俳優達の立場は、いわゆるクラッシャーチームです。
それじゃ、そういうことで。
これでは不親切すぎるか。(^_^;)
とりあえず、俳優の役割の例としては
俳優たちのチームが、一仕事終えて母星に帰る途中、補給の為に立ち寄ろうとした星系(名前は適当に決めてください)の近くで、宇宙海賊のものと思われる宇宙戦闘機群に襲われている、連邦軍の輸送艦からのSOSコールを受信します。
輸送艦は宇宙海賊の戦闘機集団に襲われており、俳優たちが助力しない限り(そして、助力するのが俳優としての使命です:「うまくバカをやる」参照)、放っておけば1テイクで轟沈します。
俳優たちが輸送艦を守って宇宙海賊と戦闘する場合、宇宙海賊のデータは以下の通りです。なお、クラッシャーを再現するために、戦闘にはエキストラに対する複数回攻撃ルールの使用を推奨しますが、ハードでタイトな戦闘がよいと監督が考えるのであれば、適用しなくてもいっこうに構いません。
輸送艦が無事な場合、輸送艦との通信回線を開くと、中では混乱しています。
兵士「艦長、大変です! KCX001の緊急射出装置が、今の攻撃のショックで作動してしまいました!」
艦長「何っ!? ちゃんと追跡しているか!」
兵士「はっ、どうやら本星系の第5惑星上に落下した模様です!」
基本的には、艦長から俳優のチームに対してポッド回収の依頼が行われます。俳優の中に「軍隊知識」のある者がいたなら、個人的な知り合いということにすると、依頼が自然でしょう。場合によっては、俳優の誰かに「軍隊知識」を技能指導しておくのも手です。
艦長「連邦軍の機密で詳しいことは言えんが、今あの惑星上にとある重要機密物が落下してしまった。回収してもらえないだろうか」
艦長は、中身については詳しく喋ろうとしませんが、その代わりに報酬については充分な額を軍から支払うと約束します(言うまでもありませんが、これは映画のストーリーの中のことなので、俳優自身の報酬になるわけではありません。したがって、どんな法外な要求を俳優が出しても、全部飲んで構いません。次の映画で、その報酬のメリットを俳優が受けられるわけではないのです。恐竜が跋扈するロスト・ワールドの世界で、スペース・ドルを使えるわけがありません。もちろん、金額交渉シーンを監督が面白いと思うのなら、そのシーンをたっぷり演出しても構いません)
万一、輸送艦が轟沈していた場合、俳優たちが引き上げようとするところに、遅まきながら連邦軍の援軍が到着します。この場合、こちらの艦長が知り合いとするとよいでしょう。事情聴取のついでに依頼を受けることとなります。半ば強引に犯人扱いしておいて(大丈夫です。クラッシャーは、叩けばホコリなど幾らでも出ますし、そのことは軍関係者の常識です)それをチャラにする代わりに依頼を押し付けてください。
それでも俳優が依頼を受けなかったらどうするかって? 大丈夫。レイトショウの俳優なら、依頼を受けないはずがありません。(ルールブック「うまくバカをやる」参照)
第5惑星は、俳優とは別のチームの請け負いで環境改善の途上にあり、大気は呼吸可能になっていますが、まだ惑星の表面はほとんど砂漠の状態です。
ポッド捜索は、俳優達の思いつきでいろいろやらせてみてください。いろいろやるうちに、何か成功するでしょう。特に危険な遭遇などはなく、砂漠の環境だけが俳優の障害となります。
回収の際、俳優達の手によってか、または何らかのアクシデントによって、ポッドが開いてしまうように仕向けてください。
ポッドの中身は全裸の美女(視聴者サービス)です。ただひとつ身につけているのが、3D映像を映し出すタイプのホログラフ・ロケットです。ロケットには「我が愛しき娘カーラへ」と文字が彫り込んであります。ロケットの映し出す映像は、初老の男と彼女が一緒に並んでいるものです。
男の顔については「コンピュータ」技能の持ち主なら自動的に知っています。コンピュータの天才と言われた科学者、ホフマン教授です。
名前以上に判るかもしれないホフマン教授の情報は、下記の通りです。コンピュータ技能でチェックして、成功の度合によって全て与えるか、一部を与えるかしてください。
カーラのデータは敢えて掲げませんが、できれば俳優として監督が作成してください。なるだけ美人にすることをオススメします。ここで作っておくことは、シリーズ用のNPCのストックを作る意味でも、決して無駄にはならないはずです。
