クラリネット協奏曲編|クラリネットとアンサンブル編
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CDタイトル | モーツァルト・ヴェーバ クラリネット五重奏曲 |
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曲目 | 1.モーツァルト/クラリネット五重奏曲 2.ヴェーバー/クラリネット五重奏曲 |
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Cl. | ペーター・シュミードル(バセット・クラリネット、クラリネット)Peter Schmidl(Basset Clarinet, Clarinet) | |
アンサンブル等 | ウィーン八重奏団員Member of The Vienna Octet ヴェルナー・ヒンク(1st.vn.)Werner HInk フーベルト・クロイザマー(2nd.vn)Hubert Kroisamer クラウス・パイシュタイナー(va.)Klaus Peisteiner フリッツ・ドレシャル(vc)Fritz Dolezal |
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CDデータ | LONDON 425-85612 1992/03/25 発売 1989/04〜05録音 モーツァルトザール コンサートホール, ウィーン |
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感想 | 初めてこのCDを聞いたときには笑ってしまいました。この「笑い」というのは、安心できるものに接したときに感じる、緊張感から解き放たれるという感覚。太宰治の「富嶽百景」に書かれていた、帯紐解いて笑うという感覚です。余裕のある音色、歌い方、弦楽も寛いだ感じでとても聞いていて安心できるのです。 シュミードルさんはバセットクラリネットを使っているのですが、なるほど、協奏曲の時と同じようにパッセージの駆け下りの終着点、駆け上がりの開始点が下げられる分実に納得できるものです。なるほど、モーツァルトはきっとこういう風にして特殊楽器の利点を活かしていたのかと。 ヴェーバの五重奏もシュミードルさんのみずみずしい音によって実にしっとりといい塩梅。 それから、楽器を演奏する立場から言えば、メロディをごく自然に歌うこと、テンポの揺らし(落ち着かせる、少し早めるとか=アゴーギク)とか、強弱のつけ方(=デュナーミク)とか、本当に勉強になります。真似でいるようになるまで聞き込むべきかも。真似できないけど。 しかし、このCD図書館で見つけたはいいけど、Amazonでそれっぽいのが見つからんのですよね。絶対お勧めのCDなのに!見つけたら本当に買うべし!!! |
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![]() LPはこんな感じ。 今のCDは↓ ![]() |
CDタイトル | モーツァルト:クラリネット五重奏曲イ短調・ロ長調,クラリネットと弦楽五重奏のためのアダージョ |
曲目 |
1.モーツァルト:クラリネット五重奏曲イ長調 2.ベールマン(伝ヴァーグナー):クラリネットと弦楽五重奏のためのアダーアジョ 3.ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調 |
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Cl. | アルフレート・ボスコフスキー | |
アンサンブル等 | ウィーン八重奏団 1stVn:アントン・フィーツ 2ndVn:フィリップ・マタイス va:ギュンター・ブライテンバッハ vc:ニコラウス・ヒューブナー cb:ヨハン・クルンプ(アダージョのみ) |
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CDデータ | ユニバーサルクラシック - 2001/04/25
CD ディスク枚数: 1
ASIN: B00005HW33 録音:1956.10(モーツァルト)、1961.4(ブラームス、ベールマン) |
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感想 | 中学生のとき?に買ったLPレコード(!)がこれです。先輩が「ええ演奏聞いて、ええ音のイメージ持たなあかんでぇ」と言っていたので、それに触発されて小遣いはたいて買ってしまったわけです。 ふくよかな柔らかな音と適度なテンポで初めて買ったこの曲のレコードで失敗しなくてよかったなぁ、と今でも思っています(後で気づきましたが、クラの音はシュミードルさんの方がいいかも・・・贅沢な発言です!)。生粋のウィーン人のことだから、クラリネットはエーラー式だろうし、A管独特の若干憂いが入った音なのでしょうが、こういう音を目標にすべきだ!なぞエーラーとベームの違いも知らなかった当時は思ったものでした。絶対適わないでしょうが、目標はあくまでも高く(^^;; しかし、なぜ協奏曲ではなく五重奏?若造にしては渋め?これ以来モーツァルトといえば五重奏!となってしまった。ただ、これCDでどうなっているか分かりませんが、LPの録音時間に合わせたのか、繰り返し記号が全て無視されているのですよ。