Macintoshのおとし穴

-「Macを選んでよかった」と思うためのQ&A100-


第三章 システムの「おとし穴」





○Multifinderにすべきか、せざるべきか
・System7では、もはやMultifinderが標準となった。
・これをみてもわかるように、通常はMultifinderで使うべき。
・逆に、特別な場合にのみsinglefinderで使うと考えたほうがいいだろう。
・特別な場合とは、Excelで超どでかい表を扱うときとか、一部のMIDIソフトのようにMultifinderとの相性が悪い場合など。
・あと、plusとか、SEとか、classicとか、旧式や非力な機種を使うときには、少しでも処理を軽くするためにsinglefinderで使うほうがいいだろう。

○仏の顔は一度まで
・Macといえば、なんでもundoが可能とおもっているヒトが多い。
・しかし、システム関係のセッティングには、一度変えてしまうと、簡単にはもとに戻せないというモノも多いのだ。
・とくに、コントロールパネルで選ぶ各種の設定は、前の設定を自分で覚えておかない限り、もとには戻せない。
・簡単に戻せるから、という軽い気持ちでいじって、もとの設定を忘れてしまうこともよくあるから、気をつけよう。
・ちなみに、アプリケーション上のundoも一度だけという場合がふつうなので、救われるのは、すぐに気づいたうっかりミスだけ。
・そうなんでもかんでも許してくれるわけではないのだ。

○読めばどこかに書いてあるが…… -不親切なシステムマニュアルだが-
・直感的でわかりやすく使いやすいMacのシステムだけど、そのマニュアルとなると、これはちょっとNG。
・英語版でも、日本語版でも、決してわかりやすくはない代物だ。
・しかし、Macの操作はすべてプルダウンメニューを試してみればわかるというものではない。
・たとえば、文章などで1画面に入らない範囲を選択するときは、選択はじめの部分を選んでおいて、選択おわりのところまでスクロールバーで飛ばし、シフトキーを押しながらおわりの部分を選択する。
・これなんか、Mac共通の基本操作だけど、マニュアルをよまないとかいてない。
・こういうコトはどうしたらできるのかな、と思ったら、まずマニュアルをみてみよう。
・よみにくく、探しにくいけど、どこかには書いてあるはずだ。

○OSもマメにバージョンアップしよう
・かったときにシステムをインストールしたまま使っているヒトも多いのではなかな。
・Macの場合、systemがバージョンアップするたびに、いろいろな機能の改良が行なわれている。
・そして最新のアプリケーションは、最新のシステムの機能を前提に作られているのがふつうだ。
・だから、古いバージョンのシステムのままじゃ、最新のアプリケーションがうまく動かなかったり、充分に機能を発揮できなかったりすることも多い。
・だから、システムのメジャーバージョンアップが行なわれたら、さっそく入手してインストールしなおそう。

○システムはいくついるの?
・本当はあまりすすめていないんだけど、一つのディスクに日本語と英語など、複数のシステムフォルダをつくって、システムスイッチャで切り替えて使っているヒトも多い。
・最近は、アメリカ直輸入のソフトも日本語版のシステムでも動くモノが多いから、あまり必要ないかもしれない。
・しかし今でも複数のシステムを入れて、切り替えて使ったほうがいい場合もある。
・一つは、複数の人間が、一台のマシンを使いあう可能性がある場合。
・こういうのは本当は避けたいんだけど、今の日本のオフィス事情では、まま避けられない場合もある。
・こういうとき、一番セットアップが違うのはシステムだから、各人ごとに自分用のシステムフォルダを作って、自分専用のセットアップで使うというのがいい。
・あと、一部の音楽ソフトのように、INITやCDEVにたいしてとても神経質なものは、専用の最低限のモノだけ入れたシステムを作って、切り替えてやる必要がある。
・System6.xxとSystem7.xxというように、システムの過渡期には、古いシステム専用のソフト、新しいシステム専用のソフトと、両方を入れておく必要がある場合も多い。
・こういうときにも、複数のシステムが必要だ。
・まあ、System Switcherがまったく不要になる日は、まだちょっときそうにない。

