Pt7

インターネットリアルタイム旅行記アフリカ編パート7

第四世界・マダガスカル

モロンダバのバオバブ並木

9月1日、矢沢さんとヴィランクロで別々のバスに乗ることになり、矢沢さんとの駆け足の、しかも楽しい旅が終る。ぼくはハラレに帰り、ハラレ・マダガスカルの往復激安チケットを230US$で買い、9月7日からアンタナナリボへ(空港でも楽勝でビザが取れたぜ。26US$)。ジンバブエではこの一年で貨幣価値が米ドル比で半分ほどになっており、しかもエアジンバブエでは他のキャリアに乗り継ぐ場合でもハラレ発は大幅な往復割引を実施している。アフリカを回るならハラレを拠点にしない手はない!
この間ハラレで知り合った日本人カップル嶋さん籔田さんといっしょに行く。さらに移動中知り合ったマダガスカル5回目という元ピンサロ店長佐藤さん49歳とも帯同。最初の数日はこの4人で行動する。

マダガスカルは「第7の大陸」とか「地球のへそ」とかいわれているらしい。一般にこういった途上国を「第三世界」ともいう。しかしケニアやジンバブエが第三世界でマダガスカルも同列というのはどうも違和感がある。この国を端的に表現すれば「第四世界」だと思った。

藤堂、スリに遭う!!(ただし未遂)

で、僕ら四人はホテル・ロジェというところにチェックイン。2人ずつ相部屋で一部屋40,000マダガスカルフラン(FMG)。7ドルほど。これはこの国では結構高い。しかも宿はぼろいのだ。翌朝着いた早々貧しい国の洗礼が待っていた。4人で朝食に行く途中乞食と見せかけた子供数人のスリがぼくのポケットに手を入れてきたのだ。幸い佐藤さんが気づき、被害はなかったが財布は路上に転がり一部紙幣も散乱しヒヤリとする場面だった。治安も悪くないと聞いていたし、この国5回目の人もおり、しかも4人グループで、無事ビザなしでも入国出来て、正直安心感と油断があった。これを教訓に気をつけねば。この後はもっとたちの悪い国が控えている。油断大敵だ。

飯は旨い。米が主食なので日本人の口に合う。しかも安い。大盛りのぶっかけご飯が1500〜3000FMG。だいたい、30円から60円。これはもう病み付きである。

佐藤さんは結構な道楽ものだ。飲む打つ買うの3拍子。いや博打はどうか知らないが、酒は好きだし夜になると50歳前にしてディスコへ繰り出し、売春婦を物色する。私は飲まない打たない買わないの3ない運動実施中のうえガンジャも煙草も吸わない、の模範的バックパッカーなので今回もパスしたがまあ、佐藤さん見た目に反して凄いもんだ。佐藤さんは近日刊行される新妻カオルさん著のマダガスカル紀行文(題名未定)に「ピンク佐藤」の名で登場するらしい。詳細はそちらで。そうかと思えば絵も描くし、アウトドアラーでもある。完璧なキャンプ装備を持っており、ホテルで勝手にコンロで飯を作り振る舞ってもらったりもした。

ずるずるタナことアンタナナリボに3日滞在した後もう少しタナで遊びたい佐藤さんを除く三人でミニバスでバオバブをみるべく西海岸のモロンダバへ。まずタナの真下のアンチラベで一泊。バスはここまで15000FMG。ここは3人一部屋でシェア。なんとリュックの肩掛ストラップが解れかけてきた。こんなとこで買い換えたら金もかかるし品質のいいものは買えない。そこで仕立て屋で修繕してもらった。僕らの泊まったホテル・タントリーのすぐよこで500FMG。これで一安心。ついでに穴の空いたズボンも直してもらった。4ヶ所で4000FMG。80円ほどか。ホテルは3人で35000FMG.

