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【2004/12/04】悩ましきはB♭
今日のお題は↓のシ♭です。

クラリネットがオクターブキーと思しきキーを押してもオクターブ以上音が上がってしまうっていうのは武器でもあり弱点でもあるような気がします。あがってしまうが故に開放のソから順に半音ずつ上がってソ#、ラ、ラ#の指ならびに音色に問題があるし、初心者のうちはラからその1つ上のシへの移行、はたまたラ#(シ♭)からその上のドへの移行なぞは地獄のようでした。ここをスラーでつなげて吹けるようになれば、きっと一人前なんだろうな、なぞと思います。僕も狂ったようにラ#(シ♭)からその上のドへの反復練習はしました。なんでこんな複雑なことになってしまったんだろう?と思います。と同時にクラリネットを発明した人は最初このオクターブ上がらないオクターブキー(クラリネットではレジスターキーって言っていますが。ドイツ語では何と言うのだろう?)についてどう考えたのか非常に興味深くもあります。 ところで、この開放のソ近辺の、ソ#、ラ、ラ#の指使いについて。どうしても音色が貧弱になるし、なんとかならないものか、そしてその上の音へスムースに移行するにはどうすればいいのか?中学3年のとき、高校2年の先輩が教えてくれました。

「クラリネットはソ#、ラ、ラ#の間は右手の指(人差し指、中指、薬指)の穴は全部押さえても音が下がらんようにできてるねん」

なるほど、こうすると確かにその上の音への移行が大変スムースに行きます。いい事を教えてもらったと思いました。しかし、ラ#(シ♭)の音色の間抜けなのはどうしたものなのか。

中学2年の時、このシ♭を伸ばす音が存在する楽曲をやりました。既に卒業した先輩が練習を見にきてくれて、教えてくれました。「シ♭は音の抜けが悪いからそういう場合にはこの指使え」

これはものすごい発見に思えました。あれだけ曇ったような音色であったシ♭が唐突にクリアになりました。しかし、後で気が付くとこの指使いはいつも使えるというわけではありません。パッセージの中では絶対に不可能であろう!という指使い。しかも、実はちょっと抜け過ぎで、場合によっては唐突な感じがしないでもないです。

社会人になってある楽曲でやはりこのシ♭が要となるような課題曲に遭遇したとき(曲名はもう忘れました。)、バンドジャーナル恒例の課題曲解説のクラリネット部分について、東京佼成ウィンドウオーケストラの方が下のような指使いがお勧めです、と書いていました。

これにはぶっ飛びました。このお互いなんの関連性もない指の押さえ方が長年煩わせていたシ♭の音色を革命的に変えてくれた気がしました。この指使い、例えば右の小指を外したり(この指を押さえる、押さえないが一番顕著)、左の薬指を外す、右手の薬指を外すと試してみると音色の変化がよくわかります。これだけ押さえなければならないのです。

これらを応用して、ラ、ソ#、ソにも応用しようと思っているのですが、まだ自分の中では整理できていません。というか、シ♭ほど顕著には変わらないような気もしています。


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