クラリネットの小箱
筆者は中学1年から吹奏楽でクラリネットを吹いてきました。クラリネットにまつわることをここに書いていこうと思います。
音大の教育であるとか、プロの演奏家に教えてもらったとか、そういうことは一切ないので、ウソも書かれているかもしれません。が、一般に楽しむ上でこんな練習をすればそれなりに楽しめたということで書いてみました。 アンブシャー考であるとか、どんな練習がいいのかとかそういった僕の体験をここに書いていこうかと思っています。過去に書いたものは、よろしければ「クラリネット奏法?−悩める一奏者の呟き」を覗いてみてください。
【2005/10/18】高音域の指使い
高音域の指使いは甚だしく難しいものです。場合によっては、音が低いから!と、噛み過ぎたりしていませんか?噛み過ぎる前に指使いを見直してみるのも手かもしれません。以下の指使いで音が高ければ、唇を緩める、それでも高ければ、また別の指使いをしてみます。

なお、運指図と実際のクラリネットのキーとの関係については、こちらをクリックしてください。別画面に運指図の見方が出ます。図がでかすぎで邪魔な場合は、適宜、小さくしてください<(_ _)>

また、音名(正しくは、階名?)については、記譜上の音名としています。実音ではありません。つまり、Bb(A)もEbも音名と指使いがマッチングしているということです。バスクラは、ちょっと研究不足・・・

画面上ぐちゃぐちゃに見える場合は、ブラウザのテキスト形式のフォントを「MSゴシック」に設定してみてください。設定が分からない場合には、この画面全体をCtrlキー+Aキーで選択し、Ctrlキー+Cキーでコピー、ノートパッドなどにペーストしてください。譜面の画像は見えませんが、運指図は見えると思います。


■上のド#■

右手小指のキーを押さえない方がいいでしょう。異様に高くなります。楽曲によってはD→C#→他の音と素早く移行する場合には離さなくてもいいですが、ロングトーンする場合には離すのが無難です。
右側のは高音ドとのトリル用です。
   | |R T     | |R T
   |□|□      |□|□
   |○|       |○|
  □|●|      □|○|
  □|□|      □|□|
  □|●|□□    ■|○|□□
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   □□|       □□|
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■上のレ■

右手小指のキーを押さえないと、確実に音程が下がります。これで周りの人よりも飛びぬけて高い場合はアンブシャーを緩めにしましょう。それでも高い場合に初めて右手小指のキーを離します。
真ん中は高音ドとのトリル用です。
また、なぜか右端のでも高音レの音が出ます。何に使えるかは、不明です。でも、真ん中のやつはトリルでしか使えないけど、右端はそれなりに面白い音色で鳴ります(ちょっと薄っぺらい)。
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   |□|□      |□|□      |□|■
   |○|       |○|       |○|
  □|●|      □|○|      □|○|
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  □|●|□□    □|○|□□    ■|○|□□
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   |●|       |○|       |○|
   |○|       |○|       |○|
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   |○|       |○|       |○|
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   □□|       □□|       □□|
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■上のレ#(ミ♭)■

右手人差し指のトーンホールを押さえ、右手の薬指で、上から2つ目のトーンホールの下のツメみたいなキーを押さえます。真ん中の中指で上から2つ目のトーンホールを押さえる(人差し指は開ける)という形ですと、音程が低くなります。できるだけこの指使いをします。真ん中のような指使いはよほどの早いパッセージ以外は禁止とします。右手の小指も必ず押さえます。これで音程が高ければ、右手の小指だけはずします。くどいようですが、真ん中の指使いは本当に緊急回避措置です。
右端のは、高音のドとトリルするときに使えます。この指使いは、ラニングの「シンフォニア・フェスティーバ」の最終楽章に作曲者指定の指使いで登場します。それで憶えました(^^;;ちょっとくすんだ、微妙に音程がずれた、特殊効果として使えるものであります。
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   |□|□      |□|□      |■|□
   |○|       |○|       |○|
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   |○|       |○|       |○|
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■上のミ■

右手小指のキーを押さえないと、確実に音程が下がります。これで周りの人よりも飛びぬけて高い場合はアンブシャーを緩めにしましょう。それでも高い場合に初めて右手小指のキーを離します。
右側に、なにやら怪しげな指使いが書かれていますが、高音ミの音が低い時のアクロバティックな回避策です。特にEbクラでは、高音のミが下がり気味なので、フルートやピッコロとどうも合わない場合にはお試しあれ。4分音符以上の長さの場合は、このように右手薬指のツメ型キーを右手薬指で無理やり他のキーに触れないように押し込んで、音程を上げます。結構有効!(マジ)
   | |R T     | |R T
   |□|□      |□|□
   |○|       |○|
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   |○|       |○|
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   □■|       □■|
   □□|       □□|
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■上のファ■

右手小指のキーを押さえると、妙な具合になりますので、右手小指は押さえません。音程が安定するし、別の音への跳躍もしやすく、また、中音域のレに左手小指を加えただけ、という憶えやすさもあり、「高音を出しているんだ」、という意識を持ちすぎないのもいいのでは?と思います。
(左手小指は、低音のド#、中音のソ#を出す時に使うキー)
右側の指使いは早いパッセージの場合の回避策とのみ考えます。
   | |R T     | |R T
   |□|□      |□|□
   |●|       |○|
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   |●|       |○|
   |●|       |○|
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   □□|       □■|
   □□|       □□|
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■上のファ#■


左側は割りと高めに響きます。
右側の運指は音程が非常に不安定で、下手をすると低いです。早いパッセージの場合の回避策とのみ考えます。
   | |R T     | |R T
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   |●|       |○|
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   |●|       |○|
   |●|       |○|
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   |●|       |○|
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   □□|       □□|
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■上のソ■

これだけは、うまい指使いが見つかりません。音程は下がり気味なのですが、なんとも回避策が思いつきません。
   | |R T
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   |○|
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  □|○|□□
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   |●|
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■上のソ#■

これだけは、うまい指使いが見つかりません。音程は下がり気味なのですが、なんとも回避策が思いつきません。上のレ#とほとんど同じですが、右手はF#/C#のキーを押さえます。もちろん、左手でF#/C#のキーを押さえてもかまいません。これだけは、アンブシャーをきつくします。
   | |R T
   |□|□
   |○|
  □|●|
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  □|●|□□
  □├─┤□□
   |●|
   |○|
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   |○|
   ■□|
   □□|
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■上のラ■

これだけは、うまい指使いが見つかりません。音程は下がり気味なのですが、なんとも回避策が思いつきません。上のミとほとんど同じですが、右手はF#/C#のキーを押さえます。もちろん、左手でF#/C#のキーを押さえてもかまいません。これだけは、アンブシャーをきつくします。
   | |R T
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  □|●|□□
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■上のシ■

上のシ♭は飛ばします・・・
ニューサウンズインブラスの「シング・シング・シング」(ふるーッ)のクラリネットソロの最後に出ますね、この音。ちなみに、あのソロ、ベニー・グッドマンのソロを割りと忠実にコピーしたものでした。これも、アンブシャーをきつくします。
   | |R T
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  □|○|□□
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■上上のド■

ここまで来ると、本当にその音か?という感じですが・・・。これも、アンブシャーをきつくします。
   | |R T
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  □|○|
  □|□|
  □|○|□□
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