■◇■僕のおしゃべり 00.05.12 Vol.3 ミレニアムベル

 またマイク・オールドフィールドの話をするね。以前BUCHAN通信のNo.00097でも書いたけど、CDショップで新作を見つけてしまったの。タイトルは「ミレニアム・ベル」。三作のチューブラーベルズの延長線上にあるものと思ってわくわくしながら買ったんだ。

 曲はいままでの「チューブラーベルズ」とはまったく違い、似たフレーズはほとんどなかった。内容はエニグマやディープ・フォレストのようにワールド・ミュージックになっている。いままでもケチャやアフリカン・ドラムを取り入れてきたマイク・オールドフィールドだけど、今回の「ミレニアム・ベル」はさらに拍車をかけてワールド・ミュージックぽくなっている。ライナーノーツによればこの曲を作るために世界中を旅したとか。しかし残念なのは東洋がまったく登場しないところだ。確かにミレニアムと言うのはキリストの生誕に関係があるのだから、東洋が登場しないのは当然と言えば当然だが、西洋だけが世界を動かしてきたわけじゃないよと文句を言いたくなった。でも、マイク・オールドフィールドに東洋の血が流れていないのだから仕方ないっちゃー仕方ない。(笑)

 マイク・オールドフィールドというアーティストはそんなに有名ではない。しかし、好きな人はすごく好きなのだ。なんとオールドフィールド・ミュージック・シンポジウムなるものも日本で開催されたのだとか。

<http://www.246.ne.jp/%7Ehasegawa/mike/meeting.htm>

 マイク・オールドフィールドをサーチすると凝ったホームページが出てくる。以下にいくつか紹介しよう。これをきっかけにマイク・オールドフィールドの世界を楽しんでみてね。

マイク・オールドフィールド レビュー
<http://www.246.ne.jp/%7Ehasegawa/mike/oldfield.htm>

おまどーん
<http://www.ommdawn.cup.com/>

Moonshine
<http://www.mars.dti.ne.jp/~tanig/index.html>

オフィシャル・ホームページはDark Starという名前だ。
<http://www.mikeoldfield.org/menu.htm>

 ミレニアム・ベルと一緒にメッサというグループの「レクイエム」というアルバムも買ったよ。これもエニグマ、ディープ・フォレスト系のアルバムだ。それ系が好きな人にはお勧め。以下のURLに行けば視聴もできるよ。

<http://www.dream-musicnet.com/>

 いきなり話は飛ぶけど、21世紀になると多くの人が悟りの道を歩み出すよね。いまでさえもうすでに瞑想が普通のことになりつつある。宗教もいままでの形をそのまま保つのは難しくなっていくだろう。日本人は長い間無宗教のように見えていた。でもみんな初詣には行くし、迷信を信じている。それに似たキリスト教圏の人たちが現れはじめているらしい。神は信じないけどX-Fileは好きみたいな人。宇宙や生命の神秘が暴かれれば暴かれるほど、自然の神秘は底の深さを見せてくれる。その底の深さを知った人はいままでの宗教では括れなかったある価値観へと進んでいく。その価値観はまだ姿を完全には顕してはいない。宗教学だけでも、記号論だけでも、トランスパーソナル学だけでも、民族学だけでも、生物学だけでも、物理だけでも表現できない不思議な価値観。

 シンプルな表現にしよう。人類は宇宙の歌を聞き始めたのだ。宇宙の歌は完全な調和でもなければ、単なる混沌でもない。

 仏陀は話をする相手の理解力によって話を変えた。そのことを仏教用語で方便と言う。人類は宇宙を知るために自分たちで方便を作ってきた。それが宗教であり、科学であった。人類はどんどんと宇宙に対する理解力を上げてきた。それに連れ方便もだんだんと高度なものとなっていく。そしてある時から方便を手放して、単に歌のようにして聞き出す。歌には意味が込められているようだが、必ずしも込められているわけではない。にもかかわらずその歌に感動することがある。

 僕は宇宙は決して理解しきれないものだと思っている。どんなに理解しても、それは宇宙の一面でしかないと思うのだ。別の理解の仕方を宇宙は待っている。そんなことを多くの人が感じているだろう。もちろん宗教者も感じているはずだ。21世紀に宗教者たちは宗派を越えた連帯を生み出すだろう。それはそれぞれの宗派の終わりを意味するわけではない。人類が多くの視点を持つことを意味する。

 インターネットが普及し、世界中が英語に支配されるというようなことを言う人がいるが、それは間違っている。言葉が違うと見えてくるものが違う。人類が多くの言葉を存在させればさせるほど、多くの視点を持つことができる。

 ネットが発達して互いのプライバシーがなくなっていくと心配する人もいるが、プライバシーが失われるほどの多くの視点を正しく持つことによって人は互いの心を鏡とし、自分の心を知り始める。

 音楽が国境を越えて混ざり始めているのは、そのようなことの前触れだ。だから、ミレニアム・ベルには東洋の音楽も入れて欲しかった。芸術は未来を模倣するのだから。

    

僕のおしゃべり

tsunabuchi.com