応急手当を施すか、またはしばらく時間が経過すると、カーラは目覚めますが、開口一番の彼女の台詞はこうです。
カーラ「ここはどこ? あたしはだれ?」
記憶喪失状態の原因は、ロケットの故障にあります。
(ロケットが彼女から離れていた場合、リンクが切断されているだけということにしてもよいでしょう)
しばらくはカーラと俳優達との心の触れ合いを作ってください。カーラがとびきりの美人であることを告げれば、俳優の誰かがちょっかいを出すはずです。出すように仕向けてください。(ルールブック「うまくバカをやる」参照)
こんな状態の彼女に真実を告げるような演技は、監督権限で却下して構いません。場合によっては、カーラが人気ロールに成功したことにしてセットを降り、「ここで真実聞かされちゃったら、あたしバカみたいじゃない」と言わせるなどして、告げさせないようにしてください。
しばらくして俳優とカーラの間の雰囲気がよくなったところで、軍から再度通信が入ります。クラッシャーの雰囲気を重視するのであれば、元チームメイトで今は軍の諜報部に所属している人物を登場させるとよいでしょう。(クラッシャージョウでは、「バード少佐」に当たる人物です。彼も、できれば俳優として作成しておくとよいでしょう)
この通信、もしくは人物によって、銀河系崩壊の危機が知らされます。彼の口から、以下のような事実が告げられます。
ホフマン教授は娘カーラの死によって発狂し、娘そっくりのバイオ・アンドロイドを作って、これを開発中だったスーパーコンピュータ「ブラフマー」の生体端末とした。「ブラフマー」の機能は、異なる2つの時空間のエネルギー位相差を利用したエネルギー発生装置の制御であるが、暴走すれば銀河系をまるごと崩壊させる恐るべき究極の破壊兵器になる。そして、教授はこの暴走のキーとして、生体端末たるアンドロイド・カーラの死(破壊)を登録してしまった。そのため軍としてはカーラを厳重に保護すべく地球に移送しようとしていた。ところが、情報が洩れていたらしく、宇宙海賊の襲撃を受けた。しかも、宇宙海賊には情報が不完全な形で伝わっているらしく、彼らは「ブラフマー」を単なる超兵器としか考えていないようである。
最悪なことに、数時間前から「ブラフマー」が突然何の前触れもなく、暴走準備に入ってしまった。原因はカーラとのリンクが切れた事を、カーラが破壊されたと「ブラフマー」が認識したためであるらしい。
カーラ「ご迷惑をおかけしました。すぐにリンクを回復して、暴走を止めます」
そういってカーラは目を閉じますが、再び目を開きます。その目は驚きと困惑に満ちています。
カーラ「ブラフマーがコマンドを受け付けてくれない!?
…OSが切り替わってしまっているんだわ!
こうなったら、私が本体に直結してアクセスするしか方法はありません!」
アステロイド基地は、暴走状態に入った「ブラフマー」の警備システムによって傷ついた連邦軍兵士が大勢います。(全員エキストラです)
兵士「中の様子は全く判りません。暴走状態に入ると同時に、ブラフマーが勝手に隔壁を降ろして通路を変えてしまって、まるで迷路のようになってます」
ダンジョンは監督が用意してください。適宜部屋に罠を設けるとよいでしょう。罠の例を以下に掲げておきます。
蛇型レーザー
サイズ:− 速度: 0
体格 :− SP:首1個につき10
知性 :20 人気: 20
FXロール:60 ダメージ:20
技能:<警戒><ライフル>
戦闘特殊効果:レーザー(ライフル技能で射撃する)
その他の特殊効果:再生(1フレームに首1個を再生する)
蛇型レーザーを倒せば、ブラフマーの本体にたどりつけます。
ブラフマー本体にたどり着くと、カーラは全裸になり(視聴者サービスです)、光が溢れるコンピュータ内部に入っていきます。
その時、再び宇宙海賊が襲撃してきます。俳優たちは海賊を迎え撃たなくてはなりません。戦闘中に、カーラからの通信が入ります。
カーラ「このままでは、私はこの世界の争いの火種になるばかりです。
ひとしきり海賊との戦闘をさせたあたりで、「ブラフマー」はすべての宇宙海賊を道連れに、異空間へと消え去ります。
私は異空間へ旅立ちます」
俳優の中の誰かが、カーラといいムードになっていれば、このへんでいいシーンが撮れるかな?というところです。俳優をうまく焚きつけてください。うまくすれば、俳優の誰かが「カーラと共に旅立つ」ことを選ぶかもしれません。この場合は、「スタートレック」の「V・GER」を参考にしてください。