馬飛び

 小学生の頃、よく馬飛びをした。

 馬飛びはふたつのチームに分かれて戦う。守りのチームはリーダーが柱や壁を背にして立つ。馬の先頭はリーダーの股のあいだに頭を入れ、地面に手をつかずに四つん這いのような格好になる。次の馬は前の馬の股のあいだに頭を入れ、順次それを繰り返す。

 攻めのチームは守りのチームの準備ができたらリーダーから馬に飛び乗る。このとき一番弱そうな馬の上にたくさん乗り、馬をつぶすことができれば攻めのチームの勝ちとなる。

 もし最後の一人が乗っても馬がつぶれなければ、リーダー同士のじゃんけんで決着をつける。

 守りのチームはとにかくぎゅうぎゅうと背中に乗られ、馬がつぶれないようにと前の馬の股に頭を強く突っ込むために、上から圧迫され、前後からも圧迫されることになる。この感覚がつらいけど気持ち良いのだ。耐えて耐えて耐える感覚がとても楽しかった。

 攻めのチームは馬に飛び乗る際にスリルを感じる。弱い馬がずっと前にいたとしたら、そこまでの距離を飛んでいかなければならない。

 馬飛びの最後は、攻めチームは馬から落ちてはいけないので、馬にしがみつく。守りチームはつぶれては負けなので必死に踏ん張る。このスリルが楽しかった。

 馬が解体して解放されるときの気持ちよさも格別だった。

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