いい演奏はたっぷりと聞きたいものですが、そういうわけにいかない。パソコンに取り込んで繰り返しをむりやり自分でつくってしまおうかい!と思ってしまう。 ブラームスについては、1楽章とかもうちょっとだけテンポ落としてくれたらいいのにな、と思うのですがいい演奏です。 あと、珍曲のクラリネットと弦楽五重奏のためのアダーアジョが秀逸!LPの解説では「大胆で革新的な書法を示すことになるヴァーグナーの面目といったものも、すでに見せている。その半音階的和声法、息づきの長い旋律などは、いかにもヴァーグナー的である」なんて書いてあります。当時からベールマンの作曲とも考えられていたのですが。CDとなった今ではしっかりベールマン作曲ということになっているみたいですね。レコードの解説なんていいかげんなものです。 録音はめちゃめちゃ古いです。モーツァルトは1956年10月!一応ステレオです。CD、1000円だし、絶対持っていて損はないものだと思います。むしろ買って浸れと。 |
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CDタイトル | Mozart Weber Klarinettenquintette |
曲目 | 1.モーツァルト/クラリネット五重奏曲 2.ヴェーバー/クラリネット五重奏曲 |
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Cl. | エドゥアルト・ブルンナー | |
アンサンブル等 | ハーゲン弦楽四重奏団 | |
CDデータ | ユニバーサルクラシック - 2004/12/08
CD ディスク枚数: 1
ASIN: B00067SRCA 録音:1987.6 |
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感想 | モーツァルトの五重奏はすでに聞いたことがあったのでこのCDをの購入目的はヴェーバー。といっていろいろな人のモーツァルトが聞きたかったのもあります。で、率直な感想はクラリネットの音があまり好きになれませんでした。なんかこぉ、管のどこかにものが詰まったような感じと言うのか、若干のヌケの悪さを感じてしまって(後でわかったことですが、それはこのCDのみのようですね)。弦楽四重奏ははつらつとした、明晰かつ透明度の高さがいいなと思います。この人たちのモーツァルト弦楽四重奏曲聞いてみたいなと思いました。 ヴェーバーの五重奏について。ヴェーバーというとどうも華麗なる3曲のクラリネット協奏曲の方に目がいってしまいます。この五重奏も室内楽的にこじんまりというよりは協奏曲的に華麗なるテクニックを前面に押し出す感じだし、高音も随所に響きます。でも、聞いていて元気が出るいい曲です。 ブルンナーさんはどっちかっていうとヴェーバー向きなような気もします。滋味深い演奏というよりは、華やかさや技巧を前面に出す方が良いのではという感じがなんとなくします。 この曲もっと大規模に、クラ独奏に弦楽オーケストラにしてみたら?なんて思ってしまうのも、また事実。ザビーネ・マイヤーさんのCDで弦楽合奏版があるみたい!実は図書館のCDライブラリで見つけて聞きました。全く違和感なし。むしろこっちの方が自然。ヴェーバーのクラリネット協奏曲第三番?! |
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CDタイトル | Brahms Yun Klarinettenquintette |
曲目 |
1.ブラームス/クラリネット五重奏曲 2.尹伊桑/クラリネット五重奏曲 |
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Cl. | ザビーネ・マイヤー | |
アンサンブル等 | ウィーン弦楽六重奏団 | |
CDデータ | EMI - #754304 / 2001/06/05
CD ディスク枚数: 1
ASIN: B000026GTK 録音:1990 |
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感想 | ブラームスの五重奏はすでに聞いたことがあったのでこのCDをの購入目的は尹伊桑。かつて高校生のときに彼の交響曲第一番を聞いて衝撃を受けて以来気になる作曲家でした。で、聞いた感想。楽曲冒頭からのため息のような音使い、時折織り交ぜられる微分音が何故か荒涼な大地を思わせる曲。そこはかとなくアジア的な気分がしてきます。多分、アジア人と西洋人で聞き方が異なるのではないのか?とちょっと思ってみたり。自分はこの曲を聞いてアジア人でよかったなと思いました。心に浮かぶ風景という点で共感できる部分が多いから。おこがましいですね。 ザビーネ・マイヤーさんはエーラー式で吹いているらしいですが、ふくらみのある柔らかな音高音も金属的にならない非常に心地よい演奏です。そして、微分音の奏で方や、グリサンド表現などが聞いていてとても気持ち良いです。 ブラームスについては、あえて何も言うことはないでしょう。マイヤーさんのクラリネットもよりしっとりとよろしく、弦楽がウィーンということもやはりいい!ちなみに尹伊桑はこの後2つ目のクラリネット五重奏曲を作曲したので、その後この曲はクラリネット五重奏曲第一番ということになりました。僕は"二番"より"一番"の方が好きです。CDはAmazonでは在庫切れのようですね(2005/1/15現在)。 |