・飲食が大半で中心街としては単調な構成。
 
● 吉祥寺/道路の大小対比がはっきりしていて、変化に富んでいる。機能用途も多様であり、利便性、生活充足性が大きい。
 
● 銀座4丁目辺り/この範囲では殆ど道のスケール感が違わない。ある業種業態が集中していて、多岐にわたる機能は持っていない。
 
@.自由が丘に近い街は、下北沢、原宿、代官山等、「広域来街型ポイント中心街」で、街のスケールや機能分布で見ると多くの地域中心街もこの範疇である。
A.吉祥寺型は川崎、高円寺、蒲田とと同様「ダウンタウン型中心街」なる。
B.銀座4丁目など都心型も「界隈規模」でとれば新宿や渋田の各地区と同じ構造の「都心型機能集約中心街」になっている。
 
● 街並みは、道路インフラや家並みの物理的環境だけでなく、商業や公共的機能のあり方に関わる問題である。
 
● これからは外観を論じる時に、所謂「にじみ出てくるもの」をどう取り扱って行くかの課題があることを確認しよう。
 
● 自由が丘の街並みを論ずる時、商業的構造と切り離せない要素がある。

 


J/自由が丘:中心商業地としての十分なファシリティはないが、街並の多様性を持ち始めている。



K/吉祥寺:下北や自由が丘の「界隈」を越えて「町」(DownTown)の機能完結性(アクセス道路、大公園、核店舗、劇場、アートギャラリ)あり。街並多様性大。


G/銀座1〜4丁目:1km四方の地区はもはや町の一部であり、中心部機能の完結性はない。規模並みの多様性もない。


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