○プルダウンメニューだけですべてが使えるわけじゃない
・MacといえばGUI、ということで、すべての操作が画面上のマウスの操作で処理できると思っているヒトも多い。
・いいかたを変えると、マウスでできる機能しかそのアプリケーションが持っていないと思っているヒトも多いのではないか。
・しかし、もともと複雑な機能の指示は、マウスでメニューから選ぶだけでは難しいものも多い。
・ページレイアウトとか、フォントのポイント数とか、基本的なものはメニューからも選べるが、特殊な指定は、それようのBOXを開いて、数値などでインプットしてやらなくてはいけないのがふつうだ。
・「これはできないのかな」と思う前に、もう一回マニュアルをよんでみよう。どこかにやりかたがあるはずだ。

○キーボードショートカットはマウスより便利
・ワードプロセッサなどは、入力時の作業のほとんどがキーからの文章をインプットだ
・だから、選択とか、いろいろな操作の指示とか、いちいち手を離してマウスやトラックボールでするよりも、それらの操作をキーボードから指示できるショートカットを覚えると、とても操作が楽で速くなる。
・同じように、日本語入力フロントプロセッサも、MacVJEのようにすべての操作をキーボードのホームポジションからタッチタイプで処理できるタイプのほうが、慣れるとずっと操作しやすくなる。

○システムもダイエット
・あなたのシステムはどのくらいの大きさかな。
・ディスク上のフォルダの大きさをチェック。
・メモリ上での大きさをチェック
・ムダをやっていませんか。
・余計なフォント、DAはFONT/DAMoverで削除。
・使っていないINIT、CDEVはシステムフォルダから外す。
・ディスクの整理のたびにシステムの垢をおとすようにしましょう。

○RAMキャッシュは使ったほうがいいの
・ディスクアクセスが多いプログラムが動いているときに、処理スピードの向上を図るにはRAMキャッシュは有効。
・日本語入力フロントプロセッサは、変換のたびに辞書アクセスがあるので、ディスクアクセスの多いソフトの典型。
・だから日本語処理を速くしようと思ったら、キャッシュを大きめにとっておくと有利。
・グラフィックソフトなどで、ワークファイルやテンポラリファイルをディスク上に作るものも、スピードアップになる。

○漢字TALKのキャッシュはどう使うか
・ディスク上のフォントをメモリ上のキャッシュにおいておくもの。
・メモリ上にあるフォントなら、表示は桁外れに速い。
・ふつうの文章で使う文字の種類なんてそんなにない。
・だから、これこそメモリが許すぶん大きめにしよう。
・特に遅いマシンほど効果絶大。

○本当にメモリが足りないの?
・なぜアプリケーションのメモリが足りないといわれるの。
・Macは、システムが使うのメモリのサイズは、セットアップの内容によって大きく変わる。だから、システムでメモリのムダ使いをしている場合が多い。
・いらないフォント、いらないDA。いらないINIT、いらないCDEV。なるたけ外してシステムをスリムにしておこう
・あと、Multifinderを使っている場合や、System7の場合、Application Memory Sizeはいくつ。これを書き換えるだけで、大きなデータも扱えるようになったりするよ。
○システムヒープが足りないって何なの
・システムヒープを広げるコトをすすめる本もあるけど、初心者の場合は、やめたほうがいい。
・これも、いらないフォント、いらないDA、いらないINIT、いらないCDEVをなるたけ外してシステムをスリムにしておけば、悩まされることはない。

○しろうとさんにResEditは禁物
・Macの雑誌で興味を引く記事に必ずでてくるのがResEdit。
・ごく簡単に、アプリケーションをいろいろ改造できそうな気がしますよね。
・それらの記事の中身は、たしかにごくごく基本的な操作に近いこともあるけれど、同じようにみえても、実はかなりハードな改造だったりすることもあります。
・ある程度、Macの構造や、アプリケーションの仕組みを理解していないと、とても恐いこともあります。あまり安易にResEditを使うのは考えモノだ。

○安易なリセットは危険です
・中途半端にDOSの経験のあるユーザだと、トラブルがあるとすぐリセットするクセのあるヒトも多い。
・Macは、電源Offも直接スイッチを切るのではなく、ソフト的に、各種終了操作をすましてから終了するようになっていることからもわかるように、途中で電源を切ったり、リセットしたりするとファイルをこわしたり、いろいろなトラブルを引き起こすもとになりがちだ。
・DOSマシンでもそうだけど、ひと通り対策を試してみて、本当ににっちもさっちもいかなくなった場合以外、リセットはかけるべきではない。

