人工内耳で電話が・・・

コミュニケーションで、電話は不可欠であるが、人工内耳で電話が使えると言う素晴らしい体験談です。

　私は6月になると、「音入れ」をしてからちょうど2年ということになります。手術を受ける前に、「プロモントリーテスト」っていうのをやりますよね。その時、全然「音」も聞こえないし、何も感じなかったんです。他の経験者の話では、「その検査で音が伝わってきたから、手術をして聞こえるようになった。」っていうのを聞いていたので、心配で、不安でたまりませんでした。でも他の検査の結果「手術が可能」という事になったので受けることにしました。・・・・・「音入れ」の時、ドキドキ・・・もしかしたら？やっぱりダメかも？という気持ちもありました。でも・・聞こえたんですよ！「音」が！8年ぶりに聞こえた音に嬉しくて、泣けて、泣けて、泣けてしまいました。　

　音入れをした時から、先生の言われる「声」が聞こえてびっくりしました。「こんなに、音入れをした日から聞こえる人は珍しい」と、先生の方がびっくりされていました。退院してから、NHKのテレビの童謡が聞こえてきた時は、改めて聞こえているという事を実感しました。

　私の場合、一年ぐらいは普通の会話がやっとでしたが、今では簡単な会話なら、電話でも携帯電話でもできます。（もちろん声を大きくしてです）。いつも病院へはFAXで連絡をしていましたが、先日は初めて電話で連絡をとる事ができおどろいています。

　テレビを見るときは、個人向けのスピーカーを近くに寄せて聞いたり、ラジオでも、テレビの音声が入るのがあるので、それで聞いてテレビを見る時もあります。（いろいろと工夫すると、人に迷惑をかける事もないし、自分もよく聞けていいです。）

　昨日も映画館で、「ヘッドホン」の試聴をする機会がありまして、行って見ました。最初は声は聞けるけど　「ことば」　として全くわかりませんでしたが、調整していただいていくうちに、聞こえてきました。これで字幕がない日本の映画も観られると思うと、ワクワクしてきました。

　私は・・・聞こえなくなってから、歯科衛生士の仕事ができなくなりました。失聴して、ろう者になり、人工内耳の手術を受けて聞こえを取り戻しても、障害者には変わりがないからと・・・残念です。早く欠格条項の見直しをしてほしいものです。　

　だから今は、ホームヘルパーの資格を取ろうと思い頑張っています。資格がとれたら、聴障者、障害者のために、聞こえていなかった8年の間に覚えた手話と、つらいつらい苦しみと経験を活かして人のお役にたちたいと思っています。
（wrote 2001.5.14 ACITA ML）

私は岡山に住んでいながら、「大　大　大の巨人ファン」です。聞こえていなかった時も観に行ってました。ところが、今年の3月のオープン戦、マスカット球場に「巨人ー広島」を
観に行って、もう感動したんですよ！何が？って？
ボールを打つあの「カーン」「カッキーン」「カッコーン」っていう音が！！
やっぱり聞こえるってことは素晴らしいですね！！
（wrote 2001.5.15 DM）

M Hashimoto (岡山県)人工内耳装用2年　

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2001.5.15掲載

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