時の背中をながめる行為。
いつまでも追いつかないでいるもどかしさ。
一歩ふみだせば一つ現れる。
時の、構造や縮尺率や自己再生能力などという、
無意味な計算にも疲れ果て、
砂漠の砂を数えるような
気の遠くなるくり返しをくり返す。
記号や文字がばらばらにくずれて、
その点と線とが宙に散逸していくような、
そんな幻にめまいをおぼえる。