○アラートへの過剰反応にご注意
・初心者の場合、でてきてアセるのがエラーメッセージ。
・Macの場合、これはアラートボックスとしてでてくる。
・だが、これが意外とよくでてくるので、びっくりしてしまうヒトも多い。
・でもそんなコトはない。恐いのはおなじみの爆弾マークのヤツだけで、それ以外は単なるメッセージ。恐れるに足らない。
・爆弾のヤツでも、すべてがすべて致命的というワケではない。
・アプリケーションの使用中にでてくるヤツのなかには、復帰可能な場合もあるので、こういうときには復帰し次第必要なデータをセーブして、リスタートしよう。

○英語版のFinderを使ってみよう
・Macのfinderは、英語版でも、日本語版でもどちらでも同じように動くし、機能もかわらないし、単にメッセージが違うだけ。英語版でも日本語のソフトは使える。
・漢字talkには、option+Eを押しながらスタートすると、漢字talkを飛ばして、英語版と同様の環境でスタートアップする機能がある。
・この機能をよく使うヒトなら、finderを英語版にしておけば、ほぼ英語版のシステムと同様の環境でつかうことができる。
・そうでないヒトも、なんかスタイリッシュなのでやって損はない。

○起こってみないとわからないトラブルもある
・Macのトラブルには、各機種のハードとアプリケーションとの相性とか、システムとアプリケーションの相性というように、基本的な組み合せの問題としてうまくいくかいかないかというものの他に、微妙な相性の問題というものもある。
・基本的には動くんだけれど、ある機種である特別な条件のもとで、特定の操作をしたときだけハングアップするというようなトラブルも、けっこう多い。
・極端な場合、自分のシステムセッティングのもとでしか起こらないトラブルとか、微妙なタイミングの関係がカラんでいて、必ずしも再現しないトラブルというのもある。
・こういったトラブルを防ぐには、まずやってみるしかない。
・安定動作に不安がある場合には、ある程度の時間動かしてみて、ほぼ大丈夫そうになるまでは半ばテストとして、マメにバックアップを取りながら使ってみるのがよいでしょう。

○邪悪なフォントは使わない
・1バイトかな
・機種依存文字
・これらの文字は機種間で共通性が保証されていない。
・誰ともデータを交換する可能性がないのならイザしらず、ネットワーク環境も組みやすいMacの場合は、データの共通性に気を払おう。

○スクラップブックの利用法
・うまく使うととても便利なのに、意外と活用していないのがスクラップブック。
・どんなデータでも入るし、名前を変えておいてシステムフォルダにおいておけば複数の違ったスクラップブックも同居できる。
・アイディア次第でいろいろできるね。

○おかしくなったらインストールしなおそう
・フォントを入れたり外したりしたり、フリーソフトウェアなどでいろいろカストマイズしているウチに、もとに戻らなくなってしまうこともしばしばあるのがシステムの恐いところ。
・特にたちあげ時に原因不明の爆弾がでる場合などは、システム自体が壊れてしまった場合も多い。
・そんなときには躊躇せず、システムを再インストールするのがベストだ。

○アルファベットや数字・記号は「1バイト文字」を使おう
・Macで使える文字セットの中には、アルファベットや数字・記号は1バイト文字と2バイト文字の両方がある。
・検索やデータ互換を考えると、アルファベットや数字・記号は1バイト文字を使うことが望ましいが、それだけでなくMacの場合は、1バイト文字だと豊富にある英文用の書体が活用できるメリットもある。
・MacVJEや、KATANAなどの日本語入力フロントプロセッサはこのへんも気を使ってあるので使いやすい。

○Macが立ち上がらない、どうしたらいいの
・一瞬、壊れたのかなと思うときでも、アセってはいけないぞ。じつはちょっとしたトラブルというだけのコトもよくある。
・症状に応じて落ちついて対応をとろう。
・緊急時に最小のシステムでフロッピイからたちあげられるよう、救急用ディスクを作っておこう。

(92/04)



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