Pt26

インターネットリアルタイム旅行記Back In Africa編その3(通算パート26

ラジオ・エチオピア


エチオピア・ラリベラの岩窟教会

スーダンからケニアへ
99年1月31日ぼくは愛着のあるスーダンを後にしてケニア・ナイロビへと飛行機で向かった。チケットはケニア航空で358USD。カードOK。このケニア行きは早朝しかなく、ハルツームは夜中タクシーを捜すのも大変なのであらかじめ宿で頼んでおいたが案の定タクシー現われず近くの高級ホテル前のタクシーと交渉し空港へ。

朝10時ナイロビ着。700ケニアシリングでイクバルホテルへ。思ったほど危険ではない感じだ。日本人倶楽部で和食を食べたり、エチオピアビザを取ったり(63ドルかかるが簡単に取れる)して過ごし、2月3日知人から紹介してもらったナイロビでサファリ会社を経営する船岡美保さんを訪ねる。おみやげはカルカデ。しかしなぜか船岡さんの事務所では通信できずそのまた知人で動物写真が大スキで教職を退かれた後ナイロビで暮らす黒田さんご夫妻を紹介してもらい、ここにいくと大成功。船岡さんの住むハーリンガムはいま交換機の調子が最悪らしい。

イクバルに泊まってる子で来春メーカーに就職の久美ちゃん(上智大)という子と話す機会がありメーカーを辞めた僕にその辺の話を聞きたいというのでいろいろアドバイスしておいた。要旨はこうだ。「会社は口では若い力でどんどん変えていってくれ、なんていってもそんなラジカルな人材は求めていない。面接や大勢の前ではそういった気の利いたことや理想論をしゃべれて、実際は保守的だったり現場ではまったく逆なことをできる人間を日本の多くの社会や会社は求めている。理想や建前をを額面通りそのまま実行していては長続きしない。それが日本社会だ。それが証拠に学校だってそんな要領を教えているだけだ。先生も口先では立派なことを言っても実際問わずがたりに教えているのは「要領」だ。なぜなら社会がそれを求めているからだ。ポイントは本音と建前をうまく使い分けれるかに日本社会でうまくやっていけるかどうかがかかってくるということ。学校も本音は言わずにその要領を暗黙のうちに読み取らせようとしてるし、それを理解し吸収し、自分でも実行できる要領のいいやつが日本的社会でうまくいく」という話をしたら彼女と、一緒にいたサラリーマンEさんと脱サラしたNさんに一様に感心された。自分でもあまりに的確に日本社会を描写してるので感心。

さてそんな馬鹿な話はさておき2月8日エチオピア行きが決まる。ケニア航空で行ったのだがこの会社は帰りのスケジュール変更は50ドル払わないと出来ない。でエチオピア航空ウエイティングしてたが駄目で結局ケニア航空で行く羽目に。

さらに悪いことにそのわずか2日前エチオピアとエリトリアの国境戦闘が再開した。その影響でエチオピア航空の国内線は主要な観光地行きはすべてキャンセル。バスでの時間のかかる旅を強いられる。加えて日本の外務省からはエチオピアへの渡航延期勧告が出た。これは入国してから知った。エチオピアの日本大使館では非常事態に備え日本人向けに特別に緊急FM放送まで始めた。ぼくはパティスミスのアルバム「ラジオ・エチオピア」を思い出した。中学や高校時代このアルバムを聞きながらエチオピアってどんなとこなんだと想像を膨らませていたが気がつけば来ていた自分。パティスミスはアメリカのパンク系女性ロッカーだが、あまり女性ボーカルは聞かない僕の数少ないお気に入りの1人だ。特にブルーススプリングスティーン作曲の「Because The Night」はロック史上に燦然と輝く大変な名曲。中学の頃はじめて聞いたがこれほど聞く人の心を揺さぶる曲があるだろうか、とさえ感じた。そんな事を思い出したため今回のエチオピア旅行のテーマ曲になっていた。

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