走り出したらすぐ止まるぜ♪(土曜の夜の天使さー横浜銀蝿とは大違い)

翌日温泉(500FMG、木曜以外の午前中で個室のバスタブがあるだけ)に浸かった後、午後2時タクシーべーと呼ばれるステーションワゴンで一路モロンダバへ(42,500FMG)。車は30年落ち確実なプジョー404。メーター動かない。で、すぐにお約束のパンク。パンク自体は30分ほどでスペアと交換できたが、晩飯のためストップした町でパンクしたタイヤの修理が始まった。交換したタイヤもつるつる。またいつパンクするか分からない。このまま発進できないのは当然だが2時間以上も待ち、いったい何してるんだろうと見に行くとなんと延々と1時間かけて自転車の空気入れでパンクしたタイヤに空気を入れているではないか。これにはもう言うことがない。怒ったってしょうがない。これがマダガスカルなのだ。悪い道、悪い車、悪い部品、悪い整備体制で彼らなりにやっている。日本の尺度でものを見たってお互い不幸になるだけだ。ケニアやジンバブエとも違うのだ。時間がないなら苛々せず行くところを減らせばいいだけだ。

で翌9月12日朝6時ようやくモロンダバに着き午後バオバブに。タクシーべーで知り合ったベルギー人の男と計4人。タクシーをチャーターし4人で100,000FMG。Sacred Baobab, Baobab Alley, Baobab Belovedの3つがポイントだが、それ以外もバオバブのある風景は実に味がある。昔大学の友人で「煙突のある町」が好きな田中君という人がいたがその感性に通じる風情がある。ここもまたアジアでもアフリカでもないマダガスカルならではの風景だ。苦労の末、来た甲斐があった。モロンダバもマダガスカルでも特に物価は安いし飯は旨い。蝿は多いがいいところだ。宿、ド・ラ・プラージュも21000FMG。水しか出ないがシャワーも十分使える。

ちょっとマダガスカルの交通事情がわかり時間的に苦しくなったぼくは嶋さんたちより先に島の南端フォートドファンを目指す。同じく午後2時夜を徹して走り、今回は少し早く朝2時すぎに着く。車で仮眠の後ぼくはフィアランツオアという町へ。5時間少々で30000FMG。ここでフォートドファン行きのバスを待つ。フィアナランツオアは一番寒い町ではあったが坂に面して町が作られていて煙突の町が好きな田中君ではないが、長崎や尾道といった坂の町が好きなぼくには悪くない。近くでみるとごみや汚れが多く小汚いが丘の上から町を見ると結構いい絵だ。ラダマホテルという中級ホテルに奮発して泊まった。なんせ前1日後2日車中泊。しかも狭いタクシーべーとバスで悪路。疲労回復と体力温存は絶対必要だ。高いといっても53,500FMG.部屋の素晴らしさの割には高くはない。

またこのホテル内のエアマダガスカルでフォートドファンからタナへのチケットを買う。いま外国人料金がなくなり大幅に安くなっていて85US$。でもここではFMG払いのみ。しかも国際線利用者には大幅な割引があるという旅行人ノートの情報もエアマダガスカルのパリータナ間利用者のみ適用だそうだ。

お約束どおり、0時に来るはずのバスは来ない。夜が明けても来ない。11時間待った。もう時間がない。マダガスカルからは23日に帰らねばならない。待合所で知り合ったイギリス人イアンとしかたなくトリアラにいったん入り、そこからフォートドファンに行くことにした。

フォートドファンに行くのは近くにあるベレンティという保護区で原猿(シファカ、ワオキツネザル、アイアイなど。)をみるためだ。そのためにこの後大変な苦難が待ちうけているのだが、ぼく自身たかだか猿なんぞ見ようが見まいがどっちゃでもええと思っていた。ドファンへ行こうとしたのは今回初の外人同行者イアンとの道中が楽しそうだっただけである。だいたいぼくが旅行先で観光スポットに行くのはそれ自体の魅力より、人の集まるところ出会いとエピソードがあるからだ。観光スポット以外では本当になにも起こらないときがままある。観光スポットでももちろんなにもイベントが起こらないときはある。そんなときはどうするか?もちろん景観そのものを原点に帰って楽しめばいいのである。

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